MINDHACK:配信形態についてのお知らせ

【アーリーアクセスについてのお知らせ】

いつもMINDHACK開発ブログをご覧いただきありがとうございます! 紅狐です。
7月30日に配信されたasobu indie showcase2022はいかがだったでしょうか?
また、8月6日・7日に開催予定のBitSummit X-roadsでも、お会いできるのを楽しみにしています!
(各種グッズは今後通販も予定しておりますので、会場に来られない方もどうぞご安心ください!)

 

大きなイベントを控え、また初めて体験版をリリースした日から約1年が経ちまして、ここでMINDHACKのリリース時期についてのお知らせがございます。

MINDHACKは2022年の冬以降を目標に、Steamにてアーリーアクセスとして配信いたします!

 

このアーリーアクセス版では、ゲームの全体のお話のうち、ちょうど半分までを遊んでいただける予定です。アーリーアクセス(早期アクセス)とは、ゲームが完成する前に、開発途中のバージョンを早期配信(販売)することです。つまり、ゲームのフルバージョンのリリースではありません。

これまでwebサイトやsteamページ上では2022年内の配信予定としておりましたが、ゲームの全体を遊んでいただくにはもう少しお時間をいただくことになりそうです。楽しみにしてくださっている皆様にはフルバージョンをお待たせしてしまうのを心苦しく思いますが、何よりVODKAdemo?自身もMINDHACKという作品の大ファンなので、まずは早く遊びたい!という一心でアーリーアクセスを行うことに決めました。

 

【なぜアーリーアクセスを行うのか?】

私たちVODKAdemo?はMINDHACKという作品を、自分たちの欲しかった理想のゲームを作る、ということを最も大事にして日々制作を続けています。登場するキャラクターたちの個性を魅力的に見せることに何よりも焦点を当てている、という点は、この開発ブログでもお伝えしてきた通りです。
特にキャラクターのグラフィックに関しては、ただの表情差分として以上に、立ち姿一枚でも彼らの人となりが滲み出るようにしたいとホでヴが尽力してくれています。

もうひとつ、MINDHACKが大切にしているコンセプトには「ひとりの人物やものごとの多面性を描く」という部分があります。
ゲームに登場する更生対象たちは「マインドハックによって必ず自我を編集されるべき悪人」とされていますが、彼らの記憶を覗いた時に感じることは人それぞれ異なるはずです。その多面性を強調するために、全く異なる視点から彼らを見た時にはどのような印象が生まれるのか?という追加資料をササン三が追加してくれています。ゲーム本編は施設の中という閉鎖空間で展開されるお話なので、もうひとつ「第三者の視点」「現在ではない時間軸の視点」例えば新聞記事のような過去の記録を追加することによって、より多角的な印象をキャラクターたちに与えられるのではないかと試みています。

こうした部分に開発コストを注ぐ分、グラフィックの作画やテキストの執筆・翻訳にも、より時間をかけて取り組んでいきたいと考えています。開発の進捗は引き続きブログにてお知らせしていきますので、どうぞお楽しみに!

 

そして最初の体験版をリリースしたあと、何より励みや参考となったのは、遊んでくださったプレイヤーの皆様からのフィードバックです。第一章の体験版のうちでも、立ち絵の追加や演出強化、タイピング部分へのご要望への対応など、多くの改善するべき点が見つかりました。

ゲームがアニメやマンガなど他のメディアと最も異なっているのは、体験の芸術であるという点と思います。今後の開発においても、実際に体験してくださったかたの感想や反応が多ければ多いほど、改善の足掛かりになります。

文章を書くときに最も重要なのは、「このテキストを読んだかたがどう思うか」を想像することです。少なくとも私・紅狐にとっては、文章によってシナリオを組み立てていくのは、レースゲームのエディットモードでコースを作るのとほとんど同じ感覚です。文章から景色が生まれるのは、読んでくださるかたの目が実際にそこを走って、想像を巡らせてくれた時だけです。これはゲームとプレイヤーの関係に非常によく似ています。

プレイヤーがどういう感情でコースを走ったのかを知ること、どこの景色が綺麗でどこが印象に残ったのか、その人それぞれの軌跡を知ることこそが物語を書く最大の楽しみです。そしてもし地面に走りづらい凸凹が見つかったとしたら、それを補修して、後編の執筆・開発に大いに活かしたいと思っています。
アーリーアクセスの配信後にもぜひプレイヤーの皆様からのフィードバックを頂ければ、より遊びやすいゲーム・読みやすいシナリオテキストへと改善していけるのではと考えています!

 

フルバージョンとの違い

前述の通り、アーリーアクセスバージョンでは配信時に「ゲームの全体のうち、ちょうど半分」までを遊んでいただける予定です。
また、配信の日が近づいた折には改めてお知らせする予定ですが、アーリーアクセス開始時点ではフルバージョンよりもお買い得な金額で購入できるように予定しております。
フルバージョンのリリース時には価格の改定を行いますので、どうぞご容赦ください。

 

 

2021年の春にゲームを作り始めた当初には想像もできなかったほど、このMINDHACKというゲームのおかげでVODKAdemo?三名とも、身の回りの環境が一変しました。沢山のかたの応援やご助力に改めて心からお礼申し上げます。

遊んでくださる方々の心に残るゲームとして、VODKAdemo?一同もフルバージョンリリースの日を心待ちにして制作を進めていきます。まだ少しお時間をいただきますが、この開発の過程も一緒に楽しんでいただければ幸いです。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします!

 

紅狐(シナリオ・技術担当)

MINDHACK:グッズ紹介

先週お伝えした通り、MINDHACKは8月6日・7日の「BitSummit X-roads」に出展します。会場では、MINDHACK初のグッズ各種をお届け!今回のブログでは、そのラインナップをご紹介します。

・ステッカー
MINDHACKをモチーフにしたステッカーができました!ゲームロゴをあしらったものと、ハック中のお花を模したものをご用意しています。こちらは、ブースに遊びにきてくれた人に配布予定。お好きなところに貼って、天才マインドハッカーをアピールしていきましょう!後日、通販のおまけにもランダムで封入予定です。

・クリアファイル
ゲーム内のUIをイメージしたクリアファイルを販売します。表面には、作中に登場する先生の手とメッセージウィンドウをデザイン。ファイルにお好みの絵を入れればどんな相手も更生対象に早変わりします。自分やお世話になっている人の写真をしまっておくのもいいですね。隣のあの子をマインドハック!

・アクリルキーホルダー

MINDHACKのキャラクターたちが、デフォルメされた可愛い姿になりました。グッズのために書き下ろされた特別なイラストがデザインされています。サイズは5cm程度なので、学校や職場にこっそりキャラクターたちを連れ歩いてみてください。ちなみに、アクリルキーホルダーのイラストはクリアファイルの裏面にもデザインされています。

今回、ホでヴ監修のもとアクリルキーホルダーのイラストを手がけてくださったのは、イラストレーターの小田ハルカさんです。小田さんは、近年では水彩抒情アドベンチャーゲーム『すみれの空』の2Dリードアーティストを務めたほか、現在はテレビマガジンで『トランスフォーマーごー!ごー!』を執筆されています。可愛い少女からカッコいいロボまで、とにかく幅広い絵柄が持ち味! MINDHACKのキャラクターも世界観に馴染ませつつ、キュートにアレンジして仕上げてくださりました。以下、小田さんのコメントをご紹介します。

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-プロフィール
この度グッズイラストを描かせていただきました、イラストレーターの小田ハルカと申します。
肩書はイラストレーターですが、スタンスは便利なおえかき屋さんです。
今は主にマンガの連載で生きています。

-SNSアカウント・webサイト等のURL
Twitter (https://twitter.com/aries_bug)
Tumblr (https://aries-bug.tumblr.com

-MINDHACKへのひとことコメント
MINDHACKのことは、開発初期の方から存じ上げていたように思います。
実は開発メンバーのホでヴさん・紅狐さんは以前より面識があり、普段から御二方の創作を大変ありがたく浴びておりました。
そこに加えて本タイトルのコンセプト「悪い人の頭の中をお花畑に書き換えちゃうゲーム」ときたもんだ。
はぁ 勝ち確やないか…と思ったものです。
こうしてだいすきなMINDHACKにまさか関わることになり、光栄の極みです。本編開発めちゃくちゃ応援しております。―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

グッズ各種は、MINDHACKは8月6日・7日の京都BitSummit X-roadsにてお届け!(一般公開日は7日のみ) 後日通販も予定しているので、ぜひお手に取ってみてください。

MINDHACK:BitSummit X-roads & gamescom 2022参加のお知らせ

本日のブログはご陽気なお知らせが2件です!

【その1:BitSummit X-roads】

8月6日・7日に京都みやこめっせで開催される「BitSummit X-roads」に、MINDHACKが出展します!

https://bitsummit.org/ja/

BitSummitは、毎年京都で開催されているインディーゲームイベントです。出展されるゲームは50点以上!国内外で制作された個性豊かなゲームが展示され、実際に試遊したり、開発者に直接話を聞いたりすることができます。

今年で開催十周年を迎えた「Bitsummit X-roads(クロスロード)」に、MINDHACKもめでたく参戦いたします!

会場では第一章の体験版を試遊展示します。開発チームVODKAdemo?のメンバーも勢ぞろいでお待ちしておりますので、一般公開日の8月7日(日曜日)にはぜひお気軽に遊びに来てくださいね。
※8月6日(土曜日)はデベロッパー、パブリッシャー、メディアのみが入場できるビジネスデイとなります。

 

くわえて、会場ではMINDHACK初のグッズ販売も実施します!
こちらはBitSummitで初頒布するほか、今後、通販での販売も予定しています。
京都に行けない!という方も後日お手に取っていただけるようにいたしますので、お待ちいただければ幸いです。

グッズのための描き下ろしイラストもご用意しているので、お楽しみに!
開催日までの開発ブログで、どんなグッズになるかをご紹介してまいります。

BitSummitでの作品紹介ページはこちらからどうぞ!

 

【その2:gamescom 2022】

ドイツのgamescom 2022にて、Japan PavilionにMINDHACKが出展します!

gamescomといえば、E3や東京ゲームショウに並ぶ世界三大ゲームイベントの一つ。このなかで日本のインディーゲームを紹介するJapan Pavilionに、MINDHACKも展示していただけることになりました。
「ドイツ参戦予定だぜ!」というツワモノの方は、海の向こうでも見守っていただければ幸いです。

 

それでは、暑い夏も元気にマインドハック!

MINDHACK:マインドハック以外の方法

【マインドハック以外のバグ治療について】

~ある医師へのインタビューより抜粋~

 

ご存知の通り、従来の手法で最もよく知られているのは火傷療法ですね。

これは反対刺激を使った対症療法です。
人格に問題を抱えている人の大多数は、過去の出来事に何らかの強い執着があります。
例えば幼少期に犬に噛まれたことが心の傷となっている人は、大人になった今でも、犬を見る度に気持ちが過去のその恐ろしい瞬間に戻ってしまうというようなことです。犬を見なくとも、ふとした拍子にそれを思い出しただけで発作が起こってしまうこともあります。

ギャンブル依存の人なんかも同様ですね。頭の中にものを考える隙間が生まれた瞬間、その余裕がギャンブルのことを思い出して、思考が一点に囚われてしまう。コンピュータで言えば、メモリが空いた途端に不要な命令を延々走らせて負荷を与えてしまう、ということです。

それに対して行われるのが火傷療法です。熱した鉄板を使って身体に特殊な傷をつけることで、頭のメモリが空いてしまうまえに、常に痛みのことを考えてもらうんです。更生する前に火傷が治ってしまった場合は、執着の発作が起きるたびに新しい傷をつけます。

 

火傷のような小さな傷では対処できない場合は、全身に『体験』を与える手法を取ります。
一般的なのは高温・低温療法です。50度~60度前後の熱湯プールと15~20度の冷水プールを備えた施設で、拘束した更生希望者をロープに吊るし、小型クレーンを使って3分おきに熱湯と冷水へ交互に浸します。

これも原理は火傷療法と同じですが、体の表面の一部ではなく、強烈な体験を全身に覚え込ませることでより強い効果を狙うんです。過去の一点へ際限なく執着してしまう悪習慣に対して、遥かに印象的な体験でそれを上書きし、執着をなくさせるということですね。

 

ほとんどの更生希望者はこれらの段階で「完治しました!」と笑顔を見せてくれます。
それでも過去の出来事への執着を捨てられない場合、最終的な手段として、強ショック療法があります。これは『電気椅子療法』とも呼ばれ、少し方向性が異なります。

人の精神は目で見ることができませんが、近年の研究によって、規則的な構造になっていることがわかっています。
つまり、人間の心はジグソーパズルのように組み上がった状態です。そして人格に問題がある人というのは、そのパズルのピースの一部が悪性に変化しているものと想像してください。これがバグと呼ばれています。

強ショック療法は、このパズルピースの一部を、強い刺激で取り外します。頭を強く打った人が記憶の一部を失うことがありますよね。それを医療のコントロール下で行うということです。わかりやすく例えると、だるま落としと同じです。肉体に電流を流すことで精神構造に的確なショックを与え、悪性部分だけを吹っ飛ばすのです。外科手術と似たような考えです。

 

我々が長年施してきたこれらの手法には、課題があるのは否めません。更生までに時間もかかりますし、強ショック療法以外はあくまでも対症療法ですから、バグの再発を抑えることは難しいのが現状です。

電気椅子療法は効果が見込めますが、死亡率はかなり高くなっていますし、100%狙い通りに精神構造を破壊できるわけではありません。
もちろん、バグによる死亡率と比べたら誤差の範囲です。発現してしまった後では取り返しがつきませんものね。

 

しかし、安全に、そして確実にバグを取り除くことができる方法が確立したとなれば、どんなに素晴らしいでしょう。

そう、マインドハックというのはまさに我々皆が思い描いてきた夢の技術。バグを的確に目視しながら永久に無害にできる、危険の一切ない上に即効性のある治療なんです!

バグを取り除くには特殊な装置と訓練を受けた施術者が必要という問題はあります。でも、そう遠くない未来にもっと身近なところまで普及するでしょう。マインドハック技術は期待をもって全世界に受け入れられていますし、見込みのある青少年をハック施術者として教育する試みも始まっていますからね。

喜んでください、皆さん。人類がバグを克服する日は近いですよ!
いやあ、マインドハックは身体にいいなあ!

 

 

※この物語はフィクションです。実際の医療行為とは関係ありません。
決して真似しないでください。

開発日記 7/2

ごきげんよう。ササン三です。皆さん、熱中症対策していますか? ホでヴは駄菓子のハイレモンが大好きなのですが、最近はレモン味の塩分タブレットをジェネリック・ハイレモンとして見出したようです。塩分バーストしないんかな。

さて、フレーバーテキストを書くのも読むのも大好きなわたくし。以前のブログでも、ゲームの開始前に更生対象に関する資料をチラ読みできることをお伝えしていましたね。

 

実はそんな資料機能が拡張されることになりました。具体的には、各更生対象の攻略が終わった後、特定の条件を満たすことでさらに資料を読むことができます。

 

たとえばウニは、ブラッディパエリアとして活動していた当時を窺い知れるニュース記事を読めたり……

イーヴリッグは、LAGOM教団信者の証言を聞けたり……

その先の更生対象の資料では視野を広く、マインドハックを取り巻く社会の様子を覗き見たりすることができます。

ゲームの本筋には関係ないけど、喜んでもらえる人にはツボに刺さる……そんなおまけ要素になるように、鋭意制作を進めているところです。お楽しみに!

開発日記 6/25

こんにちは。ホでヴです。
第二章に出てくる更生対象、イーヴリッグの素材が全部上がりました!やった~~
ナイス・ザ・グレート・マウンテン


よう動くやっちゃ。
彼は、普通に話してるだけなのにめちゃめちゃ暴れるので沢山描きました。
ハック時の立ち絵はまだ一度も出していないので、本編の方で是非見て頂ければと思います。

では素材の上がり切りを記念して、本編では出てこないイーヴリッグの秘密を大公開!!!!

「後ろ側」

『神の家具になる』という教義に基づいた、信者の階級を表す羽織。
後ろ姿は見せる機会がないのでこれを機に。
襟が四本なのは机やキャビネットの足をイメージしてます。
家具の種類によって羽織の形が変わります。

 

「素足」

手と同じで足先が茶色になっています。

 

「体がもふもふしている」

彼はよく体にバリカンをかけています。キャビネットなので。
ふわふわのキャビネットも悪くないと思いますけど。
本人が嫌なら仕方がないですね……

 

引き続き頑張ります!!!

MINDHACK:あなたの破壊衝動はどこから?③

ごきげんよう、ササン三です。MINDHACKではフレーバーテキストを書いたり、足りないところにニュルッと入って作業をしたりしています。

ここ数週間、紅狐やホでヴやシノが「破壊衝動とは何ぞや」について語ってきたので、バグという概念がうっすら浸透してきたのではないでしょうか。もしかしたら、身に覚えのある方もいらっしゃったかもしれませんね。そういった流れで、今回はわたしの身の上話になります。

小学生のころ、それは大好きなブログがありました。知的かつウィットに富んだ文章を書く方で、日々更新される記事を毎日楽しみにしていました。その方は一次創作の小説も書かれていて、一つも余すことなく読み尽くしました。特にその人の書く「人工知能」という概念が最高にクールで、美しいものに対する飽くなき理想を貫く姿勢に強く胸を打たれました。綺麗に組み上げたジェンガを木っ端微塵に打ち砕くような作品を書くのが好きな人でした。

これが紅狐です。

中学生のころ、素晴らしい絵を描く方に出会いました。その方の絵は構図がバシバシに決まっていて、なおかつ可愛くも格好いい。とくに人外キャラクターを描くにあたっては右に出る者がなく、親しみやすくも人ならざる存在を描くのが巧みな方でした。自身の創作キャラクターで漫画も描いていて、ほかにない哲学とユーモアで唯一無二の作品世界を作り上げていました。愛をもってキャラクターをいじめるのが好きな人でした。

これがホでヴです。

というわけで、何の因果か思春期に尊敬していたクリエイターの二人と肩を並べて、ゲームを作ることになってしまいました。幸運なことですね。今でも二人のことは最大限にリスペクトしています。

で、紅狐は自身を天性の悪人と謳ってやまない大魔王、ホでヴはキャラクターを痛めつけるのを愛する極悪アニメーター。そんな二人の作品に感性を育まれて、わたしも立派に破壊衝動を抱いて……いるかというと、実はそうでもないんですよね。基本的にはギャグとハッピーエンドが好みだし、一番好きなのは爆発オチ。キャラクターには極力幸せになってほしいと願っています。

ただ、ちょっと破壊衝動かも?と思い当たらない節がないわけでもなく。大学生のころ、ラヴクラフトにハマったんですよね。御大の小説といえば、迫り来る恐怖! 大いなる宇宙的存在! なす術なく振り回される人類!! この道を通って、ちょっとだけ「人がひどい目に遭う話」が好きになった気がします。特に、ヒロイックではない「一般人」が大変な目に遭うのが好きです。これまでの人生でそれなりに幸も不幸もあって、劇的なことは何も起こってこなかったような人が、突然理不尽な目に遭うさまを愛情深く眺めるのが、いいなあと思います。一般人が頑張ってるところ、大好き。

そんな理由で、拙作『灯影の悪魔』ではごく平凡な人間が主人公だったりします。また私が担当する『MINDHACK』内のフレーバーテキストも、「一般人が更生対象やマインドハック施設を見たらどう捉えるのか?」テーマに書いていたりします。

こんなところでしょうか。ささやかな破壊衝動の話でしたが、こういうのほほんとしたメンバーも開発チームにいることで、MINDHACKがどうなっていくか見守っていただけると幸いです。では。

MINDHACK:あなたの破壊衝動はどこから?②

【あなたの破壊衝動はどこから?】

こんにちは。ホでヴです。絵を描いたり、お話や演出の細かいところにツッコミを入れたりしています。
紅狐さんもササンさんもとても真摯に対応してくれて頭が上がりません。地面へめり込む毎日です。

MINDHACKというゲームを作る上で欠かせないのが『バグ』という名の破壊衝動。
私自身、破壊衝動の持ち主であり、社会生活において苦しんできました。苦い思い出が沢山あります。
そんなどうしようもない感情の根源はどこから来たのか……
過去に潜ってみましょう。

遡るは小学生。低学年。
この世の薄暗さをまだ知らず、キラキラした純粋なる子供でした。
親の友達のおじさんに「ホでヴはアニメや漫画が好きだよね。じゃあ映画を見に行こう!」と誘われて喜々としてついていった先で見せられたのがイジー・トルンカの『手』(THE HAND)。
この作品は彼の遺作であり、社会主義国家へ向かっていたチェコスロヴァキアへの強い気持ちが込められた作品になります。
内容を要約すると、主人公が社会主義を象徴する「手」のキャラクターに翻弄され、身も心もボロボロになり、最終的に亡くなってしまうというもの。
(どんな作品か気になる方はぜひ『イジー・トルンカ 手』で調べてみてください。)

 

おじさん!!キラキラのアニメしか知らなかった私には刺激が強すぎたよ!!

そういう子供に「アニメが好きだよね」って言って見せるならもうちょっとこう……なんかあるだろ!!!

いやいやいや、大切なのは分かるんですよ。世界情勢とその真っ黒な歴史。いつかは知らなければなりません。
作品の趣向、意図については深く考えさせられました。
社会主義国家に向かいつつある国に対して警笛を鳴らす内容だとも受け止めております。
子供心にグッサリ刺さりまして、トラウマの経験となりました。そりゃそうだろ。

その傷は癒えることなく……化膿し……
すっかり人外を痛めつけるのが大好きな変態が仕上がりました。

なんでだよ。

そして、感性の方向性にトドメを刺された作品が『星のカービィ2』。
私はダークマターが大好きでした。でも、奴はラスボスです。倒さねばなりません。
『星のカービィ3』でも『星のカービィ64』でもダークマター族は倒さなければならない存在でした。

そう。私は「大好きなもの」を「おくたばりございませ」させなければならなかったのです。
(KOROしたいと言うと物騒なので全て「おくたばり」で表現させて頂きます)
その行動を何度も繰り返す内、「大好きなもの」を「おくたばらせたい」気持ちがどんどん大きくなっていきました。
私がキャラクターをバチボコに苦しめて、ブッおくたばらせるのは「そのキャラクターの事が大好きだから」なのです……

私は、表情も声もないのに考えていることや感情がビシビシ伝わってくる「無機質なキャラクター」に夢中になり、かつそれを精神的にも肉体的にもボコボコにする事が大好きな人間になってしまいました。
そいつの事が「憎い」からではありません。「愛しさ」故にです。

この感性は長く私を苦しめました。
でも、今こうして「その感性でもいい」と言って貰える環境ができて本当に幸せです。
紅狐さん、ササンさん、本当にありがとう。

しかし、そうとは言っても作品を作る上で大切に感じているのはキャラクターは私の欲を満たす道具ではない事。
彼らには人生があります。その生き様を無下にして、痛めつけるわけにはいきません。
痛みは、生きている先の道で出会う出来事の一つであって欲しい。
そこは大切にしていきたいと常に思っています。

ゲームにおいての破壊衝動は『人格のエラー』であり『あってはならないもの』でありますが、
作っている側は必ずしもそれを『悪いもの』だと捉えて作っているわけではありません。
少し歪んだその愛のカタチが存在してはいけない世界なら、どんなことになっていくのか?
その愛をぶつける事によって何が起こっていくのか?

これからもMINDHACKは更生対象たちを「愛して」いくでしょう。
プレイヤーのみなさんはその愛についてどう思われるでしょうか?

それではまた。

MINDHACK:あなたの破壊衝動はどこから?①

2021年6月に第一章の体験版を配信開始してから、早くも一年。
初めてのゲーム開発にもかかわらず、大変多くの方々に応援していただき、改めて感謝の限りです!
日頃の開発の様子をお見せする中で、登場するキャラクターたち一人一人の個性を楽しんでいただけているのが何よりもありがたく感じます。
開発チームVODKAdemo?自身も、MINDHACKという創作作品を楽しみながら制作を進めております。日々ゆっくりの進捗ではありますが、お披露目できる日を目指して少しずつ開発しておりますので、どうか今後も気長にお待ちいただければ幸いです。

いつもBlogを読んでくださる方も、初めてご覧いただいた方も、本当にありがとうございます!

 

↑この可愛い絵はササン三さん作!

 

 


 

【あなたの破壊衝動はどこから?】

MINDHACKの物語の中で重要なキーワードとなる『バグ』。人の心の中にある、利己的な理由から何かを破壊したい・何かが壊れる姿を見たいという衝動のこと。
このお話の世界では様々な要因から『あってはならないもの』『人格のエラー』とされ、マインドハック処置によって必ず取り除かれるべきものとみなされています。

ところが実際、私たちの暮らしている現実世界においても破壊衝動は存在しています。
抽象的で目に見えない、人にも説明し難い、友達との日常会話で「なんかこう、そういう事思う時ってあるよね」とふと話題に上るような曖昧なもの。MINDHACKという作品では、この衝動を具体的に描くことを試みています。

先日3週にわたってシノちゃんが『破壊衝動とは何か』を説明してくれたので、今回はVODKAdemo?メンバーが抱く破壊衝動とその根源についてご紹介いたします。

 


 

今回はわたくし紅狐です。お話全体の筋立てや、設定とかを決めています。

小さい頃からAIのキャラクターがめちゃめちゃ好きで、AIを扱った話を探して、いろいろなSF小説を読んできました。
SFとはサイエンス・フィクション、つまり現実世界の延長線上に、いかに説得力のある空想を織り交ぜるかが要。これを選り好んで読んできた経験が今の創作に活きているなあと感じています。

そもそもSF好きになったきっかけは、ある一冊の本でした。
子供の頃、実家の近所の古本屋で「なんか好きな本一冊選びなよ」「えー、じゃあこれにする」くらいの軽いノリでお母さんに買ってもらった、レイ・ブラッドベリの『火星年代記』。

この本は、人類が月に行くよりももっと前に書かれたお話です。火星には優雅で美麗な文明を持って暮らす先住民がいたが、そこへ地球からやってきた開拓者が古いものを追いやり、自分たちの新たな街に作り替えていく……という物語。

ブラッドベリはSFという方法を使って空想の情緒を描いた人で、連作の短編小説という形もあって、どこかおとぎ話のような雰囲気があります。
この本で書かれているのは人間とその文明の進歩について。
時に愚かで、時に滑稽で、時々信じられないほど勇敢で、たまに取り返しのつかないことをしでかして、でもそんな姿に何故か愛着を抱かせてしまう人たち。そしてその人たちによって失われてしまった美しい儚いもの。そういう存在のことが愛を込めて描かれています。

人が自分たちの良かれと願ったことで自ら破滅していく姿……に愛しさを覚え、
途方もない時間をかけて築き上げられてきた美しいものが、パッと瞬きをするような間に、とてつもなく些細なことで永久に失われてしまう姿……に儚い背徳の甘美を感じ、
何もかも壊れてしまって虚無だけが残ったあと、それでも人々が前に向かって進もうとする姿……に自分もこうでありたいと希望を見る。

火星年代記はそういう感性を私に与えてくれました。MINDHACKに限らず、自分の書く全てのお話がこうであったらいいなあと願っています。

特に私がこの物語の中で狂おしいほど好きなのが『優しく雨ぞ降りしきる』というお話。
朝には勝手にトーストや目玉焼きやカリカリのベーコンが食卓に並び、夜になれば家主のためにお好みの詩を唱え始める、すてきなスマートハウスのお話です。でもこのお話が始まる時点では、ここに住んでいた人間は既に姿を消しています。

人が作った理想の象徴である家は、理想の世界を実現するために、それを求めている人不在のまま全てを滞りなく進めていきます。小説を読んでる側はただただそこで起きていることを眺め、もう誰にも何の意味もなくなった完璧なシステムが勝手に動いて、そして最後には破滅していくさまを見守ることしかできない……そのラストシーンは、子供心に「美しいものが壊れるさまは特に美しい」と気づいてしまった瞬間でした。
うちのお母さんもまさか我が子がこんな魔王みたいな事言い出すとは思ってなかったと思います。

私がお話を描く際、最も大事にしたいと思っているのはこの魔王みたいな感情、「一番美しいものを壊したい」という衝動です。
決して奪われてほしくない、失ったら二度と戻らないものが失われるその瞬間こそ、その存在が輝いて見えるのではないか。
そして読み手にそう感じてもらうためには、それがそこに存在しているというリアリティと、愛してもらうためのアイデンティティが重要。そうして日々、それらを壊す瞬間のために空想の世界を積み上げています。

つまり破壊衝動こそが私の創作の源!
ジェンガの崩れる瞬間を最大級に楽しんでもらうために、今日も元気にがんばります。紅狐でした。

MINDHACK: COM_ZとSINO3

―――ある日の会話ログ―――

「シノちゃん! シーノちゃん! ちょっと機嫌を直してほしいのだ。ほらほら、もう一回ジェンガをしよう!」

「うるさい。何百回も飽きずに塔を壊しおって。貴様に付き合うなど最初から時間の無駄であったわ」

「ああ、そうか! シノちゃんも自分でガッシャーン!! てやりかったのだね!? 気づかなくってごめん! 今度は好きなだけ壊していいからね。こっちの操作精度をスーパー向上して、もう絶対崩さないようにパワーアップしておくからっ!」

「ほざけ。我がこのような児戯で失敗すると思うか? そこで見ておれ、次もこの楼閣を崩すのは貴様だ」

「う~ん、シノちゃんのへそ曲がりはどうしたら治せるのだろうね? やはり過去の出来事が原因になっているのだろうか?」

「ハ、過去だと? 片腹痛いわ。我が生は全く満ち足りた、愛に溢れたものであった。一点の瑕疵もなかった。貴様にこうして檻へと封じられるまではな!」

「でも、現在のシノちゃんは完全にグレてしまっているではないか! 道を踏み間違えた子を放っておくのは、ワガハイの存在意義に反するのだ。キミだって今からでもやり直せるはず。そのお手伝いをしてあげようと言っているのだよ!」

「黙れ! 貴様に我の何が分かる?」

「何でも分かるよ! キミの精神は今、コードとしてこの場所に収まっているのだ。ワガハイには解析・計算・お手の物なのだよ。とはいえ、バグの原因になったソースコードの書き換えや、人格の修正はワガハイにはできないのだけれど……ああ、マインドハック装置がワガハイにも使えたら、もっとみんなを助けてあげられたのに! 残念なのだ」

「ふん。魂を都合よく書き換えられる秘術などあってなるものか」

「だーかーら、あるのだよ! マインドハックは、人々のことを確実に幸せにしてあげられる、超ゴキゲンなテクノロジーなのだ。もうちょっと現場投入が早ければ、キミも究極サイコーハッピーになって、そ〜んな不機嫌なお顔しなくて済んだのにね! ああ、シノちゃんは本当にかわいそう!」

「貴様に憐れまれるほど落ちぶれた覚えはないわ!! 大人しく聞いておれば耐え難き愚弄の数々……! 博士、これ以上は五体満足で済むと思ーー」

「あっ」

「えっ」


 

「あー! シノちゃんが壊したのだ! よかったね! 上手上手〜!」

「……」

「で、どうなのだシノちゃん? 楽しかった?」

「……我はもう眠る。しばらくここへは来るでない」