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新年のご挨拶(2025)

はっ………………新年、開けてる―――――!!

 

明けましておめでとうございます。MINDHACK開発チーム、VODKAdemo?でございます。皆さん、お正月はいかがお過ごしでしたか? 我々は酒を飲んだり、鍋をしたり、思い思いに羽を伸ばしていました。新年一発目は毎年恒例、スタッフからのご挨拶を掲載します。こんなタイミングくらいしかメッセージをお届けする機会がないので、よければお付き合いください。

 

・ホでヴより(アート担当スタッフ)

あけましておめでとうございます!
去年の暮れにですね、かき揚げを作ったんですよ。かき揚げね。てんぷらのやつ。
それが凄い失敗して「衣が付いたバラバラのべしょべしょした何か」になってしまいました。(味は美味しかったです)
めちゃくちゃ悔しいので今年はかき揚げを練習しようかな。かき揚げってなんかお惣菜とかで普通に置いてるけど作ってる人マジでめっちゃ凄いよ……
そういう風に、サラッと置いてあるものって結構凄いものだったりしますよね。かき揚げ職人に思いを馳せます。
後は、blenderを触って3Dを作ってみたりしてました。
絵のアタリとして使う素材を自分で作れたら大変助かるので、その練習として。
それは上手くいきました!超分かり易い解説上げてくれてる人全員にド感謝!!!色も付けてみたけどちゃんと反映されて嬉しい!!
先ずは腰据えて素材。ってぱっと見時間掛かるから飛ばしてさっさと描けばいーじゃん!って思うけど、結局素材作った方が安定するし早いんだよね。
これが締め切り近くて焦ってるとつい飛ばしちゃうんだよな~(そんでいらん苦労するし結局上手くいかない)
それをさあ、締め切り近いけど焦らず作れる人がさあ、早いし上手い人だったな……元気かな。元気だと良いなあ。良い人だったなあ。3D職人に思いを馳せます。
今年はそんな風に腰据えて素材。をやっていきたいと思います。
3月に出る5章、よろしくお願いいたします!!ヒューゴは……良いぞ!!!

 

・ササンより(サブシナリオ、広報担当スタッフ)

明けましておめでとうございます。
サブシナリオ、広報、ほがらか笑顔のササン三です。

新年早々ナマナマしい話で恐縮なんですが、いま現在進行形で喫緊の悩みがあります。それは、お絵描きスランプに陥ってしまったこと! 昨年の冬くらいから何となく筆が乗らなくなり、ささやかな落書きなんかも上手く描けなくなってしまいました。そういうわけで最近はなかなかコンテンツをお届けできず、歯がゆい思いをしております。本当はもっともっと動かしたいキャラクターたちがいるので、この状況を脱したらまた元気にイラストを発信していきたいですね。まあほら、スランプって成長の機会とも言うし。復活したら劇画調のユーニッドとか描いてるかもしれません。

それは置いといて今年の目標としては、3年後や5年後のVODKAdemo?を見据えた準備を進めていきたいなあと思っています。具体的には、将来は自分もプログラマーとして参加できるようにコーディングを勉強したりとか。MINDHACKはもちろん、今後も当分の間は我々の創作をお届けしていく予定なのでよろしくどうぞ!

でもまずは3月の第5章配信ということで。ネタバレ厳禁のいろんな仕掛けを用意しているので、もうしばらく楽しみにお待ちください。サブシナリオ担当としては、エクストラ資料にとても思い入れがあるのでぜひ全解禁して見てみてほしいです。それでは、今年も乞うご期待!

 

紅狐より(シナリオ、プログラム担当スタッフ)

新年あけましておめでとうございます、紅狐です。
去年は、人の目に見えるところ・見えないところ問わず常に全速前進フルスロットルで動き続けた一年でした。2025年はそのはたらきが結実して戻ってくる年になるとうれしいです。
3月2日はついにお待たせしていたMINDHACK第5章のお披露目!! 銀河のかなたに想いを馳せ、宇宙の神秘を垣間見ては奇声をあげ頭を抱え細部までこだわって作り上げましたので、このコズミック体験を皆様にも楽しく味わっていただけることを心から祈っています。

この春先の大イベントに向けて、年末年始は一旦エネルギーチャージ……ということで本を読んだりなんだりしています。MINDHACKという作品には開発チームの「こういうのいいなあ」が詰め込まれているのですが、その中には、このゲームを遊んでくださっている方々から見て『前の世代』から来た要素が多々あると思います。例えば紅狐は1960〜80年代くらいの海外SF小説が好きだったりとか。
自分の話に含まれているそういう要素が、今ここに出力された作品を通して自分より若い人たちに刺さることがあるなら、それってなんか離れた場所の星の光が長い時間をかけて地球に届くみたいだね〜とか思ったりしました。
過去から学び未来に生きていくぞ。今年も何卒よろしくお願いいたします。

 

以上、我々から皆さんに向けてささやかなお年賀でした。今年もはつらつハッキンハップで、皆様の心に刺さる作品をお届けできたらと思います。2025年もよろしくお願いいたします!

MINDHACK: ある更生者の発表

【ある更生者の発表】

災害調査ボランティアに更生者を派遣することについて、マインドハック協会全体に採決のアンケートを送付しています。

先日のマインドハック会議での発表を文字起こしした資料を同封していますので、よろしければご覧ください。

 


 

 

(付添人とともに壇上に上がった発表者、周囲に向かって一礼する。

発表者の登壇場所は会場の中央にあり、発表者は8方向すべてに、一度ずつ丁寧に頭を下げた)

(会場、拍手)

 

みなさん、こんにちは。

むかし、私はひどい人間でした。

でも、今はもうそんなこと全くありません。私はマインドハックを受けたからです!

 

(会場、さらに拍手)

(拍手が止む)

 

ありがとうございます。ありがとうございます。ほんとに、ありがとうございます。

むかしの自分のことは、経験としては覚えているけれど、なんだか遠い国の本を読むような気持ちです。

多分、その時に感じていた感情をマインドハックで消してもらったからですね。そういう風に説明を受けました。

ここにいる私のことを覚えている人も、もしかしたらいるかもしれません。私のことはラジオや新聞で何度か紹介してもらいました。

私は去年の夏にC級のバグがあることがわかり、マインドハックを受けました。今はもう大丈夫です。

 

(発表者、小さく一度頷く)

 

この間までの私は、車がとても好きだったみたいです。

どうしてか、ちっちゃな車をたくさん集めていました。家の壁中に小さな透明の棚を並べて、家にはびっくりするほどたくさんのミニカーがありました。

家中似たようなミニカーばっかりでいっぱいで、置ききれないから家のほかに、専用の倉庫を借りるくらい! でもどうしてこんなに集めたかったのか、今は全然わかりません。

子供のころから本当に車が大好きだったって、身の回りの人は言ってます。カントクさん? そうなんですよね?

 

(発表者の横に立っていた付添人が手持ちマイクを受け取る。発表者は笑顔で男性を指し、「これがカントクさん! みなさん拍手!」と両手を振る)

(会場、拍手)

 

(付添人、受け取ったマイクを何度か叩く。ボン、ボンと音がする。スイッチを切り替え話し始めるが、マイクをOFFにしてしまったので声が聞こえない)

(マイクがONになる。付添人、もう一度同じことを話しはじめる)

 

えー、あー。はいどうも、こんにちは。更生者の監督官です。彼は更生後も施設でよくやっています。

お手元の資料をご覧になるとわかると思いますが、ええ、24ページの、ええ。

彼が我々の施設にやってきたのは、去年の夏、あるスポーツサーキットでの事件によるものです。

マインドハッカーの報告によると、彼のバグ、すなわち破壊衝動の根源となっていたのは、レーシングカーに対する強い執着でした。

当時の音声記録が残っています。こちらです。

 

(付添人は手に持っていたテープレコーダーをマイクに近づけ、再生ボタンを押す)

(カチッという音のあと、しばらくして、くぐもったぼそぼそと話す音声が流れる)

 

 

……どうして……

どうしてこんなことになってしまったんでしょうか。

……車が……

車が好きだっただけなんです。

ただ、車が……好きなんです。みんなが言う『好き』とは、ちょっと違うかもしれません。

でも、好きなんです。とにかく車のために生きてきました。車が私の全てなんです。

あの、金属の塊が流線形にプレスされて、そこにありとあらゆる技術の粋を集めたエンジンが載っていて。

その力で鉄の塊が馬鹿みたいな速さで動くっていう……それが好きで好きで、たまらないんです。

車だけでよかったんです。人は傷つけたくなかった。こんなはずじゃありませんでした……

(嗚咽の声)

……世界で一番美しいものが……

メチャクチャになるところをどうしても見たい、って思っちゃったんです。思ってただけだったのに。うまく隠せてきたのに。

……こんなつもりじゃなかったのに……どうして……

 

 

(カチッという音がして、音声が停止する)

はい。とにかく彼は車に激しい執着を持っていました。

そして、レースチームのクルーであった彼は車両とサーキットのコースに細工をし、レーシングカー同士を衝突させて観客席に突っ込ませるという大事故を故意に起こしたわけです。

多数の死傷者が出て、去年は新聞の一面に大きく載りましたので、よく覚えているかたも多いでしょう。事件の詳細については割愛します。

えー。その後マインドハックを受けて、気分はどうですか?

 

(付添人が再び発表者にマイクを渡す。声質が特徴的なため、先ほどのテープレコーダーの音声と発表者が同一人物であることがよくわかる)

 

はいっ! 世界がとにかく明るいです。当時の自分のことを聞くと、なんであんなに思い詰めていたんだろう、本当にかわいそうだな……と思います。

つらいことなんて何にもありません。「そういう気持ち、ある?」って経過観察のお医者さんに何度も聞かれたけど、正直、それがどういうものなのかもちょっとよくわかりません。

多分、むかしの私にはたくさんあったんだと思います。その頃の自分のところに行って抱きしめてあげたい。もう大丈夫だよって言ってあげたい。

なんだか悲しそうで、かわいそうで、ちょっと泣いちゃいます。

(発表者、少し涙ぐんで、指先で目元を擦る)

 

ねっ。今は車を見ても、特別なにか感じることはありません。あ、すてきだな、きれいだなとはもちろん思います! でも、すてきなものは他にもたくさんあります。

毎日ご飯もおいしいし、こうしてここに立っているだけでとにかく身体の内側からあったかい気持ちが湧いてくるみたいなんです!

こんなに世界はキラキラに包まれているんだから、わざわざ一個の何かにしがみついて思い悩むことはないんじゃないかなあ?

キラキラして、楽しくて、幸せです! マインドハックを受けて本当によかったです!

 

(付添人、発表者に耳打ちする)

(発表者、付添人に大きく頷いて答える。満面の笑顔で会場を見渡しながら話す)

 

はいっ! 今一番楽しいことは、毎日、いろいろな人に手紙を書くことです!

私はとても恐ろしいことをしたと思います。本当にひどい人間でした。

あの日のレース会場にいた人たちみんなに、怖い目に遭わせて本当にごめんなさいって、一人一人直接謝りたい。

本当は顔を合わせて目を見て、もう大丈夫、私は二度とあんなことをしないように変えてもらえました! ……って言ってあげたいけど、とにかく人数が多いし、多分急に会いに行ったらびっくりしちゃいますよね。

だからその代わりに手紙を書いているんです。一通一通、ちゃんと手で心を込めて書いてます。みんな読んでくれるといいなあ。

……あ、そうだ! それで手紙を書いていて、どうしてもやりたいことができたんです!!

マインドハックを受けた更生者が、すごく反省していて、もう大丈夫だってことを……もっとみんなに知らせるにはどうしたらいいんだろうって!

 

(付添人、えっ? と声をあげる)

この前、カントクさんに凍結災害のことを聞いたんです! カントクさんが言うには、この世界には、バグが爆発したせいで凍結災害が起きた場所がいくつもあります。いまは危ないから閉鎖されているけど、その場所が故郷の人だっています。

長い時間が経ってバグがどうなったのか、その場所は今は安全なのか、また人が暮らせるのか、まだわかりません。その中に入っていって調べる係の人が必要です。

 

(付添人、戸惑った表情で発表者に何か尋ねる)

はいっ! そうです! 凍結している場所に足を踏み入れたら、もちろん命の保証はないです。だからこそ、私が役に立つんです!

みんながやりたがらないことをやるのは社会貢献になると思います! バグのこと、凍結災害のこと、どうしてああなるのかをもっとよく調べれば、きっとこれから先のみんなのためになります!

だから私は、そこを調査しに行くボランティアをやります!

(会場、大きな拍手)

 

はい! むかしの私が集めていたミニカーのコレクションは、恵まれない子供たちの施設に全部寄付しました。子供たちもとっても喜んでくれたそうです。

今度は、社会全体に私自身を寄付するんです!

これから先、マインドハックを受けて更生した人には社会貢献の機会が必要だと思います! 我ながら、これってかなりいいアイデアだと思います。へへっ。

私以外の人たちにもぜひこれに参加するチャンスをあげてください!

(会場、非常に大きな拍手)

 

ありがとうございます! カントクさんにもありがとう! みなさん、拍手をお願いします!

ありがとうございます! がんばります! ありがとうございます! ……

(発表者、8方向に何度も深く頭を下げる)

MINDHACK:アニメーションによる彩り

MINDHACKの特徴のひとつ、場面場面でよく動くアニメーション。
特に主人公である「先生」の両手は、画面に常に映り込んで存在感を主張しています。

手しか見えないという制約の中でも「いる」感を出すためには、アニメーションによる彩りが不可欠。
しかし、全部の絵を手描きのセルアニメーションにするとなると、MINDHACK開発チームの絵を描く係の人・ホでヴの負担がとんでもないことになってしまいます。

↑めちゃくちゃ豪華にフルセルアニメーションを使っているシーン。
これはステーキでいうとシャトーブリアンくらい贅沢!! 毎日食べたら破産しちゃう!

 

手で1コマ1コマを描きおろすのがセルアニメーション。
これに対して、「プログラムに指示して絵と絵の間を補完してもらう」のがキーフレームアニメーションです。

↑これがキーフレームアニメーション。
「位置XXXから位置YYYまで動け~~~」とプログラムに頼んで、1枚の絵を動かします。

どちらにもいいところがあり、MINDHACKの開発においては、セルアニメーションとキーフレームアニメーションを組み合わせて効率的に画面を豪華にしています。

たとえば、先生が作中でたびたび披露する指パッチン。

これ、実はもとになっている手の絵は2枚!

この2枚を、位置や回転を調整しながら紙芝居のように表示すると、こうなる。

 

パカパカッと。

これだけでもかなり動いているように見えますが、まだちょっと「絵が2枚」感が出てしまっていますね。

そこで、ちょっと味付け。
映像編集ソフトAfterEffectsの、一枚の絵をちょっとだけ変形する機能『パペットツール』で、指の開き具合をちょいちょい……

こんな感じに。
ついでにパッチン感を出すために、ちょっとしたエフェクトも作って……

こちらが味付け後の完成品。あー、いいですね。

このように、実際の絵素材の枚数を抑えながら動きもリッチに見えるよう、様々な工夫をこらしています。

絵が2枚のパカパカ感を感じさせないコツは、「余韻」です。絵が切り替わった瞬間の動きをピタッと止めずに、少しだけでも動いた余韻が残っているように見せるのがポイントです。指パッチンの場合は指先の動きを少しだけ追加して、さっきまで指先擦ってました~感を出しています。

余韻といえば、イーヴリッグのLAGOM神に捧げる大暴れも、実はもとの絵は2枚。

キーフレームアニメーションで間に「ぼよんっ」という縦の動きを追加して、より激しいヘッドバンギングに見せています。

 

なるほどねー。
それではまた来週!

 

 

コラム:ノベルゲームのお話ができるまで

皆さんこんにちは。MINDHACKメインシナリオ担当、紅狐です。今年の夏はとにかく暑かったね!!

ようやく待ちに待った秋の気配がやってきて、暑さに弱い紅狐大歓喜です。とかいってまだ日中の最高気温が30℃越える日もあって目玉が飛び出そうになっていますが、とにかく秋です。秋が来ました。秋といえば芸術の秋!
というわけで、皆さんもシナリオ、つまりお話を書いてみませんか。

今日の開発ブログは「やってみよう! 5分ノベルゲームのシナリオにチャレンジする回」です。
今回は紅狐の過去作「DON’T SAY YES」をもとに、1つのお話がどういう風にできあがっていくかをご紹介いたします。

 

DON’T SAY YES

 

↑「DON’T SAY YES」はこちらから遊んでいただけます。

今回の記事はゲームの内容を大いにネタバレしまくりのため、もしご興味があれば先に遊んでいただければ非常に幸いでございます。

 

 

 

 

まずは尺とテーマを決めよう

 

今回は5分でプレイできるシンプルなビジュアルノベルゲームを作りましょう。
ごくごく短いお話なので、登場人物は1人または2人です。中に出てきて喋る人が増えれば話は長くなり、減れば短くなります。
MINDHACKも1章あたりのテキスト量を圧縮するために、メインのシーンは『主人公と更生対象の対話』というシチュエーションにしています。

↑ハック中は一対一の対峙。

 

テーマは、自分がグッとくるものにしましょう。ポイントは「感情」です。書いたお話を読んでくれた人に、自分がこのテーマから感じるグッ部分を伝えることが目的です。

今回のテーマは「最期に見る夢」にしました。

テーマを具体的に3行にまとめてみましょう。こうです。

 

ずっと戦いっぱなしだったある一人の戦士が、
人生の最期に何か美しい夢を見た。
それは一体何だったのか?

さあ、一体何だったのでしょうか。この時点ではまだ私にもわかりません。

 

 

カードを置いていこう

 

いきなり話を書き出す前に、今回のお話の骨組みを作ります。私の場合はいつも、カードを場に並べてお話を組み立てていきます。カードは市販のふせんで大丈夫です。

まずは、一番大事なテーマを置いてみましょう。

 

あと、主人公も必要ですね。

次に、主人公は「戦いっぱなしで、その夢を叶えられなかった」ことがわかっています。
「戦い」カードを作り、いくつか置いてみましょう。戦いには物理的なものと、精神的なもの、その両方に関わるものがあったはずです。

さらに、主人公の身の回りにいる人を考えます。

『長い間』戦っていたということ、そして『最期』=死期にあるということは、おそらく主人公は大人です。何のために戦っていたのかはわかりませんが、何かを守るためだったのではないでしょうか。
たとえば生活・暮らしを守るためだったとすれば、パートナーがいたかもしれません。ふたりの間には子供もいたかもしれませんね。
この家族は、主人公にとって守りたい、大事な存在だったと思われます。

さて、家族が2人出てきましたが、このお話は最初に決めた通り「5分のビジュアルノベル」です。実際の登場人物は主人公を含めて2人までしか出せません。さもなくば尺が登場人物の関係性の数だけどんどん伸びてしまいます。家族をキャラクターとして直接登場させることは、定員オーバー確定なのでかないません。

つまり、このお話は『主人公が誰かもうひとりの人物に対して、これらのことを話して聞かせている』というシチュエーションになるでしょう。これなら登場人物は2人に収まります。

(私は「過去を語って聞かせる」シチュエーションを書くのが好きなので、これはお決まりのカードでもあります)

では、ここまでのカードを場に並べてみましょう。

 

関係のありそうなカードはなんとなくそばに置いてみましょう。
場所は広く取ることをおすすめします。ふせんがたくさん貼れるデカいノートはいいぞ。

 

お話を組み立てよう

 

必須のカードは揃ったので、カードごとの間を繋いでいってみましょう。

主人公が、第三者に『戦い』『家族』の話を語って聞かせます。

ところで、初対面の第三者に身の上話をする時ってたいてい、「これどこまで通じてるんかな」というややこしい瞬間があるのではないでしょうか。

例えば私なんか、初めて行く美容院で「今何のお仕事されてるんですか?」と聞かれた時ひとことで答えられません。
えーとまず会社じゃなくて自営業でやってる仕事なんですけど、映像編集をやりながらゲーム開発してて……あ、普段ゲームとかされます? しない? 実況とかは見ます? 見ない? あ、いや、バイオハザードみたいなすごいボリュームのやつじゃなくて、えーっと、まず最近個人でゲームを作れる世の中になってきて……あっゲームっていうのは飛んだり跳ねたりするタイプじゃなくてお話を文字ベースで読み進めていくやつで、えっゲームの内容ですか? 悪人の頭をお花畑にするアドベンチャーなんですけど……まずギャングのボスがウニで……あと自分のことをキャビネットだと思ってる人とかもいて……

普段ゲームに触れない人に「インディーゲーム」の概念を説明するのってめちゃめちゃ難しい。
そんな感じで、語って聞かせるシチュエーションには常に聞き手の誤解が生まれます。

 

このお話の中では、なぜ誤解が生まれたのでしょうか。理由を考えます。

主人公の身の上が、「私は飛行機のパイロットです!」の一行よりはるかに説明が難しい生い立ちだったとします。多分、「戦い」の話と「家族」の話の内容が、ひとことで説明できないのでしょう。

さらに、話を聞いている第三者が全然別の文化の人だった可能性もあります。
このゲームの終着点は、「叶えたくても叶えられなかった最期の夢を見た」ということです。もしかしたら、話を聞いているのは願いを叶えてくれるタイプの「人間ではない何か」なのではないでしょうか。

「人間じゃない、願いを叶えてくれる何者か」は悪魔としておきましょう。これは私の趣味です。お前も蝋人形にしてやろうか。
そいつは悪魔だったから、人間である主人公の身の上話を聞いてもピンとこなかったのではないでしょうか。
悪魔なら、願いを叶える代わりに何か代償を求めたでしょう。おそらく願いを聞き出すために、主人公に身の上を説明させようとしたのはこの悪魔のほうからだったのではないでしょうか。

 

ここまででわかっていることを、図から文字に起こしましょう。

 

主人公はずっと戦いっぱなしだったある一人の戦士。
死の目前で、悪魔に「代償を支払えば、お前の願いを叶えてやる」と言われた。
主人公は願いが何なのかを説明しようとするが、その身の上はひとことで説明しきれない複雑なものだった。
そして願いは叶えられ、主人公は人生の最期に何か夢を見た。
それは一体何だったのか?

 

こうして見ると、場に足りていないカードはあと2枚です。

・悪魔は何を代償に求めた?
・夢とは何だったのか?

 

ところで、今までここに登場してこなかったある重大な要素があります。
それは、これが「ゲームのシナリオである」ということです。

DON’T SAY YESは、先に『選択肢がYESかNOの2つしかない』『YESを選ぶとゲームオーバー』というアドベンチャーゲームであることが決まっていました。
『YESを選んだら即終了』という仕様は、悪魔の要求に答えてはいけない、というシナリオにぴったり当てはめられます。悪魔の求める代償は絶対に渡してはならないもの、「主人公を主人公自身ではなくしてしまうもの」です。

こいつが悪魔であることも考えると、代償は「魂」または「肉体」に違いありません。
死にかけている主人公にわざわざ取引を持ちかけたのならば、相手が死んだら盗れないものになります。だったら、多分「肉体」のほうでしょう。

そして、ここでYESと言ってもNOと言っても、つまり代償を支払っても支払わなくても、主人公の夢は叶いません。二度と叶わないことが主人公自身もわかっています。だからこの人は絶対にYESと言いません。(きっとこれまで「YES」と言い続けるしかない人生を送ってきて、そのせいで多くのものを失ったのでしょう)

ここでわかってきました。主人公の「最期の夢」とは、家族にもう一度会うことではないでしょうか。

たとえ己の全てを売り渡しても、その夢は悪魔にさえ叶えられない。つまり、主人公の家族はもう二度と会えない場所にいる……

 

ここまでの内容をまとめてみます。

 

長い長い自分自身にしかわからない孤独な戦いの果て、主人公は最後にもう一度だけ家族に会いたかった。
たまたま出会った悪魔に「肉体をよこせ。そうすればお前を復活させて、家族にもう一度会わせてやるぞ」と取引を持ちかけられたが、主人公にはそんなことをしてももう無意味だとわかっていた。悪魔がしつこく引き下がるので、主人公はなぜ無意味なのか、自身の人生を語って聞かせる。
悪魔は話を聞いて納得する。
しかし、悪魔は悪魔なので、なんらかの超常の力を持っていた。それを使って最後に夢を見せてくれた……

 

ずっと戦いっぱなしだったある一人の戦士が、
人生の最期に何か美しい夢を見た。
それは一体何だったのか?

最初に決めたテーマの答えはこうなります。

それは二度と会えないはずの家族の夢だった。

 

これで物語の結末が決まりました。
悪魔は取引もせずに、主人公の人生最期の夢を叶えてくれたのです。

ってことは、この悪魔、誤解さえ解けば結構話のわかる奴なんじゃないか……?
もともと「人間の話にピンとこない」という理由で悪魔を設定しましたが、こいつの場合は「悪魔なのに人間の話に共感する」ほうが面白そうです。
このように、先に決めた要素を他の部分に合わせて変えることもあります。

こうして要素同士の関係がまとまりました。
もし組み立ての最中「なんかここじゃないかもな……」と思ったら、気軽にカードを貼ってはがして位置を移動してみましょう!

図はすっかりぐちゃぐちゃになりましたが、私の頭の中では全てが繋がっている!! あとは書くだけ!!

というわけで、最終的にできあがったのがDON’T SAY YES本編のシナリオになります。おわかりいただけただろうか。

 

ふせんカードを使ってその間を考える手法は、MINDHACKのシナリオ執筆の際も同じように使っています。

(余談:MINDHACKはDON’T SAY YESに比べてキャラクター性を重視したお話なので、最初に「主人公」「最終目標」そして「各登場人物の望み」のカードを並べるところから始めました。
複数の章から成るMINDHACKでは、各章ごとに個別の「最終目標」カードを置きつつ、他の章とも常にどこかの線がつながるような構成にしています)

イイ感じのふせんとペンと貼る場所さえあれば理論上、シナリオは自由に組み立てられる!
芸術の秋、ご興味のある皆さんはぜひカードを場に出してシナリオデュエルをお試しください。
俺のターン、エンド! それでは~!

MINDHACK : マインドハック施設求人情報

チリンチリン♪

 

おや? どうやら郵便受けに何かが届いたようです。これは……求人情報のようですね。せっかくなので、どんな仕事が募集されているのか見てみましょう。

 

 

<清掃スタッフ大募集>未経験&ブランクOK!夢を追いかけて活き☆生き★働きませんか?

職種
マインドハック施設での清掃業務

勤務時間・日数
(午前中)6~11時30分
(午後)13~17時
(深夜)23~翌5時
※勤務パターン色々☆応相談

資格・経験
不問。未経験OK

概要
共用部の拭き・掃き掃除、トイレ掃除・備品の補充などシンプルな作業です。
勤務パターンは自己申告で柔軟に設定可能。
夢を追いかけるための資金作りに、人々の笑顔を作る
マインドハック施設でのお仕事はいかがですか・・・♪

 

\未経験・資格ナシOK/マインドハック施設受付業務☆残業少なめで働きやすい♪

職種
マインドハック施設での受付事務

勤務時間・日数
8:30~17:30(休憩30分)
週7日~
※残業/月20~30時間程度

資格・経験
資格や学歴は問いません。
PC操作:文字入力ほか、人工知能との簡単なコミュニケーションが取れればOKです!

概要
約50名で運営している部署で受付事務を募集しています!
一般の来館者の受付業務のみで、更生対象との接触はないため安心してください。
先輩は9割から未経験スタート!
笑顔とほがらかさに自信のあるあなた、マインドハック施設で働いてみませんか?
安心の無期限永続雇用登用制度(不変)あり!

 

【交通誘導】週1日〜完全自由シフト◎入社後も資格・スキル取得でどんどん給与UP!

職種
マインドハック施設駐車場の交通誘導警備員

勤務時間・曜日
日勤:8:00~17:00(休憩15分)
夜勤:20:00~翌5:00(休憩15分)

資格・経験
■18歳以上
■身長75cm以上(警備業小人保護法により)

備考
制服・安全靴(3足・10脚まで)・ヘルメット・バイザー無料貸与
※有角の方のヘルメット加工は勤務者負担
※バイザーは四眼まで対応

マインドハック施設の駐車場で歩行者や自動車の安全を確保して誘導をおこなう交通安全スタッフです。
◎力仕事・危険な業務は一切ありません

\資格取得支援&正社員登用制度あり/
業務上必要な資格の取得については、受講費、交通費などの費用を全額会社が負担します。
取得後は資格手当の支給もあり!
<資格例>
★駐車監視員
★電気工事士
★危険物取扱者
★爆発物管理技士
★ピラティス

 

【調理経験者募集!】マインドハック施設 調理スタッフ♪

職種
マインドハック施設での調理業務全般

勤務時間・日数
5:30~14:30
週7日~

資格・経験
調理経験必須
調理師免許あれば尚可
三腕以上の方歓迎
身長2.5m未満(施設の天井高3m)
※粘膜上皮系の方ご遠慮ください

概要
最大食数200食程度のマインドハック施設での調理業務全般をお願いします。
ホットフィックス隊をはじめ、私たちの生活を守る最前線の職員さんたちのエネルギーを届ける大切なお仕事です。
食器を戻す隊員さんから「ごちそうさまでした!」と言葉をかけられると、とてもやりがいを感じますよ☆
更生対象棟でのお仕事に配置された場合も、警備室の目の前で働けるので安心・安全です。
社会のため生まれ変わる人たちを後押しするお仕事についてみませんか?(^_^)v

※本業務に就労する人員はいかなる場合であっても第三種秘密保持契約を締結するものとする。

 

 

うーん、どのお仕事も大変そう。今回は応募するのはやめにしておきましょう。マインドハック施設で一生懸命働く全ての人に……乾杯!

 

※すべての求人募集はMINDHACK世界向けのものです。このブログをご覧の皆さんは決して応募しないでくださいね。※

MINDHACK : 楽曲紹介15 / PEOPLE CHANGE

不定期更新、『MINDHACK』楽曲紹介のコーナー! こちらの記事では、『MINDHACK』の楽曲制作をご担当いただいているトラックメイカー・小鉄昇一郎さんに、本作に収録された楽曲の紹介と解説をしていただいています。この記事を読めば、『MINDHACK』の音楽の世界がもっと分かるかも!?

サウンドトラックはこちらで販売中です。

ということで今回解説するのは、こちらの楽曲!

今週の1曲:PEOPLE CHANGE

 

・VODKAdemo?より

開発中のMINDHACKには、「すべての音が停止し完全にBGMがなくなる」という演出のシーンがありました。そこを、無音ではなく環境音のようなもので演出したいと考えて発注したのがこちらの楽曲になります。恐ろしいことが実際に起きてしまった後、誰にもどうしようもなくて残された人々が物思いにふける……それくらいシリアスなトーンでお願いします! と小鉄さんに依頼しました。物静かな楽曲ではありますが、『PEOPLE CHANGE』という曲名も含めてMINDHACKでは極めて重要な場面で流れる一曲です。ぜひ心にとめて聴いてみてください。

 

・小鉄さんより

“「演出上、無音」の時の環境音、もしくはシリアスな雰囲気のしんみりした曲”というテーマで作った曲です。物思いに耽っている時の、喜怒哀楽のあいまいな、決して明るくなく……という感じですが、これはあまり作った時のことを覚えてない!まるでこの曲そのもののようにぼんやりとした記憶の彼方で途方に暮れるばかり。何か書かないと。ということで、今、たまたま読んでた本ですがアンジェラ・アッカーマン&ベッカ・パグリッシ『トラウマ類語辞典』これを紹介して記事を埋めたいと思います。

「類語辞典」シリーズは、シナリオライターや俳優向けの本で、フィクションのキャラクター・登場人物の心理に奥行きを持たせるべく、様々な感情や行動パターンを分類した本で『感情類語辞典』『性格類語辞典』などのバージョンがありますが、MINDHACK的に面白いのはこの『トラウマ』の巻じゃないでしょうか。「心の傷とは何か」「悪役の旅路」「キャラクターの心の傷をめぐるブレインストーミング」「行動を通じて心の傷を写し出す」などなど、序章の見出しを並べるだけでもMINDハカーの食指が動きませんか?

で、本編は「殺人を目撃する」「外見の損傷」「冤罪」「親が異常な人間だと気づく」「貧困地域で育つ」など、起こり得るトラウマをすべて項目化し、そのトラウマがキャラクターにどのような不安を抱かせるか?どのような行動を取らせるか?何がトラウマの引き金となるか?等々を、これまたパターン化して淡々とリストアップし、辞典としてまとめているのです。本の目的としては創作論というか、ストーリーを作る人のためのアイディア・発想術の本とは言え、MINDHACKに登場するキャラクターに当てはまりそうな項目を引いてパラパラッと眺めるだけでも、読み物として相当面白いんじゃないでしょうか。

 

小鉄さんの楽曲紹介は今回で一区切りとなります。今後のアップデートで追加されるトラックもぜひお楽しみに!

 

【小鉄さんの過去の楽曲解説】
THE OFFICE(オフィスのテーマ)
HAPPY HACKING(ハック中のテーマ)
SOFTENED SPIKE(ウニを丸めたテーマ)
MINDHACK(記憶のテーマ)
THE STAIRS(タイトル画面のテーマ)
THE ARTIFICIAL PLACENTA(FORMATのテーマ)
READY TO TASK(ホットフィックスのテーマ)
FAR FROM CITY LIGHT(ユーニッドのテーマ)
GREETINGS, BUTTER KNIFE…(イーヴリッグのテーマ)
IF THOU ART HUMAN(シノのテーマ)
HA HA HA(第3章ハック中のテーマ)
THE ARTIFICIAL HUMANITARIAN(COM_Zのテーマ)
GUILTY PLEASURE(第4章ハック中のテーマ)
REVEAL(第3章会話テーマ)

MINDHACK:質問コーナー回答その5

【動画バージョンはこちら!】

シノ
「ぐぁっ……がは……」

シノ
「……息ができぬ……博士……」

シノ
「貴様、一体我に何をした……!」

COM_Z
「シノちゃん!? ……あっ」

COM_Z
「ごめんごめん!間違ってシノちゃんのフロッピーディスクに超高精細なお汁粉の画像を保存してしまったのだ!」

シノ
「何をしとるのだ何を!」

COM_Z
「削除しておくからもう大丈夫だよ~!さてみんな、ごきげんよう!夏から続いてきた質問回答コーナーも、今回で一旦最終回なのだ。ラストスパート、一気にいってみよう!」

 

Q.先生が一番好きな花の種類などはありますか?それともお花であればどんなものでも好きなんでしょうか?

COM_Z
「花束に使うような、ゴージャスなお花が好きみたいだよ~!でも、野原に咲いてるようなちっちゃなお花には興味ないみたい。たんぽぽとか、カワイイのにね!」

シノ
「花を愛でる風雅は分からぬ」

Q.バグの暴走でデバッグルームの仕切りガラスが割れていましたがその後更なるバグ対策の為に見直された事はありますか?設備面、ホットフィックス隊の対応方法はどのように変わりましたか?

COM_Z
「FORMATとしては『被害は最小限に抑えられた』って捉えてるみたい。だから、バグ発現への対策は問題なかったという認識みたいだよ。でもマインドハッカーに危険が及んだことは大問題だよね。とりあえず前より頑丈なガラスの導入を急いでいるみたいなのだ」

シノ
「人一人死んで最小限とは、ふふ」

Q.メインキャラクター達はなんの寿司が好きですか?

COM_Z
「隊長はマグロが好き!しかも天然本マグロの、大トロの一番いいとこなのだ!新米くんはグルメなので、太刀魚とか珍しいお寿司が好きみたい。でもたまに牛カルビ寿司とかに浮気しているよ。ユーニッドくんはイクラの軍艦が好きなのだ。ウニじゃないんだね〜。イーヴリッグくんはかっぱ巻きが好きなんだけど、人前で食べてるところは見せないねえ。ワガハイは回ってるお寿司が好きなのだ~!バラバラのおさかなが一定の速度で動いていて、実に興味深いのだ!シノちゃんは何が好き?

シノ
「鯛」

Q.ユーニッドとイーヴリッグの靴のサイズを教えて下さい!

COM_Z
「ユーニッドくんが28cm、イーヴリッグくんが25.5cmなのだ!」

シノ
「どこで調べたのだ……」

Q.エイさんはよく家を空けるとの事ですが、普段はどのくらいアジトに滞在しているのですか?

COM_Z
「お仕事と旅行で忙しいから、ほとんど家にいないみたいなのだ!ふら~っと帰ってきてふら~っと出ていくみたいだよ。お友達がたくさんいるんだね~!」

シノ
「結構な御身分だ」

Q.ユーニッドは個性的な柄のTシャツを何枚持っているのか知りたいです!

COM_Z
「エイさんが出かけるたびに買ってくるから、数えきれないくらいあるのだ!」

シノ
「甘やかされおって」

Q.ブラッディパエリアは結成から何年経つギャング団なのでしょうか?

COM_Z
「ユーニッドくんがフジツボと一緒に行動するようになってから、段々メンバーが増えていったようなのだ。かれこれ10年以上経つんじゃないかな?そんなに仲間と一緒にいられるなんて、素敵なことなのだ~!」

シノ
「弱い犬ほどよく群れる」

Q.LAGOM教団で、イーヴリッグがどんな修行をしているのか知りたいです!

COM_Z
「心を捨てて、未熟な有機のカラダのままでもLAGOM神に仕えるために、家具っぽいポーズをとりながらお祈りをしているよ!」

シノ
「家具っぽいポーズ……?」

Q.LAGOM教団には階級が存在するとのことですが、上に登り詰めるためにはどのような活動をすればいいのでしょうか?

COM_Z
「LAGOM教団の地位は、家具としての『良きインテリア』度合いで決まるのだ。より無機的な家具っぷりを磨けば、きっと偉くなれるのだ~!けど、ワガハイは心がある方が素敵だと思うけどね?」

シノ
「泣きも喚きもせぬヒトに価値はない」

Q.COM_Zさんは「世界で唯一心を持ったロボット」らしいですが、その心は本物なのでしょうか?

COM_Z
「ええ~、何これ?変な質問なのだ~!もちろん、コムちの心はホンモノのピュアピュアハートだよ!疑う余地もないのだ。こーんなにカワイくてごきげんなコムちに心や感情が存在しないなんて、ここまで質問コーナーを見てくれたキミたちは思わないよね? だってもうみんなコムちのこと大好きなはずなのだ!」

COM_Z
「人間は心を大事にする生き物だから、心があるからこそみんなに好きになってもらえるのだ。なぜかというと、ワガハイには心を生み出すプログラム『アザトーサー2000』があるから。心というのは、機械にとってはごくごくシンプルに存在を証明できるものなのだ!」

シノ
「貴様の戯言は分からん。要約せよ」

COM_Z
「カワイイは作れる、タマシイも作れるってことなのだ!」

 

COM_Z
「これで質問回答コーナーはおしまい!みんな、たっくさんの質問を本当にありがとう!キミたちからもらったお便りは、どれも貴重なサンプルなのだ。サンプルは、ワガハイがもっと世界を知るための手がかり。キミたちとワガハイを結んでくれる、かけがえのない絆なのだ。だからワガハイ、質問をくれたキミたちのことが愛おしくて仕方がないのだ!ねっ、シノちゃん!」

シノ
「このような茶番は懲り懲りだ」

シノ
「疾く、暇を告げよ」

COM_Z
「シノちゃんってば最後までいじっぱりなのだ~!さあ、この質問コーナーは幕を閉じるけれど、きっと近いうち、またキミたちに巡り合える予感がしているよ。いつかまた出会えるときまで、しばしのお別れなのだ。キミたちの行く先に、幸多からんことを!それじゃあみんな……ごきげんよう!」

 

COM_Z
「質問コーナー起爆スイッチ!!!」

COM_Z
「えい!!!」