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コラム : オリジナルのすきまトークを作ろう!(後編)

皆さん、こんばんは。MINDHACKサブシナリオ・広報担当のササン三です。

先々週の記事では、「オリジナルのすきまトークを作ろう」と題してショートコントのような短いシナリオの書き方をご紹介しました。でも、脚本ができてもそれをどうやって動画にしたらいいの?

そこでMINDHACKの「すきまトーク」のような画面を簡単に作れる方法を探した結果、「ティラノビルダー」というツールに行きつきました。ノベルゲームが好きな方はご存知かもしれませんが、「ティラノビルダー」はプログラミングの知識なしでビジュアルノベルを簡単に作れる強力なツールです。

そこで今回は、実際にティラノビルダーに触れながら「すきまトーク」のような動画を作ってみよう! という記事になります。動画編集ソフトなどはなるべく使わない方法を試してみましょう。

ただし! あらかじめお断りしておきたいのですが、わたくしササン三もティラノビルダーに触れるのはまったくの初めてです。今回の記事は前回のような「レクチャー」ではなく、「触ってみたレポート」としてお楽しみください。本格的にティラノビルダーの使い方を学びたい方は、ぜひ公式の分かりやすいチュートリアルをご覧くださいね!

それではまいりましょう!

 

まず、ティラノビルダー公式サイトからアプリケーションをダウンロードします。Windows版とMac版があるので、私はWindows版をダウンロードしました。バージョンが古い方と新しい方があるみたいですが、とりあえず「最新版」と書かれている方を使えば安心ですね。

 

Zipファイルを解凍して、tyranobuilder.exeを実行します。

そして立ち上がったティラノビルダーの画面がこちら! 起動が簡単で助かりますね。何はともあれ、「新規プロジェクトを作成」で新しいゲームを作り始めましょう。プロジェクト名は半角英数字でないといけないらしいので注意です。入力が完了したら「次へ」。

次にゲームのタイプを選択します。「アドベンチャー形式」はMINDHACKのような立ち絵+メッセージウィンドウの方式、サウンドノベル形式は『かまいたちの夜』や『ひぐらしのなく頃に』のようなスタイルですね。

そして画面サイズの選択画面。公式推奨サイズは960×640サイズのようですが、今回は「カスタムサイズ」で1920×1080サイズを選択します!

最後のゲーム設定の画面。今回はしっかりしたノベルゲームではなく、あくまで「すきまトーク」を作るのが目的なので、「タイトル画面を用意しない」「メニューボタン(セーブ・ロード等)をつけない」にチェックを入れます。あとは「プロジェクト作成」を押すと……

ババーン! ゲーム作成画面が表示されました! この時点ではサンプルのテキストが入力されているので、×ボタンを押して削除しちゃいましょう。

それでは、さっそく前回作成したシナリオを入力していきます! まずは立ち絵を無視して、テキストだけ反映してしまいましょう。画面左上の「テキスト」を、中央の「メッセージ枠表示」の下にドラッグ&ドロップします。

すると、新しくテキストが追加されました。ここにシナリオの最初の台詞を入力していきます。このように。

「#〇〇」というふうに、「#」をつけたテキストがキャラクター名となり、その下のテキストが本文となります。入力したら右上の保存ボタンを押して……

そして、その左の再生ボタンを押してみましょう。えい!

じゃーん。

おお。入力したテキストが反映されている!

なんか……まだいろいろとツッコミどころはありますが、ひとまず入力自体はうまくいったようです。細かい部分はあとで調整するとして、今はこの調子で一通りの台詞群を実装してしまいましょう!

できた。

さて、それではいよいよお楽しみ、立ち絵の実装になります。さっそくティラノビルダーで操作……する前に。前回作ったシナリオに、少し情報を書き加えておきましょう。

パラチャ(びっくり)
「大変だー!」

のように、キャラクターの台詞ごとに表情のバリエーションの情報を追記します。こうすることで、どの立ち絵がどれだけ必要になるのかが明らかになるわけです。

可能であれば、できるだけキャラクターの台詞ごとに表情を変えた方が、ゲームにしたときに誰が話しているのか分かりやすくなるのでオススメです。

とはいえ、毎回「笑い」→「怒り」のように表情が変わることって少ないですよね。今回のシナリオも、パラチャはずっと焦っていてベリリゥはずっと平静なので、あまり表情の変化がありません。苦し紛れに「びっくり1」「びっくり2」のように、同じ感情でも表情の変化をつけてみました。こうすることで、台詞はずっと同じトーンでも画面上は間がもつ……はず。

そんなわけで今回は1キャラ3種類、計6種類の立ち絵を用意しました。

 

さて、ティラノビルダーに戻りましょう。右上のメニューから「キャラクター管理画面」を開きます。

左上の「キャラクター名」欄にキャラクターの名前を入力し、「追加」をクリック。そうしたら、右側のエリアに先ほど作ったキャラクターの画像を追加しましょう。

できた。

ここで一旦キャラクター管理画面を閉じ、左側のエリアから「キャラクター登場」を選択。ドラッグ&ドロップで、中央のテキストの前に持ってきます。

すると、右側にキャラクターを実際に登場させるためのメニューが出てきましたね! 右上の「キャラクター」プルダウンから、先ほど登録したキャラクターの名前を選べるはずなので、選択しましょう。すると、その下の「ファイル選択」からキャラクターの立ち絵を選択できるはずです。

これで立ち絵の追加は完了です! さっそくゲームを再生して実際の様子を見てみましょう。こちら!

立ち絵が小さすぎるじゃねえか!!

失礼しました。最初の絵は500×500サイズで作成したのですが、この画面サイズに対しては小さすぎましたね。作り直したところ、1000×1000サイズだとちょうどメッセージウィンドウに隠れない程度になりそうです。それでも下半分くらいはウィンドウで隠れてしまうのでお気をつけて……。

さて、一度キャラクターを登場させたあとは、台詞ごとに「キャラクター変更」を追加して立ち絵をパタパタと変えていきます。

立ち絵がひととおり追加できたら、細かい点を修正していきましょう! まずは、明らかに違和感のある初期設定の背景を変更したいところです。中央エリアの上の方にある「背景イメージ」を選択しましょう。右側のエリアに「ファイル選択」があるので、ここから別の背景を選択します。

とりあえず青空をバックにしてみた。

それから、メッセージウィンドウの位置もキャラクターに被りすぎているので、もう少し下に下げたいですね。またまた右上のメニューから、歯車マークの「ゲームセッティング」を選択。左側のメニューから「メッセージウィンドウ」を選び、細かいウィンドウの設定をおこないましょう。ここはお好みかと思いますが、私はY位置を750まで下げてみました。えい!

ウィンドウの位置はいい感じ……だけど、名前の位置がぶっ飛んでしまった! これも調整が必要ですね。先ほど開いたメッセージウィンドウ設定画面の「名前欄」タブから、名前の位置も調整しましょう。ここでもY位置を750に設定してみます。

それから、文字が小さいのも気になる! これもゲームセッティング画面で設定できます。先ほど「メッセージウィンドウ」を選んだ欄の上に「フォントスタイル」があるので、それを選びましょう。フォントスタイルを「50」くらいにしてみます。これでどうなるかな……?

あっ! 文字が大きくなった!

いやー、よかった! これにてすきまトーク完成です! お疲れ様でした!

……………………。

いや、分かります。これ。「文字が左に寄りすぎ」ですよね。承知しました。直しましょう。ただし、ここから先は上級者向けとなるので、「やってみたい!」という方だけご覧くださいね。自信のない方はお汁粉の画像が出てくるまで飛ばしてください。ここから先は「調べた結果こうらしい」という結果だけ記載したいと思います。詳しい理屈などは偉大なる先人の教えをご参考ください……(参考サイト様: 1 / 2

 

ではいくぜ!

まず、ティラノビルダーのメイン画面に戻ります。左側の下の方にある「スクリプト」から、「Inscript」をドラッグ&ドロップで「メッセージ枠表示」の前に挿入しましょう。そして、以下の「呪文」を入力します。

$(‘.message_inner’).css(‘text-align’, ‘center’);

これで、メッセージ本文が左揃えから中央揃えになったはず。

しかし! これでは名前欄が正しく表示されません。ここから先は、さらにディープに、ティラノビルダーのファイル内部を書き換えなくてはなりません。

というわけでファイルを開いていきましょう。エクスプローラー(MacならFinder)から、下記の順番でファイルを開いていきましょう。

tyranobuilder_v305a_win_std → tyranobuilder_v305a_win_std → myproject → (プロジェクト名) → data → scenario → system

すると、「plugin」というファイルがあるはず。こちらのファイルをメモ帳で開くと、こんな感じになっているはずです。

このように[return]だけ書き込まれているかと思いますが、この記述は絶対に消してはいけないそうです。そして、[return]の上に、下記の呪文をコピー&ペーストで書き込んで保存します。

[free name=”chara_name_area” layer=”message0″]
[ptext layer=”message0″ x=”300″ y=”750″ size=”50″ color=”0xffffff” bold=”bold” edge=”” shadow=”” name=”chara_name_area” width=”1240″ align=”center”]

お疲れ様でした! これでファイルの書き換えは完了です。では最後の仕上げ。ティラノビルダーの画面に戻り、「ゲームセッティング」からメッセージウィンドウの設定画面を開きましょう。「位置」タブを選んで、「メッセージ表示位置調整」を調節します。ここでは、「上:45」「下:60」「左:10」「右:20」に設定しておきます。

そして、ゲームを再生すると……

で、できた~~~~! これはもうほとんどすきまトークといってよいでしょう!!

 

 

 

お疲れ様でした。あと一息です!

さて、それでは最後に、この漫才を録画するための準備を進めましょう。動画にするなら、ウィンドウの上の×ボタンとか消したいですよね?

ここでもう少しティラノビルダーをいじります。まずは左側のメニュー下側を開いて、「スクリプト」の「ティラノスクリプト」を中央の「背景イメージ」の下にドラッグ&ドロップしましょう。そこに、

[screen_full]

と書き込みます。

その次、左側のメニューから「テキスト」を選んで「ティラノスクリプト」の上に挿入しましょう。ここに書くテキストは「漫才を始めます」など、何でもいいです。

そして左側のメニューの「演出」カテゴリにある「ウェイト」をドラッグ&ドロップで「ティラノスクリプト」の下に挿入しましょう。右側の「時間」をここでは5000ミリ秒にしておきます。

 

最後にBGMも追加しておきましょう! 左側のメニュー「メディア」から「BGM再生」を選んで、中央の「メッセージ枠表示」の上に挿入します。

右側のメニューの「ファイル選択」をクリックし、初期設定で入っているBGM「music.m4a」を選びましょう。余裕がある人は、お気に入りのフリー音源を入れてもいいですね。

これで準備が整いました! では、実際にゲームをアプリケーションとして書き出してみましょう。右上の「ゲーム書き出し」ボタンを選んで……

「配布形式」で「Windows」か「Mac」を選んだら、「エクスポート実行」をクリックしましょう。2,3分経つと、ゲームが書き出されているはずです。

おめでとうございます! 漫才がゲームとして書き出されました。この状態で「(プロジェクト名).exe」を起動すると、次のような状態になっているはずです。

-まず最初に、背景だけが表示される。
-画面をクリックすると、画面がフルスクリーンになる。
-5秒経過すると、立ち絵とテキストが表示される。

先ほど入力した「漫才を始めます」テキストは表示されなくても大丈夫です。それでは、画面がフルスクリーンになったあとの5秒間で、お使いのパソコンの動画録画機能を立ち上げてみましょう。WindowsならWindowsキー+Gキー、Macならcontrol + command + Nキーで起動する(はず)。

このとき、次の設定もしておきましょう。

-画面だけでなく音声も一緒に録画できるように設定しておく(「画面録画 音声も録音」などで検索してね)
-マウスカーソルを録画しない設定にする(
Windowsのみ。「画面録画 マウスカーソル消す」で検索しよう。Macは後述

録画が始まったら、通常どおりクリックでゲームを進めていきます。台詞を音読しながら文字送りするとちょうどいいスピードになるはず。

そして録画できた内容がこちらになります。

で、できた~~~~~~! 自家製すきまトーク、これにて完成です!

 

今回は、最低限すきまトークとしての体裁を整えるところまで実験してみました。さらにメッセージウィンドウなどのデザインを変えたら、ぐっと個性的なすきまトークができるかと思います。

 

しかし……実は今回の記事のねらいは、そこではないのです。実際にやってみた方はお気づきなのではないでしょうか。「これ、もうちょい頑張れば動画じゃなくて普通にゲームが作れるんじゃね?」と……。

ティラノビルダーを使えば、とても簡単にビジュアルノベルが作れます。すなわち! MINDHACKのようなゲームを作ることも夢ではないということ!

みんな! ゲームを作ろう!! そしてノベルゲーム業界を盛り上げてみんなで世界征服しよう楽しもう!!

というわけで、「オリジナルのすきまトークを作ろう!」コーナーでした。それでは!

 

 

_______________________

 

Macをお使いの方へ。すでにお気づきかもしれませんが……Macでは、画面録画時にマウスカーソルを消す方法がありません! なんてこった。

そこで、最終手段として「スマホで動画編集する」ことをオススメします。

まずは動画を録画しましょう。ポイントは、漫才が始まる開始5秒前と、漫才が終わった後の5秒間でだけマウスカーソルを画面内に入れ、本編中は画面外に外しておくことです。

動画を録画してスマートフォンに取り込んだら、iPhoneなら写真アプリ、AndroidならGoogleフォトのエディタで動画の冒頭・末尾をカットします。

マウスカーソルの映った場面を切り抜いたら完成! となります。お疲れ様でした!

 

 

コラム : オリジナルのすきまトークを作ろう!(前編)

こんばんは! MINDHACKチーム広報&サブシナリオ担当のササン三です。

『MINDHACK』を楽しんでくださっている方のなかには、自分の創作作品がある方もいらっしゃると思います。なかでも「キャラクターを作るのが好き!」という方は多いかもしれませんね。そういう場合、次のような悩みが少なくないのではないでしょうか。「キャラクターはたくさんいるのに、本編がない……」

頭の中では常にキャラクターが動き回っていて描きたいシーンもたくさんあるのに、いざ漫画や小説を作ろうとすると手が止まってしまう。なぜなら、「キャラクターを動かす」ことと「シナリオを組み立てる」ことは似ているようで別の作業だからです。例えるなら、台詞や会話を考えるのはパズルのピースを作ること。1本の脚本に仕上げるのはピースを組み合わせて大きな1枚絵を描き出すことに似ているかもしれません。

かくいう私も「パズルのピースしか作れない」タイプの人間で、長編作品を作れないことにコンプレックスを感じていました。そこで、今では次のように考えています。

パズルのピースしか作れなくても、ピースだけ額縁に入れてしまえばよくない!?

ということで、今回はピース……すなわち「キャラクターのやりとり」だけを作品化することを目指します。勘のいい方はお気づきかもしれませんね。簡単に言うと「自分だけのすきまトークを作ろう!」ということです。本家MINDHACKのすきまトークは、実際には3人で作っているため複雑な工程を経てシナリオを決定しているのですが、今回は1人だけで短い漫才動画を作ることを目指してみます。

 

今回の記事は、次のような方に向けて書いています。

-シナリオを書くのは苦手!
キャラクターの関係性だけはしっかり決まっている!
-「シナリオの書き方」みたいな本を読んでみたけど、よく分からなかった! あるいは分かったけどできない!
理論より直観派!!

上記から察していただけると思いますが、理論的なことは何もお伝えできないのでご理解いただけますと幸いです。

 

1.キャラクターの準備

今回は「キャラクターを動かすのが好き」という前提に立っているので、すでに登場人物は決まっているものとします(キャラクター自体の作り方は、またいずれ……)。例として今回はササン三の創作キャラクターに登場してもらいましょう。

とある無人島の灯台で暮らしているふたり組。

 

パラチャ
明るく前向きな釣り針のひと。マイペースで好奇心旺盛。ずっと灯台の家で読書をして暮らしてきた。

ベリリゥ:
ひねくれて不器用な錨(いかり)のひと。船で働いていたが、難破してパラチャに助けられた。しっかり者だけどパラチャに甘い。

 

今回は例としての分かりやすさをとって対照的な「でこぼこコンビ」を選んでみました。実際にそのほうが漫才を書きやすいかと思いますが、「創作キャラクターにお気楽天然野郎しかいない!」という方はお気楽天然野郎だけ出してもよいと思います。シナリオに合わせてキャラクターを捻じ曲げるのは厳禁です。そういうやり方もありますが、今回はそれができない方に向けての書き方をやっていきましょう。

 

2.とにかく書き始めてみる

 

さて、役者が揃ったところでいよいよ漫才を書いていきます。やりたいシーンが決まっている場合はいいのですが、いざ本番を書こうとすると手が止まってしまうことってありますよね。そういう場合、どうするか。とりあえずこうしましょう。

 

「大変だー!」

 

「大変だー」。とりあえずこう書いておけば何か始まります。この時点で何が大変なのかまったく決まっていなくても大丈夫です。私も何が大変なのか分かりません。

で、この「大変だー」、誰が言ったのかすら決まっていません。さて、この台詞は誰のものなのか。先ほどの登場人物を振り返ってみましょう。活発なパラチャとへんくつなベリリゥ。順当に考えれば、トラブルメーカーになりそうなのはパラチャですね。

皆さんも自分のキャラクターを見比べて、どちらがより「大変だー」と言いそうか考えてみてください。「こいつが大変なことをしたら、あいつが後始末をして、説教が始まって……」と、先の展開がうっすら見えてワクワクする方が正解です(もちろん慣れてきたらあえて逆にハズすのもOK)。

というわけで今回はパラチャがボケ・ベリリゥがツッコミになるだろうと見当を付けつつ、先ほどのテキストを次のように書き換えてみましょう。

 

パラチャ
「大変だー!」

 

おめでとうございます。漫才の一歩目を踏み出しました。何も決まっていなくてさぞ不安かと思いますが、何とかなります。この調子で続きを書いていきましょう。

さて、パラチャ(あるいは、あなたのキャラクター)がこんな呼びかけをしてきたら、相方はなんと答えるでしょうか。ベリリゥはひねくれているので「うるさいな」と邪険に扱うかもしれませんし、なんだかんだ甘いので「どうしたんだ」と様子を聞いてくれるかもしれません。いろいろな可能性がありますが、今回は話を次へ進める必要性があるので様子を聞きつつ、嫌味を交えることでキャラクターらしさを出してみましょう。

パラチャ
「大変だー!」

ベリリゥ
「何だ、また厄介事を持ち込んできたのか」

 

こんな感じで、「話を進めるための台詞+そのキャラクターらしい一言」を組み合わせるのは常套手段なので、覚えておくといいかもしれません。

さて、次の一言でいよいよパラチャが「大変だ」の中身を答えます。逃げ続けてきた問題に向き合うときがきました。一体何が大変だというのか。なんだかんだ、私が漫才を書くときはいつもここでつまずきます。

このとき、2つのアプローチがあります。1つは、キャラクターの日常風景から話を膨らませる方法。たとえばパラチャとベリリゥは孤島の灯台で暮らしているので、海や浜辺、釣りの話などが挙がってくるかもしれません。とっつきやすいのはこちらの手法ですね。

もう1つのアプローチは、あなた自身から引き出すことです。たとえば今、どんなものが目につくでしょうか。もし外が夕立だったら、雨の話題をふたりにさせてみるといいかもしれません。デスクの上に積んでる本が目に入ったら、読書の話をさせるのがいいでしょう。漫才の回数を重ねると、こちらの方がランダムにトピックを拾える分だけ打率が高くなる気がします。

と、私はここで、デスクのうえに置いてあるシーラカンスの置物が目に入りました。

これ。

 

じゃあシーラカンスの話にしよう。片方は釣り針のひとだし、魚とは相性がいいでしょう。さっそく先ほどまでのシナリオに書き加えます。

 

パラチャ
「大変だー!」

ベリリゥ
「何だ、また厄介事を持ち込んできたのか」

パラチャ
「シーラカンス!」

ベリリゥ
「は?」

パラチャ
「シーラカンスが釣れちゃったんだよ!!」

 

一気に3台詞分書いてみました。一言で「シーラカンスが釣れたよ!」と伝えてしまってもいいのですが、おそらくシーラカンスが釣れたのは大変なことなので動揺を伝えるためにまどろっこしいやりとりにしてみました。このあたりのさじ加減を言語化してお伝えするのは難しいのですが、情報を1つ伝えるだけでもキャラクターにどんな言い方をさせたら「らしさ」が出るか考えるといいかもしれません。

では、シーラカンスのことを伝え聞いたベリリゥはどんな反応をするでしょうか。素直に「えーっ、それはすごい!」と驚くようなタイプではなさそうですね。「馬鹿なこというな、そんなわけないだろ」とツッコミを入れてたしなめるかもしれません……が、ここで重要なことに気が付きました。ベリリゥはそもそもシーラカンスについて知っているだろうか?

パラチャは本の虫なので知識がありますが、ベリリゥはずっと船(※漁船ではない)で力仕事をしてきたひとです。古代生物のことを聞いても、もしかするとピンとこないのではないだろうか。そうなってくると話が変わってきます。シーラカンスに驚くパラチャと、ピンときていないベリリゥというズレから物語が発展してきそうですね。なんか見えてきましたよ! おそらく初めに設定したボケとツッコミも逆転するでしょう。こんな風に。

パラチャ
「大変だー!」

ベリリゥ
「何だ、また厄介事を持ち込んできたのか」

パラチャ
「シーラカンス!」

ベリリゥ
「は?」

パラチャ
「シーラカンスが釣れちゃったんだよ!!」

ベリリゥ
「はあ……それが今夜の晩飯か?」

パラチャ
「なに!? 何言ってるの!?」

パラチャ
「君、シーラカンスを食べようとしてるのかい!?」

ベリリゥ
「釣ったならそういうもんだろう」

パラチャ
「そうじゃなくて! シーラカンスってめちゃくちゃ学術的に貴重なサカナなんだよっ!」

 

かなり話が進みましたね! 一気に飛ばしてしまいましたが、「ベリリゥはボケかもしれない」という気づきから、ベリリゥにトンチンカンなことを言わせたのがポイントです。さて、すきまトークであればざっくり500字で1分弱の動画になります。上記のやりとりを数えると……212文字。あれ!? 全然足りねえ!! でもやりとり10往復ちょっとくらいでオチをつけるのがダレずに綺麗にまとまる気がします。ちょっと短いですがそろそろオチをつけましょう。

つけましょうと言いましたが、それが一番難しいんだよなあ。愚直にさっき言った台詞から考えましょう。パラチャからシーラカンスの学術的な価値を説かれるベリリゥですが、どんな反応をするでしょう。多分、やっぱり価値をよく分かってないんじゃないでしょうか。絶対全然分かってない! あっ、なんかこのフレーズいいですね。オチに使いましょう。

パラチャ
「大変だー!」

ベリリゥ
「何だ、また厄介事を持ち込んできたのか」

パラチャ
「シーラカンス!」

ベリリゥ
「は?」

パラチャ
「シーラカンスが釣れちゃったんだよ!!」

ベリリゥ
「はあ……それが今夜の晩飯か?」

パラチャ
「なに!? 何言ってるの!?」

パラチャ
「君、シーラカンスを食べようとしてるのかい!?」

ベリリゥ
「釣ったならそういうもんだろう」

パラチャ
「そうじゃなくて! シーラカンスってめちゃくちゃ学術的に貴重なサカナなんだよっ!」

~~~~~

パラチャ
「絶対全然分かってない!」

 

途中の台詞が飛びましたが、先に「分かってない」というオチのフレーズが決まってしまいました。それでは、ここに繋がるためのもう1,2台詞を考えてみましょう。「分かってないじゃん!」というオチに繋げるためには、「分かりましたか?」「はい、分かりました。~ですね」というやり取りが必要になりそうです。そこを埋めていきましょう。

 

パラチャ
「大変だー!」

ベリリゥ
「何だ、また厄介事を持ち込んできたのか」

パラチャ
「シーラカンス!」

ベリリゥ
「は?」

パラチャ
「シーラカンスが釣れちゃったんだよ!!」

ベリリゥ
「はあ……それが今夜の晩飯か?」

パラチャ
「なに!? 何言ってるの!?」

パラチャ
「君、シーラカンスを食べようとしてるのかい!?」

ベリリゥ
「釣ったならそういうもんだろう」

パラチャ
「そうじゃなくて! シーラカンスってめちゃくちゃ学術的に貴重なサカナなんだよっ!」

パラチャ
「ベリリゥ、ちゃんと価値分かって言ってる!?」

ベリリゥ
「ああ、珍しいサカナなのか……分かった。だったら、ムニエルよりサシミだな」

パラチャ
「絶対全然分かってない!」

 

価値が分かっていないとしたら、おそらく依然としてシーラカンスを食べようとするであろう。そんなわけで、上記のようなやりとりにしてみました。

これにて漫才が1本完成です! 今回の過程でお伝えしたかったのは、次のようなことです。まず、最初にまったく無計画でもいい! なんにもオチを決めずに「大変だ」だけ言わせても、何とかなります。なぜならキャラクターの設定や関係性が決まっていれば、何を言うか自ずと分かるから。「こいつならここでツッコミを入れるだろうな」とか、「この子はこんなときこう対処するだろうな」という反応を連鎖させていけば、300~500文字くらいの漫才は同じように書けるかと思います。

もちろん、このやりとりを長編に膨らませようとしたら別です。実はシーラカンスが釣れたことでこのあたりの海域の異常気象が明らかになり、世界の異変を救うために2人は冒険の旅へ……みたいな話を書こうとしたら、まったく別の技術がいるでしょう。え? 本当はそういうのが書きたいって?

 

あ!! そういう場合は、去年うちのシナリオライター紅狐が書いたこちらの記事をご覧ください! 今回の記事とは違って、理論的にシナリオを組み立てる技術が解説されていますよ!

 

でも今回の記事のテーマを思い出してください。「パズルのピースをピースのまま作品にすること」。せっかく漫才が書けたので、どうせならすきまトークのみたいにゲーム画面のような動画にしたいですよね。実際のすきまトークはMINDHACKのゲーム開発画面を応用して動画化しているので気軽に「真似してくださいね!」とは言いづらいのですが、今回の漫才はどうするべきか……

と、悩んでいたら、最適なツールを発見しました。誰が呼んだかその名も「ティラノビルダー」! 私も使ったことはないのですが、せっかくなので次のコラムではこのツールを使って動画を制作するレポートを書いてみたいと思います。みんなも作ろう! 漫才動画!

番外編 : FREEZIA発売

こんにちは! 開発チームVODKAdemo?のササン三です。MINDHACKではサブシナリオと広報を担当しています。

今夜はいよいよ待ちに待ったMINDHACK電話相談2025の第1回ですね! 日本時間で21:00からプレミア配信を実施しますので、お時間のある方はぜひ下記会場でみんなと視聴してみてくださいね。

 

で、MINDHACKブログ史上初、なぜこんな昼間からブログを更新してるかといいますと……実はこの場を借りてお伝えしたいことがございまして……僭越ながらお知らせしますね。

 

冷凍睡眠アクションパズル『FREEZIA』発売中!!

 

以前このブログでもご紹介した、ササン三の個人制作ゲーム『FREEZIA』が昨日発売となりました。人工知能フリージアとして、人類の冷凍睡眠を管理するパズルアクションゲームとなります。詳細なゲームの内容はこちらの記事をチェケしてくださいね!

さて、今回はせっかくなので製品版『FREEZIA』でもっとも力を入れた部分をご紹介したいと思います。それはずばり、オンラインランキング機能! プロトタイプ版『FREEZIA』ではストーリーモードのみの収録でしたが、完全版ではさらにストーリークリア後のエクストラモードが実装されています。それがこちら。

何だこれは! 画面右に見えるのがフリージアを導くもう一つの人工知能、その名もサブゼロ。エクストラモードではサブゼロのガイドのもとでスコアを競うことになります。

用意されたやり込みモードは2種類。まず1つが「エンドレスモード」で、冷凍睡眠ポッドの安定化を何ラウンド目まで続けられるかを競います。そんなの慣れてたら無限に続けられるんじゃない? と思いきや、このモードでは1ラウンドあたりの制限時間が徐々に短くなっていく! だんだん迫るタイムリミットに焦るな! でも急げ!

そしてもう1つが「タイムアタックモード」。こちらは、12ラウンドの冷凍睡眠ポッドをどれだけ早く安定化させられるかを競います。タイムを縮めるためには、技術だけではなくヒキの強さも必要。運とスピードで新記録をつかみ取れ!

エンドレスモード、タイムアタックモードとも、自己新記録を出すと全世界ランキングで結果を登録することができます。ぜひお友達やライバルと競い合ってみてくださいね。

 

そんなこんなで、MINDHACKの開発の隙間で制作していたFREEZIA、こっそりデビューと相成りました。ご興味をもっていただけた方は、ぜひ下記のストアページをチェックしていただけると幸いです! それでは。

番外編 : FREEZIAご紹介

こんばんは、ササン三です。MINDHACKではサブシナリオと広報を担当しています。
みなさま、3月8日(土)〜9日(日)のご予定は空けていただいていますか? そう、この日は東京・吉祥寺でおこなわれるインディーゲームイベントTOKYO INDIE GAMES SUMMITの開催日! MINDHACKも出展ブースとして参加し、最新の第5章体験版や限定グッズをご用意する予定。詳しい出展情報はこちらの記事をチェックしてくださいね!

 

なんですけど、もう1つあるんですよ……謎のブースが。一体何のゲームが!? MINDHACKと何の関係があるというんだ!?

 

そのゲームとは、『FREEZIA』。人類の冷凍睡眠を管理するパズルアクションゲームです。実はこちら、わたくしササン三がMINDHACKとは別に個人で開発したゲームになります。今回ご縁をいただいてMINDHACKと同時に出展させてもらえるようになりました。やったー!
というわけで会場で「誰だお前は!」とならないためにも、今回は拙作FREEZIAのご紹介をさせてください。

 

FREEZIAの主人公は人工知能「フリージア」。荒廃した地球の再生を待つために、人類の冷凍睡眠を管理することになります。実際の管理画面がこちら。

 

何じゃこりゃ? 目の前に並んでいる3つのゲージは、それぞれ冷凍睡眠ポッドの温度を示しています。画面中央の水平なラインが、冷凍睡眠ポッドの温度を「安定化」できる基準の線です。プレイヤーの仕事は、3つの冷凍睡眠ポッドの温度を中央に揃えて安定化させることです。

 

ちょちょいのちょいっと。

 

あれあれ? 何だか随分と簡単そうな話じゃありませんか? と思ったそこのあなた。話はそう単純ではありません。冷凍睡眠を管理しなくてはならないポッドは大量にあります。そこでフリージアは、それぞれの冷凍睡眠ポッドを6秒サイクルで安定化していかないといけないのです! ちょっとモタついたりすると、冷凍睡眠ポッドのなかの人間が凍死したり、溶けちゃったり、エラいことに。あまり失敗が重なると……大変なことになるかも。

 

あーあーあー。

 

これだけでなく、ゲームを進めるとより手強いギミックが登場する場面も。作中にはアドベンチャーパートもあり、フリージアを取り巻く人々の思惑や人類の未来が描かれます。人々に安寧と秩序をもたらすため、頑張れフリージア! 負けるなフリージア!

 

ここまでの説明を聞いて、「何か聞き覚えがあるな」と思った方は鋭い。実はFREEZIAは、2024年にプロトタイプ版が公開されていました。対して今回リリースされるのは、いわば「完全版」。全体のレベルデザインが見直されたほか、英語・簡体字・繁体字版が収録されます。さらに、クリア後のやりこみモードも搭載! いちどプレイしたぞという方も、ぜひ装い新たになったFREEZIAをプレイしていただければ幸いです。ご興味のある方はSteamページからウィッシュリストに入れていただけると、非常に、本当に、励みになります。

会場では、ウィッシュリスト追加でプレゼントする予定のキラキラステッカーや、500円で頒布予定のアクリルキーホルダーなど、お土産もご用意します。ぜひこの機に遊びに来てくださいね。
というわけでササン三の個人作品の宣伝はここまで。MINDHACK公式ブログの場をお貸しいただき、ありがとうございました。ここまで読んでくださった方へのささやかなお礼として、最後にきっと得する情報をお伝えしたいと思います。

 

 

 

吉祥寺・スペシャルおいしいお店情報!!

TOKYO INDIE GAMES SUMMITにお越しいただいたついでに、ぜひ立ち寄っていただきたいお店をご紹介します。

1.麺屋武蔵 虎洞

JR中央線吉祥寺駅北口より徒歩3分。見た目のガッツリ感に対して、スープはあっさりめでスルスル啜れる印象。ただしオプションでトッピングの角煮を自家製チャーシューソーセージ(虎のしっぽ)に置き換えられるなど、ヘビーにいきたい欲望にも寄り添ってくれるボリューミーな一杯。

2.Bubby’s 吉祥寺

アメリカンなダイナースタイルのハンバーガーショップ。自家製BBQポークサンドウィッチは、スモークされた豚肩ロースをカリカリのバンズで挟んだ至福の一品。サイドメニューのフライドポテトやコールスローも完成度が高く隙がない。スイーツ枠のヌテラパンケーキは、一皿でシェア必須のわんぱくサイズ。

3.VILLAGE VANGUARD DINER

Bubby’s 吉祥寺と双璧をなす吉祥寺ダイナーの片割れ。ツヤツヤのバンズに挟まれた極厚のパティは、きめ細やかな肉汁の滴る絶品。そして絶対に頼んでほしいのが、サイドメニューの「手割りポテト」。ゴロゴロに割ったジャガイモをフライした一品だが、意味が分からないほど美味い。家で食いたい。

4. The Daps Famous Hood Joint

実はVILLAGE VANGUARD DINERのお隣にあるサンドウィッチ屋さん。店内に入るとニューヨーク現地のような異空間が広がり、さらに奥にはタクティクスオウガみたいな空間が用意されている(画像参照)。サブウェイが3回地獄に落ちたみたいな肉とチーズの暴力的な欲望の味が魅力。

以上、ぜひ吉祥寺を楽しんでくれよな! 

 

それでは。

VODKAdemo?メンバーが好きな音楽

ズンチャズンチャ……こんばんは。

今週は、開発スタッフの趣味語り回です!なぜなら……語りたいときに語りたいからだ!!今回のテーマは「好きな音楽」について。MINDHACKの創作のバックにある何かアレソレが見え隠れするかもしれません。食らえーーーーーー!!!

 

・紅狐(メインシナリオ、プログラマー)

きつねです。その人の音楽の趣味はその人が作るものと一致するよなあ、と常日頃思っています。
お話を書く時、私が一番表現したいものは『景色』です。といっても、文字通りの目に映る風景という意味ではなく「なにか心動かす情景を見た時に発生する、感情・心の揺らぎ」を伝えたい、というニュアンスです。

形のない感情をいったん手元で冷凍保存して、そのまま読み手にお届けする……というのが、私が文章を通して一番やりたいことです。そしてこれに一番近いものは音楽だと思っています。音楽も形がないけど、人の心を揺さぶる情報を記録して他者に送り出し、着荷先で解凍するものなんじゃないでしょうか。

『心の揺らぎを産地直送』をモットーに何かを書こうとすると、まずは自分自身の感情を描きたい景色に合わせて固定する必要があります。つらく・しんどく・美しい話を書くためには、なにより自分をつらく・しんどく・美しい心情にセットする必要がある!

そんなわけで私が文章を書く時はほぼ必ず、書きたい感情と同じ気分になれる音楽を聴いています。
聴いているだけで胸が張り裂けるような、哀愁を呼び起こす切ない気持ちになる曲を常にプレイリストに並べまくっている。

特に、シンセサイザーやギターのディストーション(歪ませた)音に対してそういう感情を揺さぶられる傾向にあります。人がこの世の不条理を天に訴えかけるような、痛切な叫び声に似た響きが好きです。

ここ数年で一番心に突き刺さって、繰り返し繰り返し聴き続けているのはこの曲。
SEVEN:Skyline divided

「つらく・しんどく・美しい」という感情をそのまま呼び起こすような景色だなあ……

無機質な世界を描きたい時はKLOUDがお気に入りです。

KLOUD:HUMANS

「人生はやりきれない、しんどい事ばかりだけど、それでも人は前に進まなきゃならない」という感情を描くのも好きです。そんな時はMegadethのA Tout Le Mondeだ。

MINDHACKのシナリオを書く時は、『メトロイドプライム』シリーズのOST(オリジナル・サウンドトラック)を聴いていることも多いです。メトロイドプライムは元々好きすぎて何がどう好きなのか考え始めるとオーバーヒートして気絶しそうなくらい好きなので、描きたい景色もやっぱり似ているな……と思います。

ご参考までに、メトロイドプライムシリーズでは『侵されてはならない聖域が蹂躙され、今は美しい残骸だけが残るのみ』というシチュエーションが頻繁に描かれ、3に至っては『精神汚染』が物語の主軸です。よろしくどうぞ。(メトロイドプライムはOSTが1だけ出ています。2と3の曲は昔テレビに線繋いで直に録音したのをずっと聴いてんだ!!)

一方、日常のメールの返事とか事務作業とかでは、「俺はやるぜ!!俺はもう止まらねえ!!」という感情を固定して、とにかく勢いを大事にしています。そういう時は好きなバンド(前の記事参照)のアルバムとか、好きな音ゲーの勢いある曲だけを集めたプレイリストとかを聴いているのであった。
↓好きな音ゲーの勢いある曲の一例

 

・ササン三(サブシナリオ、広報)

自分は、音楽を語ることにコンプレックスを持っています。大学時代、「なんかゲーム音楽みたいでカッコいい!」という理由でケルト音楽同好会に入ったら、周りがスーパー音楽に詳しい人ばっかりで全く話についていけなかったのがトラウマだからです。しかし、今年の目標は「自分の好きなものに自信を持って語ること」。思い切ってこの機会に、素人なりでも普段聴いている音楽について書いてみます。

それは、「海外ゲームファンソング」!

……何だそれ?

日本でゲームの二次創作音楽というと、原作に収録されている楽曲のアレンジというイメージが強いですよね。しかし海外では、ゲームを題材にして完全にオリジナルの歌を書き下ろす文化が定着しています。

たとえば「宇宙人狼」でおなじみ『Among Us』を例にとると、ギターギャリギャリのロックであったり、超オシャレサウンドのポップスであったり、一生聴いてられるノリノリのラップであったり。原作のテイストももちろんですが、アーティストそれぞれの個性が炸裂したバリエーション豊かなオリジナルソングが作られています。MVのアニメーションも凝りまくってて見応え抜群!

海外(特にインディー)ゲームに慣れ親しんだ人からすると「何をいまさら?」という話かと思いますが、近年海外作品にハマったばかりの自分にはカルチャーショックでした。だって、ゲームの開発者に関係なくSpotifyとかで配信してるんですけど!?いいの!?このあたりは、ジャンルは少し違いますが、日本でいう東方アレンジと同じくらい市民権を得ている感じがありますね。そんな粒ぞろいの海外ゲームファンソングの世界ですが、自分の人格形成を語るうえで欠かせないアーティストがいます。それは……DAGames!

これまた海外ゲームに詳しい方なら「ああ、DAGamesね」と頷かれるような大御所です。代表曲としては、「Build Our Machine」というエレクトロスウィング風の歌がよく知られています。うごメモで引用されたことがあるのでご存じの方もいるかもしれませんね。

DAGamesの音楽的な解説については詳しい方にお任せします……が、その楽曲を語るうえで欠かせないと個人的に思うのが、ずばり「攻撃性マッシマシの殺意」。例として、『Left Behind』という楽曲の歌詞を少し引用してみます。

俺は『置き去り』になったのさ
あらゆる拷問が解き放たれる
俺は無慈悲だった
もし時間が巻き戻ろうとも
その度に お前は理解するんだ俺は『置き去り』になったのさ
お前に 逃げ隠れする番がこようと
必ず 俺が捕まえてやる
今夜は日が昇らない
煌く涙は気付いてるのさ
お前はもう 俺のものだ!

……と、要約すると、「絶対にお前をぶっ殺してやる!!!」と言っています。この曲全編そんな感じです。もっと言うと、DAGamesの楽曲だいたいそんな感じです(やや暴論)。

DAGamesがモチーフとする作品にホラーゲームが多いことも関係しているのですが、それにしてもめちゃくちゃ殺意が高い。わんぱく極まりない。もはや「これそんな殺る気満々のゲームだったっけ!?」という作品までヤンチャな殺意ソングになっていたりするので、笑ってしまうほどです。

元気いっぱいみなぎる殺意、言い換えれば破壊衝動の一種かもしれません。MINDHACK開発チームに所属しておいてですが、自分はこれまで破壊衝動にあまり縁のない人生を送ってきました。痛かったり怖かったりするのはかわいそうだから、よくない。加虐心とは程遠い、のほほんとした精神で学生時代を送ってきた自覚があります。

が、時は新卒社員時代。鬱屈とした日々、すり減る精神、溜まるストレス。そんな灰色の日々に、偶然DAGamesの絶叫デスボイスが届きました。逃さん。許さん。絶対に殺す!!

何だこれは……とても刺さる……
歌詞から受け取る攻撃性がとても気持ちいい……
なぜなら……なぜなら自分は、「フィクションの存在から殺意を向けられるのが大好き」な被虐気質だからだ!!

ということで、青年期の自分はDAGamesに殺意を向けられて嬉々として育ち、気づけば描いているものも「加虐性を向ける/向けられる」ことに関する内容が多くなっていきました。それが現在、MINDHACKで破壊衝動を描くことに繋がっている気がします。つまり、DAGamesを聴いて変わってなければ今MINDHACKチームにいることもなかったかもしれないわけですね!ありがとうDAGames!!ありがとうウィル・ライアン!!

海外ゲームファンソングで好きなアーティストは語りきれませんが、今の自分を形成したのはDAの兄貴だと思います。いつかMINDHACKの歌も作ってくれよな!

 

・ホでヴ(アート・アニメーション)

こんばんは。ホでヴです。Blogを書くのは久しぶりですね!
最近はおじいさんになる事がかなりスムーズに出来るようになってきました!
日頃の努力の成果です。いつかどこかでお披露目したいですね。

音楽を語る記事らしいので、普段聴いている音楽について書きます。

【赤ちゃん泣き止み♪ムーニーちゃんのおまじない歌】です!!

この曲はですね……とっても思い入れが深い…………。
子供の頃聞いてたから?いいえ。違います。
見つけたのは社会人になってからです。

その時私は徹夜仕事の真っ最中。「もうダメだ……辛い……」と心が折れそうになっていました。
せめて優しい曲を聞いて癒されよう……と思って見つけたのがこの曲でした。
効果は抜群!赤ちゃん泣き止み♪だけあって私の心も泣き止みました♪
その後朝まで延々リピートして聞き続け(6時間くらい)、徹夜仕事を無事終えた経験があります。
ムーニーちゃんありがとう!!
(ちなみに今は徹夜仕事はしないで済んでいます。ありがたや……)

真面目に曲を語ると、赤ちゃんの為の曲なだけあっていろんな特徴的な音が沢山入ってくるとこが良いです。ずっと聞いてても飽きないですね。曲調も明るくて可愛いし、寝させる為じゃ無いので静かすぎないとこもいい。

この曲を聞いて沢山のバブちゃんたち(社会人含む)が元気になりますように♪
今も好きでよく聞いています。
あの絵やこの絵が制作されたバックにはこの曲が掛かっていたかも?

___________________

今回も好き放題語らせてもらいました。でも、俺たちのイチオシミュージックは……MINDHACKのサウンドトラックだ~~~!!Steamにてサウンドトラック発売中です!YouTube版ノンストップリミックスもチェケラ!

 

イーヴリッグのテーマ1時間耐久も(なぜか)あります。

MINDHACK:ブログのご案内

こんばんは!そして初めましての方は初めまして!本ページは、ビジュアルノベル『MINDHACK』の情報を毎週土曜日に掲載している公式ブログです。制作中の裏話から、キャラクターの詳しいプロフィール、世界観のこぼれ話など盛りだくさん!MINDHACKをより一層楽しんでいただける内容をお届けしています。

当ブログは世の闇に潜み、ひっそり更新を続けてきました。そして気づけば、2年以上もの記事が蓄積。アーリーアクセス配信を機にMINDHACKを知った方にも、ぜひ過去記事の内容に触れてほしい……のですが、いかんせん量が多い!どこから読んだらいいのか分からない!

ということで今回の記事では、過去記事をカテゴリに分けてご紹介していきます!記事の主役となるキャラクターやテーマごとに分類してまとめてみました。ぜひお気に入りの項目から、MINDHACKのもっと深い世界に触れてみていただけると幸いです!

 

・ユーニッド関連記事

MINDHACKキャラ紹介01
当ブログで最初に紹介したのがユーニッドでした。アート担当ホでヴ直筆の「ユーニッドの原型キャラ」が掲載されていますが、ほぼ別人。

MINDHACK:楽曲紹介08
MINDHACKの楽曲全般を制作いただいている、小鉄昇一郎さんによる「ユーニッドのテーマ」コメントです。ヒップホップの文脈からコンセプトを解説していただきました。

Bloody Paella
ユーニッド率いるギャング、Bloody Paellaのスピンオフ。
こちらはblogの記事ではなく漫画となります。
彼が作り上げたギャングとはどんな物だったか、覗いてみましょう。
不定期更新中!

ブラパコラムの記事
Bloody Paellaを読んでいて出てくるふとした疑問に対する回答。こんな意味があったのか!

 


・イーヴリッグ関連記事

MINDHACK:キャラ紹介05
イーヴリッグの初登場記事です。何気にここでしか見られない立ち絵と、デザインの変遷を記録しています。

MINDHACK:第2章開発中
LAGOM教団の詳細をお伝えしています。気になる「教団内の家具ランク」も明らかに。あなたはどの家具?

MINDHACK:LAGOM教団の勧誘
怪文書。

MINDHACK:楽曲紹介09
MINDHACKでも随一のド派手な楽曲、イーヴリッグのテーマの解説です。楽曲内で聞こえる不思議な声の謎が明かされます。

開発日記 6/25
イーヴリッグの後ろ姿、素足、上半身を大公開!

 


・シノの関連記事

シノについては、今後のアップデートで登場する予定のキャラクター「博士」とセットで登場する記事が多めです。先に見るか、本編を待つかはご自由に!

MINDHACKキャラ紹介07
シノの初登場記事。なんだこのフロッピーディスクは!

MINDHACK: COM_ZとSINO
「博士」とシノの交流の記録。破壊衝動ってなあに?の話。

MINDHACK: COM_ZとSINO2
「博士」とシノの交流の記録。破壊衝動、実践編の話。

MINDHACK: COM_ZとSINO3
「博士」とシノの交流の記録。ジェンガの話。

 


・先生の関連記事

MINDHACKキャラ紹介02
先生については、基本的に遊ぶ人の解釈に任せているため、解説記事は少なめです。自由なドクター像を描いてみてくださいね。

MINDHACK:主人公
開発チームが「先生」をどのように描いているかについて、ちょっとだけ解説しました。世にも珍しい実写版先生(?)も。

 


・隊長の関連記事

MINDHACKキャラ紹介04
隊長の初登場記事。威圧感がすごいですが、実は「RPGで最初に出会う親切な人」のような存在。カラーリングが初期設定のもので、レアです。

MINDHACK:隊長の肩アーマー
隊長といえば肩、肩といえば隊長。謎多き重装アーマーについて、解説と図解をご用意しました。これであなたも肩マニア。

MINDHACK:警備隊の持ち物②
隊長といえばできる大人。そのポケットの中身を一挙公開しました。また、通勤時には鎧を外した姿も。

MINDHACK:年の瀬
ある年の暮れのこと、先生のオフィスを訪ねた隊長のショートストーリーです。

MINDHACK:隊長二面図
作画資料として制作した、隊長の装備の二面図を公開。装甲の下の服も明かされています。

MINDHACK:隊長百面相
過去のブログ記事やスピンオフ「すきまトーク」に登場した隊長のコスプレ集。コスプレ……コスプレ?

 

・新米隊員の関連記事

MINDHACKキャラ紹介03
新米隊員の初登場記事です。大昔に書かれた、新米くんの原型となった絵と合わせてご覧ください。

MINDHACK:警備隊の持ち物①
先生を守る警備隊、ホットフィックス。その持ち物を一覧にして解説しました。危険な現場の生々しさを感じるリストです。

がんばれ!HOTFIX
マインドハッカーを守る警備隊『ホットフィックス隊』の日常スピンオフ。
こちらはblogの記事ではなく漫画となります。不定期更新中!

 

・FORMATの関連記事

MINDHACK:キャラ紹介06
FORMATの初登場記事。ご存じみんなの母親的存在です。

MINDHACK:楽曲紹介06
FORMATのテーマです。空耳が聞こえるともっぱら評判の楽曲。

 

・「博士」の関連記事
今後のアップデートで登場する予定のキャラクターです。核心的な部分のネタバレは含まないので、物語の続きの要素をチラ見したい方はどうぞ!

MINDHACK:キャラ紹介08
博士の初登場記事。本人がじきじきに自己紹介してくれています。

MINDHACK:質問コーナーのお知らせ
2022年の夏、ファンの皆様からMINDHACKにまつわる質問を集めて回答する企画を行いました(現在は質問の募集は行っていません)。博士とシノが進行してくれています。

MINDHACK:質問コーナー回答その1
ホットフィックスの人数や主要キャラクターの誕生日、ユーニッドの得意科目などについてお答え。

MINDHACK:質問コーナー回答その2
新米隊員の家族構成やユーニッドの住宅事情、イーヴリッグハゲそう問題などについてお答え。

MINDHACK:質問コーナー回答その3
イーヴリッグの好きなランチプレート、ユーニッドの交友関係、マインドハッカーの資格などについてお答え。

MINDHACK:質問コーナー回答その4
新米隊員おすすめの食事処、ユーニッドの収入源、イーヴリッグの箱の重さなどについてお答え。

MINDHACK:質問コーナー回答その5
先生が好きな花、主要キャラクターが好きな寿司ネタ、LAGOM教団の修行などについてお答え。

 

・そのほかキャラクターに関する記事

背丈比べ
MINDHACK主要キャラクターの身長に関するデータです。ウニがでかい。

MINDHACK:3章仮実装&おえかきチェック
MINDHACK主要キャラクターにお絵描き対決してもらいました。お絵描き対決って何だ?見た方が早い!

 

・世界観に関する記事

MINDHACK世界観紹介
デバッグルームのビジュアルができあがるまでのアレコレを記録しました。「ちっちゃくてカワイイ椅子」になるまでには色々あったのだ。

警備隊のシンボルマーク
警備隊ホットフィックスのシンボルマークである三角形についての豆知識です。アーリーアクセス版を遊んでから読むと新たな発見があるかもしれません。

施設の見取り図
マインドハックを行う施設のマップを図にしました。間取りってなんかワクワクするよね。しない?

MINDHACK:マインドハック以外の方法
マインドハック技術が確立する前には、どのようなバグ対策があったのか解説しました。ご唱和ください、マインドハックは身体にいいなあ!

 

・ゲーム内楽曲についての関連記事

MINDHACK:楽曲紹介01
オフィスの楽曲です。楽曲内のクセになる「キュイ……」の音について小鉄さんにコメントしていただきました。

MINDHACK:楽曲紹介02
タイピングパートの楽曲です。Jukeと呼ばれる楽曲ジャンルについて解説していただいています。

MINDHACK:楽曲紹介03
「ウニを丸めた」ときの楽曲です。ご陽気!ハッピー!マインドハック最高~~~~~!

MINDHACK:楽曲紹介04
記憶を覗いているときの楽曲です。参考音源が豊富でルーツが分かりやすい。

MINDHACK:配信告知&楽曲紹介05
タイトルの楽曲です。(配信告知は2022年のものなので注意)モチーフとなった、とあるピアノ楽曲についてご紹介しています。

MINDHACK:楽曲紹介07
廊下のテーマです。『訓練を受けた特殊部隊のプロフェッショナルたちが、オリジン弁当を食べながら気だるげに午後の任務についてすり合わせをしている』ような楽曲。

 

・そのほか開発に関する記事

MINDHACKロゴ
ゲームのタイトルロゴができるまでの試行錯誤を記録しました。開発初期のうろうろ感をお楽しみください。

MINDHACK:UIができるまで
テキストメッセージ欄などのUIができるまでの紆余曲折を記録しました。開発初期のもぞもぞ感をお楽しみください。

MINDHACK:プログラマー紹介
MINDHACKの技術サポート、undoさんのご紹介です。そう、あの『イノウノカルテ』のundoさんだッ!!

MINDHACK:英語へのローカライズ①
MINDHACKの英語版翻訳について、フリーランス日英翻訳家・岩﨑さんに解説していただきました。ユーニッドの海鮮語録はどう英語化したのか!?

MINDHACK:英語へのローカライズ②
引き続き岩﨑さんによる英語版MINDHACKの解説。「マインドハックは身体にいいなあ!」を英語で言ってみよう!

 

すきまトーク

本編のすきまとすきまを埋める、月イチ更新おもしろ会話劇。
本編に登場するさまざまなキャラクターや、本編では見られない施設の日常のようすをご覧いただけます。
だいたい毎月の4週目土曜日に更新中。

 

以上となります。いやあ、たくさんあるなあ。アーリーアクセス版を3章までクリアしたけど、まだまだ物足りない!という方は、春の夜更けにぜひ読んでみてください。今後も毎週土曜日に、ブログで最新情報をお届けしていきます!

MINDHACK:実績アイコン制作

ごきげんよう、ササンです。今回は久々の制作報告です。

MINDHACKは来たる4月6日、Steamにてアーリーアクセスを開始します。そう、Steamにて。ということは、ある課題が存在します……そう、「実績」機能!

Steamのゲームでは、作品ごとに開発者が自由に設定したおまけミッションが存在します。たとえば「ゲームを第○章まで進める」とか、「アイテムを△個集める」とか、そういうお題ですね。ミッションをクリアすると実績が解放され、その証がプレイヤーに付与されることに。遊んでいる人は、ちょっと良い気分になれるのです。MINDHACKでもささやかながら、カンタンな実績を用意しています。

実績機能そのものはプログラマーのundoさんに実装をお願いし、無事に導入できたのですが(undoさんいつもありがとうございます!!)、もう一つ準備したいものがありました。それは、実績アイコン!実績を解放したときに、ちっちゃく表示される画像のことですね。

これは我らがPortalの実績の例。

もちろん既存の素材を流用して無難なアイコンを仕立てることもできるのですが……インディーゲーム界隈、実績アイコンは開発者のコダワリとサービス精神の見せ所(と、私は勝手に思っている)。せっかくなので、なにか特別なアイコンを作ろう!と思い立ちました。

で、わたくし、前から一度やってみたいことがあったのです。それは、ドット絵!ピクセルアートでMINDHACKキャラを描いたアイコンを実績にあてがったら、オシャレなんじゃない!?ということで、ほぼ20年ぶりにドット絵に挑戦することにいたしました。(ちなみに昔はしぃペインターで描いていた……通じるのかこのネタ)

久々のトライということで、まずいくつかのドット絵指南サイトを巡り、基礎的な知識を身につけました。例えばドット絵でナナメの直線を描く時は、ドット数が2,2,2…とか3,3,3…とか規則的に並ぶようにするのがキホンらしいです。

なるほど。ではさっそく実践してみましょう。やー!

……………。いきなり最難関のキャラにぶち当たってしまったようです。気を取り直して、直線がキレイになる角度を模索しつつ、形を整えていきます。試行錯誤の末できあがったアイコンがこちら。

ウニーーーーーーン!

うーん、どうでしょう。ゲーム内画像と全く同じ色づかいにしてみたのですが、小さい分ちょっと地味すぎる気がしますね。ということで、全体的に色味を整えてみましょう。

サンシャイーーーーーン!!

大分見栄えのする出来になりました!ということでユーニッドのアイコンはこれで完成……これで…………

もうちょっと頑張れないか……!?

欲を言うと、全体のサイズに対してユーニッドの大きさがこぢんまりしている気がしますね。ささやかな画角だからこそ、もっとはっちゃけた構図にしても良さそうです。そして、ポーズ。バランスを整えるのに必死で気がついてなかったのですが、なんか「ちょっといいすか?」って呼びかけられて振り返った瞬間を激写されたような、得も言われぬ佇まいになっています。せっかくだからビシッとポーズを決めさせたい。

もっと下絵の段階から画角とポーズをしっかり決めよう!ということで、今度はアナログからラフを起こし……

さらに、主線より先に面を塗ることでバランスを取りやすくし……

ホでヴさん「なんでこのウニ生足なの?」 ササン(ズボンの色が明るすぎたか)

 

 

 

そして…………

こんな具合でユーニッドのアイコンが出来上がりました。けっこう愛嬌のある絵面になったのでお気に入りです。原寸大だとこんな感じ。

ドット絵アイコンは他のキャラクターも用意していますので、どうぞお楽しみに。4月6日のアーリーアクセスが始まったら、実績集めにも挑戦してみてくださいね!それでは。

MINDHACK:韓国IGDGF旅行記

(ちょっと汚い話を含むので、食事中の方は注意!いや、我々がなんかしたとかではないです。断じて。)

2月頭に台北ゲームショウへ参加したMINDHACKですが、同月中旬にはなんと韓国でのイベントにも参加してきました!Independent Game Developers Guild(IGDG)というインディーゲームの支援団体が初開催する、「IGDGF」という催しにお呼ばれしてきました。

今回は都心から成田空港へ向かいます。電車に揺られること1時間。頭の中ではずっとナリタボーイのテーマ曲が流れていました。

無事に空港に到着すると、そのまま流れるようにチェックイン!荷物預け!身体検査!からの出国!!この辺はもう慣れたもんです。2週間前にやったからね。飛行機に乗ること3時間、あっという間劇場で韓国に到着。

まず最初のインパクトとしては、文字が……読めねえ!台湾のときは日本でも見かける漢字を使っていたのでニュアンスを掴めたのですが、ハングルは本当に読めない。景色の中の文字列が全く解読できません。あ、でもホでヴは3日前からDuolingoで韓国語を勉強していたので、「この文字は『ア』って読むんだよ」などと教えてくれました。しかしこの時点でホでヴが喋れる韓国語は「牛乳」と「鼻」のみ。

仁川国際空港から特急列車に乗ってソウルへ。そこからさらに地下鉄に乗って明洞(ミョンドン)に向かいました。

韓国のドア挟まれ注意の絵、カワイイ。

そして辿り着きました明洞。一言で表すと、ザ・都会!日本でいう渋谷に近い感覚で、坂道が多く狭い道にたくさんのファッション・コスメショップがひしめいていました。渋谷と違うのは、道のところどころに屋台が出ていること。ああ、ハットグ……トルネードポテト……!強烈に惹かれつつ、今はまだ我慢です。

今回宿泊したホテルは建物の構えがかなり重厚&巨大で、チェックインするまで「本当に合ってるか……?」と不安になるほどでした。ひとまず荷物を置いて夕食へ。かなりローカルな食堂っぽいお店で、めちゃくちゃ辛いご飯を食べました。うっま。

翌日はゆっくり、昼の11時30分から会場入り。今回の会場となったギャラリーは、大きな会議室のようなサイズで、長机がいくつも並んでいるスタイルでした。ちょっと日本の同人即売会っぽい雰囲気がありますね。

IGDGFは初開催ということで、人入りは未知数。まあ、もし誰も来なくてもゆっくり他の開発者さんのゲームを遊べばいいか〜と思っていたのですが……ハッと気がつくと、会場外に長蛇の列!開場とともに押し寄せる人々!蓋を開けてみれば、ちょっとしたお祭りくらいお客さんが遊びにきてくれました。

台湾では見るからにコアゲーマー!な男性の方が圧倒的に多かったのですが、韓国はどちらかというとカルチャー全般に感度の高そうな人が多い印象でした。男女比も6:4くらいでしょうか。有難いことにMINDHACKブースにも、ほとんど人が途切れることなくやってきてくれました。みんな丁寧に、じっくり遊んでいってくれるのが嬉しかったです。いや〜韓国来てよかった。良いイベントだなあ全く!

そして異変は15時ごろ起きた。

ちょうどササンが所用でMINDHACKブースから少し離れていたとき、突如として異臭が部屋一帯を包みました。腐った卵のような強烈な臭いです。建物の前をごみ収集車でも通ったのかな?と思っていると、何やら会場の中心あたりが騒然としています。みんな何に慌ててるんだ?すると、騒ぎの近くにいたホでヴさんが「危ないからこっちに来ちゃダメ!」と叫びました。何が?え?下?

そこで目の当たりにしたのは、洪水のように水浸しになった床。しかも水は濁っていて、悪臭を放っています。その水の発生源は……トイレ。

なんと、トイレの下水が逆流し、会場中に溢れてしまったのでした。そんなことあるう!?そういえば午前中から、ホでヴが「トイレが詰まってるみたい」とは言ってたけども!現場を目撃した人の証言によると、何もしてないのに急にトイレから汚水が湧き出てきたそうです。悪夢か。

会場はまさに地獄絵図。トイレ近くにいた人の中には、床に置いていた荷物が水に浸かってしまった人もいたようでした。また会場には手持ちカメラでリアルタイム配信をしているストリーマーさんも来ていたのですが、この騒ぎに「どわ~!」となりながらカメラを慌ててどけていました。配信見てた人も何事!?ってなったんだろうなあ。

ちなみにMINDHACKブースはというと、まさかのトイレの目の前。しかし咄嗟に気づいたホでヴが全ての荷物を救出したため、奇跡的に被害はゼロでした。命の恩人。

会場にいた人は、お客さんも出展者も全員外へ避難することに。結局、そのままこの日は解散することとなったのでした。嘘みたいなホントの話です。この後出展者組は、ヤケクソでお酒を飲み美味しいものを食べたので、それはそれで楽しかった。ササンはマッコリ飲み過ぎて(自主規制)してたけどね。

翌日の開場は朝9時。昨日と打って変わって早すぎじゃない!?と思いましたが、前日に早仕舞いしてしまった分の補填とのことでした。会場はすっかり綺麗になり、悪臭も全く残っていません。清掃してくれた運営の皆さん、本当に本当にありがとう……!

これは悲しみのトイレ禁止令

日曜の朝っぱらからインディーゲームやりにくる人なんているのかな?と思いきや、やはり会場の外には列が形成。しっかり遊びに来てくれるお客さんがいらっしゃいました。

今回MINDHACKブースに来てくれた人はほとんどが作品を初見の方だったのですが、中には以前からTwitterを見てくれているファンの方もいらっしゃいました。そういった方々と海を越えて出会えたのが本当に収穫ですね。中には、前日に遊んでくれた上ファンアートを描いて再び来場してくれた方も。うーれーしーいー!あと韓国の文化なのか、差し入れに飴ちゃんをくれる人がめちゃくちゃ多かった。

前日のトラブルが嘘のように、2日目は盛況のうち終了。19時にはみんな燃え尽きたまま帰路につきました。長かった……!この日の夜は念願の屋台でハットグとトルネードポテトを食べ、さらにタッカルビも頂きました。

翌朝の帰国日は午前4時半起床。4時半!?!?なぜかというと、ササンがうっかり9時半の飛行機を取ってしまったからです。迂闊。自分で飛行機とるのが久々すぎて(台湾より前に取った)「30分前に着けばいいかな?」とか思っていた。浅慮。しかもよりによってホテルから遠〜い方の空港を予約していた。愚昧。

今回はホでヴだけ帰れず……なんてこともなく、無事に帰国できました。前回の反省を活かしていてえらいぞ。無事!完了!めでたしめでたし。

……と思いきや、その直後。

ササン、発熱!!38度!!

嘘でしょ!?汚水事件でなんかバッチイばい菌拾ったか!?ちくしょう絶対コロナだ!!……と、半泣きでしかるべきキットを取り寄せて検査を受けたのですが、結果は陰性。単純に、疲れが蓄積して免疫力が下がったための風邪だったようです。そりゃ、1か月に2か国も巡るハードスケジュールなんて人生初だもの。身体もエラーを吐くよ。とはいえ、タイミングがタイミングだっただけに相当焦らされた一幕でした。今はピンピンしてます。

 

 

そんなこんなで、VODKAdemo?による爆裂☆アジア周遊月間だった2月、これにて幕を閉じました。目まぐるしい旅程でしたが、やはりイベントの醍醐味は実際に遊んでもらっている光景を目の前で見られること!まして今回は海外のユーザーさんたちにプレイしていただけたということで、かつてない経験を味わうことができました。言語の壁を超えて「面白かったです!」と伝えていただく機会もあり、非常にモチベーションになりました。これから4月6日のアーリーアクセス開始に向けて、我々は追い込み期間。旅の中で得た活力を胸に、開発を頑張っていきます!

ではまた、次のイベントでお会いしましょう!

MINDHACK:台北ゲームショウ旅行記03

1月31日から2月6日にかけて滞在した台北旅行!今回は最終日のとある出来事を振り返ります。

 

思えば今回の台湾旅行、ササンのやらかしにまみれていました。

ササンのやらかし:
・出発前日にベソベソになる
・出発前日のホテルの予約日を間違える
・韓国でICカードを買った場所にトランクを忘れかける
・デザイナーズトイを買った自販機にICカードを忘れかける
・デザイナーズトイを買った自販機にICカードを忘れかける(2回目)
・濡れた傘を開いた勢いで手持ちのポスターをビシャビシャにする

など、些細なミスのオンパレード。ササンが「俺なんかもうダメだあ……」としょげていると、ホでヴさんは「ダメなんじゃなくて、自分の特性を理解して、対策をしていくことが大事」と諭してくれました。

ともあれ、最終日はやってくる。この日は余裕をもって出発し、お土産に台湾カステラを買ってみました。それから地下鉄を乗り継いで空港へ到着。飛行機の時間より4時間も早く着いてしまったので、ちょっとカステラをつまみ食いすることにしました。

んま〜〜〜〜〜〜〜い!日本で食べた台湾カステラはずっしりした味わいだった記憶があるのですが、こちらのカステラはふんわり軽やか。卵の香りが芳醇で、食べているだけで優しい気持ちになる味わいでした。ホでヴさんは感動のあまり、「もし台湾に生まれていたらカステラ屋さんを目指していた……」と漏らす始末。

一息ついたところで、ササンは出国・入国の準備を確認しました。パスポートOK。航空券のeチケットもOK。そして新型コロナワクチンの接種証明書もOK!かなり落ち着いたとはいえ、新型コロナに対する水際対策はまだまだ厳しく、3回以上ワクチンを打った証明書がないと飛行機に乗れないし、日本にも入国できないのです。

とはいえ、日本で配信されている「接種証明アプリ」を使えば簡単に証明を入手可能!この辺は渡航前に散々調べたのでバッチリ準備してきたのでした。今度こそやらかしはない。ササン、行けます!

「ホでヴさんはワクチンの接種証明アプリ入れた?」
「入れてない……」
「そっか。じゃあ接種証明書もってきた?」
「わ……忘れてた……」

忘れてた?

「忘れてた!?!?!?!?!?!?」

ホでヴさんのやらかし:
・ワクチン接種証明書を忘れる

このときのホでヴさんは、泣くでもなく喚くでもなく、ただ萎れていました。呆然と「もうこのまま台湾でカステラ屋さんを目指すよ……」と呟いている姿は本当に哀れだった。

とはいえ、ホでヴさんがカステラ屋さんになったらMINDHACKが完成しねえ!何としても連れ帰るべく、すぐに行動を開始しました。ワクチン接種証明書が手元にない場合は、3日以内に受けたPCR検査の陰性証明書が必要となります。すなわち、現地でPCR検査を受けて陰性証明を受け取るしかありません。

いま現在我々がいるのは、台北の松山空港。Googleで「松山空港 PCR検査」と検索すると、あるではありませんか!松山空港でPCR検査を受けられる施設が!そこで急いで会場を探したのですが、おかしなことにどこにも見当たらない。空港のインフォメーションセンターで聞いてみても、怪訝な顔をされるばかり。なぜ見つからないんだ?運良く日本語のサイトまで見つけたのに!……日本語?

「ホでヴさん……これ、愛媛県の松山空港のサイトだよ……」
「えっ」

そんなこんなでインフォメーション前でまごまごしていると、ベテランらしきお姉さんが声をかけてくれました。我々がしどろもどろの英語で「COVID-19……テストゥ……」と言っていると、驚きの察し力で状況を理解してくれました。

そこからのお姉さんは早かった。猛烈な勢いで何やら電話を済ませると、我々にメモを渡しました。曰く、「今ここでPCR検査の予約を取ったから、外でタクシーを拾ってメモの場所に行くように。スペシャルな対応だから費用は高くなる。貴様のフライトまで残り3時間だから、時間との勝負だ。検査の結果は帰りしなにメールで送ってもらうように。分かったか?」とのこと。

戦場のベテランコマンダーのような口調に気押されつつ、我々は追い立てられるようにATMで現金を下ろしました。ちなみに検査費用は……お高くつきました。背に腹はかえられねえ!!

タクシーで15分ほど走った先にあったのが、とある医療施設。外観は普通の診療所のような雰囲気です。恐る恐る入るやいなや、ドクターがお出迎え。すぐさま「話は聞いた!ここにサインをして急いで裏へ入ってくれ!」と対応されました。さっきのお姉さんがコマンダーなら、この診療所はさしづめ戦場の救命救急です。ホでヴさんは流れるように裏へ連れていかれてしまいました。表で待つササンがやきもきする間もなく、検査は5分ほどで終了。爆速で診療所を後にし、再びタクシーで空港へ向かいます。

それにしても、検査を受けられたのはよかったものの、果たして本当に新型コロナウイルスに感染していないのか?台北ゲームショウ会場では感染対策に最大の注意を払っていたものの、もし結果が陽性では帰国が叶うべくもありません。タクシーで走っている間、早くも検査結果が返ってきました。その内容は……

「陰性!!」

ホでヴさんの免疫力すげえーーーーーー!!!!奇跡!!!!!!!

ちなみにここで受けた検査結果、採取検体も検査方法もバッチリ日本の求める基準に適合していました。おまけに日本語まで併記してある親切対応。めちゃくちゃ急いでたのに対応が完璧で驚きました。もしかして結構いるの?こういう日本人。

かくしてホでヴ・ササンは無事に出国ゲートを通過し、結局離陸の2時間前には搭乗口に到着したのであった。へなへな〜。

 

そんなわけで、1月31日から2月6日にかけて敢行した台北ゲームショウ遠征!本当に予想のつかないサプライズばかりで、刺激を受けまくりの1週間でした。アーリーアクセス開始に向けて、ますます活力をつけていきたいと思います!

そして来週は、韓国遠征編。またしても大トラブルに巻き込まれているので、お楽しみに。

MINDHACK:あなたの破壊衝動はどこから?③

ごきげんよう、ササン三です。MINDHACKではフレーバーテキストを書いたり、足りないところにニュルッと入って作業をしたりしています。

ここ数週間、紅狐やホでヴやシノが「破壊衝動とは何ぞや」について語ってきたので、バグという概念がうっすら浸透してきたのではないでしょうか。もしかしたら、身に覚えのある方もいらっしゃったかもしれませんね。そういった流れで、今回はわたしの身の上話になります。

小学生のころ、それは大好きなブログがありました。知的かつウィットに富んだ文章を書く方で、日々更新される記事を毎日楽しみにしていました。その方は一次創作の小説も書かれていて、一つも余すことなく読み尽くしました。特にその人の書く「人工知能」という概念が最高にクールで、美しいものに対する飽くなき理想を貫く姿勢に強く胸を打たれました。綺麗に組み上げたジェンガを木っ端微塵に打ち砕くような作品を書くのが好きな人でした。

これが紅狐です。

中学生のころ、素晴らしい絵を描く方に出会いました。その方の絵は構図がバシバシに決まっていて、なおかつ可愛くも格好いい。とくに人外キャラクターを描くにあたっては右に出る者がなく、親しみやすくも人ならざる存在を描くのが巧みな方でした。自身の創作キャラクターで漫画も描いていて、ほかにない哲学とユーモアで唯一無二の作品世界を作り上げていました。愛をもってキャラクターをいじめるのが好きな人でした。

これがホでヴです。

というわけで、何の因果か思春期に尊敬していたクリエイターの二人と肩を並べて、ゲームを作ることになってしまいました。幸運なことですね。今でも二人のことは最大限にリスペクトしています。

で、紅狐は自身を天性の悪人と謳ってやまない大魔王、ホでヴはキャラクターを痛めつけるのを愛する極悪アニメーター。そんな二人の作品に感性を育まれて、わたしも立派に破壊衝動を抱いて……いるかというと、実はそうでもないんですよね。基本的にはギャグとハッピーエンドが好みだし、一番好きなのは爆発オチ。キャラクターには極力幸せになってほしいと願っています。

ただ、ちょっと破壊衝動かも?と思い当たらない節がないわけでもなく。大学生のころ、ラヴクラフトにハマったんですよね。御大の小説といえば、迫り来る恐怖! 大いなる宇宙的存在! なす術なく振り回される人類!! この道を通って、ちょっとだけ「人がひどい目に遭う話」が好きになった気がします。特に、ヒロイックではない「一般人」が大変な目に遭うのが好きです。これまでの人生でそれなりに幸も不幸もあって、劇的なことは何も起こってこなかったような人が、突然理不尽な目に遭うさまを愛情深く眺めるのが、いいなあと思います。一般人が頑張ってるところ、大好き。

そんな理由で、拙作『灯影の悪魔』ではごく平凡な人間が主人公だったりします。また私が担当する『MINDHACK』内のフレーバーテキストも、「一般人が更生対象やマインドハック施設を見たらどう捉えるのか?」テーマに書いていたりします。

こんなところでしょうか。ささやかな破壊衝動の話でしたが、こういうのほほんとしたメンバーも開発チームにいることで、MINDHACKがどうなっていくか見守っていただけると幸いです。では。

開発日記

ごきげんよう、ササンです。ハンドルネームの由来はササン朝ペルシアです。

今月配信を予定している体験版アップデートに向けて、細かい作業を詰めているところです。テキストでは細かな表現以外の修正はありませんが、代わりに演出面などを紅狐やホでヴが強化していってくれています。

ところで、今回のバージョンを出すにあたって絶対に直したいと思っている箇所がありました。みなさまはゲーム中にお気づきになったでしょうか。

ハック完了後書類の、

ここ。

四角いスタンプの枠部分が、画面下のUIに重なって欠けてしまっているんですね。う~~~~~ん迂闊。些細なポイントですが、気づいてしまえば気になって仕方がない。これはぜひ次回の体験版で直したいところです。ということでチャチャっと枠線をズラしてやりたいところなんですが、問題が浮上しました。

元データがない!

そういえば昨年、PCに液体をこぼしてぶっ壊したんでした。大体のデータはチーム共有バックアップに入ってて無事だったんですが、よりによってこの書類データだけは保存し損ねていたようです。ということは、書類データを改めて作り直すしかありません。

重い腰を上げて作業を始めたものの、さっそく問題にぶつかりました。それは、フォントの問題。MINDHACKは、英文字に関していろいろなフォントを使っています。たとえばタイトルは「DIN2014」。

ロード画面はFuturaなど。

ところがこのHACKEDスタンプだけは、上記2つのフォントではありませんでした。何て名前だったか全く思い出せない。PCにフォントのファイルが残ってる形跡もありません。困った。

ネット検索は万能に見えて脆弱です。「単語」「言葉」が分かっている対象については如何様にも検索しようがありますが、今回のように「見た目はハッキリ分かるんだけど、名前は……」というケースにめっぽう弱い。仕方ないのでフォントのライブラリから「サンセリフ(ウロコとかヒゲがない、つるっとした文字)」で調べてみたんですが、検索結果は785件。ななひゃく!その後も「アールデコ」とか「近未来的」とかそれっぽいワードで絞ろうとしたのですが、目当てのフォントは見つかりませんでした。

やむを得ず、新しいフォントで近い印象のものを探すか……となっていた矢先、有力な情報をつかみました。みなさまは「Adobe Capture」というアプリをご存じでしょうか。

こちらは、ざっくり「デザイン系に役立つ機能がたくさん入った便利アプリ」という具合です。手書きのイラストをスキャンしてデータにしてくれたり、撮った写真から色を分析してテーマカラーを見つけてくれたり、プロも使えるお役立ち機能がいろいろ入っています。

で、Adobe Captureには「文字」という機能があるんですね。これが何かというと、テキストを写真に撮ると、文字を抽出して、該当するフォントを検索してくれる!便利すぎない!?ということで、先ほどのHACKEDもさっそく分析にかけてみました。元の画像がやや暗いこともあって初めはなかなか認識してもらえませんでしたが、何度かトライしてると……ようやく文字を認識してくれました!

F*CKなんて言ってないですけど!?

なぜか認識結果はわんぱくになってしまいましたが、いくつかフォントが絞られました。このなかでも、「A」「Y」の形状が特徴的な「Arya」が一番近そうですね。決定!みなさまもハックなスタンプを作りたいときは、ぜひ「Arya」をご活用くださいね。新バージョンのスタンプはより擦れを表現したり、位置を調整したり、地味にいろいろいじってある予定です。お楽しみに。

ついでなので、制作初期に考案していた別のフォントバージョンも置いておきます。「手書きっぽいバージョン(あくまでスタンプなのでボツ)」と、「超ハッピーバージョン(ハッピーすぎる)」がありました。このフォントも可愛いのでいつかどこかで使いたいなあ。

開発日記

ごきげんよう、ササンです。
いかがお過ごしですか。

最近の作業としては、私はこまごましたテキストを担当しています。
具体的にはまず、以前ブログでも紹介した、
更生対象と対面する前に見る資料類ですね。
新聞や雑誌など、あの世界にあるメディアを想像しながら書いています。
自分がゲームを遊ぶときは、細かいテキストを読むのが好きなので
楽しみつつ作っているかたちです。
真面目な報告書や論文だけでなく、けっこう胡乱な大衆紙も
まとめて資料として扱われているような?お楽しみに。

それから、タイピングパートで打ち込む単語集を考えるのもタスクです。
MINDHACKでもかなり大事な、キャラクターの芯に迫るパートなので
全体のストーリーがある程度固まってから作っています。
対話シーンや記憶パートの自白だけでは分からない部分を
表現できるといいなと考えています。じっくり作ります。

実は、最近の開発は物語的に中盤のパートを作っているので、
ネタバレ的に進捗をお見せしにくい状態になっていたりします。
物語の核心に触れない範囲で皆さんにお伝えできる情報といえば、
あとはもう登場キャラクターの下着の色くらいしかありません……
そのため、今後しばらくは日記的な内容のブログが続きそうです。
お暇なときに、「あいつら生きてるか?」と覗いていただければ幸いです。