ごきげんよう、ササン三です。MINDHACKではフレーバーテキストを書いたり、足りないところにニュルッと入って作業をしたりしています。
ここ数週間、紅狐やホでヴやシノが「破壊衝動とは何ぞや」について語ってきたので、バグという概念がうっすら浸透してきたのではないでしょうか。もしかしたら、身に覚えのある方もいらっしゃったかもしれませんね。そういった流れで、今回はわたしの身の上話になります。
小学生のころ、それは大好きなブログがありました。知的かつウィットに富んだ文章を書く方で、日々更新される記事を毎日楽しみにしていました。その方は一次創作の小説も書かれていて、一つも余すことなく読み尽くしました。特にその人の書く「人工知能」という概念が最高にクールで、美しいものに対する飽くなき理想を貫く姿勢に強く胸を打たれました。綺麗に組み上げたジェンガを木っ端微塵に打ち砕くような作品を書くのが好きな人でした。
これが紅狐です。
中学生のころ、素晴らしい絵を描く方に出会いました。その方の絵は構図がバシバシに決まっていて、なおかつ可愛くも格好いい。とくに人外キャラクターを描くにあたっては右に出る者がなく、親しみやすくも人ならざる存在を描くのが巧みな方でした。自身の創作キャラクターで漫画も描いていて、ほかにない哲学とユーモアで唯一無二の作品世界を作り上げていました。愛をもってキャラクターをいじめるのが好きな人でした。
これがホでヴです。
というわけで、何の因果か思春期に尊敬していたクリエイターの二人と肩を並べて、ゲームを作ることになってしまいました。幸運なことですね。今でも二人のことは最大限にリスペクトしています。
で、紅狐は自身を天性の悪人と謳ってやまない大魔王、ホでヴはキャラクターを痛めつけるのを愛する極悪アニメーター。そんな二人の作品に感性を育まれて、わたしも立派に破壊衝動を抱いて……いるかというと、実はそうでもないんですよね。基本的にはギャグとハッピーエンドが好みだし、一番好きなのは爆発オチ。キャラクターには極力幸せになってほしいと願っています。
ただ、ちょっと破壊衝動かも?と思い当たらない節がないわけでもなく。大学生のころ、ラヴクラフトにハマったんですよね。御大の小説といえば、迫り来る恐怖! 大いなる宇宙的存在! なす術なく振り回される人類!! この道を通って、ちょっとだけ「人がひどい目に遭う話」が好きになった気がします。特に、ヒロイックではない「一般人」が大変な目に遭うのが好きです。これまでの人生でそれなりに幸も不幸もあって、劇的なことは何も起こってこなかったような人が、突然理不尽な目に遭うさまを愛情深く眺めるのが、いいなあと思います。一般人が頑張ってるところ、大好き。
そんな理由で、拙作『灯影の悪魔』ではごく平凡な人間が主人公だったりします。また私が担当する『MINDHACK』内のフレーバーテキストも、「一般人が更生対象やマインドハック施設を見たらどう捉えるのか?」テーマに書いていたりします。
こんなところでしょうか。ささやかな破壊衝動の話でしたが、こういうのほほんとしたメンバーも開発チームにいることで、MINDHACKがどうなっていくか見守っていただけると幸いです。では。