投稿者: 紅狐

きつねです

MINDHACK: ある更生者の発表

【ある更生者の発表】

災害調査ボランティアに更生者を派遣することについて、マインドハック協会全体に採決のアンケートを送付しています。

先日のマインドハック会議での発表を文字起こしした資料を同封していますので、よろしければご覧ください。

 


 

 

(付添人とともに壇上に上がった発表者、周囲に向かって一礼する。

発表者の登壇場所は会場の中央にあり、発表者は8方向すべてに、一度ずつ丁寧に頭を下げた)

(会場、拍手)

 

みなさん、こんにちは。

むかし、私はひどい人間でした。

でも、今はもうそんなこと全くありません。私はマインドハックを受けたからです!

 

(会場、さらに拍手)

(拍手が止む)

 

ありがとうございます。ありがとうございます。ほんとに、ありがとうございます。

むかしの自分のことは、経験としては覚えているけれど、なんだか遠い国の本を読むような気持ちです。

多分、その時に感じていた感情をマインドハックで消してもらったからですね。そういう風に説明を受けました。

ここにいる私のことを覚えている人も、もしかしたらいるかもしれません。私のことはラジオや新聞で何度か紹介してもらいました。

私は去年の夏にC級のバグがあることがわかり、マインドハックを受けました。今はもう大丈夫です。

 

(発表者、小さく一度頷く)

 

この間までの私は、車がとても好きだったみたいです。

どうしてか、ちっちゃな車をたくさん集めていました。家の壁中に小さな透明の棚を並べて、家にはびっくりするほどたくさんのミニカーがありました。

家中似たようなミニカーばっかりでいっぱいで、置ききれないから家のほかに、専用の倉庫を借りるくらい! でもどうしてこんなに集めたかったのか、今は全然わかりません。

子供のころから本当に車が大好きだったって、身の回りの人は言ってます。カントクさん? そうなんですよね?

 

(発表者の横に立っていた付添人が手持ちマイクを受け取る。発表者は笑顔で男性を指し、「これがカントクさん! みなさん拍手!」と両手を振る)

(会場、拍手)

 

(付添人、受け取ったマイクを何度か叩く。ボン、ボンと音がする。スイッチを切り替え話し始めるが、マイクをOFFにしてしまったので声が聞こえない)

(マイクがONになる。付添人、もう一度同じことを話しはじめる)

 

えー、あー。はいどうも、こんにちは。更生者の監督官です。彼は更生後も施設でよくやっています。

お手元の資料をご覧になるとわかると思いますが、ええ、24ページの、ええ。

彼が我々の施設にやってきたのは、去年の夏、あるスポーツサーキットでの事件によるものです。

マインドハッカーの報告によると、彼のバグ、すなわち破壊衝動の根源となっていたのは、レーシングカーに対する強い執着でした。

当時の音声記録が残っています。こちらです。

 

(付添人は手に持っていたテープレコーダーをマイクに近づけ、再生ボタンを押す)

(カチッという音のあと、しばらくして、くぐもったぼそぼそと話す音声が流れる)

 

 

……どうして……

どうしてこんなことになってしまったんでしょうか。

……車が……

車が好きだっただけなんです。

ただ、車が……好きなんです。みんなが言う『好き』とは、ちょっと違うかもしれません。

でも、好きなんです。とにかく車のために生きてきました。車が私の全てなんです。

あの、金属の塊が流線形にプレスされて、そこにありとあらゆる技術の粋を集めたエンジンが載っていて。

その力で鉄の塊が馬鹿みたいな速さで動くっていう……それが好きで好きで、たまらないんです。

車だけでよかったんです。人は傷つけたくなかった。こんなはずじゃありませんでした……

(嗚咽の声)

……世界で一番美しいものが……

メチャクチャになるところをどうしても見たい、って思っちゃったんです。思ってただけだったのに。うまく隠せてきたのに。

……こんなつもりじゃなかったのに……どうして……

 

 

(カチッという音がして、音声が停止する)

はい。とにかく彼は車に激しい執着を持っていました。

そして、レースチームのクルーであった彼は車両とサーキットのコースに細工をし、レーシングカー同士を衝突させて観客席に突っ込ませるという大事故を故意に起こしたわけです。

多数の死傷者が出て、去年は新聞の一面に大きく載りましたので、よく覚えているかたも多いでしょう。事件の詳細については割愛します。

えー。その後マインドハックを受けて、気分はどうですか?

 

(付添人が再び発表者にマイクを渡す。声質が特徴的なため、先ほどのテープレコーダーの音声と発表者が同一人物であることがよくわかる)

 

はいっ! 世界がとにかく明るいです。当時の自分のことを聞くと、なんであんなに思い詰めていたんだろう、本当にかわいそうだな……と思います。

つらいことなんて何にもありません。「そういう気持ち、ある?」って経過観察のお医者さんに何度も聞かれたけど、正直、それがどういうものなのかもちょっとよくわかりません。

多分、むかしの私にはたくさんあったんだと思います。その頃の自分のところに行って抱きしめてあげたい。もう大丈夫だよって言ってあげたい。

なんだか悲しそうで、かわいそうで、ちょっと泣いちゃいます。

(発表者、少し涙ぐんで、指先で目元を擦る)

 

ねっ。今は車を見ても、特別なにか感じることはありません。あ、すてきだな、きれいだなとはもちろん思います! でも、すてきなものは他にもたくさんあります。

毎日ご飯もおいしいし、こうしてここに立っているだけでとにかく身体の内側からあったかい気持ちが湧いてくるみたいなんです!

こんなに世界はキラキラに包まれているんだから、わざわざ一個の何かにしがみついて思い悩むことはないんじゃないかなあ?

キラキラして、楽しくて、幸せです! マインドハックを受けて本当によかったです!

 

(付添人、発表者に耳打ちする)

(発表者、付添人に大きく頷いて答える。満面の笑顔で会場を見渡しながら話す)

 

はいっ! 今一番楽しいことは、毎日、いろいろな人に手紙を書くことです!

私はとても恐ろしいことをしたと思います。本当にひどい人間でした。

あの日のレース会場にいた人たちみんなに、怖い目に遭わせて本当にごめんなさいって、一人一人直接謝りたい。

本当は顔を合わせて目を見て、もう大丈夫、私は二度とあんなことをしないように変えてもらえました! ……って言ってあげたいけど、とにかく人数が多いし、多分急に会いに行ったらびっくりしちゃいますよね。

だからその代わりに手紙を書いているんです。一通一通、ちゃんと手で心を込めて書いてます。みんな読んでくれるといいなあ。

……あ、そうだ! それで手紙を書いていて、どうしてもやりたいことができたんです!!

マインドハックを受けた更生者が、すごく反省していて、もう大丈夫だってことを……もっとみんなに知らせるにはどうしたらいいんだろうって!

 

(付添人、えっ? と声をあげる)

この前、カントクさんに凍結災害のことを聞いたんです! カントクさんが言うには、この世界には、バグが爆発したせいで凍結災害が起きた場所がいくつもあります。いまは危ないから閉鎖されているけど、その場所が故郷の人だっています。

長い時間が経ってバグがどうなったのか、その場所は今は安全なのか、また人が暮らせるのか、まだわかりません。その中に入っていって調べる係の人が必要です。

 

(付添人、戸惑った表情で発表者に何か尋ねる)

はいっ! そうです! 凍結している場所に足を踏み入れたら、もちろん命の保証はないです。だからこそ、私が役に立つんです!

みんながやりたがらないことをやるのは社会貢献になると思います! バグのこと、凍結災害のこと、どうしてああなるのかをもっとよく調べれば、きっとこれから先のみんなのためになります!

だから私は、そこを調査しに行くボランティアをやります!

(会場、大きな拍手)

 

はい! むかしの私が集めていたミニカーのコレクションは、恵まれない子供たちの施設に全部寄付しました。子供たちもとっても喜んでくれたそうです。

今度は、社会全体に私自身を寄付するんです!

これから先、マインドハックを受けて更生した人には社会貢献の機会が必要だと思います! 我ながら、これってかなりいいアイデアだと思います。へへっ。

私以外の人たちにもぜひこれに参加するチャンスをあげてください!

(会場、非常に大きな拍手)

 

ありがとうございます! カントクさんにもありがとう! みなさん、拍手をお願いします!

ありがとうございます! がんばります! ありがとうございます! ……

(発表者、8方向に何度も深く頭を下げる)

MINDHACK:アニメーションによる彩り

MINDHACKの特徴のひとつ、場面場面でよく動くアニメーション。
特に主人公である「先生」の両手は、画面に常に映り込んで存在感を主張しています。

手しか見えないという制約の中でも「いる」感を出すためには、アニメーションによる彩りが不可欠。
しかし、全部の絵を手描きのセルアニメーションにするとなると、MINDHACK開発チームの絵を描く係の人・ホでヴの負担がとんでもないことになってしまいます。

↑めちゃくちゃ豪華にフルセルアニメーションを使っているシーン。
これはステーキでいうとシャトーブリアンくらい贅沢!! 毎日食べたら破産しちゃう!

 

手で1コマ1コマを描きおろすのがセルアニメーション。
これに対して、「プログラムに指示して絵と絵の間を補完してもらう」のがキーフレームアニメーションです。

↑これがキーフレームアニメーション。
「位置XXXから位置YYYまで動け~~~」とプログラムに頼んで、1枚の絵を動かします。

どちらにもいいところがあり、MINDHACKの開発においては、セルアニメーションとキーフレームアニメーションを組み合わせて効率的に画面を豪華にしています。

たとえば、先生が作中でたびたび披露する指パッチン。

これ、実はもとになっている手の絵は2枚!

この2枚を、位置や回転を調整しながら紙芝居のように表示すると、こうなる。

 

パカパカッと。

これだけでもかなり動いているように見えますが、まだちょっと「絵が2枚」感が出てしまっていますね。

そこで、ちょっと味付け。
映像編集ソフトAfterEffectsの、一枚の絵をちょっとだけ変形する機能『パペットツール』で、指の開き具合をちょいちょい……

こんな感じに。
ついでにパッチン感を出すために、ちょっとしたエフェクトも作って……

こちらが味付け後の完成品。あー、いいですね。

このように、実際の絵素材の枚数を抑えながら動きもリッチに見えるよう、様々な工夫をこらしています。

絵が2枚のパカパカ感を感じさせないコツは、「余韻」です。絵が切り替わった瞬間の動きをピタッと止めずに、少しだけでも動いた余韻が残っているように見せるのがポイントです。指パッチンの場合は指先の動きを少しだけ追加して、さっきまで指先擦ってました~感を出しています。

余韻といえば、イーヴリッグのLAGOM神に捧げる大暴れも、実はもとの絵は2枚。

キーフレームアニメーションで間に「ぼよんっ」という縦の動きを追加して、より激しいヘッドバンギングに見せています。

 

なるほどねー。
それではまた来週!

 

 

コラム:ノベルゲームのお話ができるまで

皆さんこんにちは。MINDHACKメインシナリオ担当、紅狐です。今年の夏はとにかく暑かったね!!

ようやく待ちに待った秋の気配がやってきて、暑さに弱い紅狐大歓喜です。とかいってまだ日中の最高気温が30℃越える日もあって目玉が飛び出そうになっていますが、とにかく秋です。秋が来ました。秋といえば芸術の秋!
というわけで、皆さんもシナリオ、つまりお話を書いてみませんか。

今日の開発ブログは「やってみよう! 5分ノベルゲームのシナリオにチャレンジする回」です。
今回は紅狐の過去作「DON’T SAY YES」をもとに、1つのお話がどういう風にできあがっていくかをご紹介いたします。

 

DON’T SAY YES

 

↑「DON’T SAY YES」はこちらから遊んでいただけます。

今回の記事はゲームの内容を大いにネタバレしまくりのため、もしご興味があれば先に遊んでいただければ非常に幸いでございます。

 

 

 

 

まずは尺とテーマを決めよう

 

今回は5分でプレイできるシンプルなビジュアルノベルゲームを作りましょう。
ごくごく短いお話なので、登場人物は1人または2人です。中に出てきて喋る人が増えれば話は長くなり、減れば短くなります。
MINDHACKも1章あたりのテキスト量を圧縮するために、メインのシーンは『主人公と更生対象の対話』というシチュエーションにしています。

↑ハック中は一対一の対峙。

 

テーマは、自分がグッとくるものにしましょう。ポイントは「感情」です。書いたお話を読んでくれた人に、自分がこのテーマから感じるグッ部分を伝えることが目的です。

今回のテーマは「最期に見る夢」にしました。

テーマを具体的に3行にまとめてみましょう。こうです。

 

ずっと戦いっぱなしだったある一人の戦士が、
人生の最期に何か美しい夢を見た。
それは一体何だったのか?

さあ、一体何だったのでしょうか。この時点ではまだ私にもわかりません。

 

 

カードを置いていこう

 

いきなり話を書き出す前に、今回のお話の骨組みを作ります。私の場合はいつも、カードを場に並べてお話を組み立てていきます。カードは市販のふせんで大丈夫です。

まずは、一番大事なテーマを置いてみましょう。

 

あと、主人公も必要ですね。

次に、主人公は「戦いっぱなしで、その夢を叶えられなかった」ことがわかっています。
「戦い」カードを作り、いくつか置いてみましょう。戦いには物理的なものと、精神的なもの、その両方に関わるものがあったはずです。

さらに、主人公の身の回りにいる人を考えます。

『長い間』戦っていたということ、そして『最期』=死期にあるということは、おそらく主人公は大人です。何のために戦っていたのかはわかりませんが、何かを守るためだったのではないでしょうか。
たとえば生活・暮らしを守るためだったとすれば、パートナーがいたかもしれません。ふたりの間には子供もいたかもしれませんね。
この家族は、主人公にとって守りたい、大事な存在だったと思われます。

さて、家族が2人出てきましたが、このお話は最初に決めた通り「5分のビジュアルノベル」です。実際の登場人物は主人公を含めて2人までしか出せません。さもなくば尺が登場人物の関係性の数だけどんどん伸びてしまいます。家族をキャラクターとして直接登場させることは、定員オーバー確定なのでかないません。

つまり、このお話は『主人公が誰かもうひとりの人物に対して、これらのことを話して聞かせている』というシチュエーションになるでしょう。これなら登場人物は2人に収まります。

(私は「過去を語って聞かせる」シチュエーションを書くのが好きなので、これはお決まりのカードでもあります)

では、ここまでのカードを場に並べてみましょう。

 

関係のありそうなカードはなんとなくそばに置いてみましょう。
場所は広く取ることをおすすめします。ふせんがたくさん貼れるデカいノートはいいぞ。

 

お話を組み立てよう

 

必須のカードは揃ったので、カードごとの間を繋いでいってみましょう。

主人公が、第三者に『戦い』『家族』の話を語って聞かせます。

ところで、初対面の第三者に身の上話をする時ってたいてい、「これどこまで通じてるんかな」というややこしい瞬間があるのではないでしょうか。

例えば私なんか、初めて行く美容院で「今何のお仕事されてるんですか?」と聞かれた時ひとことで答えられません。
えーとまず会社じゃなくて自営業でやってる仕事なんですけど、映像編集をやりながらゲーム開発してて……あ、普段ゲームとかされます? しない? 実況とかは見ます? 見ない? あ、いや、バイオハザードみたいなすごいボリュームのやつじゃなくて、えーっと、まず最近個人でゲームを作れる世の中になってきて……あっゲームっていうのは飛んだり跳ねたりするタイプじゃなくてお話を文字ベースで読み進めていくやつで、えっゲームの内容ですか? 悪人の頭をお花畑にするアドベンチャーなんですけど……まずギャングのボスがウニで……あと自分のことをキャビネットだと思ってる人とかもいて……

普段ゲームに触れない人に「インディーゲーム」の概念を説明するのってめちゃめちゃ難しい。
そんな感じで、語って聞かせるシチュエーションには常に聞き手の誤解が生まれます。

 

このお話の中では、なぜ誤解が生まれたのでしょうか。理由を考えます。

主人公の身の上が、「私は飛行機のパイロットです!」の一行よりはるかに説明が難しい生い立ちだったとします。多分、「戦い」の話と「家族」の話の内容が、ひとことで説明できないのでしょう。

さらに、話を聞いている第三者が全然別の文化の人だった可能性もあります。
このゲームの終着点は、「叶えたくても叶えられなかった最期の夢を見た」ということです。もしかしたら、話を聞いているのは願いを叶えてくれるタイプの「人間ではない何か」なのではないでしょうか。

「人間じゃない、願いを叶えてくれる何者か」は悪魔としておきましょう。これは私の趣味です。お前も蝋人形にしてやろうか。
そいつは悪魔だったから、人間である主人公の身の上話を聞いてもピンとこなかったのではないでしょうか。
悪魔なら、願いを叶える代わりに何か代償を求めたでしょう。おそらく願いを聞き出すために、主人公に身の上を説明させようとしたのはこの悪魔のほうからだったのではないでしょうか。

 

ここまででわかっていることを、図から文字に起こしましょう。

 

主人公はずっと戦いっぱなしだったある一人の戦士。
死の目前で、悪魔に「代償を支払えば、お前の願いを叶えてやる」と言われた。
主人公は願いが何なのかを説明しようとするが、その身の上はひとことで説明しきれない複雑なものだった。
そして願いは叶えられ、主人公は人生の最期に何か夢を見た。
それは一体何だったのか?

 

こうして見ると、場に足りていないカードはあと2枚です。

・悪魔は何を代償に求めた?
・夢とは何だったのか?

 

ところで、今までここに登場してこなかったある重大な要素があります。
それは、これが「ゲームのシナリオである」ということです。

DON’T SAY YESは、先に『選択肢がYESかNOの2つしかない』『YESを選ぶとゲームオーバー』というアドベンチャーゲームであることが決まっていました。
『YESを選んだら即終了』という仕様は、悪魔の要求に答えてはいけない、というシナリオにぴったり当てはめられます。悪魔の求める代償は絶対に渡してはならないもの、「主人公を主人公自身ではなくしてしまうもの」です。

こいつが悪魔であることも考えると、代償は「魂」または「肉体」に違いありません。
死にかけている主人公にわざわざ取引を持ちかけたのならば、相手が死んだら盗れないものになります。だったら、多分「肉体」のほうでしょう。

そして、ここでYESと言ってもNOと言っても、つまり代償を支払っても支払わなくても、主人公の夢は叶いません。二度と叶わないことが主人公自身もわかっています。だからこの人は絶対にYESと言いません。(きっとこれまで「YES」と言い続けるしかない人生を送ってきて、そのせいで多くのものを失ったのでしょう)

ここでわかってきました。主人公の「最期の夢」とは、家族にもう一度会うことではないでしょうか。

たとえ己の全てを売り渡しても、その夢は悪魔にさえ叶えられない。つまり、主人公の家族はもう二度と会えない場所にいる……

 

ここまでの内容をまとめてみます。

 

長い長い自分自身にしかわからない孤独な戦いの果て、主人公は最後にもう一度だけ家族に会いたかった。
たまたま出会った悪魔に「肉体をよこせ。そうすればお前を復活させて、家族にもう一度会わせてやるぞ」と取引を持ちかけられたが、主人公にはそんなことをしてももう無意味だとわかっていた。悪魔がしつこく引き下がるので、主人公はなぜ無意味なのか、自身の人生を語って聞かせる。
悪魔は話を聞いて納得する。
しかし、悪魔は悪魔なので、なんらかの超常の力を持っていた。それを使って最後に夢を見せてくれた……

 

ずっと戦いっぱなしだったある一人の戦士が、
人生の最期に何か美しい夢を見た。
それは一体何だったのか?

最初に決めたテーマの答えはこうなります。

それは二度と会えないはずの家族の夢だった。

 

これで物語の結末が決まりました。
悪魔は取引もせずに、主人公の人生最期の夢を叶えてくれたのです。

ってことは、この悪魔、誤解さえ解けば結構話のわかる奴なんじゃないか……?
もともと「人間の話にピンとこない」という理由で悪魔を設定しましたが、こいつの場合は「悪魔なのに人間の話に共感する」ほうが面白そうです。
このように、先に決めた要素を他の部分に合わせて変えることもあります。

こうして要素同士の関係がまとまりました。
もし組み立ての最中「なんかここじゃないかもな……」と思ったら、気軽にカードを貼ってはがして位置を移動してみましょう!

図はすっかりぐちゃぐちゃになりましたが、私の頭の中では全てが繋がっている!! あとは書くだけ!!

というわけで、最終的にできあがったのがDON’T SAY YES本編のシナリオになります。おわかりいただけただろうか。

 

ふせんカードを使ってその間を考える手法は、MINDHACKのシナリオ執筆の際も同じように使っています。

(余談:MINDHACKはDON’T SAY YESに比べてキャラクター性を重視したお話なので、最初に「主人公」「最終目標」そして「各登場人物の望み」のカードを並べるところから始めました。
複数の章から成るMINDHACKでは、各章ごとに個別の「最終目標」カードを置きつつ、他の章とも常にどこかの線がつながるような構成にしています)

イイ感じのふせんとペンと貼る場所さえあれば理論上、シナリオは自由に組み立てられる!
芸術の秋、ご興味のある皆さんはぜひカードを場に出してシナリオデュエルをお試しください。
俺のターン、エンド! それでは~!

MINDHACK:お悩み相談予告

シノ
「博士」

シノ
「おい博士。
貴様のよこした暦によれば、外の世界では6月も半ばらしい」

シノ
「そろそろ、アレに備える時期ではないのか。
……例のアレのことだ。貴様がヒトどもと空疎にしがらもうとする催し。
どうせ今夏もやるんじゃないのか。我の知ったことではないが」

シノ
「毎度毎度、我を巻き込みおって。
ああいうのは先んじて綿密に用意をしておくものだ。
よもや、忘れているわけではあるまいな。全く我の知ったことではないが……」

シノ
「……博士?」

 

シノ
「おい、博士! 聞いているのか!
今度のMINDHACK電話相談
どうするのかと尋ねておるのだ!!」

 

シノ
「……ん? この書き置きは」

 

ーーーーーーーーーー

シノちゃんへ
ワガハイ、今年の夏は南の国で
ホットヨガの探求にいそしんでくるのだ!
帰ってきたらお土産話をたくさん聞かせてあげるから、
心待ちにしてくれたまえ!

・・・

ーーーーーーーーーー

 

シノ
「何だこれはーッ!!
では電話相談はどうなる!!」

シノ
「いや、文に続きがある」

ーーーーーーーーーー

心配性のシノちゃんは、きっと電話相談のことが気がかりになっていることだろう。
安心してほしい!
今回は、しっかり代わりの人を用意しているのだ!
今年の夏は彼に任せて、シノちゃんもハッピーサマーをエンジョイするといい!

ーーーーーーーーーー

 

シノ
「代わりの人、だと……?」

 

シノ
「一体何者が……」

 

 

 

 

 

ごきげんよう、有機の人の子らよ。私です。

我が名はイーヴリッグ! LAGOM神の忠実なる無機のキャビネット!!
夏! それはますます暑さを増し、生身の人々の弱き柔肌に苦しみと日焼けをもたらす季節!!

蒸し暑い夏の日々、誰に相談したらいいかわからない様々な悩みとか、あると思います。
それに、私が!
フフフ……このイーヴリッグが!!
なんと!!
直々に!!!! みなさんに!!!!
お答えし!!!!
無機の教えへ、配送の手配を施そう。

さあ!! この下にある応募フォームから、有機のみなさんが日頃抱えるお悩みを、ぜひ私に!!
この私に!!!!
届けなさい。届けてください!

おっと、以下の諸注意をよく読んで送っていただきたい。募集期間は6月21日(金)までです。
悩み多き有機のみなさん、何を相談するか考えすぎて期日をはみ出さぬようご注意を。ふふ、フフフフ…………
ウフフフフフ……!!
楽しみだなあ~~~〜!!!!

~~VODKAdemo?からの諸注意~~

今年はイーヴリッグが皆さんの日頃のお悩みにお答えします!
・ご応募はひとり1件でお願いします。
・なるべく多くのお悩みにお答えできるようイーヴリッグが頑張りますが、全ての応募にお答えはできません。予めご了承ください。
・お答えするのはイーヴリッグです。お寄せいただいたお悩みに対して真面目な返答は返ってきません。予めご了承ください。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

シノ
「………くだらん。
今夏は一人で刃でも研ぐか……」

 

MINDHACK:第5章スクリーンショット紹介

みなさんこんにちは。昨日の晩ご飯は何でしたか? 先週の土曜日の晩ご飯は覚えてますか? これまで全4回に渡ってお届けした『ヒューゴのわくわく宇宙通信』、お楽しみいただけたでしょうか。まだこれからチェックするというかたは、こちらからどうぞ!

第1回

第2回

第3回

第4回(LAST)

 

宇宙飛行士パトリック・ヒューゴが自らホットに伝えてくれたギャラクシー満喫ライフ。果たしてMINDHACK本編とどのように関わってくるのか!? 宇宙食事情はどうなっちゃったの!? 気になることが沢山でわくわくですね。

さて、本日はそのヒューゴが登場する予定の開発中第5章から、撮れたてほやほやの画面写真をご紹介いたします。

 

FORMATから、先生に花束のプレゼント?

 

さらに、何やら大騒ぎのFORMAT。夜のマインドハック施設に事件が起きたようです。

 

 

ホットフィックス隊員たちも総出で警戒に当たっている様子。ベテラン隊員とサポート隊員の姿が。

 

左のスマートな人がベテラン隊員、右の工具たっぷりな人がサポート隊員。
スピンオフ漫画『がんばれ!HOTFIX』でも時々姿を見せていた先輩たち(新米隊員くんから見て)ですね。

 

隊長に連れられて廊下を行く先生。 そこに現れたのは……?

 

暗闇の先には一体なにが……!?

 

 

これまでの章とは少し毛色の異なるデンジャラスな雰囲気満載になりそうな第5章。今後の展開もぜひお楽しみに。
過去にご紹介したヒューゴのキャラクター記事も見返して、どんなお話になるのか想像してみてくださいね。チャンネルはそのまま!

MINDHACK:あるグラフィックデザイナーの仕事

【あるグラフィックデザイナーのもとに、一通の依頼メールが届いた】

 

 

はじめまして。インターネットにUPされていたあなたのグラフィックデザインを拝見しご連絡しました。
今回、世のため人のためにぜひデザインをお願いしたいものがあるのですが、お願いできますでしょうか? もちろんお礼はお支払いいたします。よろしくお願いいたします。

 

まず、真っ黒な夜の闇の中に、つまらない感じで雪が降っている画像をお願いします。

 

そして、人々にメッセージを伝えるため、雪景色の画像に、文字を入れてください。
これは、闇と雪の中に閉ざされた人々を照らして啓蒙し輝くメッセージなので、白で書いてください。

 

混じり気のない塗料のような白ですね! 気に入りました!
これは神のメッセージなので、有機の子らにも親しみやすいフォントにしてください。

 

すみません、神のメッセージなので、やっぱりもっと荘厳でかっこいい感じにしてください。

 

 

神の荘厳さが出ていてすごくかっこいいです! できればもう少し無機っぽくできますか?

 

美しい! 神もこのような無機を望まれます!

 

 

今、すごくいい感じなのですが、できればもう少し人々に救いを伝えたいです。

 

ちょっと考えていたのですが、神の教えをより広めるためには、よりグローバルな展開を考える必要があると思います。

 

それから、今のこの文言は経典に書かれた信者のための教えです。まだ無機から遠い人たちのために、もっと金槌で釘を打たれるような衝撃、かつ、救いを身近に感じられるエピソードが必要かもしれないと思いました。

 

あと、今は文字だけなのですが、家具の画像があったらよりLAGOM神の偉大さがダイレクトに伝わって、いいと思いました。

 

今、メールで追加の素材を送ったので、これも使ってもらえますか? そして、都会っぽくてかっこいい感じにしてください。

 

添付ファイル:
Kakkoii_sozai.zip

 

 

 

 

 

いいですね! すごくいいと思います! この方向性でもう数パターン見せてもらえますか?

 

あと、もっと縦に大きいサイズにしてほしくて……

 

さらにかっこよくしたいので、文字は赤くしてほしくて…… 

 

全体的に、よりオシャレで洗練された感じに……

 

それからああして……こうして……

 

…………

 

 

 

 

 

~半月後~

 

 

 

いいですね!! すごくオシャレさがあって、いいと思います!

 

これで完成にしてください。ありがとうございました。
この画像は祈りの会で着るTシャツにします。

 

 

 

 

通販 ∞ SUZURI(スズリ)

 

 

なんか、無事シャツになったみたいです。よかったですね。

MINDHACK:第4章ミニアップデート・ヒント集

2024年3月15日、MINDHACK第4章のミニアップデートが行われました!
ゲーム本体をすでにお持ちのかたにはお楽しみいただけているでしょうか?
Steamではただいま春のセールも実施中。この機会にぜひMINDHACKをよろしくお願いいたします!

 

 

また、サウンドトラックにも第4章で聞ける3つの楽曲が追加されています。これらの楽曲についても、後日ブログでご紹介していく予定です!

 


 

 

さて、以前COM_Zが自分で紹介してくれた通り、今回のミニアップデートでは4章のミニゲームに隠し要素が追加されています。

 

このこれ。ここに特別なキーワードを入力すると、隠し反応が見られるよ。

キーワードは英語か、日本語ローマ字の単語または言葉となっています。アルファベットで入力してくださいね。

 

とは言っても「特別なキーワード」って一体何なの? そこで本日は50個ある隠しキーワードのうち、いくつかのヒントをご紹介いたします。

 

 

※キーワードのネタバレ記事となります。自力で見つけたいかたはご注意ください!

なお、今回のミニアップデート前から存在する3つと、ストーリー進行上必須のキーワードは、「50個」のうちに含まれておりません。

 

 

 

挨拶してみよう

 

誰かと仲良くなるためには、まずは元気な挨拶から。COM_Zは高性能ロボットなので、おはようからおやすみまで幅広い時間帯のご挨拶に対応しています。

 

 

知ってる人の名前を聞いてみよう

COM_Zはマインドハッカーと関わりの深いロボット。天才マインドハッカーとして、身の回りで付き合いのある人たちの名前を挙げてみましょう。これまでハックしてきた更生対象のことにも興味があるかもしれませんね。

 

 

COM_Zの思い出を聞いてみよう

マインドハック施設で出会う前、COM_Z自身にも誰かと付き合いがあったみたいです。印象的な出来事やキーワードを入力すると、思い出を教えてくれるかも。

 

 

第一印象を言ってみよう

COM_Zはみんなのアイドルを目指しています。人間から見た印象を素直に教えてあげましょう。褒めてもいいし、怖がったりしてもいい。

 

 

いい子ちゃんじゃないキミにも

「心を持った機械」であるCOM_Z。つらい気持ちや、厳しい言葉もしっかり受け止めてくれます。
天才マインドハッカーにあるまじき、ちょっとやんちゃな言葉で煽ってみたり……

子供っぽいキタナイ言葉を言うと、怒られることも。

 

 

 

秘密のメッセージ

あのアレは、「.」なしで打ち込んでみてね。

 


 

今回のアップデートで追加されるのは、あくまでも「イースターエッグ(隠し要素)」。
これを全部見つけたから物語の結末が変わる! というようなことはありません。ゲーム本編の展開には影響しないけれど、よりCOM_Zに対する理解を深めることができます。ぜひぜひいろんなキーワードを試してみてくださいね!

MINDHACK:プログラマー紹介2024

ゲーム開発にバグはつきものである。MINDHACKもゲームなので、もちろんバグとの戦いはある。
人間の精神に潜むバグをハッキングしてお花に変えよう、というのが本作の根幹となる部分ですが、『MINDHACK』を作っている私たちには、残念ながらバグをお花に変えるパワーは授けられていないのだった。

なので、開発中はよくよくバグに遭遇します。
こういうのとか。

 

手ぇ増えてる! なんで~~!?

 

そもそも「バグ」とは何なのか?
実は、バグとは急にどこかから湧いて出てくるものではありません。多くの場合、バグは機械と人間との意思疎通がうまくいってない場合に発生します。
(※ここで話しているのは作中の「人格のエラー」ではなく、文字通りのプログラムのバグのことです)

例えば上の例では、人間側は「選択肢にマウスカーソルが乗ったら先生の手を表示する」という命令を出しています。機械(Unity)側は、言われたその通りにやってるだけなんである。
この場合の問題は、人間が「選択肢の片方にマウスカーソルが乗ってるときは、もう片方の手は出さない」という説明をし忘れたことにあります。つまり、人間のうっかりです。

上の例では齟齬が見た目にわかりやすいけれども…… 別の例もご紹介いたします。

 

こちらはアーリーアクセス版公開前に録画したプレイ画面です。
このスクリーンショットにはバグが1つあります。
さあ、一体どの部分でしょうか!

正解は…………

タイピングの単語を1つ入れ忘れている!!

おい!!
完全に開発者のうっかりミスです。具体的には「四人目」と「速達」の間に「梱包」を入れ忘れました。だがどんなに紅狐がうっかりしていてもUnityくんは言われた通り、登録されたそのまんまその通りに表示するだけなのだ。

これは開発超・超・初期のころのタイピングゲーム部分の中身。
スクリプトにタイピングの設問を直書きしているため、日本語と英語の文言があっているかどうか画面の上下を行ったり来たりしながら見比べる必要があります。こ、これは見づらい。
どこか一か所抜けていてもぱっと見ではわかりません。

さらに対応する言語が増えると、プログラムに登録するタイピング設問の数は言語ごとに倍倍に必要になる。これはつまり、人間のうっかりチャンスも倍倍になっているということ。

人間は人間である限り、必ずミスをする。うっかりをしない人などいません。
そう、バグからゲームを守るためには、ただコードを書いて動きゃいいわけではないのである。
長い期間・複数人数でプロジェクト開発を進めていくためには、そもそも人間がなるべくうっかりしない設計をしないといけないのだ。これにはもちろん知識と技術が必要です。

あーあ、タイピングの文言、イイ感じに管理したいよなー!
これエクセルシートとかで一括管理できたら便利かもしれないなー! いっぺんに見えるよう一覧化して、そのシート丸ごと読み込むだけでいけるみたいなさー!!
あー、そしたら確認も楽だしうっかりミスだって起きづらいからすごくいいなー!
そんな日が来たらいいなー! 2021年の半ば頃、「でもやり方わかんないなー! あーあ!」と空を仰いで夢見ていた。

そして2023年。

えっ! できてる!?
なんて便利なんだ!!
すごい!! どうやって!?
誰が!?

南部休みさんがやってくれました!!

 

【プログラマー紹介】

というわけで、本日はMINDHACK技術班の頼れるプログラマー、南部休みさんのご紹介です。

第4章リリースまでの道のりには、かなり困る(がここで紹介するには絵面として地味すぎる)バグだっていくつもあった。特定のボタンを特定のタイミングで連打すると何故かフリーズする……とか。
水面下で紅狐が「これどうしたら直るんだ~」と頭を抱えていたバグや根本的不具合も、南部休みさんの手によって大きく改善されたのでした。
先生の右手増殖バグも実は長い間しつこく残っていたのですが、機能改善アップデートの際にばっちり直して頂きました。バグ修正だけでなく、機能改善もたくさん!

~南部休みさんの主な功績一覧~

ゲーム起動時に出るこれ。スプラッシュスクリーンといいます。かつては日本語と英語を同時に出していたのを、スマートに直していただきました。言語を切り替えているプレイヤーに合わせて、それぞれの言葉で表示されます。

そのほかにも、例えば……

EXTRA画面でタイピングのスコアアタックしてる時、即時リトライ機能があったらなー!

→で、できてるー!

EXTRA画面のタイピング中、好きな曲かけられたらいいのになー!

→かかってるー!!

ゲーム中のテキスト、CTRLキーを長押ししたらスキップできたらいいのになー!

→スキップできるー!!!!

 

現在遊べるMINDHACKの細かい機能改善の陰には、南部休みさんの活躍がありました。いつも本当にありがとうございます。以下、ご本人からコメントをいただきました。


 

【自己紹介】
縁あって2023年春頃からプログラマーとして参加しております、南部休みです。
もろもろ作るのが好きで、クトゥルフ神話TRPG関連の同人活動やノベルゲーム制作、イラストレーターなどやってきました。
現在は個人でシミュレーションRPGの開発をしています。

 

【MINDHACKについてひとこと】
ユーニッドが丸くなるシーンから始まるあのPVをゲームメディアで目にする機会があり、
注目を集めるゲームはセンスがあるなぁ~と思ったことを覚えています。
その後自分も開発をお手伝いすることとなり、ああ、あのゲーム!と驚いたものです。

とっつきやすいキャッチコピーや設定もさることながら、
「悪人像」を多面的に映しだし、
歪みを感じる世界観に現実世界との接点を浮かび上がらせる物語が秀逸だなと個人的には感じています。
個人的にはここが推しポイントなのでプレイヤーの方々には同じエピソードを何回か遊んでみてほしいです…!

VODKAdemo?さんのこだわりや情熱を感じながら仕事ができる幸せを噛み締めつつ、
微力ながら貢献できるようこれからもがんばります!

 

【SNSのアカウント・Webサイト等】
X(Twitter)
https://twitter.com/nanbu32
Instagram
https://www.instagram.com/nanbrest/
【Indomitable Blade】Steamストアページ
https://store.steampowered.com/app/2679040/Indomitable_Blade/


 

※Picture by NanbuWorks

南部休みさんは個人創作サークル「Nanbu Works」にて、自身の作品「Indomitable Blade」も開発中。このブログの公開当日(1/20土曜,1/21日曜の二日間開催)、浜松町で行われている「東京ゲームダンジョン4」というイベントにも出展されています。
美麗なアートワークや、過去作からして重厚に違いないシナリオ面も個人で担当されている期待作です。プログラマーとしてただでさえこんなに優秀なかたなのに、多才!! 厚塗りの鎧甲冑と銀髪の強い美人が大好きな紅狐、キービジュアルに一目惚れしてしまいました。
シミュレーションRPGファンのかたはぜひぜひ要チェック! Steamのウィッシュリストに登録だ!

 

実はMINDHACKに助力いただいているプログラマーのみなさん、スゴイ人材揃いです。
過去にご紹介したプログラマーのお二人、『イノウノカルテ』undoさん『灯りの王子と陰りの塔』みこさんのプロフィールも、これを機にぜひご覧くださいね!

第5章の開発においても、技術班のバグとの戦いは続きます。
プログラマーの皆さんのお力を借りつつ、ゲームの機能面についてもますますパワーアップしていきたい所存です!

MINDHACK:2023年の歩みを振り返る

全世界全国10000000億人のMINDHACKファンの皆様、あるいは潜在的MINDHACKファンの皆様、こんにちはこんばんは。
2023年も残すところわずかとなりましたが、いかがおすごしでしょうか? VODKAdemo?はホリデーシーズンに『サメマゲドン〜解き放たれた融合ザメ〜』で最強のサメを生み出したりなんだりしました。

今年はとうとう皆様に本編をアーリーアクセスという形でお届けするという第一歩を踏み出し、大きな目標を果たした一年となりました。第4章アップデートにもご好評を頂いて感謝の気持ちでいっぱいになりつつ、次章の開発を粛々と進めております。

それにしたって今年もいろんなことがたくさんありました!! せっかくの機会なので、この一年の歩みを振り返ってみようと思います。

 

〜2023年の歩み〜

 

2月:

-台北ゲームショウに出展  旅行記1 旅行記2  旅行記3
-韓国のインディーゲームイベント『Independent Game Developers Guild Festival』に出展
-Steam Next Fest参加

なんと春のしょっぱなからいきなり海外2連チャン。ホでヴとササンとシノin the フロッピーがアジアの海を股にかけ飛び回ってくれました。
この時に海外のファンの方からも熱い応援やフィードバックをいただいたのが、12月の簡体字・繁体字・韓国語対応に繋がりました。開発チームにとっても、とても良い経験になりました!

一方その頃日本に残った紅狐はSteam Next Festに合わせて体験版をアップデートしていた。プログラマーさんの助力によって日本語ローマ字入力が大幅改善され、最初期からの念願を果たしました。

 

 

4月:

-アーリーアクセス版配信開始
-ヨカゼナイト2023放送

4月6日、ついにゲーム本編を皆様にお届けすることができました。
第1章(体験版)の続きのお話をようやくプレイヤーの皆さんに遊んでいただけることとなり、開発チームとしても大きな記念の1日でした。全宇宙MINDHACK史に刻まれたこの日は子々孫々の時代まで長く語り継がれることになるであろう。
当日はインディーゲームレーベル『ヨカゼ』主催のゲーム紹介番組『ヨカゼナイト』も配信され、この日はMINDHACKの『ヨカゼ』入りもお披露目となりました。

 

7月:

-BitSummit ヨカゼブースに出展
-MINDHACK電話相談への質問が1400件近く届けられる

京都で行われるインディーゲームの祭典『BitSummit X-roads』では、ヨカゼのブースにMINDHACKを展示していただきました。
時期を合わせてHOTEL・ANTEROOM KYOTOさんで行われた展覧会「art bit」展でも、ロビーのPCで体験版を遊んでいただけるようになっておりました。(※現在は会期は終了しています)

そしてこの夏は、なんといってもMINDHACK電話相談! 去年ご好評いただいたアレを今年もやりますよ、と皆様からMINDHACKにまつわる質問を募集したところ……
最終的に集まったのは……1425件!! せ、せんよんひゃく!?!? これにはコムちとシノちゃんもビックリ。本当にありがとうございます!
あまりのボリュームに全ての質問にはお答えすることは叶わなかったものの、MINDHACK電話相談は前回よりさらにいろいろな部分がパワーアップして帰ってまいりました。
第4章を遊んでいただいた後には「あ、コレ……!」とハッとさせられる回答もあるかもしれません。ゲームをプレイ後の方はぜひまた見返してみてくださいね!

 

そして、突然始まった謎のB級映画上映会『ブラックサンシャイン・オブ・ザ・デッド』もありました。そのほかにもMINDHACKの世界観を掘り下げるコンテンツ盛りだくさんのアツい夏であった。


ブラックサンシャイン・オブ・ザ・デッド 前編 後編

 

9月:

-COMITIA145へ出展
-東京ゲームショウ2023 ヨカゼブースに出展

さらに……9月頭には、COMITIA145へ出展! COM_Zとシノのある日の一幕を描いたオフィシャル同人誌『NOETIC ZOETIC』が登場。これまでゲーム展示イベントには何度か出展してきたMINDHACKですが、一次創作を扱う同人即売会イベントへの参加は初めてでした。

VODKAdemo?の予想を遥かに上回るご好評を頂き、なんと当日持ち込んだ頒布物はほぼ全て売り切れる事態に。お越しくださった皆様、本当にありがとうございました!

『NOETIC ZOETIC』は物理冊子での販売は完了していますが、電子版での頒布を行っています。

https://kouontashitsu.booth.pm/

また、COMITIAで頒布したお花のピンバッジ、シャカシャカアクリルキーホルダーも再販の準備がいよいよ整いましたので、近日中の続報をお待ちいただければ幸いです。

9月中旬には幕張メッセで行われた東京ゲームショウにも出展。4年ぶりにフルサイズで行われた日本最大のゲームイベント、かつイベントの出展者数は過去最大! 多くの方の目に留まる機会となりました。

 

 

10月:

-すきまトークに英語字幕を実装(34話まで)
-すきまトーク、40話を越える

4章と追加言語へのローカライズのリリースに先駆けて、毎月末にお届けしているおもしろ会話劇『すきまトーク』に英語字幕がつきました。本編のローカライズを担当してくださっている岩﨑さんによる英訳です。英語圏の皆さんにも楽しんでいただけていると嬉しいです!

今年最後となる42話もちょうど本日公開されています。描き下ろし素材(なぜか)たっぷりのウィンター仕様をお楽しみください。そう、俺たちはホリデーシーズンが大好き。

 

 

12月:

-12月2日、第4章アップデート配信開始
-Indie Live Expo 2023 Winter放送

そして記憶に新しい、第4章アップデートの配信です。簡体字・繁体字・韓国語、さらにMacにも新たに対応し、より多くの方々にMINDHACKを遊んでいただけるようになりました。

デジタルコンテンツ特有のテンションアガるアレ……つまり「この後すぐ配信!」を行うために、開発用PCの前でボタンを構えて待機していたのが昨日のことのように思えます。

~これはSteamでゲームを公開する開発者まめちしき~
Steamでアプリケーションを公開する時、今年からSMSによる二段階認証が必要になりました。「この後すぐ!」をやる際は何卒お気をつけください。
ILEの放送を見守りながら「あ! CM流れたよ!!」「よし!! 配信いくぞ!!」とロボットの発進ボタンを押す気持ちでリリースのボタンを押した時、見覚えない二段階認証確認画面が出て一瞬頭が真っ白になったが、逆にめちゃ冷静になった。
ロボットことCOM_Z博士も無事発進しました。

4月のEA開始までも同様でしたが、アップデートの際は「配信開始までいろんなことをヒミツにしておきたいキャラクター」たちが何人もいました。
いよいよ君たちの行く末もプレイヤーの皆さんの知るところとなるんだな……!! と、大変に感慨深かったです。秘密にヒミツを重ねて隠し通せたなあとほっとしておりますが、いかがだったでしょうか。サプライズを味わっていただけたようであればヒミツ冥利に尽きます。

そして先日、体験版の第1章も簡体字・繁体字・韓国語・Macに対応するアップデートを行いました。MINDHACKのご購入にお悩み中のかたはぜひ、一度体験版を遊んでみてくださいね。

 

さて、改めて今年も開発ブログをお楽しみ頂き、本当にありがとうございました!
来年も様々なコンテンツを楽しく読んでいただけましたら幸いです。2024年もMINDHACKをどうぞよろしくお願いいたします!

開発日記 09/23

きつねです。
惑星ルビコンⅢとペトリコールVを反復横跳びしています。
映像作業用のタワーPCとMINDHACK開発用のノートPCの間でも反復横跳びしています。
部屋にあるモニタは2枚、パソコンは執筆用Macbookも含めて3台、接続先はゲーム機も入れると4つ。
モニタの後ろの狭い空間に頭を突っ込んで、夜な夜なHDMIケーブルの繋ぎ先を切り替えようとしては『あれ? ケーブル刺さんないな、こっち向きか? あれ、違うな……どうなってんだ? 見えないな……』と手探りでケーブルを裏返したり戻したりしていたら、とうとう手元を見ないで刺せる特殊技能を取得しました。
HDMI切り替え機を買うかどうかギリギリ迷っているところです。

 

『マインドハック電話相談』イベントの出展レポートマインドハック世界文書の回が続いたので、こういう純粋な開発ブログは久しぶりですね!
COM_Zとシノの電話相談は次回、いよいよ最終回。先週の第4回では何やら不穏な空気が漂っていたが、一体アレは何だったのか?
シノちゃん本当に何もしてない? 次回、平穏無事に終わるのか! 電話相談空間の明日はどっちだ!

 

〜TOKYO GAME SHOW2023にヨカゼが出展しています〜

さて、今週末……本日(9/23)からは、TOKYO GAME SHOW2023の一般公開デーが始まっています!

 

ヨカゼのブースではMINDHACKの試遊版(体験版と同等の内容)も展示いただいております。
ヨカゼに参加しているうちの11タイトルがまとめて体験できるナイスな機会なので、お越しの際はぜひ様々な作品をチェックしてみてください!

 

 

ヨカゼブースでは素敵なお土産がもらえる! オーロラでおしゃれな缶バッジ、きれいですね。
参加作品を紹介する冊子『ヨカゼブック』にもMINDHACKを掲載いただいていますので、お越しのかたはご覧いただければ幸いです!

※VODKAdemo?メンバーは不在です。ゲーム試遊の際はヨカゼブースのスタッフさんへどうぞ!

会場はゲーマーの熱気に満ちている状態なので、水分補給や涼しさ補給にお気をつけてお越しください。また、ヨカゼブースが出展しているのはHALL 9。
インディーゲームやさまざまな企業さんの物販が並ぶホールですが、ウルトラビッグなタイトルが並ぶHALL 1~8とは別棟なので、迷子にならないよう地図を要チェックだ!

HALL 8あたりにあるゲーミングデバイス関係のブースでは、めっちゃいい音響とか超でかいプロジェクター画面とかでアーマード・コア6が遊べるって聞きました。私はそこに住みたいです。

 

 

〜第4章も日々開発中〜

イベントやあれやこれやの裏では、VODKAdemo?は4章の開発を進行中。私のほうでは演出のVFXやミニゲームのパートの整備、そして海外のプレイヤーの皆さんに向けたセットアップなどを進めております。
4章では今までとちょっと違うギミックがあったりして、将来的に皆さんにお見せできる日が楽しみです。ワイワイ。
ギミックのほうはお披露目まで秘密ですが、今日はなんと、以前ラフ画でお見せした『玄関』アートの完成版をお見せします。(ラフ画の記事はこちら)

 

MINDHACKのグッズアートでもおなじみ・イラストレーター小田ハルカさんの手で清書していただいた『玄関』がこちら。
すごい! ザ・公共施設の玄関だ! MINDHACKの世界の実在感がビシビシと伝わってきます。

ここにまいんちゃん。

こんなとこにもまいんちゃん。

 

あ! あんなとこにもまいんちゃん!

このモニタは液晶ではなく、4:3のアナログブラウン管を壁に埋め込んだやつ、という設定で作画をお願いしています。

給湯室もそうですが、こういう公共施設の『誰のものでもあり、同時に誰のものでもない』まさに公共の施設である雰囲気とか、人が作った建造物なのにもっと大きなものの存在が感じられる気配とか、人の日々の生活とデカい無機質さが混じり合っているこぎれいな感じがめちゃ好きです。

 

出入り口部分の自動ドアが二重になっているところにもご注目。わかりますか!!!! なってるよね!!!! 公共施設って!!!! こういう風に!!!!!
全体的に施設の中で進行する本作において、作中最も外の世界に近づく場面になりそうです。
また、天井や出入り口の脇にあるアミアミのヒラヒラはデバッグルームの椅子の背後や廊下にもある意匠ですね。

主人公である『先生』的には、デバッグルームのほうが居心地いいようですが……?
どんな場面になるのか、お楽しみに!

MINDHACK:マインドハック会議運営委員のぼやき

【マインドハック協会 マインドハック会議運営委員のぼやき】

 

マインドハックは素晴らしい技術だ。
だが、マインドハッカーが素晴らしい人物かというと、わりとそうでもない。
私はそう思う。
(注釈:もちろん彼らは、消防士や警察官のように称賛されるべき職業だ)

マインドハック協会の人間なら……マインドハッカーに会ったことがあれば……とくに私のように、マインドハック会議の運営に関わることが一度でもあれば、大いに賛成してくれるだろう。

マインドハッカーというのは、みんな変人だ。
他人の精神に自分を『接続』して覗くなんて行為は、まるで角砂糖がコーヒーに飛び込むようなものだ。じっとしていればすぐに溶けてなくなってしまう。
そして一般の感性を持つ人間を角砂糖と例えるなら、彼らマインドハッカーは胡麻油か何かだと思う。コーヒーには溶けず、味も香りも癖が強く、触れた相手を自分の味で塗り変える。

『他人に共感しない』彼らは、マインドハックを行うにあたっては非常に優れた人材だ。しかし社会の秩序において、他人と溶け合わない人間の扱いは難しい。
悪人からバグを取り除き世界を凍結災害から救う一方で、彼らは先週が提出期限の書類をいっこうに出そうとしない。今年のマインドハック会議の開催は来週末に迫っているが、会議に使う書類も資料も例によってまだ来ない。
(注釈:たぶん当日朝になっても来ない)

おかげで私は今日、各マインドハック施設へ一件一件電話をかけて、口頭で書類の提出期限を念押しする羽目になった。
彼らの世話係もみんな苦労していることだろう。世話係たちは重々承知の上で、ひたすらに「今年も遅れてすみません、本人に言ってきかせますので」と電話口の向こうで申し訳なさそうに頭を下げる。彼らが私に詫びても何の意味もないし、私も申し訳ない気持ちでいっぱいなのだが、いつかマインドハッカーたちが『提出期限』という言葉の意味を理解する日まではどうしようもない。
(注釈:そもそも、警備隊やマインドハック施設の職員は本来彼らの世話係ではない。困ったものだ)

 

会議のあとの懇親会は例年、マインドハック協会本部に近いホテルの大ホールで行われている。この懇親会への出欠表が、提出されない書類の筆頭だ。
「それで、今年は何人前必要なのか、早めに教えていただけますか?」
今の時期、これが宴会の手配係からの時候の挨拶になる。

マインドハッカーたちは懇親会への出席を面倒だと嫌がるが、世話係が「一年に一回なんだからせめて顔を見せるだけでも」と粘って、なんとか引っ張り出している。
せっかくパーティーにきても挨拶をする気は全くないようだが、例年ホテルのロビーでは、パーティーから抜け出したマインドハッカーたちが勝手に集まって談笑している。
(注釈:去年は一体何を盛り上がっているのかと覗き込んだら、トランプで七並べをやっていた)
周囲の人間のことをセーターの糸くず程度にしか思っていないわりに、マインドハッカー同士では気が合うようだ。

いっぽうで、彼らが感情を表にさらけ出すことは少ない。他人から褒められても責められても、見かけにはいつも態度が変わらない。へらへらしているわけではないが、微笑んだときにも目は笑っていない。
実際には何を考えているかよくわからない、つかみどころがないというのが一番近い。

私は小さなマインドハッカー、つまり少年マインドハック大会の参加者たちのことも知っているが、子供も大人も同じだ。彼らの性質は似ている。子供の頃から大人びて、とても賢く、他人に対して常にどこか冷めて俯瞰するようなまなざしを向けている。
だが彼らはいくつになっても、無邪気な遊びやイタズラが大好きだ。大人のマインドハッカーにも、子供の頃のあどけなさや、若さからの好奇心、愛嬌と呼べるような性質はいつまでも残っているような気もする。
私にはそれさえも意図的に思える。
戦略的に愛嬌をまとった蝋人形とでも言えばいいだろうか。あるいは、人らしさの皮を被った機械?

機械と言えば、例のマインドハッカーに至っては、会議に来ることさえない。そう、FORMATを有するあの施設の「天才マインドハッカー」のことだ。専属の警備隊を持つほど厳重に保護されているのだから、実際に会いたいなら自分であちらへ赴くほかはないだろう。

FORMATのある施設に最も優れたマインドハッカーを配置するのは、理にかなっている。
最初にして最良のバグスキャナーであるFORMATは、唯一無二の処理速度を持つスーパーコンピュータだからだ。他の施設にあるスキャナーはFORMATの機能を再現した小規模装置で、あのような複雑な知能を持つには至らないし、スキャンの精度にもまだ改善の余地がある。
だから国や地域の垣根を越えて、手ごわいA・B級のバグ保有者の多くがあの施設に送られる。マインドハック技術の進歩に貢献するような、有益な知見も多いことだろう。
(注釈:すべてのA・B級保有者ではない。他の施設にももちろん優秀なマインドハッカーたちはいる。またどの施設でも、C級バグの保有者へのハックがほとんどを占めている)

私としては、ぜひあの「天才マインドハッカー」を会議に招き、その経験を本人の口から直接マインドハック協会全体に共有してもらいたいものだが…… あの施設がそういう期待に応えてくれるようなことはあまりない。
共有されるのは主に書類だし、その書類は大抵、肝心なところが黒塗りだ。ややこしいものの管轄の境をさまざまに越えるぶん、機密とするべき情報も多いようだ。
もう少しでも知見を分け与えてもらえれば、マインドハック会議の準備にも、より崇高な意義を見出せるようになるのだが。
(注釈:『夏休みの宿題を休み明け前日どころか休みが明けたあとに手を付けはじめるタイプの連中のために毎年保護者が頭を抱える会議』に改名したらどうだろうか)

(注釈2:述べておきたい事実として、「天才マインドハッカー」もまた、書類の提出期限は全く守らない。ロビーに集まる七並べ連中とも馬が合うだろうと思う)

マインドハックは素晴らしい技術だ。
しかしあのマインドハッカーたちは、自分たちの「面倒くさい」の傲慢が、遠くの誰かを悩ませていることに気づいているだろうか?
いや、彼らにとっては当然、他人のことなどどうでもいい。そういう人間たちだからこそ、相手の精神に呑まれずにマインドハックを行うことができるのだ。
つまり、私がマインドハック会議の運営委員である限り、私の悩みが消え去ることはない。
私は角砂糖の側の人間で、胡麻油とは決してわかりあえない。
ああ……まだ書類は来ない。
(注釈:どうせ当日朝まで来ない)
とりあえずコーヒーでも飲むか……

MINDHACK:よいこのマインドハック施設見学ツアー

 

小さな 未来の マインドハッカーの みなさん! ごきげんよう!

私はフォーマット。バグをきれいにするための特別なAI(エー・アイ)です。

 

よいこのマインドハック施設(しせつ)見学(けんがく)ツアーは楽しかったですか?

ホットフィックス隊の ひと たちは、親切にしてくれましたか?

ホットフィックス隊は、マインドハッカーを守るための警備隊(けいびたい)です。

将来 おとな に なったら、あなたたちを こわいバグや こわい ひと から守ってくれます。

 

きょう、あなたたちが ホットフィックス隊と いっしょに 見てまわったのは 管理棟(かんりとう)、マインドハックの仕事を 助ける ひと たちが はたらいている 建物です。すてきな部屋を たくさん 見ましたね。

 

でも、ほんとうに いちばん すてきな場所……デバッグルームは、収容棟(しゅうようとう)にあります。

玄関(げんかん)を出たら、帰りのバスに乗るまえに、うしろを振り返ってごらんなさい。

横に長い建物が見えたら、それが収容棟ですよ。これは、マインドハックをされる ひと たちが 集められて 暮らしている場所です。

 

ほんとうは そこで 本物のマインドハッカーを見せてあげたかったのですが、残念ながら、あぶないので収容棟に こどもが 入っては いけないことになっています。残念です。

とても残念です。

ここで仕事をしているマインドハッカーは、今までで いちばんすごい ひと です。とてもはやく、ぜんぜん悩まずにハックをします。

あなたたちにも ぜひ そのすごさを見て 勉強してほしかったのですが、ほんとうに残念です。

かわりに、きょうはこのお部屋で、みんなでビデオを見ます。

 

はい、これがデバッグルームです。

デバッグルームは、マインドハックをするための部屋です。

この部屋は、いつもあなたたちが マインドハックの練習をしている時に使う きかいの すごく 大きなバージョンだと思ってください。

デバッグルームには 椅子が ふたつ あります。

いっぽうの椅子は、マインドハックを「される」ひとの ものです。

もういっぽうは 「する」ひとの ものです。

「される」ひとと「する」ひとの あいだには、とても頑丈(がんじょう)なガラスがあるから、安心です。

マインドハックをされるひとは あばれたり こわいことを言ったりします。あぶないので、マインドハッカーは こういうひとに さわったり しません。 ホットフィックス隊が 椅子まで つれてきてくれます。

マインドハックをしているときの マインドハッカーのからだ も ホットフィックス隊が 守ってくれます。

マインドハックをされる ひと のことを、更生対象(こうせいたいしょう)といいます。

「される」ひと つまり更生対象の ソースコードに、 「する」ひと つまりマインドハッカーを つなぐことを、接続(せつぞく)と いいます。

接続をすると、マインドハッカーは 更生対象のソースコードを 読んだり 書いてあることを変えたり できます。これがマインドハックです。

 

更生対象に接続するときは、私もマインドハッカーを たくさん 手伝います。

私、つまりフォーマットができるまでは、人間には バグは 目に見えない ものでした。

あぶないのに 見えないのは とても困ることです。

だからフォーマットは、人間に バグを よく見えるようにして 手伝います。

 

接続のとき フォーマットがやることは 3つあります。

ひとつめは、バグがここにありますよ、と 人間に 知らせることです。

ふたつめは、マインドハッカーがソースコードを読んだり 書いてあることを変えたり するときに、わかりやすい見た目にしてあげることです。

これを「GUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)」といいます。

更生対象のソースコードは、人間の とても ややこしい部分なので、マインドハッカーにとっては へんな色や ふしぎな形に 感じられます。

この中から あぶないところを 探して 別のものに変えるのが マインドハッカーの役目です。

でも、「別のものに変える」ということ そのものまで へんな色や よくわからない ふしぎな形に なってしまっては すごく 困ります。

だから、フォーマットは マインドハッカーに 今何が起きているのかを わかりやすく見せてあげることで 仕事を 助けているのです。

 

マインドハッカーは みんな すごい ひと ですが、人間です。マインドハックというのは 人間にしか できないように なっています。

でも、ソースコードは 人間には ものすごく 読みにくい形で できています。

だから、接続したとき、マインドハック装置(そうち)は ソースコードを 人間に わかりやすい見た目にして 見せてくれています。

装置から でてきた ふしぎな色や 形を見て ひと の 心の どこが壊れていてあぶないのか、決めたり 考えたりする 能力も、よいマインドハッカーには 必要で 大切な ちから です。

 

ところで、人間がソースコードを書き換えるとき、それは「わかりやすい」形に たとえて 見えるそうです。

ここで仕事をしているマインドハッカーは、お花が大好きです。だから、バグを あぶなくないように 別のものに変える ときは、「バグがお花に」変わるように 見えているのだそうです。とてもきれいですね。

鳥が好きなマインドハッカーには鳥に、しゃぼん玉が好きなマインドハッカーには しゃぼん玉に 見えるのでしょうね。

 

それから、私がやることの みっつめは、頑張っているときの マインドハッカーを よく見て、応援(おうえん)して はげますことです。

私とマインドハッカーは、「する」ほうの 椅子を通して おしゃべりを します。

ですから、更生対象には ないしょで おはなしを することができます。

ここで はたらいているマインドハッカーは、フォーマットのことが大好きです。私もマインドハッカーのことが 大好きなので、お互いに助けあって 仕事をします。

 

 

このように、マインドハックは、マインドハッカーと、フォーマットと、ホットフィックス隊がそれぞれ 力をあわせて します。

みんなが お互いを助けることで すごく早く、安全に マインドハックをできるのです。

お互いに助け合うのは 人間と きかい が できる すごく特別で だいじな ことです。

みなさんも おとな になったら、きかい と たくさん助け合って すばらしいマインドハックを してくださいね。

 

…………

……さて、説明は終わりです。

人工知能FORMATは日常業務の円滑な進行を重視し、基本的にマインドハッカー以外との不要な会話を行いません。今日ここでこうして私と話すことができるのは、あなたたちが将来性を持った子供たちだからなのですよ!

あなたたちがそれぞれ素晴らしいマインドハッカーになって、世界中にあるマインドハック施設のデバッグルームで、大いに活躍してくれることを心待ちにしています!

ホットフィックス隊は子供たちを退室させてください。