投稿者: 紅狐

きつねです

MINDHACK : シーンタイトルを振り返る

皆さんこんにちは。メインシナリオと技術もろもろ担当、紅狐です。

突然ですが、MINDHACKにはシーン毎のサブタイトルがあるのをご存知でしょうか。
本編の章名は『Case XX : だれだれ編』という言い方をしていますが、これが各話の中でScene1~5まで分かれているのです。

タイトル画面からアクセスできる、チャプターセレクト画面から見られるコレ。

うーん、今日はなんだか章だなー、章って気分だなー! せっかくなので過去のサブタイトルをまとめて振り返ってみましょう。それではレッツゴー。

※なお、この記事には本編のネタバレが大いに含まれております。ご注意ください!

 

 

Case 01 : ユーニッド編

記念すべき最初の章。

Scene1 事故のあと

オープニングムービーで発生した事故の翌日、つまり事故のあと。このお話のザ・スタート地点ですね。

 

Scene2 欠員補充

隊長に連れられてデバッグルームへ向かう先生が、新米隊員と初めて出会うシーン。新米くんがなぜ新たにやってきた「新人」なのかを示しています。前の人はどうしたって? それは……

 

Scene3 ギャングのキング

ブラックサンシャインことユーニッド初登場。
作中でも「俺はヘッド、つまり、キングだ。つまり、王だ」と親切にわざわざ言い直してくれているのでわかりやすいですね。実は「俺はギャングのキングだ」とは言ってないのであった。

 

Scene4 接続と処置

これはマインドハックという施術の流れに必ず発生する「接続」と、そこから行われる「処置」のこと。

 

Scene5 ウニを丸めた

丸めました、ウニを。そりゃあキレイに丸まっちゃってもう。「ウニを丸めた」はBGM「Softened Spikes」の曲名のもとにもなった。
MINDHACKという作品を象徴するようなシーンでもあります。最後に起きる出来事も印象的。

 

 

Case 02 : イーヴリッグ編

開発チーム(というか私)はヤマムラのことを常にヤマムラと呼んでいるせいで、とっさに第2章のことを言おうとするとつい「ヤマムラ編」と言ってしまう。イーヴリッグ編です。

Scene1 ライスかパンか

なにがライスかパンなのか? FORMATのこのセリフからです。

「ですからあなたには…… この施設で、あなたにだけ…… 選択の権利が与えられています」
「そう……」
「昼食を、パンにするか ライスにするかを!」

果たして人は主食を選ぶのか、選べないのか、選んだ気になっているだけで予め決められていることなのか。

 

Scene2 努力と才能

デバッグルームへ向かう途中、新米隊員くんと長めの問答をするシーン。第2章のテーマのひとつでもあり、第6章でもリフレインされる内容なのであった。

 

Scene3 キャビネット

MINDHACKを初めましての方に紹介する時「ギャングのヘッドを務めるウニ」はともかく、「自分をキャビネットだと信じる狂信者」については、だいぶ背景の補足が必要だよな……と毎度思っています。

 

Scene4 コウちゃんミキちゃん

「ヤン坊マー坊」「金さん銀さん」「助さん格さん」みたいな対の存在の言い方が好きなんだけど、ここで語られるヤマムラ兄妹には(兄の目線からは)差があり、対等ではない。

MINDHACKの英訳を担当してくださっている翻訳家の岩﨑さんにより、英語ではこの差を表現するため『Hopeless Ko-chan and Gifted Miki-chan(ダメダメなコウちゃん、才能あるミキちゃん)』としていただきました。

 

Scene5 人は変わる

「放っておいたって人は変わる。 どっちが正しいかは分からない。 他人に分かるのは味の好みだけだ」
「それでも、私も皆も、それを唐揚げ弁当と呼び続けるだろう。他になんと呼べばいいか、わからないから」

弁当を食べながら語る隊長の、このセリフからついたサブタイトルです。

 

 

Case 03 : シノ編

明日使えるサブタイトル豆知識:
シノ編Scene1~4のサブタイトルは、開発チームのササン三さんがつけたものだ!

Scene1 よいこのマインドハック

先生の幼少期がうっすらと明かされるシーン。果たして、少年マインドハック大会とは一体どういう何なのでしょうか。マインドハック施設には未来あるお子様が招待されることもある。

 

Scene2 お日様

ブラックサンシャインが丸まってサンシャインになっちゃった! ハック済ユーニッド(通称花ウニ)と新米隊員、ドタバタコンビ結成直後の一幕であります。

 

Scene3 最先端大容量記憶装置

つまり、フ ロ ッ ピ ーのこと。フ ロ ッ ピ ー はすごいんだぞ。窓のところをシャカシャカするのが楽しかったりとかさ(記録メディアをそんな風に乱暴に扱ってはいけない)。
FORMATはフロッピーディスクのことを「ディスク」といいます。多分現代だと、隊長はUSBメモリのことを「USB」って言うしFORMATは「フラッシュドライブ」とかで呼ぶ。

 

Scene4 小さな成れの果て

文字通りシノのことを指しているサブタイトル。第3章のクリア実績名にもなっています。
何からの「成れの果て」なのかは、本編でなんとなくわかる。
なんでこんなに小さく縮んじゃったのかは、スピンオフまんがを読むと絵でなんとなくわかる。

 

Scene5 柔らかくて曲がるもの

それは肘か、あるいは尻か。
暗に「固くて曲げようがないもの」……つまり更生対象をはじめ、人間の頑固な精神のことも表しています。

 

 

Case 04 : COM_Z編

ここまで「オフィス〜デバッグルーム〜更生対象のハック〜結果」という流れができあがってきたところですが、第4章では流れがだいぶ変わります!

Scene1 つかの間の休暇

第3章までは毎回FORMATによる呼びかけから始まっていましたが、ここでは初めてその法則が崩れます。マインドハッカーにも休みってあるんだね。そりゃ人間だからね。

 

Scene2 外へ行く人

このシーンでは施設の外の世界、すなわち玄関が描かれます。
とんかつ屋に行く隊長、ハックを受け施設の外へ帰るヤマムラと妹のミキちゃんに対し、先生は「外へ行かない人」なのだった。

 

Scene3 緊急指令!

「緊急指令」ってなんかSFっぽくてかっこよくないですか? 皆さんの初めての緊急指令はなんでしたか。私の初めての緊急指令は『メトロイドゼロミッション』のオープニングに出てくる文字列でした。FORMATによる秘密の緊急ミッションだから、やっぱ勢いつけないとね! と思い「!」がついた。

 

Scene4 アザトーサー2000

「2000」ってなんかSFっぽくてかっこよくないですか? 皆さんの初めての2000はなんでしたか。
「アザトーサー2000」は、英語では「CUTE-SY 2000」になっています。かわいいね!

 

Scene5 日頃の行い

結果に出ますよね、日頃の行いが。実はこのゲームBAD ENDがあります。

 

 

Case 05  : ヒューゴ編

明日使えるサブタイトル豆知識:
ヒューゴ編のシーンサブタイトルは全部SF作品のオマージュになっている!

Scene1 幼年期の続き

小説『幼年期の終わり』から。終わってないんですねこっちは。

 

Scene2 影が行く

ヒューゴ編の土台にあるのは映画『遊星からの物体X』。しかしこのシーンサブタイトルはちょっとヒネた引用で、『物体X』の原作小説の題名が『Who Goes There?(影が行く ……直訳は「そこを行くのは誰だ?」)』なのでした。

 

Scene3 未知との遭遇

引用元は映画『未知との遭遇』から。『E.T.』『エイリアン』とも悩んだが、どちらもあまりにも字面から思い浮かぶキャラクターのイメージが強すぎるのでこちらに。第5章のサブタイトル考えるの全体的にめちゃ楽しかった。ちなみに『エイリアン』は実績の名前になっているぞ。

 

Scene4 冴えたやりかた

小説『たったひとつの冴えたやりかた』から。「絶望的な状況から解法を考える」という点で小説『冷たい方程式』とどっちにしようか悩みましたが、追い詰められた先生がひらめく手法とは……という点でこっちになりました。
『冷たい方程式』は、その悲劇的な結末から「この状況をなんとかして解決してやる!!」という後続のオマージュ作品がいくつも作られたそうです。

 

Scene5 それでも俺は叫ぶ

小説『おれには口がない、それでもおれは叫ぶ』から。話の内容の類似というよりは、シーンの最後の展開(知的言語を話さなくなったヒューゴの叫び、そして悪人の名前を呼んでしまう新米隊員)をふまえて引用しました。
『おれには口がない、それでもおれは叫ぶ(I Have No Mouth, and I Must Scream)』は、原作者監修のもとがっつりゲーム化されている! MINDHACKもゲームなので引用としてもぴったりじゃないか! と思って……結構エグめグロめの内容なので検索時はご注意ください。

 

 

Case 06 : 新米隊員編

この章のサブタイトルは、全体的にCase 01のリフレインになっています。

Scene1 変わらぬ日常

『事故のあと』に対して、アクシデントのなかった変わらぬ日常。本当にそうか?
大きな選択肢で「マインドハッカー」であることを選ぶルートでは、特にこの章全体が『変わらぬ日常』であることが強調されます。

 

Scene2 頑張りの成果

ここはCase 01ではなく、Case 02で段ボールを抱えた新米隊員くんと対話するシーン『努力と才能』からの引用になっています。

 

Scene3 欠員ふたたび

『欠員補充』に対しての『欠員ふたたび』。

 

Scene4 お前に何がわかる

これまで、各章で『ギャングのキング』『キャビネット』『小さな成れの果て』『アザトーサー2000』『未知との遭遇(は、ちょっと変則か)』……と、その章の更生対象を指すサブタイトルをいろいろつけてきました。

そしてこの章では新米隊員ことコマゴメを一言で表すなら何だろうな……? と結構長い事考えていたのですが、本編を読み返していたら本人のこの言葉が返ってきて「これだな……!!」となりました。そしてこれは、何かと相手を断定しがちなコマゴメ自身に対して向けられる言葉でもあります。

 

Scene5 痛み

「マインドハッカー」を選んでも、「魔王」を選んでも、このサブタイトルは同じです。違うサブタイトルにすることもできるんだけど、それぞれのルートに異なる痛みを感じるような分岐になっているので、あえて共通にしました。

 

 

↑セーブファイルからもサブタイトルが見られる。

 

 

 

いやー振り返った振り返った。6章かける5シーンで30個もあったね。意外な豆知識もあったでしょうか。
さて、ここで、開発中のCase 07のシーンサブタイトルをひとつ先行オープンしてしまいます!

 

「記憶を見る」

 

だ、誰の記憶見るのお!?

 

 

この人かもしれないし、別の誰かのかもしれない……(そしてこちらはさりげなく初出しの画像!!)

一体どんな話なんだ、第7章は! 乞うご期待!! 今後ともよろしくお願い申し上げます。

開発日記:シノ立ち絵のコラム

こんにちは。MINDHACKアート担当のホでヴです。
シノのデザインコラムの時間ですよ。
シノは他のキャラクターとちょっと違って、最初に開発チームのササン三さんがラフを描きました。そのラフに沿ってホでヴが清書した形です。

じゃん。ササンさんのラフです。清書とあんまり違わないね。

清書するとこんな感じ。
全体のバランスを整えて、バグ変異体なので帽子の飾りは三角に変更しました。
以降のポーズはこれを基準に仕上げていきました。
元旧ホットフィックス隊員なので帽子に古いマークがついています。

 

COM_Zの手に付いてる旧マークと違うのは何故かというと、帽子に上から貼り付けてたパッチがバグの衝撃で焼き付いたイメージにしたかったからです。衝撃の強さを表現したかったと言いますか……デザイン的な理由ではそんな感じ。

服が残ってるのにパッチだけ焼き付くのはなんでやねんとか思ったけど、バグ変異体自体が一度バラバラになった精神が再生された形なので、細かい部分が曖昧になっているんだと思います。

清書の上で大事にして欲しいと言われたのが「表情をそのまま描いて欲しい」ということ。
なるべくそのままの印象になるように気を付けて描きました。
違いを見つつ解説を入れてみます。

 

ラフの足は細めですが、最初の基準の絵に合わせて丸っこく太めに統一しています。
ラフの時点で、帽子というより耳っぽくなっていて可愛い。
あとは正面左の耳飾り的布がシルエットを邪魔しているので体から離しました。

 

ふーんだ のシノ。ラフ時点では手が内側になっています。
内側も可愛かったのですが他のポーズとの兼ね合いで外側に移動。
ラフの表情が可愛いのでそのままいきたかったのですが、顔の部分の幅を合わせる為泣く泣く修正。顔のバランスがいきなり変わるとノイズになっちゃうからね……

 

これはラフからかなり変わったもの。
横を向いている絵でしたが、MINDHACKはプレイヤーと目の前の人がお話するゲームなのでなるべく正面からズレないように調節しました。1対1でお話しているとなかなか真横を向く事はないかな~など、どうすれば自然な表情やポーズになるかを考えています。

 

お花が咲いたシノ。こちらは後の先生の行動をやり易くする為に左目位置から右目位置へ花を移動。
一つ一つバラバラに仕上げるのではなく全体のシーンを考えつつ仕上げています。

 

それではここでお楽しみ!ラフから採用されなかった没絵のコーナーです!!

不敵に笑うシノ。こちらは似た感じの表情が他にあった為採用されませんでした。
わざわざこのポーズをとる意味のあるシーンが無かった……
躍動感があって可愛いんですけどね~

弱るシノ。こちらはポーズが少し弱かったので不採用となりました。
帽子が大きくて可愛い。
実際のポーズはこちら。

苦悩っぽくなりましたでしょうか?

こちらは超初期の、鎌が武器だった頃のシノ。

鎌は映えるしマジでめちゃくちゃ良かったんですけど、旧ホットフィックス時代斥候だった事を考えると「死神みたいな鎌持って斥候は無理だろ」となったので変更になりました。

帽子の布がナイフに変化するのはシルエットがゴチャゴチャしない為もあるけど、ちょっとしたギミックがあると嬉しくなるから(自分が)

こんな感じでしょうか?

では、まったね~

MINDHACK:プロモーション用トレイラーを振り返る

皆さんこんにちは、いかがおすごしでしょうか。
MINDHACKのメインシナリオと技術もろもろ担当、開発スタッフの紅狐です。本職が映像編集者なので、新しい章がリリースされるごとに各トレイラー映像も作っております。

第7章の開発も順調に進行中!
謎の球体やミニマスコットやライチョウが飛び出し、毎週「一体次の章はどうなっちまうんだ……!?」と、頭の上に大きなハテナマークを浮かべつつ、システム部分の開発を進めております。
(ご安心ください、第7章もちゃんと天才マインドハッカーが大活躍します!)

さて、MINDHACKも気づけば次はいよいよ第7章。なんだかんだでお話も佳境です。
ここで、これまでのトレイラーを一気に振り返ってみよう!

※なお、一部本編のネタバレを含みますのでご注意ください。

 

 

トレイラー(トレーラー)とは……

トレイラー、つまり映画でいう予告編。PV(プロモーションビデオ)ともいいます。

トレイラーが公開される時点では、まだ自分たち以外に章の全容を知っているかたはいないという状態です。

MINDHACKはお話がメインコンテンツになるアドベンチャーゲームなので、いかに「ネタバレを避けつつ、わかりやすく、面白そうに見せるか」がトレイラーの肝。

やっぱり一番見せたいところは一番盛り上がるところなのだが、それってお話の一番重要なシーンでもあり……! そう、トレーラーの編集とは、常に「どこまで見せていいか」……ネタバレ度合いとの戦いなのである。

 

 

MINDHACK 紹介トレーラー

 

おそらく過去もっとも多くの人の目に触れたであろう、最初にして一番スタンダードなトレイラー。

最初の15秒間でMINDHACKというゲームの雰囲気や魅力が伝わるよう、

・悪人の頭をお花畑にするよ

・手がアニメーションで動くのが特徴だよ

・こういう感じのキャラクター・世界観のテキストアドベンチャーだよ

ということがわかるようになっています。MINDHACKといえばこれ、の要素です。

手! お花! そして人格破壊!

本編の第一章自体がこのゲームの紹介そのものでもあるので、トレイラーも第一章のダイジェストのようなイメージです。最後のカットにヒキもあり、「こういうゲームですよ」が最もわかりやすいトレイラーですね。

 

MINDHACK 紹介トレーラーその2

こちらは第二弾。

さて、内容はだいたい最初の映像と一緒ですが、どこが変わったでしょうか。

正解はイーヴリッグがいる!

……だけではなく!

よく見るとマインドハック中の演出が第一弾よりだいぶ豪華なことがわかります。

最初のトレイラーの頃はまだ本当に第一章しかなかったし、なんなら遊べるプラットフォームがSteamですらなかった。(ファイル共有ストレージに体験版のZipファイルを置いていた……)

この「その2」は、晴れてSteam体験版デビューした際のもの。その際に追加された様々な追加要素が映像にも反映されたのでした。

つまり新キャラクターであるイーヴリッグと、新要素のEXTRA資料、そしてオープニングムービー! より盛りだくさんになりました。

MINDHACK 紹介トレーラーその3

 

こちらは記念すべきアーリーアクセス開始時のもの。なんだかよりゴージャスになった!

当時、Indie Live Expoというオンライン番組のプレミア公開コーナーで取り上げていただいて、「この放送のあとすぐ配信開始!」というのをやったのでした。

プレミア公開という部分をイメージして、文字の演出や全体的な雰囲気を「映画の予告編」という隠れテーマで統一しています。映画館の入り口とかにある、ポスターが暗がりでぼんやり光ってるみたいなやつね。

この時作ったぼんやり光る感じがMINDHACKのレトロフューチャーな世界観に合って気に入ったので、以降のトレイラーでも文字に同じ表現を使っています。

アーリーアクセス開始直後はまだ3章までの内容だったので、最後のヒキはシノが担当していますね。

この頃、シノはまだフロッピーに封じられた姿しか明らかになっていなかったので、ユーニッドとヤマ……イーヴリッグの二人でなんとかうまいことやっています。

そしてゲーム本編を遊んでくださったかたはお気づきかもしれませんが、このトレーラー内では、本来のキャラクターの名前表記と異なっている部分があります。

そう、この頃まだ第2章の内容も秘密だったので、動画内の「ヤマムラ」を全て「イーヴリッグ」に修正しているのである! 地道な工作。

MINDHACK 第4章リリーストレイラー

 

こちらはアーリーアクセス開始後はじめての大型アップデートにより、第4章が追加されたときのトレイラー。

トレイラーを作るとき、最初に必ず考えるのが「これは誰向けの映像なのか?」ということ。最も重要なのが「はじめましてのかた向け」なのか、「既存のファンの皆さん向け」なのか、という部分です。

ファーストトレイラー~その3 までははっきりと「はじめましてのかた向け」を想定していますが、アップデート用のリリーストレイラーは既に本編の内容をある程度知っている「既存のファンのかた向け」になるはず。そんなこんなで、このトレイラーは本編を第3章の最後まで遊んだかた向けに、シノの意味深なセリフから始まっています。

(第4章の冒頭でも同じセリフを先生が振り返っている通り、これはMINDHACKというお話の肝の部分でもありますね)

とかいってその直後、言った本人はパチ倒されているのだった。

さて、第4章の主要で目を惹きそうなミニゲームのシーンは入れ込みつつ……この時、開発ブログでもトレイラーでも特に頭を悩ませていたのは「どうネタバレを隠すか」でした。

なぜなら、この頃「この章の更生対象はCOM_Zである」ということを見せないようにしていたから! 必然的に、COM_Zが映っているシーンは使えないのでした。

さらに、マインドハックを受けたあとのヤマムラとか、ミキちゃんとかも初見で驚いてもらうために登場を伏せていたので、これもまた使えない。じゃあ第4章、どこ映すんだよ!?

結果、COM_Zのセリフを活かし、はっきりしたことは言わずに登場を醸し出す……的な演出にしました。

アザトーサー2000を破壊するシーンも、本編とは異なり背景を黒潰しにしたりしています。

MINDHACK 第5章リリース告知トレイラー

 

こちらは第5章がアップデートで追加されたときのトレイラー。

こちらは、最初の10秒あたりまでは「はじめましてのかた向け」にこれまでのMINDHACKのご紹介をしつつ、10秒以降は既プレイヤーさん向けに「さて、そして第5章の更生対象は一体どんなやつなんだ……!?」という構成になっています。

ヒューゴはこれまでの登場キャラクターの中でも特に異質な存在なので、そのキャラクター性に注目する内容にしました。

ここでも、本編をプレイするとわかる「異星人のヒューゴは使う言葉が異なり、彼のセリフは全部●▲×■で表現されている」という要素をうまいこと隠しています。

超細かいこだわりポイントとして、実はこのトレイラーの時点で、第6章の内容をうっすら感じさせる表現を入れてみていました。

新米隊員が関わるシーンの合間には、彼の内面を象徴するノイズ表現が差しこまれているのである。

宇宙空間の不明瞭な通信っぽさも醸し出されて、いい感じにミックスされたのではなかろうか。いかがでしょうか。

MINDHACK 第6章リリース告知トレイラー

 

いやいや、今現在(2026年5月末)まだまだ記憶に新しいですね。今年2026年1月に公開したばかりの、第6章追加アップデートをお知らせしたトレイラーです。

第6章はとくにショッキングなことが起きる章なので、ゲーム本編同様、冒頭に注意書きをつけることにしました。

このトレイラーは第4章のもの同様、完全に既存のプレイヤーさん向けに振り切って、今までゲーム本編の流れとともに新米隊員くんに親しんでくれたかたが見る想定で編集しています。

第6章は演出の見所も多く、象徴的なシーンをたくさん盛り込むことができました。特にノイズやバグのVFX! 見慣れた身近な人に対して、これまでMINDHACK本編でよく登場してきた演出や表現が重ねられる……という違和感を強調しました。

本編をプレイしたかたにはお分かりの通り、こちらも新米くんの名前が明らかになっているシーンを全て「新米隊員」に差し替えています。

本編では大きな決断となるシーン。このトレイラーの中では、先生はあっち側を選んだようですね。

 

余談

実はトレイラーは日本語だけでなく、毎回対応言語版のバリエーションも用意しています。

第5章からは日本語・英語・韓国語・簡体字・繁体字で、それぞれ5つもある!

こちらの再生リストに各言語版も入っているので、よかったら他の言語のバージョンも見比べてみてください。(※映像の内容は各言語版共通です)

再生リスト「トレイラー」

 

 

ところで、このトレイラーのゲーム画面ってどうやって撮影してんの?

なんかこういう、トレイラー用にサクッと欲しい画面を録画できる便利なプログラムがあるの?

……実はそんなことなく、プレイヤーの皆さんと同じようにSteamでゲームを自分でプレイしながら画面を録画しています!!

 

 

~撮影中よくあるNG集~

・あ!! やべえ、このカット名前がヤマムラになってた……!

・タイピングシーンをかっこよく撮影しようとして、ミスタイプを連発

・焦るとますますミスして、しょぼマインドハッカーが映像に記録されてしまう

・プレイ動画撮ってたらバグ(精神ではなくゲームの)見つけちゃった……

・1時間かけて通しプレイ動画を撮っていたつもりが、1時間デスクトップの虚無を撮影し続けていた。膝から崩れ落ちる紅狐

・プレイ動画の撮影中に限って宅配便が届く

・プレイ動画の撮影中に限ってメールの通知が映り込む

・あ!! マウスカーソル映ってた……!!

・プレイ動画の撮影中、横で聴いている作業用BGMが思いっきり一緒に収録されてビックリする

・あ!! やべえまたヤマムラがヤマムラになってる!!

・全てを撮影したあと、いざ編集を始めて気づく「このカット、うしろが0.5秒くらい足りない……」

 

 

トレイラーの公開前は「大丈夫か? 映っちゃいけないもの(ヤマムラとかマウスカーソル)が映り込んでないか?」をよくよくチェックします。それもこれも本編初プレイのときの驚きを皆様にお届けするのが目的です。

 

さーて第7章はどんなトレイラーにしようかな。まだまだアップデートは先のお話になりますが、ぜひともお見せしたいシーンがたくさんあるので、どうぞお楽しみに!

MINDHACK:土曜サスペンス劇場・MINDHACK連続殺人【後編】

※これはMINDHACK本編と全く何の関係もない土曜ドラマです。

 

~前回までのあらすじ~

謎の招待状によって謎の館に招待された謎の一同。吹雪で閉ざされた館には、肩のすごい死体とダイイングメッセージがあった!
ひとりひとり順番に頭をお花畑にされていく招待者たち。一体、『先生』とは何者なのか?
最後に生き残るのは誰なのか?
前回のラスト、思いっきりフラグを立ててしまった新米隊員は無事なのか?

 

 


 

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MINDHACK:謎の異星言語に迫る

皆さんこんにちは。驚きの暑い日々が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。
夏、夏がやってきます。夏……そう……夏といえば、花火……夜空……天体観測……つまり宇宙……圧倒的宇宙!!!! コズミック!!
宇宙なので、今日はMINDHACK第5章・ヒューゴの謎に迫ります。

 

といっても、ヒューゴの最大の「秘密」は第5章本編や、これまでのブログで明らかになっています。では今日は何に迫るのか?
実はまだ1つ、彼には大きな謎が残されているのです。そう、それは……

「●▲×□!
●▲×□」

 

ヒューゴ、あの時何言ってたの?

 

マインドハッカーである「先生」が彼の精神に接続したときは、言葉の壁を飛び越えてその意志を理解できていたようです。

うーんギャラクティック。

しかし異星からの来訪者であるヒューゴの話す言語は、本来MINDHACK世界の登場人物にはわかりません。

先生・隊長・新米隊員の三人は、彼のジェスチャーや身振りからなんとなく何を言いたいのか感じ取っていました。言葉がなくても通じ合えるってステキですね。

でも今日はかなり宇宙な気分なので、ヒューゴがあの時何を言おうとしていたのか、一部のセリフをご紹介します。スペース!

 

※ネタバレ注意!

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MINDHACK: 第6章開発中

マインドハッカーの皆さん、こんにちは。今日も元気にハッピーラッキーしてますか?

3月頭に第5章をリリースしてから、早くも三ヶ月が経ちました。三ヶ月!? 時の流れの速さに腰を抜かしています。ヒューゴ編はお楽しみいただけたでしょうか。

さて、宇宙の余韻にひたりつつもVODKAdemo?は第6章の開発をせっせと進めております! 本日はなんと、開発中の第6章・冒頭部分を初公開。それではご覧ください。

 

 

マインドハック協会から、先生を讃える表彰状が届いたようです。
そういえばなんか言ってましたね第5章でそんなこと。

 

 

第5章では非日常的なことが起きまくりましたが、久々にマインドハック施設の日常が戻ってきたようです。

 

表彰されて先生もごきげん。

 

……アレ!? FORMATどうしたの!? 名前のとこなんか変じゃない!? 大丈夫!?

 

大丈夫だそうです。よかったよかった。

 

本当にいつも通りのマインドハック……なんだよね?

 

本日ご覧いただいたのは第6章のScene1でした。
ブログでは今後も引き続き開発の様子をお知らせしていきますので、どうぞお楽しみに!

 

MINDHACK: 第5章ラストシーン演出

皆さんこんにちは。MINDHACK開発チーム・シナリオとか技術とか諸々担当の紅狐です。
本日のブログにもMINDHACK第5章のネタバレがたっぷり含まれております。
含まれているどころか第5章ラストシーンの演出についてのお話になるため、未プレイのかたは何卒ご注意ください。

ネタバレ大注意!

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MINDHACK:ぷにぷに技術

皆さん、こんにちは。MINDHACK開発チーム・シナリオと技術と画面の諸々担当、CG大好き紅狐です。
CGつまりコンピュータグラフィックス。人類はもはやコンピュータなしでは生きてはゆけぬのだ。
本日のブログにもがっつりMINDHACK第5章のネタバレが含まれておりますので、ご注意ください。

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MINDHACK: ある更生者の発表

【ある更生者の発表】

災害調査ボランティアに更生者を派遣することについて、マインドハック協会全体に採決のアンケートを送付しています。

先日のマインドハック会議での発表を文字起こしした資料を同封していますので、よろしければご覧ください。

 


 

 

(付添人とともに壇上に上がった発表者、周囲に向かって一礼する。

発表者の登壇場所は会場の中央にあり、発表者は8方向すべてに、一度ずつ丁寧に頭を下げた)

(会場、拍手)

 

みなさん、こんにちは。

むかし、私はひどい人間でした。

でも、今はもうそんなこと全くありません。私はマインドハックを受けたからです!

 

(会場、さらに拍手)

(拍手が止む)

 

ありがとうございます。ありがとうございます。ほんとに、ありがとうございます。

むかしの自分のことは、経験としては覚えているけれど、なんだか遠い国の本を読むような気持ちです。

多分、その時に感じていた感情をマインドハックで消してもらったからですね。そういう風に説明を受けました。

ここにいる私のことを覚えている人も、もしかしたらいるかもしれません。私のことはラジオや新聞で何度か紹介してもらいました。

私は去年の夏にC級のバグがあることがわかり、マインドハックを受けました。今はもう大丈夫です。

 

(発表者、小さく一度頷く)

 

この間までの私は、車がとても好きだったみたいです。

どうしてか、ちっちゃな車をたくさん集めていました。家の壁中に小さな透明の棚を並べて、家にはびっくりするほどたくさんのミニカーがありました。

家中似たようなミニカーばっかりでいっぱいで、置ききれないから家のほかに、専用の倉庫を借りるくらい! でもどうしてこんなに集めたかったのか、今は全然わかりません。

子供のころから本当に車が大好きだったって、身の回りの人は言ってます。カントクさん? そうなんですよね?

 

(発表者の横に立っていた付添人が手持ちマイクを受け取る。発表者は笑顔で男性を指し、「これがカントクさん! みなさん拍手!」と両手を振る)

(会場、拍手)

 

(付添人、受け取ったマイクを何度か叩く。ボン、ボンと音がする。スイッチを切り替え話し始めるが、マイクをOFFにしてしまったので声が聞こえない)

(マイクがONになる。付添人、もう一度同じことを話しはじめる)

 

えー、あー。はいどうも、こんにちは。更生者の監督官です。彼は更生後も施設でよくやっています。

お手元の資料をご覧になるとわかると思いますが、ええ、24ページの、ええ。

彼が我々の施設にやってきたのは、去年の夏、あるスポーツサーキットでの事件によるものです。

マインドハッカーの報告によると、彼のバグ、すなわち破壊衝動の根源となっていたのは、レーシングカーに対する強い執着でした。

当時の音声記録が残っています。こちらです。

 

(付添人は手に持っていたテープレコーダーをマイクに近づけ、再生ボタンを押す)

(カチッという音のあと、しばらくして、くぐもったぼそぼそと話す音声が流れる)

 

 

……どうして……

どうしてこんなことになってしまったんでしょうか。

……車が……

車が好きだっただけなんです。

ただ、車が……好きなんです。みんなが言う『好き』とは、ちょっと違うかもしれません。

でも、好きなんです。とにかく車のために生きてきました。車が私の全てなんです。

あの、金属の塊が流線形にプレスされて、そこにありとあらゆる技術の粋を集めたエンジンが載っていて。

その力で鉄の塊が馬鹿みたいな速さで動くっていう……それが好きで好きで、たまらないんです。

車だけでよかったんです。人は傷つけたくなかった。こんなはずじゃありませんでした……

(嗚咽の声)

……世界で一番美しいものが……

メチャクチャになるところをどうしても見たい、って思っちゃったんです。思ってただけだったのに。うまく隠せてきたのに。

……こんなつもりじゃなかったのに……どうして……

 

 

(カチッという音がして、音声が停止する)

はい。とにかく彼は車に激しい執着を持っていました。

そして、レースチームのクルーであった彼は車両とサーキットのコースに細工をし、レーシングカー同士を衝突させて観客席に突っ込ませるという大事故を故意に起こしたわけです。

多数の死傷者が出て、去年は新聞の一面に大きく載りましたので、よく覚えているかたも多いでしょう。事件の詳細については割愛します。

えー。その後マインドハックを受けて、気分はどうですか?

 

(付添人が再び発表者にマイクを渡す。声質が特徴的なため、先ほどのテープレコーダーの音声と発表者が同一人物であることがよくわかる)

 

はいっ! 世界がとにかく明るいです。当時の自分のことを聞くと、なんであんなに思い詰めていたんだろう、本当にかわいそうだな……と思います。

つらいことなんて何にもありません。「そういう気持ち、ある?」って経過観察のお医者さんに何度も聞かれたけど、正直、それがどういうものなのかもちょっとよくわかりません。

多分、むかしの私にはたくさんあったんだと思います。その頃の自分のところに行って抱きしめてあげたい。もう大丈夫だよって言ってあげたい。

なんだか悲しそうで、かわいそうで、ちょっと泣いちゃいます。

(発表者、少し涙ぐんで、指先で目元を擦る)

 

ねっ。今は車を見ても、特別なにか感じることはありません。あ、すてきだな、きれいだなとはもちろん思います! でも、すてきなものは他にもたくさんあります。

毎日ご飯もおいしいし、こうしてここに立っているだけでとにかく身体の内側からあったかい気持ちが湧いてくるみたいなんです!

こんなに世界はキラキラに包まれているんだから、わざわざ一個の何かにしがみついて思い悩むことはないんじゃないかなあ?

キラキラして、楽しくて、幸せです! マインドハックを受けて本当によかったです!

 

(付添人、発表者に耳打ちする)

(発表者、付添人に大きく頷いて答える。満面の笑顔で会場を見渡しながら話す)

 

はいっ! 今一番楽しいことは、毎日、いろいろな人に手紙を書くことです!

私はとても恐ろしいことをしたと思います。本当にひどい人間でした。

あの日のレース会場にいた人たちみんなに、怖い目に遭わせて本当にごめんなさいって、一人一人直接謝りたい。

本当は顔を合わせて目を見て、もう大丈夫、私は二度とあんなことをしないように変えてもらえました! ……って言ってあげたいけど、とにかく人数が多いし、多分急に会いに行ったらびっくりしちゃいますよね。

だからその代わりに手紙を書いているんです。一通一通、ちゃんと手で心を込めて書いてます。みんな読んでくれるといいなあ。

……あ、そうだ! それで手紙を書いていて、どうしてもやりたいことができたんです!!

マインドハックを受けた更生者が、すごく反省していて、もう大丈夫だってことを……もっとみんなに知らせるにはどうしたらいいんだろうって!

 

(付添人、えっ? と声をあげる)

この前、カントクさんに凍結災害のことを聞いたんです! カントクさんが言うには、この世界には、バグが爆発したせいで凍結災害が起きた場所がいくつもあります。いまは危ないから閉鎖されているけど、その場所が故郷の人だっています。

長い時間が経ってバグがどうなったのか、その場所は今は安全なのか、また人が暮らせるのか、まだわかりません。その中に入っていって調べる係の人が必要です。

 

(付添人、戸惑った表情で発表者に何か尋ねる)

はいっ! そうです! 凍結している場所に足を踏み入れたら、もちろん命の保証はないです。だからこそ、私が役に立つんです!

みんながやりたがらないことをやるのは社会貢献になると思います! バグのこと、凍結災害のこと、どうしてああなるのかをもっとよく調べれば、きっとこれから先のみんなのためになります!

だから私は、そこを調査しに行くボランティアをやります!

(会場、大きな拍手)

 

はい! むかしの私が集めていたミニカーのコレクションは、恵まれない子供たちの施設に全部寄付しました。子供たちもとっても喜んでくれたそうです。

今度は、社会全体に私自身を寄付するんです!

これから先、マインドハックを受けて更生した人には社会貢献の機会が必要だと思います! 我ながら、これってかなりいいアイデアだと思います。へへっ。

私以外の人たちにもぜひこれに参加するチャンスをあげてください!

(会場、非常に大きな拍手)

 

ありがとうございます! カントクさんにもありがとう! みなさん、拍手をお願いします!

ありがとうございます! がんばります! ありがとうございます! ……

(発表者、8方向に何度も深く頭を下げる)

MINDHACK:アニメーションによる彩り

MINDHACKの特徴のひとつ、場面場面でよく動くアニメーション。
特に主人公である「先生」の両手は、画面に常に映り込んで存在感を主張しています。

手しか見えないという制約の中でも「いる」感を出すためには、アニメーションによる彩りが不可欠。
しかし、全部の絵を手描きのセルアニメーションにするとなると、MINDHACK開発チームの絵を描く係の人・ホでヴの負担がとんでもないことになってしまいます。

↑めちゃくちゃ豪華にフルセルアニメーションを使っているシーン。
これはステーキでいうとシャトーブリアンくらい贅沢!! 毎日食べたら破産しちゃう!

 

手で1コマ1コマを描きおろすのがセルアニメーション。
これに対して、「プログラムに指示して絵と絵の間を補完してもらう」のがキーフレームアニメーションです。

↑これがキーフレームアニメーション。
「位置XXXから位置YYYまで動け~~~」とプログラムに頼んで、1枚の絵を動かします。

どちらにもいいところがあり、MINDHACKの開発においては、セルアニメーションとキーフレームアニメーションを組み合わせて効率的に画面を豪華にしています。

たとえば、先生が作中でたびたび披露する指パッチン。

これ、実はもとになっている手の絵は2枚!

この2枚を、位置や回転を調整しながら紙芝居のように表示すると、こうなる。

 

パカパカッと。

これだけでもかなり動いているように見えますが、まだちょっと「絵が2枚」感が出てしまっていますね。

そこで、ちょっと味付け。
映像編集ソフトAfterEffectsの、一枚の絵をちょっとだけ変形する機能『パペットツール』で、指の開き具合をちょいちょい……

こんな感じに。
ついでにパッチン感を出すために、ちょっとしたエフェクトも作って……

こちらが味付け後の完成品。あー、いいですね。

このように、実際の絵素材の枚数を抑えながら動きもリッチに見えるよう、様々な工夫をこらしています。

絵が2枚のパカパカ感を感じさせないコツは、「余韻」です。絵が切り替わった瞬間の動きをピタッと止めずに、少しだけでも動いた余韻が残っているように見せるのがポイントです。指パッチンの場合は指先の動きを少しだけ追加して、さっきまで指先擦ってました~感を出しています。

余韻といえば、イーヴリッグのLAGOM神に捧げる大暴れも、実はもとの絵は2枚。

キーフレームアニメーションで間に「ぼよんっ」という縦の動きを追加して、より激しいヘッドバンギングに見せています。

 

なるほどねー。
それではまた来週!

 

 

コラム:ノベルゲームのお話ができるまで

皆さんこんにちは。MINDHACKメインシナリオ担当、紅狐です。今年の夏はとにかく暑かったね!!

ようやく待ちに待った秋の気配がやってきて、暑さに弱い紅狐大歓喜です。とかいってまだ日中の最高気温が30℃越える日もあって目玉が飛び出そうになっていますが、とにかく秋です。秋が来ました。秋といえば芸術の秋!
というわけで、皆さんもシナリオ、つまりお話を書いてみませんか。

今日の開発ブログは「やってみよう! 5分ノベルゲームのシナリオにチャレンジする回」です。
今回は紅狐の過去作「DON’T SAY YES」をもとに、1つのお話がどういう風にできあがっていくかをご紹介いたします。

 

DON’T SAY YES

 

↑「DON’T SAY YES」はこちらから遊んでいただけます。

今回の記事はゲームの内容を大いにネタバレしまくりのため、もしご興味があれば先に遊んでいただければ非常に幸いでございます。

 

 

 

 

まずは尺とテーマを決めよう

 

今回は5分でプレイできるシンプルなビジュアルノベルゲームを作りましょう。
ごくごく短いお話なので、登場人物は1人または2人です。中に出てきて喋る人が増えれば話は長くなり、減れば短くなります。
MINDHACKも1章あたりのテキスト量を圧縮するために、メインのシーンは『主人公と更生対象の対話』というシチュエーションにしています。

↑ハック中は一対一の対峙。

 

テーマは、自分がグッとくるものにしましょう。ポイントは「感情」です。書いたお話を読んでくれた人に、自分がこのテーマから感じるグッ部分を伝えることが目的です。

今回のテーマは「最期に見る夢」にしました。

テーマを具体的に3行にまとめてみましょう。こうです。

 

ずっと戦いっぱなしだったある一人の戦士が、
人生の最期に何か美しい夢を見た。
それは一体何だったのか?

さあ、一体何だったのでしょうか。この時点ではまだ私にもわかりません。

 

 

カードを置いていこう

 

いきなり話を書き出す前に、今回のお話の骨組みを作ります。私の場合はいつも、カードを場に並べてお話を組み立てていきます。カードは市販のふせんで大丈夫です。

まずは、一番大事なテーマを置いてみましょう。

 

あと、主人公も必要ですね。

次に、主人公は「戦いっぱなしで、その夢を叶えられなかった」ことがわかっています。
「戦い」カードを作り、いくつか置いてみましょう。戦いには物理的なものと、精神的なもの、その両方に関わるものがあったはずです。

さらに、主人公の身の回りにいる人を考えます。

『長い間』戦っていたということ、そして『最期』=死期にあるということは、おそらく主人公は大人です。何のために戦っていたのかはわかりませんが、何かを守るためだったのではないでしょうか。
たとえば生活・暮らしを守るためだったとすれば、パートナーがいたかもしれません。ふたりの間には子供もいたかもしれませんね。
この家族は、主人公にとって守りたい、大事な存在だったと思われます。

さて、家族が2人出てきましたが、このお話は最初に決めた通り「5分のビジュアルノベル」です。実際の登場人物は主人公を含めて2人までしか出せません。さもなくば尺が登場人物の関係性の数だけどんどん伸びてしまいます。家族をキャラクターとして直接登場させることは、定員オーバー確定なのでかないません。

つまり、このお話は『主人公が誰かもうひとりの人物に対して、これらのことを話して聞かせている』というシチュエーションになるでしょう。これなら登場人物は2人に収まります。

(私は「過去を語って聞かせる」シチュエーションを書くのが好きなので、これはお決まりのカードでもあります)

では、ここまでのカードを場に並べてみましょう。

 

関係のありそうなカードはなんとなくそばに置いてみましょう。
場所は広く取ることをおすすめします。ふせんがたくさん貼れるデカいノートはいいぞ。

 

お話を組み立てよう

 

必須のカードは揃ったので、カードごとの間を繋いでいってみましょう。

主人公が、第三者に『戦い』『家族』の話を語って聞かせます。

ところで、初対面の第三者に身の上話をする時ってたいてい、「これどこまで通じてるんかな」というややこしい瞬間があるのではないでしょうか。

例えば私なんか、初めて行く美容院で「今何のお仕事されてるんですか?」と聞かれた時ひとことで答えられません。
えーとまず会社じゃなくて自営業でやってる仕事なんですけど、映像編集をやりながらゲーム開発してて……あ、普段ゲームとかされます? しない? 実況とかは見ます? 見ない? あ、いや、バイオハザードみたいなすごいボリュームのやつじゃなくて、えーっと、まず最近個人でゲームを作れる世の中になってきて……あっゲームっていうのは飛んだり跳ねたりするタイプじゃなくてお話を文字ベースで読み進めていくやつで、えっゲームの内容ですか? 悪人の頭をお花畑にするアドベンチャーなんですけど……まずギャングのボスがウニで……あと自分のことをキャビネットだと思ってる人とかもいて……

普段ゲームに触れない人に「インディーゲーム」の概念を説明するのってめちゃめちゃ難しい。
そんな感じで、語って聞かせるシチュエーションには常に聞き手の誤解が生まれます。

 

このお話の中では、なぜ誤解が生まれたのでしょうか。理由を考えます。

主人公の身の上が、「私は飛行機のパイロットです!」の一行よりはるかに説明が難しい生い立ちだったとします。多分、「戦い」の話と「家族」の話の内容が、ひとことで説明できないのでしょう。

さらに、話を聞いている第三者が全然別の文化の人だった可能性もあります。
このゲームの終着点は、「叶えたくても叶えられなかった最期の夢を見た」ということです。もしかしたら、話を聞いているのは願いを叶えてくれるタイプの「人間ではない何か」なのではないでしょうか。

「人間じゃない、願いを叶えてくれる何者か」は悪魔としておきましょう。これは私の趣味です。お前も蝋人形にしてやろうか。
そいつは悪魔だったから、人間である主人公の身の上話を聞いてもピンとこなかったのではないでしょうか。
悪魔なら、願いを叶える代わりに何か代償を求めたでしょう。おそらく願いを聞き出すために、主人公に身の上を説明させようとしたのはこの悪魔のほうからだったのではないでしょうか。

 

ここまででわかっていることを、図から文字に起こしましょう。

 

主人公はずっと戦いっぱなしだったある一人の戦士。
死の目前で、悪魔に「代償を支払えば、お前の願いを叶えてやる」と言われた。
主人公は願いが何なのかを説明しようとするが、その身の上はひとことで説明しきれない複雑なものだった。
そして願いは叶えられ、主人公は人生の最期に何か夢を見た。
それは一体何だったのか?

 

こうして見ると、場に足りていないカードはあと2枚です。

・悪魔は何を代償に求めた?
・夢とは何だったのか?

 

ところで、今までここに登場してこなかったある重大な要素があります。
それは、これが「ゲームのシナリオである」ということです。

DON’T SAY YESは、先に『選択肢がYESかNOの2つしかない』『YESを選ぶとゲームオーバー』というアドベンチャーゲームであることが決まっていました。
『YESを選んだら即終了』という仕様は、悪魔の要求に答えてはいけない、というシナリオにぴったり当てはめられます。悪魔の求める代償は絶対に渡してはならないもの、「主人公を主人公自身ではなくしてしまうもの」です。

こいつが悪魔であることも考えると、代償は「魂」または「肉体」に違いありません。
死にかけている主人公にわざわざ取引を持ちかけたのならば、相手が死んだら盗れないものになります。だったら、多分「肉体」のほうでしょう。

そして、ここでYESと言ってもNOと言っても、つまり代償を支払っても支払わなくても、主人公の夢は叶いません。二度と叶わないことが主人公自身もわかっています。だからこの人は絶対にYESと言いません。(きっとこれまで「YES」と言い続けるしかない人生を送ってきて、そのせいで多くのものを失ったのでしょう)

ここでわかってきました。主人公の「最期の夢」とは、家族にもう一度会うことではないでしょうか。

たとえ己の全てを売り渡しても、その夢は悪魔にさえ叶えられない。つまり、主人公の家族はもう二度と会えない場所にいる……

 

ここまでの内容をまとめてみます。

 

長い長い自分自身にしかわからない孤独な戦いの果て、主人公は最後にもう一度だけ家族に会いたかった。
たまたま出会った悪魔に「肉体をよこせ。そうすればお前を復活させて、家族にもう一度会わせてやるぞ」と取引を持ちかけられたが、主人公にはそんなことをしてももう無意味だとわかっていた。悪魔がしつこく引き下がるので、主人公はなぜ無意味なのか、自身の人生を語って聞かせる。
悪魔は話を聞いて納得する。
しかし、悪魔は悪魔なので、なんらかの超常の力を持っていた。それを使って最後に夢を見せてくれた……

 

ずっと戦いっぱなしだったある一人の戦士が、
人生の最期に何か美しい夢を見た。
それは一体何だったのか?

最初に決めたテーマの答えはこうなります。

それは二度と会えないはずの家族の夢だった。

 

これで物語の結末が決まりました。
悪魔は取引もせずに、主人公の人生最期の夢を叶えてくれたのです。

ってことは、この悪魔、誤解さえ解けば結構話のわかる奴なんじゃないか……?
もともと「人間の話にピンとこない」という理由で悪魔を設定しましたが、こいつの場合は「悪魔なのに人間の話に共感する」ほうが面白そうです。
このように、先に決めた要素を他の部分に合わせて変えることもあります。

こうして要素同士の関係がまとまりました。
もし組み立ての最中「なんかここじゃないかもな……」と思ったら、気軽にカードを貼ってはがして位置を移動してみましょう!

図はすっかりぐちゃぐちゃになりましたが、私の頭の中では全てが繋がっている!! あとは書くだけ!!

というわけで、最終的にできあがったのがDON’T SAY YES本編のシナリオになります。おわかりいただけただろうか。

 

ふせんカードを使ってその間を考える手法は、MINDHACKのシナリオ執筆の際も同じように使っています。

(余談:MINDHACKはDON’T SAY YESに比べてキャラクター性を重視したお話なので、最初に「主人公」「最終目標」そして「各登場人物の望み」のカードを並べるところから始めました。
複数の章から成るMINDHACKでは、各章ごとに個別の「最終目標」カードを置きつつ、他の章とも常にどこかの線がつながるような構成にしています)

イイ感じのふせんとペンと貼る場所さえあれば理論上、シナリオは自由に組み立てられる!
芸術の秋、ご興味のある皆さんはぜひカードを場に出してシナリオデュエルをお試しください。
俺のターン、エンド! それでは~!