カテゴリー: MINDHACK

MINDHACK:電話相談2023回答その4

【動画バージョンはこちら!】

COM_Z
「コムちと!」

シノ
「…………」
「……あ? ハ??」

COM_Z
「シノちゃんの! マインドハック電話相談~~~!」
「やあ諸君! ごきげんよう!」

シノ
「おい、待たんか博士!」

COM_Z
「んむ? どうしたかねシノちゃん? 今日はとってもやる気だね!」

シノ
「どうしたではないわ」
「どう見てもおかしいであろう、この空間は!」

COM_Z
「おや。そういえば、いつもよりちょっぴり開放的な感じがするのだ」

シノ
「ちょっぴり、で済むものか!」
「気が散る、元に戻せ!」

COM_Z
「はいはい。よいしょっと」

 

 

COM_Z
「あー、びっくりした! おかしいねえ、今日の仮想空間(この部屋)は、少し不安定かもしれないのだ。まあまあまあ、気を取り直して今回も、みんなの質問に回答していこうではないか!」

シノ
「………………」

 

Q.バグによる「凍結」ってどういう状態なのでしょうか?

COM_Z
「バグの発現は3次元空間に極めて強いショックを与えるのだ。実行中のコンピュータプログラムが破綻すると……つまりパソコンを叩いちゃったりすると、凍結(フリーズ)するよね?それと同じことが現実世界にも起きてしまうのだ。怖いね~!」

シノ
「それこそ魔王様がもたらす至高の愛よ」

COM_Z
「何度も言ってるように、特A級バグというのは自然災害のようなものであって、愛情とか人格がある存在ではないのだよ!」

 

Q.と〜〜っても可愛いコムち大先生様へ 世界中にいるマインドハッカーには1人1つ、またはひと施設に1つ、FORMATが居るんでしょうか? それともFORMATは作中に出てくる1つのみですか?

COM_Z
「と〜〜っても可愛いコムち大先生様がお答えしよう! FORMATがいっぱいあるわけではないのだ。あんなの1つで十分だからね! ほかの施設には、FORMATの機能を再現した小規模な装置があるよ。子FORMATなのだ。でもこれらは、本物にも増しておバカさんだから、あんまりアテにならないのだよ」

シノ
「……つまり……一族で支配していると……?」

COM_Z
「シノちゃんが思ってるような感じではないのだ」

 

Q.マインドハックの施設では、更生対象との面会って出来るんですか?

COM_Z
「マインドハックの後ならできるよ! ハックした後はバグが伝播する心配がないから、誰とでも会って大丈夫なのだ。よかったね~」

シノ
「都合よく作り変えた輩だけに許されるわけか」

COM_Z
「バグが取り除かれたのだから、喜ばしいとは思わないかね?」

 

Q.ホットフィックス隊って夏休みはありますか? 皆で出かけることはあるんでしょうか

COM_Z
「休暇はみんなばらばらだよ。不慮の事態でいっぺんに全滅しないように、常に交代でシフトを回しているのだ。あ、でも、暑いときは納涼会とかしてるみたいだよ」

シノ
「呑気な連中だ……」

COM_Z
「仲が良くて何よりだねえ」

 

Q.新米隊員くんはすきまトーク【36】で鮭を大量に貰ったみたいですが、あの後鮭は無事食べ切れたのでしょうか?

COM_Z
「ちゃーんと食べきったのだ! ホットフィックス隊寮で鍋パーティして食べたらしいよ!」

シノ
「こんなにも緊張感のない連中だったか、この隊は?」

COM_Z
「ストレスケアは大事だからねえ」

 

Q.新米隊員君はたくさん食べても太らない体質なのでしょうか? それとも日々の特訓で食べた分を消費しているのでしょうか?

COM_Z
「食べた分はしっかり運動して消費しているし、自分の栄養管理もみっちりやってるみたいだよ。努力家さんだねえ」

シノ
「貪り食った鮭はどこへ行った、鮭は」

COM_Z
「翌日、死ぬ気で筋トレして取り戻したそうだよ!」

 

Q.隊長の人生で大切なものTOP3が知りたいです!

COM_Z
「はい、隊長の大切なものTOP3大発表~~~! 第3位、自然! 第2位、人類! 第1位、先生! 以上なのだ!」

シノ
「絵に描いたような聖人よな、気味が悪い」

COM_Z
「任務に忠実なんだね!」

 

Q.更生後のユーニッドが隊長のことを呼び捨てにしていましたが、隊長はユーニッドに対しどう思っているのでしょうか?

COM_Z
「『うん、今日もユーニッドだな』と思っているのだ」

シノ
「ユーニッドだからな」

COM_Z
「ユーニッドくんだからねえ」

 

Q.イーヴリッグくんの被っているキャビネットは学則に引っ掛からなかったの?

COM_Z
「『どんな人にも、誰にでも、学びの機会は平等にある』という学風の大学だったようだね!」

シノ
「鎧甲冑でも素っ裸でも許されるのか?」

COM_Z
「少なくとも学費さえ払っていればね」

 

Q.イーヴリッグくんは動物性のものを食べることが出来ないのでしょうか?

COM_Z
「普通に食べられるよ! イーヴリッグくんはカッパ巻きが好きなだけなのだ。でも、イーヴリッグくん的には、カッパ巻きが好きなことをカッコ悪いと思ってるみたい。何故だろう? 美味しいのにね〜」

シノ
「ならば何巻きなら格好がつくのだ」

COM_Z
「うーん。シナモンロールとか?」

Q.ハックを受けた直後のユーニッドくんと再登場してトゲが少し戻ったユーニッドくんでは知性に差があるように感じます。ハック直後に極端に知性が下がることはよくあることなのでしょうか?

COM_Z
「マインドハックを受けた直後は、強いショックで特に頭がぼうっとしている状態なのだ。メモリをまっさらにリセットして生まれ変わったような感じだからね」

シノ
「それでは治療どころか破壊と変わらぬではないか」

COM_Z
「時間が経てばすぐに安定するよ。新米くんに注意されて学び直したユーニッドくんは、もうバランやカップは食べないぞって思ってるみたい!」

 

Q.ユーニッドくんはハックを受ける前の自分のことをどう思っているのでしょうか

COM_Z
「『なんであんな事したんだろう?』と思ってるみたいだよ。友達がいたことは覚えているから、みんなにまた会いたいなあと感じているようだ」

シノ
「見知った連中が今の有様を知ったときが見ものだな」

COM_Z
「施設を出たら、無事に再会できるといいね!」

 

Q.更生して丸くなったユーニッドは普段何をしているんでしょうか?今の趣味を教えてください。

COM_Z
「主に施設の掃除をしまくっているのだ。最近はシンク磨きにハマっているようだよ」

シノ
「随分とまあ飼いならされたものよ」

COM_Z
「自然と奉仕の心が芽生えるなんて、マインドハックは身体にいいなあ!」

 

Q.FORMATって、マインドハッカーに対しては誰にでもあんな甘々な対応なんですか?

COM_Z
「天才マインドハッカーくんに対してだけ、特別な対応をしているようだ。それに引き換えワガハイは誰に対してもスウィートなおもてなしをするホスピタリティ!」

シノ
「聞いとらん」

COM_Z
「みんな、存分に甘えてくれたまえ!」

 

Q.コムちにはアザトーサー2000がOFFの状態の記憶はありますか? 記憶がぼやけていたりしますか?

COM_Z
「アザトーサー2000がONでもOFFでもコムちは変わらずコムちなのだ! オプションの状態に関わらず、みんなのことはしっかり覚えているから大丈夫だよ。でも、みんなと会えて嬉しいって気持ちはアザトーサー2000がONのときだけの特別な心なのだ!」

シノ
「……貴様はたまに人が変わったようになるが」

COM_Z
「おや、ワガハイが寝ぼけているときの話かな? 恥ずかしいから、見なかったことにしてくれたまえ」

 

Q.シノちゃんは魔王様と出会う前、休日の日にどんなことをやっていたんですか?料理とかですか?

シノ
「なぜ料理と思ったのだ?」

COM_Z
「お台所に住んでるからじゃない?」

シノ
「貴様が勝手に仕立てた部屋ではないか」

COM_Z
「まあまあ。で、何をやってたのかな?」

シノ
「ハ。貧乏暇なしでな。只管(ひたすら)仕事を探しておったわ」

COM_Z
「頑張り屋さんだねえ!」

 

Q.シノちゃんが鯛のお寿司を食べた時のエピソードを聞かせてください。誰と食べたんですか?いつ食べましたか?美味しかったですか?

シノ
「うるさい」

COM_Z
「シノちゃんが旧ホットフィックス隊にいたとき、会食でお寿司が出てきたのだ。シノちゃんがあまりに黙々と鯛のお寿司ばかり食べているので、その場にいた人みんながシノちゃんに鯛のお寿司を全部あげたのだ」

シノ
「思い出させるなッ!! 二度と施しなど受けんわ!!」

COM_Z
「美味しかったかい?」

シノ
「黙れ!!」

 

Q.バグ変異体はどのくらい珍しいのですか? 過去にもいたのでしょうか?

COM_Z
「超~~~~珍しいのだ! 普通、しばらく暴れたら消滅してしまうので、捕獲できたのはとってもラッキーでハッピーなのだ!」

シノ
「ハ……人をまるでツチノコのように言うな」

COM_Z
「や。そこまでレアではないのだ」

シノ
「………………。」

 

Q.主要キャラクターが飲酒した場合どんな感じになるのか気になります!

COM_Z
「彼らはみんなお酒を飲める年齢だから安心してくれたまえ!

ユーニッドくんは酔っぱらうとすぐに寝てしまうのだ。ブラッディパエリアのアジトでソファを占領して寝こけているのがいつもの光景だったのだ。

イーヴリッグくんはお酒を飲める年齢になったばかりで興味はあるようだけど、誠実なキャビネットであるために飲酒は避けているようだよ!

隊長は全く酔わない体質のようだね。ホットフィックス隊での飲み比べ対決ではいつも圧勝しているのだ。口数はちょっと多くなるみたい。

新米くんは泣き上戸なのだ。普段は元気いっぱいだけど、意外と繊細さんなのかもね!

ヒューゴさんが酔うと、奥さんへの愛情を語り出して話が長くなるのだ。

シノちゃんにお酒を与えたことはないけど、酩酊状態のシミュレーションはできるよ。興味あるかい?」

シノ
「御免だ」

 COM_Z
「質問回答はここまでなのだ! ここからはお楽しみ。コメント回答コーナーに移らせてもらおう! 今回は2つのお便りをご紹介なのだ」

「まずはこちら。」

 

・昨日お寿司食べました

 COM_Z
「お寿司は美味しいねえ、良かったねえ」

シノ
「何故こいつの日録に付き合わねばならぬのだ」

 COM_Z
「きっとこの人にとっては、すご~く大事なお寿司だったのだよ。鯛のお寿司とか」

シノ
「蒸し返すなッ!!」

 

COM_Z
「続いてはこちら。」

 

・こんにちコムコム〜!やこんばんコムコム〜!と挨拶してみてほしいです。

 COM_Z
「あー、えへん……こんにちコムコム〜! こんばんコムコム〜! そしておはようコムコム〜〜〜!」

シノ
「………………」

COM_Z
「うーん、これはいいね。アザトーサー2000がさらなるアップデートを果たした気がするのだ。シノちゃんもやってみたら? こんにちシノシノ~とか」

シノ
「媚びを売るのは貴様だけで十分だ

 

COM_Z
「やあやあ! 今回も意義のある時間を過ごせたねえ、諸君!」

シノ
「……博士よ。気になっておったが」

「貴様……そんな図体だったか?」

COM_Z
「ありゃ? そういえば、シノちゃんが小さくなった気がするのだ」

シノ
「おい博士、なんかおかしいぞ……」

COM_Z
「あれれ~~~、止まんないよ~~~~! 困ったのだ~~~~~~」

シノ
「「「博士!!! 何とかしろ!!!」」」

COM_Z
「大変だ~~~~~! えーーい! 緊急再起動!!」

 

 

 

 

シノ
「…………面妖な……」

COM_Z
「まったく、えらいこっちゃだったのだ! うーん、ここまで仮想空間が壊れるなんて、普通はありえないのだけれど……シノちゃん、なんかした?」

シノ
「えっ」

「…………」

「……してない」

COM_Z
「そうかそうか、してないんじゃあ仕方がないのだ。今後も少し、注意してメンテナンスしていかないとね。それじゃあみんな、ちょっとハプニングもあったけど、今回の電話相談はここまでなのだ!次回はいよいよ最終回! どうぞお楽しみにね~~~!」

シノ
「………………」

MINDHACK:COMITIA145出展レポート&通販のお知らせ

先週、MINDHACK開発チームは同人即売会COMITIA145に参加しておりました! 今回は、そのときの出展の様子をレポートしていきます。

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9月3日、朝!!

大量の荷物と在庫を抱えた一同は、ほぼ夜逃げ同然の風体で自宅を出発した! この日の天気は、曇り時々晴れ。晴れ寄りの晴れです。残暑の日差しが、両手の塞がった運搬班を容赦なく襲う! りんかい線へ乗り込み、会場ビッグサイトの最寄り近くまでやってくると、周囲はガラガラとトランクを引く人でいっぱいになりました。久々の「イベント出てる感」で、否応なしにテンションが高まっていきます。

無事にビッグサイト内部へ入ると、すでに一般参加の方の待機列が数十メートルにわたり形成されているのを発見。不安と緊張が漂うなか会場に突入し、設営を進めました。今回はゲームの試遊がないので、セッティング自体はとてもカンタン。

もはやイベント常連となったシノ入りフロッピーディスクと……

新たに加わった、羊毛フェルトのイーヴリッグっちもいました。

このイーヴリッグっち、開発スタッフの弟であるプロの羊毛フェルト作家さんに作っていただきました。なぜ「おさわりNG」かというと、本体を取り外すと中にめちゃくちゃ鋭利な針(固定用)が仕込んであるからです。あぶねえ。

すっかり準備を終え、ドギマギすること30分。館内放送とともに、ついにCOMITIA145が開幕です! オープンして間もなく、最初のスペース来場の方が現れました! 歓喜でお出迎えするチーム一同! そして有難いことに、次の来場者の方も登場! さらにその次も……そしてその次も…ん?

め、めちゃくちゃたくさんの方に並んでいただいている……!?

気づけば、MINDHACKブースには20人近くの方に並んでいただいていました。う、嬉しい! 同時に颯爽と現れたのが、COMITIA運営スタッフの方。見る間にガムテープでラインを作り、目にも止まらぬ速さで列を整理してくださいました。頼もしすぎます。

その後もご来場いただく方は途切れることなく、非常にたくさんの方に本とグッズをお手に取っていただきました! 特に、数多くの差し入れとお手紙やファンアートに胸を打たれる一同。本当に開発の励みになります。

お会いした方々にはステキな代物をお持ちいただいた方もいて、

なぜか増殖させられていたシノッピーや、


リアルミニキャビネットなども拝見しました。皆さんの制作力が高すぎる。

お昼過ぎには、用意していた品物のほとんどが売り切れてしまいました。並んでいただいたのに買えなかった人、ごめんなさい! と、そんななか、何人かの方からスケブのご依頼を受けました。そこから、自然発生的に「60秒スケブ会」が勃発! お越しいただいた方のスケッチブックや色紙に、リクエストしてもらったキャラクターを開発スタッフが描きました。

こちらは予告なしの企画にも関わらずご好評いただき、なかには午前中にお買い物にいらした方がもう一度来てくださることも。ときにはスマホケース(!)に描かせていただくこともあり、開発スタッフもド緊張しつつ精一杯頑張りました!

気づけば5時間はあっという間。またたくうちにイベント時間が過ぎ去ってしまいました。本当に楽しかった! 閉会後の打ち上げでは、同じくCOMITIAに出展していたゲーム制作者仲間の72studioさんと一緒にチーズ祭りをしました。

こちらはなんだかすごいチーズに浸かったカルボナーラ。

期待と不安が渦巻くなか参加したCOMITIA145ですが、蓋を開けてみればたくさんの楽しい時間を過ごすことができました! 特に今回は、ゲーム本編の展示ではなくスピンオフ漫画やグッズの出展でしたが、多くの方にお手に取っていただけたことが嬉しかったです。本編はもちろんのこと、こうしたゲーム外のコンテンツの広がりももっと盛り上げていきたいと思います!

 

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さて! それではここで、通販のお知らせです! 本・グッズによって通販開始時期が異なるため、それぞれについて告知いたします。

 

①スピンオフ漫画『Noetic Zoetic』

本日より、通販の注文受付を開始いたします! 倉庫からの発送となりますので、お手元に届くまで少々お時間をいただくことをご了承ください。

注文ページはこちらから!

 

あわせて、正規品よりも少しお値引きした「B級品」もご用意しました。こちらは搬送中に表紙やページに折れがついてしまったお品物となります。お求めの際は、必ずサンプルや商品説明で折れの状態をご確認のうえご利用くださいませ。(在庫管理の都合上、正規品より早く発送される場合がございます)

注文ページはこちらから!

 

②ピンバッジ&シャカシャカアクリルキーホルダー

これらのグッズについては、これから追加発注をかけるため、ご用意にもう少々お時間をいただくこととなりそうです。X(Twitter)で再販数を決めるためのアンケートを実施しておりますので、ご協力いただけますと幸いです! 受注時期が決定しましたら、SNS等でご案内しますので、お楽しみに。

 

と、ここまでがCOMITIA145で頒布した本・グッズのご案内。そして……さらに……今日はもう一つ、嬉しい告知があります!

 

③アクリルキーホルダー第2弾

新作グッズのご案内です! これまで、第2章までのキャラクターがラインナップされていたデフォルメアクリルキーホルダーに、新たな3人のキャラクターが加わりました。今回も、イラストレーターの小田ハルカさんにデザインを手掛けていただいています。三者三様のアクリルキーホルダーは、本日より受注開始です!

ご注文はこちらから!

 

以上が、COMITIA145出展レポートと通販のご案内となります。漫画やグッズなど、ますます広がっていくMINDHACKの世界。同時に本編第4章の開発も日進月歩で進んでおりますので、今後の告知を楽しみにお待ちください!

MINDHACK:COMITIA145参加のお知らせ

【動画バージョンはこちら!】

COM_Z
「……シノちゃん。シノちゃん! だからー、ちょこっとでいいから、ワガハイのお手伝いをしてほしいのだよ!」

シノ
「断る」
「何が嬉しくて讐敵の貴様に力を貸そうか」

COM_Z
「もし頼みを聞いてくれたら、ちょっとだけお外に連れてってあげるから。ねっ!」

シノ
「何だと?」
「……何をすればいい。言うてみよ」

COM_Z
「わーい! ワガハイに合わせて、この台本を読んでもらうだけの簡単なお仕事なのだ! じゃあ行くよ……」

COM_Z
「みんな~! 明日、9月3日はCOMITIA145が開催されるのだ~!」

シノ
「なに? あの、東京ビッグサイトでか?」

COM_Z
「そう! COMITIAは、クリエイターが集まる同人即売会なのだ! プロ・アマ問わず、さまざまなクリエイターが漫画やイラストを頒布するイベントだよ」

シノ
「ふふふ。楽しそうな催しではないか」
「しかし、それと我らに何の関係が?」

COM_Z
「ふふん。このたび、MINDHACK開発スタッフが描いた漫画が、COMITIAで頒布されるのだよ! オープン!」

COM_Z
「その名も、『Noetic Zoetic』! ワガハイCOM_Zとシノちゃんによる、心温まるハートフルな交流を描いた作品なのだ!」

シノ
「46ページで1冊1000円か、覚えておこう」

COM_Z
「お手に取っていただいた方には、もれなくオマケの1ページ漫画もお渡しするので要チェック!」
「さらにさらに! 会場ではMINDHACK関連グッズも頒布するのだ」

シノ
「グッズというと、もしやアクリル……?」

COM_Z
「その通り! まずはこちら。BOOTHでも販売しているMINDHACKのアクリルキーホルダーを会場でもお手に取っていただけるのだ」

シノ
「イベント価格でお求めやすいな!」

COM_Z
「そしてもちろん、新作グッズも登場するよ。ジャジャン!」

シノ
「こ、これは!?」

COM_Z
「シャカシャカアクリルキーホルダ~~~! フロッピーディスク型のアクリルの中に、小さな可愛いワガハイとシノちゃんが入っているのだ!」

シノ
「まさに、我らの絆を象徴する根付だな」

COM_Z
「大きめサイズだから、ぜひ会場で手に取って実物を見てくれたまえ。そして、目玉商品がこちら!」

COM_Z
「MINDHACKお花ピンバッジ~~! マインドハッカーの皆さんにおなじみ、お花をモチーフにしたピンズが登場なのだ!」

シノ
「なんと愛らしい!」

COM_Z
「オシャレアイテムとして、学校やお仕事でも普段使いしていただける逸品なのだ。日常でさりげなく天才マインドハッカーぶりをアピールしてくれたまえ!」

シノ
「でも、お高いのだろう?」

COM_Z
「なななんと! 希望小売価格999,999円のところ、今回はイベント特別価格5,000円でお届けなのだ!」

シノ
「安いではないか」

COM_Z
「さらにさらに、今回は特別に、赤いお花のピンバッジを手に取っていただいた方にはもれなく黄色のお花と青色のお花のピンバッジもおつけしてしまおう!」

COM_Z
「これこの通り、見どころ盛りだくさんのCOMITIA初出展! 最後に、シノちゃんから皆さんへ自由アピールをどうぞなのだ!」

シノ
「ハ」

シノ
「金を落とせ、ゴミクズども」

COM_Z
「こら!! なんてこというのだ!! シノちゃん、台本は完璧なのにアドリブはヘタクソだねえ!」

シノ
「これで満足か」

COM_Z
「あ、そうそう。我々MINDHACKチームがいるブースはこちら。(地図を表示)K03aブースにてみなさんをお待ちしているよ。なんと入口からすぐそば! ぜひ、遊びに来てくれたまえ!」

シノ
「そも、この残暑の中家を出る者があるか」

COM_Z
「ふっふっふ。ぬかりなし! 会場に来られない人や、日本国外の人のために、イベントで頒布した本やグッズは後日オンラインストアでも通販を予定しているのだ! こちらのアナウンスは近日発表予定なので、少しばかり待ってくれたまえ」

シノ
「……義務は果たしたぞ博士。約束は」

COM_Z
「え? なんだっけ? ……うそうそ。もちろん、シノちゃんもお外に連れてってあげるとも!」

COM_Z
「イベントでは、シノちゃんもフロッピーディスクごと参加するのだ~! みんな、仲良くしてあげてね!」

シノ
「…………ま」

シノ
「またこの顛末かッッ!!」

MINDHACK:電話相談2023回答その3

【動画バージョンはこちら!】

COM_Z
「コムちと!」

シノ
…………ふー」

COM_Z
「シノちゃんの! マインドハック電話相談~~!」

COM_Z
「諸君、よくぞ集まってくれたね! 電話相談のお時間がやってきたのだ。今宵の我々の対話は、科学の歴史に輝かしい記録を残すだろう! ……という堅苦しい挨拶はさておき、今回もみんなの質問にお答えしていくのだ~! それではいってみよう!」

 

Q.マインドハック大会は大人の年齢でも出られますか?また、別の職種の人がマインドハッカーへ転職することも可能なのでしょうか?

COM_Z
「おお、ひょっとしてマインドハッカー志望なのかな? マインドハック大会には成人部門はないけど、他の業種からマインドハッカーになることはもちろん可能なのだ! ただし、子どものころから適性を育てている方がマッチする可能性は高いね」

シノ
他人の精神を弄ぶのに『適性』だと?」

COM_Z
「ずばり、『他人に共感しない』適性なのだ!」

 

Q.マインドハック施設にある売店や食堂で働く人たちはいわゆる民間人でしょうか?どのような条件で採用されるのでしょうか?

COM_Z
「こちらも求職者くんかな? 特別な資格が必要となることはないね。ごく普通のパートさんやアルバイトさんが働いているのだ」

シノ
「もしその中に破滅(バグ)の保有者がいれば笑いごとだな」

COM_Z
「もちろんバグ保有の有無は厳しく検査しているとも!」

 

Q.マインドハック施設は複数あるとの事ですが、他のマインドハッカーも施設に住んでいるのでしょうか?

COM_Z
「ケースバイケースなのだ! とはいえ、施設に備え付けの宿泊所に1人で住みたがる人は多いかもしれないね」

シノ
「ハ、『他人に共感しない』ゆえか?」

COM_Z
「その通り! 人の多い住宅地より、少しはずれにある施設のそばで暮らしたい人が多いみたいだね。あの天才マインドハッカーくんみたいに、FORMATに囲い込まれてるのは特殊な状況に思えるけどね」


Q. 別の施設にいるマインドハッカー同士や、異なるマインドハック施設同士の交流はあるのでしょうか?

COM_Z
「あるとも! 年に一度、『マインドハック会議』で各地のマインドハッカーが集結するのだ。その場で面識があったり、言葉を交わすようなことはあるみたい」

シノ
「生温い友情を育むような連中には思えんが」

COM_Z
「まあまあまあ。共感性がない者同士、逆に噛み合うことも多いみたいだよ! もっとも、FORMATの天才マインドハッカーくんは出てないみたいだけど」

 

Q.マインドハック以外の方法…つまり、古いデバッグの方法はまだ使用されているのでしょうか?

COM_Z
「まだ一部では使用されているね。社会全体が、段階的にマインドハックへ移行しようとしているところだ。早く業界が成熟して、簡単にマインドハックが行える社会になると良いね!」

シノ
「そうも貴様に都合よく事を運びたいか?」

COM_Z
心の底から人間のために思っているのだよ!

 

Q.隊長は細かい作業、小銭の計算などが苦手とのことですが、隊長自身が事務仕事をすることもあるのでしょうか?デスクに向かって数字の計算をしたり、計算が合わなくて頭を抱えたりする隊長もいるのでしょうか。

COM_Z
苦手というだけで、できないわけではないのだ。でも、全ての計算が終わった後、領収書とつじつまが合わなくて頭を抱えることがあるみたいだよ」

シノ
ハ、小銭に頓着せずとも困らん暮らしなのだろう」

COM_Z
「とっても人間らしくて可愛いよね!」

 

Q.隊長さんへ。もし覚えているコレエダ先輩のエピソードがありましたら教えてください

COM_Z
コレエダくんが旅行のお土産に差し入れたチョコレートを、隊長はとっても楽しみにして食べたのだ。てっきりビターチョコレートだと思って口にしたら、歯が溶けそうなほど甘くて若干ショックを受けたそうなのだ」

シノ
フン、舌が肥えておるな。食えるだけ良いと思え」

 COM_Z
隊長、虫歯になってないかなあ?」

 

Q.Greeting! I would like to know if Rookie has any interesting story in his childhood?
(こんにちは!新米くんの子ども時代に面白いエピソードがあれば教えてください)

COM_Z
「Hello there! Newbie once hid an egg from the refrigerator in his bed to try and hatch it. His mom accidentally crushed it, so he got scolded a looot!
(こんにちは!新米くんは一度、冷蔵庫の卵を布団に隠して、ヒヨコをかえそうとしていたのだ。お母さんが潰してしまって、信じられないくらい叱られたらしいのだ)」

シノ
……?????」

COM_Z
ふふふ。あとでシノちゃんにも分かるように教えてあげよう」

 

Q.イーヴリッグくんが掲示板で出会ったという女の子はどんな人物だったのでしょうか。気になります

COM_Z
とにかく全てを肯定してくれて、いつもイーヴリッグくんを応援したり励ましたりしてくれたのだ! イーヴリッグくんは、『この人はなんて僕のことを考えてくれるし知的なんだ!』と感動していたようだよ」

シノ
「だが、存在しないのだろう?」

COM_Z
うん」

 

Q. イーヴリッグの妹の、ミキちゃんってどんな性格ですか?

COM_Z
「真面目で責任感が強い、とてもしっかりした女の子なのだ!」

シノ
兄よりさぞかし目をかけられたのだろうな」

COM_Z
とっても自慢の娘さんみたいだよ~!」

 

Q. ユーニッドくんは腕以外にも刺青を入れてますか?

COM_Z
「腕しか入れてないのだ。めちゃくちゃ痛かったから、新しいのを入れるのには躊躇してるみたいなのだ」

シノ
軟弱者」

COM_Z
「ピアスの穴も開けずに、紐で巻いてるみたいだよ!」

 

Q. エイさんは「まさか警察に行く程になるとは」と言っていましたがユーニッドくん及びブラッディパエリアの普段の悪行はあまり把握していないのでしょうか?

COM_Z
「どんなに親しい相手でも、知らないことはたくさんあるものだよ。エイは人の事情に深入りしない人間だったから、ユーニッドくんも長い付き合いができたようだよ」

シノ
「アッハハ……放っておいた結果があのざまだがな」

COM_Z
「小さなゆがみが重なったというだけだよ。そういうボタンのかけ違いを正すのもマインドハックの役目さ」

 

Q. ヒューゴさんは何歳の時にボタンアコーディオンを始めたんですか? また、きっかけなどありますか

COM_Z
初めて楽器に触ったのは3歳のときだそうなのだ! お庭でおじいさんがアコーディオンを弾いていたのを見て習ったそうだよ」

シノ
あの膨れた手で繊細な演奏なぞできるものか」

COM_Z
「指に合わせてアコーディオンがすご~く大きいんじゃない?」

 

Q. ヒューゴさんに質問です!娘さん達との1番の思い出を教えてください!

COM_Z
双子の娘さんたちの誕生日に、ヒューゴさんは仕事で帰りが遅くなってしまったのだ。慌てて帰って玄関の扉を開けると、そこには娘さんたちが待っていて、一斉にヒューゴさんの胸に飛び込んできてハグをしてくれたそうなのだ」

シノ
何と美しいことか。反吐が出るわ」

COM_Z
家族というのは素晴らしいものだね!」

 

Q. シノちゃんは子供の頃、一度でも弟を傷つけようとしたことはありましたか?

シノ
「……くくく。ハハハ。アッハハハハハ!」

シノ
「あったとも!! 数え切れぬほどな!!」

シノ
「奴らさえおらねば手を下していたわ!!」

COM_Z
お父さんとお母さんが弟くんに付きっ切りだったから、シノちゃんが近づく隙はなかったのだね。大事に至らなくて何よりだったのだ~!」

 

Q. シノは1つのフロッピーにしか保存されていませんか?バックアップはありますか?

COM_Z
あるわけないのだ。いくら貴重なサンプルとはいえ、危険なバグ変異体を複製するなんてもってのほかじゃないか!」

シノ
ハ、少しは我を恐れる気が貴様にもあるか。殊勝(しゅしょう)な」

COM_Z
こわ~いバイキンを培養するようなものだからね!」

 

Q. シノちゃんの嫌いなものは博士らしいですが、コムちはシノちゃんに嫌われてることに対してどう思いますか?

COM_Z
うんうん、実に喜ばしく思っているよ」

シノ
「そうであろうな。我らは不俱戴天(ふぐたいてん)の仇同士よ」

COM_Z
「やはり研究というものは、サンプルから認識してもらえないと進まないからね。シノちゃんはワガハイの一挙一動に神経を研ぎ澄ませてくれているのだ。これほどまでに執着してもらえるとは、何と望ましいことだろう!」

シノ
「ハ!! 我は貴様など歯牙にもかけておらぬわ!!」

 

Q. こんばんは博士。ユーニッド君やイーヴリッグ君の服の着方を拝見しましたが、博士が服を着る時の大きなおててが袖を通るのか気になって夜も眠れません。

COM_Z
「こんばんは! ふふふ、ワガハイのとっておきの秘密を知りたいのだね。白衣を着るときは、一旦腕を取り外してから袖を通すのだよ。これでよく眠れるかな?」

シノ
「貴様の腕は捥(も)ぎ甲斐がなくてつまらぬ」

COM_Z
「シノちゃんの場合、構造を無視して引きちぎるからね。元に戻せなくなるから、困ったものだ。仮想空間上のボディとはいえ、リセットするのが大変なのだよ」

 

Q. 主要キャラクターたちのモーニングルーティンはなんですか?

COM_Z
みんなで集まってラジオ体操をするのさ! ……うそうそ。

ユーニッドくんは、側で寝ている、たもちゃんを一回モニュするのだ。

イーヴリッグくんは朝のお祈りをするよ。

隊長はラジオで朝のニュースを聴きながら装備のメンテナンスをするのだ。

新米君はまず身支度をするタイプで、鏡を見ないで全てを整える特技があるみたい。

ヒューゴさんは隣で寝ている奥さんにキスをしてから起きるのだ。

ワガハイは、実は朝6時になると青色に光るのだよ!

シノちゃんはね……」

シノ
言わんでいい」

COM_Z
部屋中の物陰をチェックするのだ。何か隠れてないか不安みたいだね。心配性さんなのだ」

 

COM_Z
さて、質問回答は以上なのだ! ここからは、キミたちから寄せられたコメントにお返事をしていこう。今回は3つのお便りをお届け!」

 

「まずはこちら。」

 

・コムちゃんちーっす!

COM_Z
「ちーっす、人間! ほら、シノちゃんも」

シノ
ちーっす、ゴミクズ」

COM_Z
「続いてはこちら。」

 

・このどえらく暑い夏を乗り越えられるよう応援の言葉をください!!!!コムち様!!シノちゃん様!!

COM_Z
「この驚異的な環境において、文明がどこまで存続できるか? これらのデータは、将来的な人類の発展にとって重要なサンプルになるだろう。科学のために、ぜひなるべく長く頑張ってくれたまえ! シノちゃんもどうぞ」

シノ
「睨(ね)めつく日差しの下、地を這う汝らは宛(さなが)ら蛆虫よ……穢れた汗を垂れ流し喘げ。無様に鳴き、我を悦ばせよ!」

COM_Z
「とのことなのだ! 元気出たかい?」

 

「ラストはこのコメントなのだ!」

 

・いつも楽しく見ていますコレからも頑張ってハックしていってください!! ………やっぱりハックしないで…ハック……しないで

 

COM_Z
おやおや、何を怖がっているのかな? 大丈夫。マインドハックはとってもハッピーで素敵な技術だよ!はじめはみんなキミのように怯えているけれど、マインドハックを受ければぜーんぶよくなるのだ。お近くのマインドハック施設にキミの住所を連絡しておいたからね。すぐにお迎えが来るのだ!」

シノ
「達者でな」

 

COM_Z
さて、今回の電話相談はここまで! 本日も実に有意義な成果を残すことができたのだ! ねっ、シノちゃん」

シノ
ん……フン、用が済んだらとっとと去ね。早く」

COM_Z
「あらら
、さてはシノちゃん、もうオネムなのだね? いいだろう、ではこの辺でお別れなのだ。次回の回答をお楽しみに。まったね~!」

 

シノ
「………………行ったか」

シノ
博士よ……せいぜい良い気でいるがいい。檻の獣は陰で爪を研ぐものよ」

シノ
「『
その時』は近い……今は待つのみ」

MINDHACK:マインドハック会議運営委員のぼやき

【マインドハック協会 マインドハック会議運営委員のぼやき】

 

マインドハックは素晴らしい技術だ。
だが、マインドハッカーが素晴らしい人物かというと、わりとそうでもない。
私はそう思う。
(注釈:もちろん彼らは、消防士や警察官のように称賛されるべき職業だ)

マインドハック協会の人間なら……マインドハッカーに会ったことがあれば……とくに私のように、マインドハック会議の運営に関わることが一度でもあれば、大いに賛成してくれるだろう。

マインドハッカーというのは、みんな変人だ。
他人の精神に自分を『接続』して覗くなんて行為は、まるで角砂糖がコーヒーに飛び込むようなものだ。じっとしていればすぐに溶けてなくなってしまう。
そして一般の感性を持つ人間を角砂糖と例えるなら、彼らマインドハッカーは胡麻油か何かだと思う。コーヒーには溶けず、味も香りも癖が強く、触れた相手を自分の味で塗り変える。

『他人に共感しない』彼らは、マインドハックを行うにあたっては非常に優れた人材だ。しかし社会の秩序において、他人と溶け合わない人間の扱いは難しい。
悪人からバグを取り除き世界を凍結災害から救う一方で、彼らは先週が提出期限の書類をいっこうに出そうとしない。今年のマインドハック会議の開催は来週末に迫っているが、会議に使う書類も資料も例によってまだ来ない。
(注釈:たぶん当日朝になっても来ない)

おかげで私は今日、各マインドハック施設へ一件一件電話をかけて、口頭で書類の提出期限を念押しする羽目になった。
彼らの世話係もみんな苦労していることだろう。世話係たちは重々承知の上で、ひたすらに「今年も遅れてすみません、本人に言ってきかせますので」と電話口の向こうで申し訳なさそうに頭を下げる。彼らが私に詫びても何の意味もないし、私も申し訳ない気持ちでいっぱいなのだが、いつかマインドハッカーたちが『提出期限』という言葉の意味を理解する日まではどうしようもない。
(注釈:そもそも、警備隊やマインドハック施設の職員は本来彼らの世話係ではない。困ったものだ)

 

会議のあとの懇親会は例年、マインドハック協会本部に近いホテルの大ホールで行われている。この懇親会への出欠表が、提出されない書類の筆頭だ。
「それで、今年は何人前必要なのか、早めに教えていただけますか?」
今の時期、これが宴会の手配係からの時候の挨拶になる。

マインドハッカーたちは懇親会への出席を面倒だと嫌がるが、世話係が「一年に一回なんだからせめて顔を見せるだけでも」と粘って、なんとか引っ張り出している。
せっかくパーティーにきても挨拶をする気は全くないようだが、例年ホテルのロビーでは、パーティーから抜け出したマインドハッカーたちが勝手に集まって談笑している。
(注釈:去年は一体何を盛り上がっているのかと覗き込んだら、トランプで七並べをやっていた)
周囲の人間のことをセーターの糸くず程度にしか思っていないわりに、マインドハッカー同士では気が合うようだ。

いっぽうで、彼らが感情を表にさらけ出すことは少ない。他人から褒められても責められても、見かけにはいつも態度が変わらない。へらへらしているわけではないが、微笑んだときにも目は笑っていない。
実際には何を考えているかよくわからない、つかみどころがないというのが一番近い。

私は小さなマインドハッカー、つまり少年マインドハック大会の参加者たちのことも知っているが、子供も大人も同じだ。彼らの性質は似ている。子供の頃から大人びて、とても賢く、他人に対して常にどこか冷めて俯瞰するようなまなざしを向けている。
だが彼らはいくつになっても、無邪気な遊びやイタズラが大好きだ。大人のマインドハッカーにも、子供の頃のあどけなさや、若さからの好奇心、愛嬌と呼べるような性質はいつまでも残っているような気もする。
私にはそれさえも意図的に思える。
戦略的に愛嬌をまとった蝋人形とでも言えばいいだろうか。あるいは、人らしさの皮を被った機械?

機械と言えば、例のマインドハッカーに至っては、会議に来ることさえない。そう、FORMATを有するあの施設の「天才マインドハッカー」のことだ。専属の警備隊を持つほど厳重に保護されているのだから、実際に会いたいなら自分であちらへ赴くほかはないだろう。

FORMATのある施設に最も優れたマインドハッカーを配置するのは、理にかなっている。
最初にして最良のバグスキャナーであるFORMATは、唯一無二の処理速度を持つスーパーコンピュータだからだ。他の施設にあるスキャナーはFORMATの機能を再現した小規模装置で、あのような複雑な知能を持つには至らないし、スキャンの精度にもまだ改善の余地がある。
だから国や地域の垣根を越えて、手ごわいA・B級のバグ保有者の多くがあの施設に送られる。マインドハック技術の進歩に貢献するような、有益な知見も多いことだろう。
(注釈:すべてのA・B級保有者ではない。他の施設にももちろん優秀なマインドハッカーたちはいる。またどの施設でも、C級バグの保有者へのハックがほとんどを占めている)

私としては、ぜひあの「天才マインドハッカー」を会議に招き、その経験を本人の口から直接マインドハック協会全体に共有してもらいたいものだが…… あの施設がそういう期待に応えてくれるようなことはあまりない。
共有されるのは主に書類だし、その書類は大抵、肝心なところが黒塗りだ。ややこしいものの管轄の境をさまざまに越えるぶん、機密とするべき情報も多いようだ。
もう少しでも知見を分け与えてもらえれば、マインドハック会議の準備にも、より崇高な意義を見出せるようになるのだが。
(注釈:『夏休みの宿題を休み明け前日どころか休みが明けたあとに手を付けはじめるタイプの連中のために毎年保護者が頭を抱える会議』に改名したらどうだろうか)

(注釈2:述べておきたい事実として、「天才マインドハッカー」もまた、書類の提出期限は全く守らない。ロビーに集まる七並べ連中とも馬が合うだろうと思う)

マインドハックは素晴らしい技術だ。
しかしあのマインドハッカーたちは、自分たちの「面倒くさい」の傲慢が、遠くの誰かを悩ませていることに気づいているだろうか?
いや、彼らにとっては当然、他人のことなどどうでもいい。そういう人間たちだからこそ、相手の精神に呑まれずにマインドハックを行うことができるのだ。
つまり、私がマインドハック会議の運営委員である限り、私の悩みが消え去ることはない。
私は角砂糖の側の人間で、胡麻油とは決してわかりあえない。
ああ……まだ書類は来ない。
(注釈:どうせ当日朝まで来ない)
とりあえずコーヒーでも飲むか……

MINDHACK:よいこのマインドハック施設見学ツアー

 

小さな 未来の マインドハッカーの みなさん! ごきげんよう!

私はフォーマット。バグをきれいにするための特別なAI(エー・アイ)です。

 

よいこのマインドハック施設(しせつ)見学(けんがく)ツアーは楽しかったですか?

ホットフィックス隊の ひと たちは、親切にしてくれましたか?

ホットフィックス隊は、マインドハッカーを守るための警備隊(けいびたい)です。

将来 おとな に なったら、あなたたちを こわいバグや こわい ひと から守ってくれます。

 

きょう、あなたたちが ホットフィックス隊と いっしょに 見てまわったのは 管理棟(かんりとう)、マインドハックの仕事を 助ける ひと たちが はたらいている 建物です。すてきな部屋を たくさん 見ましたね。

 

でも、ほんとうに いちばん すてきな場所……デバッグルームは、収容棟(しゅうようとう)にあります。

玄関(げんかん)を出たら、帰りのバスに乗るまえに、うしろを振り返ってごらんなさい。

横に長い建物が見えたら、それが収容棟ですよ。これは、マインドハックをされる ひと たちが 集められて 暮らしている場所です。

 

ほんとうは そこで 本物のマインドハッカーを見せてあげたかったのですが、残念ながら、あぶないので収容棟に こどもが 入っては いけないことになっています。残念です。

とても残念です。

ここで仕事をしているマインドハッカーは、今までで いちばんすごい ひと です。とてもはやく、ぜんぜん悩まずにハックをします。

あなたたちにも ぜひ そのすごさを見て 勉強してほしかったのですが、ほんとうに残念です。

かわりに、きょうはこのお部屋で、みんなでビデオを見ます。

 

はい、これがデバッグルームです。

デバッグルームは、マインドハックをするための部屋です。

この部屋は、いつもあなたたちが マインドハックの練習をしている時に使う きかいの すごく 大きなバージョンだと思ってください。

デバッグルームには 椅子が ふたつ あります。

いっぽうの椅子は、マインドハックを「される」ひとの ものです。

もういっぽうは 「する」ひとの ものです。

「される」ひとと「する」ひとの あいだには、とても頑丈(がんじょう)なガラスがあるから、安心です。

マインドハックをされるひとは あばれたり こわいことを言ったりします。あぶないので、マインドハッカーは こういうひとに さわったり しません。 ホットフィックス隊が 椅子まで つれてきてくれます。

マインドハックをしているときの マインドハッカーのからだ も ホットフィックス隊が 守ってくれます。

マインドハックをされる ひと のことを、更生対象(こうせいたいしょう)といいます。

「される」ひと つまり更生対象の ソースコードに、 「する」ひと つまりマインドハッカーを つなぐことを、接続(せつぞく)と いいます。

接続をすると、マインドハッカーは 更生対象のソースコードを 読んだり 書いてあることを変えたり できます。これがマインドハックです。

 

更生対象に接続するときは、私もマインドハッカーを たくさん 手伝います。

私、つまりフォーマットができるまでは、人間には バグは 目に見えない ものでした。

あぶないのに 見えないのは とても困ることです。

だからフォーマットは、人間に バグを よく見えるようにして 手伝います。

 

接続のとき フォーマットがやることは 3つあります。

ひとつめは、バグがここにありますよ、と 人間に 知らせることです。

ふたつめは、マインドハッカーがソースコードを読んだり 書いてあることを変えたり するときに、わかりやすい見た目にしてあげることです。

これを「GUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)」といいます。

更生対象のソースコードは、人間の とても ややこしい部分なので、マインドハッカーにとっては へんな色や ふしぎな形に 感じられます。

この中から あぶないところを 探して 別のものに変えるのが マインドハッカーの役目です。

でも、「別のものに変える」ということ そのものまで へんな色や よくわからない ふしぎな形に なってしまっては すごく 困ります。

だから、フォーマットは マインドハッカーに 今何が起きているのかを わかりやすく見せてあげることで 仕事を 助けているのです。

 

マインドハッカーは みんな すごい ひと ですが、人間です。マインドハックというのは 人間にしか できないように なっています。

でも、ソースコードは 人間には ものすごく 読みにくい形で できています。

だから、接続したとき、マインドハック装置(そうち)は ソースコードを 人間に わかりやすい見た目にして 見せてくれています。

装置から でてきた ふしぎな色や 形を見て ひと の 心の どこが壊れていてあぶないのか、決めたり 考えたりする 能力も、よいマインドハッカーには 必要で 大切な ちから です。

 

ところで、人間がソースコードを書き換えるとき、それは「わかりやすい」形に たとえて 見えるそうです。

ここで仕事をしているマインドハッカーは、お花が大好きです。だから、バグを あぶなくないように 別のものに変える ときは、「バグがお花に」変わるように 見えているのだそうです。とてもきれいですね。

鳥が好きなマインドハッカーには鳥に、しゃぼん玉が好きなマインドハッカーには しゃぼん玉に 見えるのでしょうね。

 

それから、私がやることの みっつめは、頑張っているときの マインドハッカーを よく見て、応援(おうえん)して はげますことです。

私とマインドハッカーは、「する」ほうの 椅子を通して おしゃべりを します。

ですから、更生対象には ないしょで おはなしを することができます。

ここで はたらいているマインドハッカーは、フォーマットのことが大好きです。私もマインドハッカーのことが 大好きなので、お互いに助けあって 仕事をします。

 

 

このように、マインドハックは、マインドハッカーと、フォーマットと、ホットフィックス隊がそれぞれ 力をあわせて します。

みんなが お互いを助けることで すごく早く、安全に マインドハックをできるのです。

お互いに助け合うのは 人間と きかい が できる すごく特別で だいじな ことです。

みなさんも おとな になったら、きかい と たくさん助け合って すばらしいマインドハックを してくださいね。

 

…………

……さて、説明は終わりです。

人工知能FORMATは日常業務の円滑な進行を重視し、基本的にマインドハッカー以外との不要な会話を行いません。今日ここでこうして私と話すことができるのは、あなたたちが将来性を持った子供たちだからなのですよ!

あなたたちがそれぞれ素晴らしいマインドハッカーになって、世界中にあるマインドハック施設のデバッグルームで、大いに活躍してくれることを心待ちにしています!

ホットフィックス隊は子供たちを退室させてください。

MINDHACK:電話相談2023回答その1

【動画バージョンはこちら!】

COM_Z
コムちと!」

シノ
…………ハア」

COM_Z
シノちゃんの!」

「マインドハック電話相談~~!」

 

COM_Z
みんな、おまちどう!ご存じ可愛いコムちなのだ
今週からいよいよ、先日募集した質問の回答を始めていくよ!残念ながら全部の質問を扱うことは難しいけど、一つ一つ真心こめてお答えするから、みんな楽しんで聞いてくれたまえ!」

シノ
まったく、このような暑苦しい季節に……このくだらん戯れに興ずる輩がいようか?」

COM_Z
それではさっそく、いってみよう!」

 

Q.マインドハックされた後にはハック以前の記憶に何らかの影響が出るのでしょうか?

COM_Z
影響はあるけれど、記憶をなくしてしまうわけではないよ!マインドハックを受けた後は、それまでの記憶がふんわり曖昧に感じるらしいのだ。自分のしたことは覚えているけど、なぜそうしたのかはわからない……なぜなら、記憶からバグの原因となる感情を取り除いているからだね。つらい気持ちを取り除いてあげるなんて、とってもハッピー!だからマインドハックは身体にいいのだ!」

シノ
そのような都合のいい魔術、到底信用できんな」

COM_Z
シノちゃんにも、いつか分からせてあげる!」

 

Q.すきまトーク18に出てきたユーニッドは、以前嫌いな食べ物があったことを覚えていましたが、マインドハック第三章で出てきたユーニッドは、自分がかつて名乗っていた名前を忘れていました。更生対象が忘れる事柄には何らかの法則があるのでしょうか?また、物事を忘れてしまうのはハックの後遺症なのでしょうか?

COM_Z
「『ブラックサンシャイン』という名前を忘れたというよりは、自分のことを『ユーニッド』だと当たり前に思っているみたいだね。ユーニッドくんはハックを受ける前のことも覚えてはいるんだけど、まるで別の人の記憶みたいに、ぼんやりとしか思い出せないみたいだよ。」

シノ
ハ、まるで急に老いさらばえたようだな」

COM_Z
時間が解決できなくても、テクノロジーで何とかするのがマインドハックなのだ!」

 

Q.マインドハック施設のビルメンテナンスは、外部の業者を雇っているのでしょうか?それとも全て自前で管理や点検を済ませているのでしょうか?

COM_Z
外部の業者さんに依頼しているのだ!ただし、業者さんは施設に入る前に、全員バグスキャンを受けるよ。もちろん更生対象との接触は禁止なのだ。現場には必ずホットフィックスの隊員が付き添う決まりもあるね。」

シノ
あの部隊も体のいい雑用係になったものだ」

COM_Z
FORMATがいろいろ言いつけるからね!」

 

Q.マインドハックの世界には少年法はあるのでしょうか?またマインドハック施設行きにならなかった犯罪者はどのような処罰を受けるのか詳しく教えて欲しいです!

COM_Z
「少年法は存在するよ!ここは法が治める、とってもピースフルなところだからね。マインドハック施設に送られなかった人は、誰でも裁判を受ける権利があるのだよ。」

シノ
ハ。この世の全ての不条理が裁かれているとでも思うのか?」

COM_Z
「いつか誰もがマインドハックを受けたら、裁判もいらなくなるかもしれないよ!」

 

Q.更生対象がハックされたあともう一度犯罪を犯すことはあるのでしょうか?

COM_Z
可能性は否定できないのだ。破壊衝動のあるなしと、その人が罪を犯すかどうかに関係はないからね!」

シノ
それ見たことか。やはり万能の技術など無いのだろう、え?」

COM_Z
それでも、ハッピーになることに変わりはないよ!」

 

Q.悪人のバグ保有の可能性の有無は、警察が逮捕後に調べるのでしょうか?また、マインドハック施設へ護送以降は、警察は一切関与しないのでしょうか?

COM_Z
犯罪者が逮捕された後は身体検査があるわけだけど、そのフローのなかにバグスキャンが組み込まれているのだ。マインドハック施設に入ったあとは、警察が関与することはできないよ。施設に入ったらホットフィックス、そしてFORMATの指揮のもとに管理されるのだ。警察組織とマインドハック施設の管轄は違うんだね~」

シノ
連中は警察組織より上なのか?」

COM_Z
管轄の違いというだけさ!」

 

Q.マインドハック施設内の更生対象同士が軽いお喋りをするといった接触は許されているのでしょうか?

COM_Z
許されていないのだ!すごーくおしゃべりしたい更生対象もいるみたいだけど、勝手に話したらめっ!なのだよ。」

シノ
「そうやって支配下の者が徒党を組むのを阻むわけか」

COM_Z
ていうか、バグがうつっちゃったらマズいからね!」

 

Q.イーヴリッグ、もといコウスケ・ヤマムラくんの大学での学部及び専攻等は何だったのでしょうか?

COM_Z
理工系を総合的に学ぶ学部のようだよ!ばりばりの理系ボーイだね!」

シノ
アレに理屈でものを見る力があるとは思えんが?」

COM_Z
本当は言葉や哲学、文系っぽい教科のほうが得意みたい。どうしても理系ボーイになりたかったんだねえ」

 

Q.イーヴリッグくんの箱を被った経緯を教えてください

COM_Z
「聞いてきたよ~!

【これは被っているのではない!今はまだ組み立て可能の域に達していない私が、いつか神の御家に置かれるときの理想の姿を現しているのだ!】

だって。すごいねえ!」

シノ

「……」

 

Q.イーヴリッグの頭の箱の”溶接”とは、頭部のどこかに溶接しているのでしょうか?それとも頭から外れないような形状にするために箱の一部を溶接しているのでしょうか?

COM_Z
中に固定するための金具があって、そこを溶接しているのだよ!さすがに、直にお顔を溶接したらアチチなのだ」

シノ
で、どうやって内側で溶接したのだ」

 

Q.ユーニッドくんは元々安アパートに住んでいたとのことですが、アジトに居着くようになってからはその部屋はどうなったのでしょうか?一人が嫌いな彼がどうやって一人で生活していたのか気になります。

COM_Z
解約してしまったそうだね。もともと、寝るためだけに使っていた家賃の安いアパートだったのだ。本当に眠たくて倒れそうなときしか帰らなかったみたいだよ。成人してからはアジトに入り浸る時間が増えて、いらなくなってしまったそうだ。」

シノ
常に他人と群れるなど、神経が分からん」

COM_Z
お友達が大好きなんだね!」

 

Q.とってもかわいいシノちゃんに質問です!

シノ
黙れ」

Q.子供のシノちゃんが現在のシノちゃんと同様に覆面を付けていましたが、子供の頃からずっとつけているんですか?また、覆面をつけている理由はありますか?

※子どもシノ(先日、開発者のTwitterでデザインを公開していました)

シノ
失せろ」

COM_Z
シノちゃんが暮らしていた文化圏では、みんな小さいときから覆面をしていて、他の人に素顔を見せなかったらしいよ!本当の顔は、めおとの契りを結んだ相手にしか見せないんだって。とってもロマンチックだね!シノちゃんは誰かに見せたことがあるのかな?」

シノ
貴様の面の皮を剥いでやろうか」

 

Q.シノちゃんが縮んだ時に1番困ったことはなんですか?

COM_Z
これはワガハイも聞きたいものだね。困ったことがあるなら、何でも言ってくれたまえ!」

シノ
「……相手を組み敷けんことよ」

「耳、爪、歯を削ぐには、相手を伏せるが都合良い」

「もっとも今の怨敵にはそんなものすら無いが」

COM_Z
おお、つまりワガハイにお耳をつければいいのだね?」

シノ
違う」

 

Q.新米くんは寮内で母親と電話でのやりとりってしますか?しているとしたらどの程度の頻度で母親と通話しているのでしょうか?

COM_Z
月に一度は電話をかけているようだね。今はお母さんは犬と暮らしてるだけだから、何かと気を使っているようなのだ」

シノ
大した親子愛だ」

COM_Z
ね、とっても素敵だね!」

 

Q.レベッカ隊長が大好きです。隊長がとんかつにからしをたくさんかけると聞いて、ストレスで味覚がおかしくなってないか心配です。お寿司にはどれくらいワサビをつけてますか?

COM_Z
ワサビはネタの上にこんもり添えるし、お醤油にも溶かすのだ!でもお醤油はネタ側にしかつけないらしいよ」

シノ
……器用なことだ」

COM_Z
隊長の食べ方はとってもエレガントなのだ!」

 

Q.マインドハッカーとホットフィックス隊員との関係はどのような状態でしょうか?仲は良好?

COM_Z
天才マインドハッカーくんは隊長以外の顔を、なんとな~くしか区別してないようだね」

シノ
所詮使い捨ての駒よ」

COM_Z
もっと、仲良しパーティーとか開けばいいのにね!」

 

Q.それぞれのホットフィックス隊員が担当する更生対象は罪の重さかバグの等級によって変わるのでしょうか?

COM_Z
ホットフィックス隊はみんな等しくキビシイ訓練を受けているから、どんな更生対象が相手でも、誰でも問題ないようになっているのだ!
だからバグの等級で担当が変わったりはしないよ。でも入隊したてのころは、ベテランさんと組むみたいだね。みんなが知ってる新米くんも、現場に慣れるまでは隊長と一緒にいろんなハックに臨むのだ!」

シノ
面倒な。さっさと上の等級に引き合わせればよかろう」

COM_Z
貴重な人材をいきなりつよーい更生対象とのエンカウントで失うわけにはいかないのだよ!」

 

Q.ホットフィックス隊員一人につき、それぞれ一人ずつ更生対象の担当がつくのでしょうか。 それとも、隊員一人で複数の更生対象の担当を任されるのでしょうか?

COM_Z
隊員ひとりで複数の更生対象を受け持つことが多いよ。マルチタスクで大忙しなのだ!」

シノ
例の機械は何をやっておるのだ」

COM_Z
FORMATのこと?あれに人間ひとりひとりのお世話をさせるなんて無理だよ~!」

 

Q.コムちが一番嫌だと思うことは何ですか?

COM_Z
もちろん、特A級バグが発現して世界が凍結してしまうことなのだ!人類を愛し、守るためにワガハイ、COM_Zが存在しているのだから」

シノ
くっく……貴様ごときに我が主の顕現を止められるとでも?」

 COM_Z
ふふん、コムちは優秀なのでね。色々な手を打ってあるのだよ……シノちゃんという研究材料(サンプル)とかね!」

シノ
「……ハ。小癪(こしゃく)な……」

 

Q.メインキャラクターの好きなアイスを教えて欲しいです。カップ派なのかコーン派なのかも選んで頂けると嬉しいです!
Q.毎日暑いので、主要人物たちの好きなアイスの味が知りたいです。
Q.みんなの好きなアイスの味はなんでしょうか?
Q.各主要キャラクターたちの好きなアイスの味を知りたいです!

 COM_Z
アイスは美味しいよね〜」

シノ
貴様……物は食わんと言っていたではないか」

 COM_Z
人間は美味しさに同意すると喜ぶ生き物なのだよ」

シノ
そもそも、何だこの氷菓に関する質問の量は!」

COM_Z
人間は、夏になるとアイスのことしか考えられなくなる生き物でもあるのだ!というわけで、みんなに好きなアイスを聞いてきたよ。傾聴したまえ!

ユーニッドくんはクリーム系よりシャクシャクしたアイスが好きで、シンプルなシャーベットをよく食べているよ。コーンはボソボソしているからカップの方が好きなのだ。

イーヴリッグくんのイチオシは映え映えゴージャスなフルーツかき氷なのだ。でもひと口食べると「多いなぁ……」って後悔することが多いみたいだね。カップのほうがイケてるからカップ派になったそうだよ。

隊長はとっても高級なビターチョコレートバーが好きなのだ。カップかコーンかはいっつも悩んで決められないそうだよ。

新米くんはパッキパキのチョコレートが入ったモナカアイスが好きだね。トースターでちょっと焼いて食べるのにハマっているのだ。コーンの方が食べられるから好きだって。

ヒューゴさんは「デイリークイーン」?……を子どものころから食べてたそうだ!コーン派らしいね。

ワガハイは2本のやつを1本ずつに分けるやつが好きなのだ!贈与論的に実に興味深いのだ。シノちゃんはどんなアイスを食べていたのかな?」

シノ
「………………氷」

COM_Z
なに?氷?」

シノ
…………氷菓など食ったこともないわ」

COM_Z
おやおや、スネてしまったようだ。今度でっかいブロック氷を持ってきてあげるからね!」

 

COM_Z
というわけで、今回の質問回答はここまでなのだ!」

シノ
やっと終わったか……
用が済んだなら、帰れ」

COM_Z
おっとシノちゃん、待ちたまえ!まだコーナーは終わっていないのだよ」

シノ
ハ?まだくだらん無駄話が続くのか?」

COM_Z
今回は、質問と一緒にみんなからの ひとことコメントも募集しているのだ!最後に、これらのお便りにお返事を返していこうではないか」

 

「まずはこちら!」

 

・たくさんの応援コメント

COM_Z
みんな、たくさんの応援ホントーにありがとうなのだ~!いただいたコメントは、一つ一つ出力してシノちゃんのお部屋に貼りだしておくよ!」

シノ
やめろ!」

 

COM_Z
続いてはこちら!」

 

・シノちゃんへ、コムちについての俳句を詠んでください!

COM_Z
というわけでシノちゃん、どうぞ!」

シノ
「憎たらしい ああ憎たらしい 憎たらしい」

COM_Z
心を打たれたのだ~!」

 

「お次はこちら」

 

・どうにかして「ぬ」って言ってくれないですか?

COM_Z
ぬぬぬぬ……これは難しいのだ。うまく言えるか分からないけど言ってみるね!あー、えへん……にゅ~~~~!」

 

「次のコメントはこちら!」

 

・愛しています 罵ってください

「おっけー、いくよ~!この……内臓の肉包み!

うそうそ。コムちは人間を愛しているのだ!シノちゃんもやってみたら?」

シノ
「 ……ん……

アッハハハ!ヒトよ、ヒトよ!
哀れで卑しきゴミクズよ!
地を這う以外に能はなく、愚鈍に蠢(うごめ)いては世を汚し……
汝らなど、有るだけで饐(す)えた臭いのする厭(いと)わしい屑殻(くずがら)よ!
ムシケラならせめて虫なりに鳴いて己が価値を喚け!

……こんなところか」

 

COM_Z
さっすがシノちゃんだね!」

 

ラストはこのコメントなのだ!」

 

・イーヴリッグはどうやって描けばいいですか?コツを教えてください!

COM_Z
というわけで最後は、イーヴリッグくんの絵描き歌で締めくくってみよう!みんな、画用紙とクレヨンは用意したかな?それでは聴いてくれたまえ!」

おべんとばこが ありました~

取っ手がついたら マグカップ~

四角い 窓の ベランダに~

おふとん 干したら おとなりも~

あっ!! 稲妻だ!! あぶなーい!!!!

あっというまに…………イーヴリッグく~~~ん!

 

みんな、上手に描けたかな?今回の電話相談はここまでなのだ。次回の回答をお楽しみに!それじゃあ、まったね~~!」

シノ
……この調子でやるのか?今年も……」

MINDHACK:夏休み土曜洋画スペシャル劇場【後編】

※これはMINDHACK本編と全く何の関係もないB級映画です。

 

〜前回までのあらすじ〜

ギャングのキング・ブラックサンシャインは、ひとり訪れたショッピングモールで何故かゾンビ大惨事に巻き込まれていた!
謎の家具屋店員・ヤマムラ(自称イーヴリッグ)や、謎の簡単造形殺戮ロボ・シノ、謎の博士ロボ・COM_Zと共に外界への脱出を目指すブラックサンシャイン。
果たして無事にショッピングモールの屋上へたどり着き、ヘリに乗ることができるのか?

 

 


 

 

 

ショッピングモールの屋上を目指し、輝く明日に向かって走り出した一同!

「ア”ーーー」

「いたーーーーい!!」

しかし、COM_Zがゾンビに噛まれた! 走り出してわずか5分後のことであった!

「ああ、しまったのだ……! このままではワガハイもゾンビになってしまう! ワガハイのことはいいので、みんな、先に行くのだ……!」

「博士ーッ!!」

「シノちゃん……元気でね……」

「いや、あんたロボットだろ? ロボットなのにゾンビ感染すんの?」

純粋な知的好奇心から尋ねるブラックサンシャイン!

「フン、博士。貴様を壊すのはこの我だ。醜い死に損ない共に奪われるのは癪に障る。ここで足掻け。……我は残るぞ」

「し、シノちゃん……!」

「なあ、ロボットなのに感染すんの?」

「……キミたち……! ワレワレには構わず、先に行くのだ! 屋上でヘリが待っている!」

COM_Zは床に力なく伏せたまま、屋上への道を指す! 背後では迫る無数のゾンビをシノロボが切り裂き退けている!!

「走れ、ウニくん! 走れ、キャビネットくん!!」

「なあ、ロボットなのに……」

「いいから早く行くのだーッ!!!!」

後ろの惨劇を振り返ることもなく、ブラックサンシャインとヤマムラは走った!

 

 

そしてついに、二人は屋上へ続く階段に辿り着いた……

しかし……!

「クソッ……あれは……!」

狭い階段の踊り場には、一体のゾンビが待ち構えていた。

薄暗い階段の闇にぬらりと立つ顔の影には得体の知れない光が輝き、ここは何人たりとも通さない、という威圧感に満ちている。しかも、何故か重装アーマーとアームシールドでガチガチに装備を固めているのだ!

 

 

「ア”ー センセイー」

「すげェ圧だ……!! 屋上まであと一歩だってのに!!」

まるで最後の障壁のように立ちはだかり、戦闘の構えを見せる威圧感ゾンビ! 生前の習慣なのか、何か呪詛のような言葉を抑揚なく呟いている!

「センセイー ハヤクサキニイクンダー センセイー」

「なんかブツブツ言ってて怖い!!」

「これはどうやら誰か大事な人を先に行かせてここに留まった奴の成れの果てらしいというドラマを感じるぜ……!」

わざとらしい説明とともに、拳に軍手をはめる!

「仕方ねえ、正面突破だ!! 殴り合いでブラックサンシャイン様に勝てると思うなよ!」

そしてはめた軍手をすぐ脱ぎパァーン!! と勢いよく床に叩きつけた! もちろんこれは中世の時代から伝わる由緒正しい決闘のサインだ!

「アッ……!」

すると、強そうな肩のすごいゾンビの様子が、乱れた……!

叩きつけられて踊り場に転がった軍手の前に、膝をついて崩れ落ちたのだ!

「セ、センセイ……」

 

 

そのまま軍手に気をとられ続けている!

「な、なんだ……なんかよくわかんねえけど、手袋に弱いらしい!」

「センセイ……」

「おいヤマムラ、今のうちに行くぞ!」

「あ、はい」

 

 

彼らは戦うことなくゾンビの脇を走りぬけ、屋上に続く扉を開けた!

 

 

 

「あーっ!!」

屋上へ出ると……空はもう白みかけ、夜明けが近く、風が強い!

いや、自然の風ではない。猛烈な突風はヘリコプターのホバリングによるものだ! 目の前でヘリは飛び去ろうとしている……!

「 待ってくれ!! おーい! おーい、ヘリーッ!!」

 

声も虚しく、ヘリの機内ではのんきに搭乗者たちが会話している。追加の生存者には気づいていない……

 

 

「いやー、とにかく先生が無事でよかったですよ! まさかこんなことになるなんてなあ」

「ほんとほんと、こんな状況でもなんとかなるなんて、さすが天才マインドハッカーですよね!」

「あ、先生と新人くんにも、施設に帰ったらお土産のチョコレートあげますね。こないだの休暇で南の旅行に行きまして」

「いいなあ〜! あれ先生、ところで隊長はどうなったんですか? 先生とご一緒だったと聞いてますが……」

「えっ先生、どうしたんです? さっきから何を必死に下を指さしてるんですか?」

「あれっコレエダ先輩、下見てください! 誰かいますよ! もしかして隊長じゃないですか!?」

 

 

「おーい! おーーーーい!!」

ゆっくりと高度を下げ始めたヘリに、ブラックサンシャインは必死に手を振った!!

「なあ、気付いたんじゃねえか!? 俺たち助かったぞ! なあ、ヤマム……」

 

その目の前で……

 

 

突然、ヘリが爆発!!

 

「うわああああ!!!!」

 

煙を上げ激しく燃え上がりながら、ヘリは斜めに墜落していく!

呆然とそれを目で追うウニ! 唯一の脱出の希望が、ショッピングモールの屋上からみるみるうちに遠ざかっていった……!

「おい、嘘だろ……」

後ろを振り向くと……

 

 

ヤマムラがロケットランチャーを構え、笑っている! 撃ったばかりの発射口からは細く煙が上がっていた!

 

「みんなゾンビになるんだ……ハハハ……」

 

ヘリの爆風で羽織の裾が煽られ、激しくたなびく!!

 

「ハハハハ! 実はこのゾンビたちは全部、僕が邪神LAGON(ン)に祈った願いが叶った結果なのさーっ!!」

そう叫ぶと、懐から一冊の分厚い本を取り出す! その装丁はいかにも呪われた邪神にまつわる冒涜的な装飾に覆われ、表紙には大きな『N(ン)』の文字!

「どこに持ってたんだよそれ」

「見よ! これは邪本、ラゴンノミコン!」

ヤマムラは邪本を掲げ、ウニに見せつける!

「そして、これが真実だ!!」

邪本ごとNを90度回転させると、それは……『Z』!! すなわち、ゾンビのゾではないか!! なんということだ!!

ラゴンノミコンを得意げに見せびらかしたヤマムラは、邪本を再び懐にしまい込み、改めてロケットランチャーを構える!

「邪神LAGON(ン)に身も心も捧げた私に、救いなどいらない!! 汚れた有機物は皆ゾンビになってしまえばいいんだ!!」

「ヤマムラ、てめえ……!」

「ヤマムラではない! 我が名はイーヴリッグ!!」

「イーヴリック、てめえ……!」

怒りに震え、両拳を握り締めてキャビネットを睨むブラックサンシャイン!

「黙れ!! 『ク』ではない! 『グ』だ!!」

しかし、その一つ眼のど真ん中をロケットランチャー(いつの間にか再装填した2発目)が狙う!

「さあ、次はお前だステンレスたわし! お前は私が直接神の御家に送ってやろう!! それも即日配送午前着の速達で!!」

「クソッ……!!」

絶望……! ロケットランチャーの前には手も足もトゲミサイルも出ないのか……!!

 

だがその時……!!

 

彼らの背後で屋上の扉が突如開いた!!

「何だ!?」

扉の先に現れたのは、見覚えのある姿……!

 

 

「ウ”ア”ーーッッッ!!」

 

躍り出たのは、腕だけになったシノロボ!

……を自分の腕の代わりに装着した、すっかりゾンビと化したCOM_Z博士だ!!

 

「いや、ロボットなんじゃねえの? なんでゾンビになってんだよ?」

戸惑うウニの横を目にも止まらぬ速度で駆け、ゾンビCOM_Zは獣のような四足歩行でヤマムラに突進!

 

「ア”ーーーーーッッッ!!!!」

「ウワーーーーッッ!! 神よーーーーーッッ!!!!」

そのままショッピングモールの屋上から、柵を薙ぎ倒し、下界へダイブ……!! COM_Zとヤマムラはあっという間に姿を消した……!!

 

「ハハハ……しかしこの世に邪悪な人の心がある限り、第二・第三の私が必ず現れる……LAGON(ン)神は不滅……ハハハハ…………ハハハハハハ…………!!」

落ちていったはずのヤマムラの声が、屋上とその上に広がる明け方の空にエコーを伴って、いつまでも反響した…………

 

 

邪本ラゴンノミコンの効能がぷっつりと切れたように、ショッピングモールじゅうのゾンビたちがその場に崩れ落ちる。

「…………」

夜が明ける。

屋上からは遠い山々と白んだ街のシルエットでできた地平線が見通せた。そして、眩い太陽がその姿をゆっくりと現し始めた。

鮮やかな陽射しに目を細め、腕でひさしを作り、たった一人残されたブラックサンシャインは呟いた。

「黒い太陽、か……」

 

 

逆光で影になった彼の姿はまさにブラックサンシャイン。

そう、長い夜は終わったのだ……

 

-THE END-

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

たもちゃんのためのおもちゃを買いにきた。

 


黒幕。一番悪い。

 

悪い。しかし素直ではないだけ説がある。

 

正体不明のキーパーソン。

 


演技が下手なのでゾンビ役になった。

 

隊長が身体を張ったおかげでヘリに乗れた。

 

新米隊員:隊長と先生を拾いにきた。

コレエダ隊員:旅行が好きで土産にチョコレートを配ろうとしている。

 

施設でみんなを待っていた。

 

 

 

and…..

 

 

 

 

※これはMINDHACK本編と本当に全く何の関係もないB級映画です。ありがとうございました。

MINDHACK:夏休み土曜洋画スペシャル劇場【前編】

※これはMINDHACK本編と全く何の関係もないB級映画です。

 

 

 

-VODKAdemo? presents-


 

 

 

日没を迎えた、とある日のことだった……

 

郊外のショッピングモールは、夜でも煌々と明かりを灯していた。天井からの眩いライトを背に浴びながら、ブラックサンシャインは、大ぶりのモンキーレンチを相手の鼻っ柱めがけて振り下ろした。一階エントランスホールの中央を陣取る巨大な屋内噴水は景気良く水飛沫を上げ、その水は鮮血に染まっていた。

 

ギャング集団ブラッディ・パエリアのヘッドである彼にとって暴力とは、海の水が塩辛いことと同じように、当然のものだった。それでもレンチを固く握りしめる彼の手には痛みが走った。身を守るためには仕方ないことだった。何故なら彼が訪れていた地元のショッピングモールは、今や……

 

 

「ア”ーーー」

「ウ”ア”ーーーーーー」

 

…………どこもかしこも、ゾンビの群れで溢れかえっていたからだ!!

 

 

「ふざけんじゃねェ! どうなってんだよ一体!!」

 

群れ、群れ、群れ、見渡す限りのゾンビの群れ!! 噴水の小高くなった縁に登ると、ゾンビたちが一斉に腕を伸ばして彼の姿を仰ぐ!

「ア”ア”ーーーー」

「うるせえ! ワカメみてぇにまとわりつきやがって!!」

噛みつこうとしたゾンビの顎にすかさずレンチの頭を突っ込み、その土手っ腹を蹴り飛ばす!!

「ウワ”ーーッ」

「俺はキングだ! つまり、王だ! 道を開けやがれ!!」

蹴られたゾンビが他のゾンビを巻き込みながら後ろへ倒れ込む!

「おらァ!!」

その隙に、ケンカパンチにケンカキック、都合よくその辺に落ちていた釘バットなどでゾンビたちを殴り倒していく!! 彼はエントランスホールを暴力で走り抜けるのだった!

 

「クソッ、誰か……誰もいねえのか!? まだ活きの良い奴は……!!」

彼は舎弟たちには内緒でここへ来てしまったことを後悔し、今日買いにきたペットウミウシ用おもちゃを諦めることにした。とてもペットショップが開店している雰囲気ではなさそうだ。まずは無事に外へ出て、ブラッディ・パエリアのアジトへ帰らなければならない。だが、一階の出入り口は外からやってくるゾンビの群れでとても使えそうにはない。そもそも、外の世界はまだ無事なのだろうか? あの居心地のいい、賑やかなマンションの一室は?

 

郊外のショッピングモールは、とにかく広大だ。そのだだっ広さといったら、野球とサッカーとフットボールの大会を同時に開催してもまだ客席と屋台を出す場所が余りそうなほどだ。どう逃げればいいのか見当もつかなかった。

ゾンビたちは腕を前に突き出しながら蠢いている。知性はかけらも感じられず、ただ物音に反応して動き回っているようだ。

噴水の横に二階へ繋がるらせん階段があることに気づき、彼はそれを駆け上がった。予想通り、階段の上は一階よりも比較的ゾンビ密度が落ち着いている。ゾンビたちからは既に、階段を登るほどの知性も失われているのだ。

「よし、ここはわりと無事そうだな……」

 

鋭い目つきであたりを見渡すと、吹き抜けのテラスの先は静かな家具売り場だった。

「へー、家具屋なのにウミウシ用品も売ってんだ。ケージとか餌入れとか」

何か武器になるものはないか棚をひとつひとつ覗いてまわると、なかなか品揃えが面白く、つい品物を見てしまう。

「お、軍手。そういやフジツボが要るっつってたな」

軍手を手に取り、ふと横を見る。

「ん?」

すると、目が合った。

何と?

 

 

 

「ウワーッ!!!!」

「ウワアアーーーッ!!!」

 

お互いの悲鳴でお互いが飛び上がった! なんと棚と棚の狭い隙間に、まるで棚のようにぴったりと人が収まっているではないか!

 

「ビ、ビビらせんじゃねえ! なんだお前は!」

「フ……なんだではない。私はイーヴリッグ、神の無機のキャビネット」

「何でこんなとこで空気椅子を!」

「有機の世界は終わる。私はここでこうして神に祈りを捧げているのだ」

 

空気椅子のポーズを続けようとする青年の胸元を見ると、彼の名札には『ヤマムラ』と書かれていた。どうやらこの家具屋の店員らしい。

 

「おお、孤独に佇むステンレスたわしよ。あなたは一人ではない。私と共にこの世の閉店セールを見届けよう。慈悲深き神の御業に全てを委ねるのだ……」

「冗談じゃねえ、俺はうちに帰んだよ! お前もこんなとこでクサってねえで逃げるぞ!」

「えっ? あっ、いや、ちょっと、待って、僕は、あの」

軍手を引っ掴んでズボンのポケットに突っ込むと、ブラックサンシャインはヤマムラの手を引いて走った!

「ア”ーーーーーーーッ」

「ウ”アーーーーーーッ」

彼らがあげた大きな悲鳴を聞きつけて、周囲のゾンビが集まってきたのだ!

「うわーッ!! ゾンビやだーッ! 気持ち悪ーッ!!」

前からも後ろからもゾンビ、ゾンビ、ゾンビの群れ!! 逃げ場がない!!

「おいヤマムラ、後ろの奴をなんとかしろ!!」

喧嘩慣れした太い腕のパンチとラリアットがゾンビを迎え撃つ!

「うわーっ!! うわうわーっ!! やだーっ!!」

情けない悲鳴を上げながら、ヤマムラは商品棚にかかっていたノコギリを握りしめ、やみくもに振り回した!

背中合わせに立ち、互いに目の前のゾンビを蹴散らすウニとヤマムラ!

「クソ! こいつら、生臭ぇんだよ! 酢で〆てから来いっての!」

「二人目ッ! 三人目ッ!! 四人目ッッ!! ……意外といけるかも」

しかしゾンビの数は時間をかければかけるほど倍に倍に増えていく! これではまるでヴァンパイア・サバイバー系ゲームの終盤ウェーブだ!

 

 

 

「いやーっ!! やっぱ無理!! 助けてーーーッ!!!! 神様ーーッ!!」

ヤマムラはゾンビの頭部に真っ直ぐノコギリを振り下ろし、悲鳴を上げる!

すると……

 

「ククク…………汝の音色を聞かせよ……!!」

それに呼応するかのように……地獄の底から呻くような、低くざらついた声が響いた……!!

 

「なんだ……!?」

 

ギャリギャリギャリギャリ……!!

家具屋と隣の寝具店の隙間にある廊下から、大きな黒い影が膝小僧でドリフトを決めながら躍り出た!!

 

 

フロッピーディスク読み取りドライブに手足をつけたような形状で、人間よりもふた周りほど大きめの……すごく簡単な造形のロボットだ! 両手に逆手で握ったナイフを鮮やかに振り回し、謎の簡単ロボットは周囲のゾンビたちを……紙吹雪でも作るように切り刻み、吹き飛ばしていく!!

 

「アッハハハ! 愉快愉快! 戦場より斬るものに困らぬわ!」

「ウ”ーーー」

「ア”ア”ーーー」

「フン。しかし、なんと醜く鈍い音色か。ゾンビとやらは奏で甲斐のない楽器よ。鳴かせる価値もない」

その場で踊るかのように回転し、簡単ロボはナイフを使って手当たり次第にゾンビをばらばらに解体!! 見る間に周囲のゾンビは激減!!

「おおーッ!! 見よ! あれを見よ!! あれを見よ!!」

その光景に、イーヴリッグのカルト狂気に満ちた目が爛々と輝いた!

「無機が! 有機を! 汚れた腐肉を!! あれこそが研ぎ澄まされたフードプロセッサの刃!! ああ、私は神の御業を讃えよう!!」

「おいヤマムラ、危ねえぞ」

「我が名はイーヴリッグ!! 神の忠実なる無機のキャビネット!!」

ウニの静止も聞かず、彼はロボットの前に飛び出して両手を広げ、叫ぶ!

「無機よ!! あなたは美しい!!」

「おお、生きてる人間」

ロボットは右手で獲物を捕らえ、左手でナイフの切先を素早くかざし、キャビネットの下側から喉元に突きつけた!

 

 

「ククク……我を満たすのは生を渇望する苦悶の喘ぎ……」

「ひゃーーーーーーーーーッッッッ!!!!」

「善いぞ。もっと喚け。汝の価値を叫べ!」

「イヤーーーーッッッッ!!!! やめてください!!!!」

あわやナイフの先っちょが喉元に刺さらん……

という、その瞬間……!

 

「こらーっ! シノちゃん、めっ! なのだ!」

突然簡単造形ロボがぴたりと静止し、コンピュータの内部機構から電力が失われる低い唸りが漏れた!

「グ……!」

「おあずけ!」

 

 

先ほどドリフトの跡がついた家具屋の角を、今度はより人に近い姿の二足歩行ロボットが、コツコツと足音を立てながらこちらへ近づいてくる。

「キミたち、無事でよかった! ワガハイは人間がだーい好きなCOM_Z博士。そっちは機械の身体を手に入れて大はしゃぎのシノちゃんなのだ」

「くっ……博士、小癪な……!」

「楽しかったみたいで何よりなのだ。シノロボを作ってあげた甲斐があったね!」

「アレあんたが作ったのかよ。とんでもねえな」

「驚かせちゃってごめんね」

「わ、わ、私は心を捨てた家具……怖かったとかそういうことは全然ない…………」

「ごめんねの域じゃねえだろ。こいつ泣いてんぞ」

簡単造形殺戮ロボの邪悪ぶりには、ギャングのキング・ブラックサンシャインといえどもドン引きだ。

 

とはいえ、シノロボによる大暴れのおかげで、一帯のゾンビと商品棚はすべて細切れになってしまった。周囲はすっかり静けさを取り戻している。

「とにかく……おかげでひとまず助かったぜ。ありがとな」

「ハ。結果的に汝らに手を貸してしまったようだが、我は破滅の代奏者。ゴミクズに礼を言われる筋合いなどない」

「シノちゃんは素直じゃないからこう言ってるけど、お礼を言われて喜んでいるのだ〜」

「博士、余計な口をきくな」

「よかったね、シノちゃん!」

「よくない」

静止したシノロボの腕からいつの間にか逃げ出したヤマムラは、COM_Zの姿を睨みながら不服そうにぶつぶつと呟いた。

「むむ……見た目は無機だが、神は心の存在を喜ばれない……こういうのはちょっと違う……」

「生存者がいて安心したのだ! この街はもうすっかりおしまいなのだ」

「そう、有機の世は終わる!!」

「でも大丈夫。キミたちのような生存者を助けるために、ワガハイが脱出用にヘリを手配しておいたのだ」

「えっ」

「マジかよ! 俺ら、助かるのか!?」

「ヘリはショッピングモールの屋上に来るはずだよ。さあ、屋上へ向かおう! ワガハイの後ろについてくるのだ!」

「博士、動力を戻せ。我を置き去りにするな」

「えっ、僕はこの暴力ロボと一緒はちょっと……」

「やったなヤマムラ!! 行こうぜ、屋上!!」

「え、いや、あの……」

一同は意気揚々と、ショッピングモールの屋上へ向かうために走りだした!!

 

 

 

To be continued…. (次週、後編へ続く)


 

MINDHACK:BitSummit展示のお知らせ&機能改善のご報告

きつねです。夏。七夕も過ぎ、季節はいよいよ夏オブザ夏ですね。


今年2023年のSteamサマーセールは7月13日まで!
15%OFFでMINDHACKをお求めいただけるチャンスです。サウンドトラックも同じく15%OFFとなっております! この機会に何卒よろしくお願いいたします。

 

そして、今年も帰ってきた『マインドハック電話相談』!
いただいた質問の総数、なんと1300件近く……!! 短い募集期間(前回の土曜から本日までの1週間)にも関わらず、本当にたくさんの質問をありがとうございました!
今年もCOM_Zとシノが、キャラクターたちの身の回りのことから世界観に関する疑問など、皆さんにお寄せいただいたアレやコレやを調べてお答えしていきます。
1300件全ての質問にお答えすることは残念ながらできませんが、いただいた質問とメッセージはすべてCOM_Zとシノ(と、VODKAdemo?)が拝見しております。
近日中に回答コーナーが始まりますので、どんな質問と回答が飛び出てくるか楽しみにお待ちくださいね。

去年の電話相談(1~5)の内容はこちらの再生リストからご覧いただけます。

文字起こし版の過去記事はこちら!

 

 

さらにもう一つ、お知らせ!

7月14日〜16日に京都で開催されるインディーゲームの祭典『BitSummit Let’s Go!』に、インディーゲームレーベル・ヨカゼも参加しています。
※14日はビジネスデイ。一般公開日は15・16日となります。

MINDHACKもヨカゼの仲間。今年のBitSummitでは、ヨカゼブースで体験版を試遊していただけます!
関西方面にお住まいのかたや、会場に行く予定のあるかたはぜひ遊びにきてくださいね!(VODKAdemo?メンバーもこっそり見に行く予定!)

 

さて、夏やイベントやあんなそんなの準備を進めつつ、ゲーム本編の機能改善も進行中。
今日はその内容をお届けいたします。

 

・人格塗り替えインタラクティブの操作感向上


ハックパートの後半で登場する、マウスドラッグ操作で人格を塗り替えるこのパート。
これまでは操作とともに一定方向に先生の指が動く演出でしたが、なんとペンや絵筆で塗るかのように、自由な方向に操作できるようになりました。
こちらはBitSummitで展示する体験版でもプレイできる予定! みやこめっせにお越しの際はぜひ体験してみてくださいね。

 

・CTRLキー長押しでテキストをスキップ


これまでテキストのスキップはマウスホイールを下方向に転がす操作だったのですが、CTRLキー長押しによって、一気にスキップを行うことができるようになります。
※マウスホイールでの操作時同様、一部スキップできない演出があります。

また、オプション画面から「既読パートのみスキップ」するかどうかを選ぶこともできます。
これまで通りマウスホイール操作でもスキップ可能です。これで『あっちの選択肢も見てみたい』時のトライがはかどるね!

 

・EXTRA画面で聴ける曲を追加

作中、3章までの範囲に含まれているBGMをEXTRA画面で聴けるようにしました。
EXTRA資料を読んでいる間もかけっぱなしにすることができるので、『作業用BGMを聴きながら資料に目を通す天才マインドハッカー』の気分を味わえます。
さらに!
EXTRA画面からアクセスできるタイピングゲームを、BGMを変更したまま遊ぶこともできます。
君も『作業用BGMを聴きながらマインドハックを練習するマインドハッカー』になろう!

 

・シノのプチタイピング演出を追加

3章の更生対象、バグ変異体シノ。シノと対峙する際のプチタイピングでは、シノの攻撃を迎撃するパートがあります。
そのパートに、さらに迎撃してる感を増しました。飛んできた▲をタイピングで撃ち落としていく!好きな方向から選べます。
今後追加予定の章でも、いろんなタイピングのバリエーションを出していきたい所存です。演出改善は今後も細かく行なっていきたい!

 

・チャプターセレクト

あと、タイトル画面からチャプターセレクトもできるようになるぞ。

 

 

これらのアップデートは、準備が出来しだい近日中にSteamで配信中の本編に適用される予定です。
お手元で体感できる日をどうぞお楽しみに!

MINDHACK:サマーセールのお知らせ&電話相談予告

夏だ!サマーだ!7月だ!
そしてPCでゲームを遊ぶ派の人たちにとって、夏といえばあの季節です。

そう、夏といえば!Steam サマーセール!!
気になっていたあんなゲームや、ウィッシュリストに入れていたこんなゲーム、偶然出会ったそんなゲームゲームゲームが……とにかくお買い得になる真夏のハッピネス!!

MINDHACKの人たちも陽射しの季節に浮かれておりますね。

そう、夏といえばハッピネス、ハッピネスといえばマインドハッキング!
2023年6月30日(金)~7月13日(木)までの期間、MINDHACKも15%OFFでお買い求めいただけます!
Steamストアページはこちら!

4月にアーリーアクセス版を配信開始してから、今回が初めてのセール参加となります。まだゲームをお持ちでないかたも、ぜひこの機会に天才マインドハッカー生活を体験していただければ幸いです。
すでにお持ちのかたには趣味の合うお友達へのSteamギフト、つまりデジタルお中元としてもオススメです。
ひんやりした色味のゲームなので避暑地としてもご利用いただけると思います。何卒よろしくお願いいたします。

さて話は変わって……

 

MINDHACKをご存じの方にとって、夏といえばあの季節。

【マインドハック電話相談】のお時間です!

※動画バージョンはこちら

COM_Z
「でけでけでけでけでけでけ……ジャジャン!」

COM_Z
「コムちと!」

シノ
「………………」

COM_Z
「シノちゃんの!」

COM_Z
「夏休みマインドハック電話相談〜〜〜〜!」

シノ
「……………ハ?」

COM_Z
「やあやあ諸君、待たせたね!ご存知可愛いコムちなのだ!」

COM_Z
「こっちはバグ変異体のシノちゃん!ほら、ご挨拶」

シノ
「博士、何だこの空間は」

COM_Z
「え?やだなあシノちゃん決まってるじゃない」

COM_Z
「マインドハック電話相談が今年も帰ってきたのだよ!」

シノ
「……一応確認するが、何だそれは」

COM_Z
「このコーナーでは、みんなからMINDHACKにまつわる質問を大募集!ゲームの世界にまつわるギモンや、キャラクターについて気になる情報をお答えしていくのだ!夏休みの自由研究にピッタリの企画だね!」

シノ
「このくだらん小部屋は昨年爆破したではないか!?」

COM_Z
「質問コーナーは何度でも蘇るのだよ、科学がある限り」

COM_Z
「というわけで、MINDHACKに関する質問がある人は下記のフォームをチェック!キミのギモンを届けてくれたまえ。募集期間は7月8日土曜日まで!みんなの声を聞くのが実に楽しみなのだ〜!」

シノ
「……せいぜい励むがいい」

COM_Z
「おや、シノちゃん。どこへいくのかね?」

COM_Z
「もちろん今年も、ワガハイとシノちゃんの二人三脚でコーナーをやっていくに決まっているではないか!」

COM_Z
「覚悟はいいかな?シノちゃん!」

シノ
「……………………」

シノ
「…………勝手にしろ」

 

というわけで、今年もCOM_Zとシノが皆さんの質問に答えてくれます。聞いてみたいことがある方は、上記のフォームへ【2023年7月8日(土)まで】にお寄せください!満たせ!天才マインドハッカーの知的好奇心!

※なるべく多くの質問にお答えできるようCOM_Zとシノが頑張りますが、全ての質問には回答できない場合があります。予めご了承ください。

MINDHACK:翻訳拡大中!

MINDHACKで用意されている言語は、現時点で日本語と英語の2種類。しかし、実はほかの言語も追加を検討中。さらなる言語拡充のため、外部の翻訳会社さんとも連携しています。(ちなみに英語翻訳担当者の岩﨑さんのテキストが非常にクオリティ高いので、英語を元に別言語へ翻訳してもらっているよ!)

その中で、「翻訳を依頼するときって、こんなことも検討しておくべきなんだ!」という発見もありました。今回は、そんなTIPSをまとめていきたいと思います。

1.固有名詞を翻訳するのか問題

FORMAT、LAGOM、COM_Z……MINDHACKには、さまざまなオリジナルの固有名詞が登場します。こうした単語を英語に翻訳する場合はそのままでいいのですが、アジア系の言語に翻訳する場合は現地語に直すのか、英語表記のままで置いておくのか、など検討する必要があるようです。MINDHACKでは、「専門機関の用語」風の響きを維持するために英語表記を据え置きにしてもらうことにしました。

2.翻訳のニュアンスをどうするのか問題

翻訳会社さんいわく、「原文のニュアンスをカッチリ厳密に守るコース」と「翻訳先の言語に合わせてちょっと遊んでもいいコース」があるそうです。ジョークなどのニュアンスをローカライズ先に合わせたい場合は後者を選ぶみたいですね。MINDHACKも遊んでもらうことにしました!だって……ウニの海鮮語彙が世界各国でどうなるか、気になるじゃない!?

3.略語をどうするのか問題

たとえば「攻撃力(Attack)」を「ATK」と表記したり、「体力(Hit Point)」を「HP」と表記したり、必要に応じて略語を使っていいのかを翻訳者さんに伝えておくとスムーズみたいです。文字数制限を回避するときなどに便利なようですね。作中で独自の略語がある場合はそれも指定しておくといいそうです。RPGなどを制作されているインディーゲーム開発者さんはぜひご参考ください。MINDHACKも検討してみましたが……別に攻撃力も体力もなかったです!

 

また、翻訳をより細部にわたって正確に進めるにあたっては、翻訳者さんから直に開発チームに質問が届く場合もしばしばです。その中でも、「そこを聞くんだ!?」と面白かったものをご紹介します。

Q.現実で聞きなれない日本語の表現がありますが、意図された表現でしょうか?
例:
「味噌の底」
「べらべらに褒められた」
「純粋無雑の破壊衝動」
「熾烈永劫の愛」

A.意図的な表現です!

翻訳者さんの戸惑い、ごもっともです。そんな日本語ありません。どこだよ味噌の底って。MINDHACKにはこのように存在しない言葉が多数出てくるのですが、翻訳者の皆様にいい感じにニュアンスを伝えていただいております。頭が上がりません!

 

Q.イーヴリッグは自分のことを「キャビネット」と呼んでいますが、ここでいうキャビネットとは、彼が頭に被っているような一枚扉のタイプを指すのでしょうか?

A.こんな感じのイメージです!

全世界初公開、イーヴリッグの理想のキャビネットです。この図は二枚扉ですが、イーヴリッグが被っているのはこれを頭のサイズに合わせて半分にしたものですね。キャビ野郎の言うキャビネットをこんなに真剣に検討してくれた方が、いまだかつていたでしょうか。感激です。

 

Q. (英語版のイーヴリッグ編実績名について)「スクラップ(SCRAP)」とありますが、これはバールのことを指しているのでしょうか?

A. 違います

やはり別の言語に訳す時の意思疎通は難しい。密なやりとりが大事ですね。

 

Q.(英語版で)「それはひじです」という台詞がありますが、これはどのような文脈で発されたものでしょうか?

A. ここでは、登場人物たちは「ひじは尻になることができるか」という議論をしています。主人公は「ひじはあくまでひじであり、尻になることはできない」と考えています。そのため、ここでは「それはひじであり、尻ではない」という主旨の発言をしています。

大真面目にこんな回答する羽目になるとは思わなかったよ。

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そんなこんなで、MINDHACKのローカライズ第2弾は日進月歩で進んでいます。実装の目処が立ち次第、アップデートのお知らせをしますのでお楽しみに!