MINDHACK:楽曲紹介04

ここ1か月続いてきたMINDHACKの音楽紹介企画、「小鉄さん祭り」。楽曲を制作してくださっている小鉄昇一郎さんのコメントとともに、作中で流れるトラックを紹介しています。一区切りとなる第4回は、ストーリーの根幹に深く関わるあの曲です。

【今週の一曲】

 

・VODKAdemo?より
更生対象の記憶を覗いているときのテーマです。この場面では記憶の内容をじっくり読み解いてもらうことに重きをおいているので、没入感を誘うゆったりしたテンポとなっています。どことなくスピリチュアルな雰囲気も漂う楽曲ですね。マインドハックは、人の魂=ソースコードを読み解く神聖な施術。精神に直接触れる行為の神秘性にも思いを馳せつつ、聴いてみてください。

・小鉄さんより
確か、この曲を作る時のテーマが「生命の不思議、神秘的な様子」みたいな感じだったと思うんですが、じゃあベルリンスクール風でいこうということで出来た曲です。現代のダンス・ミュージックの流れを辿っていくと絶対に、Kraftwerkを初め70年代のドイツの電子音楽にぶち当たるのですが、ベルリンスクール派というのはその中の支流です。Tangerine DreamやManuel Göttschingと言ったアーティストが代表的な存在で、「タラララタラララタラララ……」という、無限に続く階段を思わせるアルペジオで奏でられるシンセサイザーのメロディで作られた幻想的なサウンドが特徴で、聴いてるとどんどん精神の奥深くへ突き進み、深く深く、気付いたら寝てた……みたいな感じです。

実際、前述のManuel Göttschingが発表したアルバム『E2-E4』は、発表当時はあまり評価されず、10年以上経てようやく、若手DJらによってサンプリング~リメイク(ラテン語のナレーションとパーカッションなどを新たに加え、よりポップな内容に)されて改めて注目を浴びたのですが、リメイク時のタイトルは”Sueno Latino(ラティーノの眠り)”になっていました。よく音楽を聴いて眠くなるのは演者に失礼であるとか言われますが、音楽を聴いていてうとうとする時くらい気持ちいいことはないので、ガンガン眠っていいと思います。

小鉄さんの楽曲紹介は、今回が一旦最終回となります。
今後ゲームをリリースする際には、さらに小鉄さんの新曲を収録予定。
これから登場する楽曲にもどうぞご期待ください!

【小鉄さんの個人ページ】
https://kotetsu-shoichiro.com/
https://twitter.com/y0kotetsu
https://www.tunecore.co.jp/artists/Kotetsu-Shoichiro