MINDHACK:おててくらべ

画面を所狭しとアニメーションする先生の手については、たびたびブログでも取り上げてきました。しかし、実は先生の手以外にもこだわりが詰め込まれているのにお気づきですか?ここでは、本作に登場するキャラクターたちの手にフィーチャーしてご紹介していきたいと思います。

・ユーニッド

とにかくぶっとい。指がごん太いです。ギャングのキングですから、その手で数えきれないほどの悪漢を張り倒してきたのであろう……という説得力が出るデザインになっています。とにかくデカければいいという塩梅で、ほかのキャラクターにない、筋肉と脂肪のついた手がユーニッドの特徴です。

 

・イーヴリッグ

「気持ちよさ」を意識してデザインされています。つるん、スイスイッ……という、デフォルメされているけど美しい、というバランスを目指しました。腕から手首へのラインを常に意識しています。
茶色の指先は、ヤギや牛や馬などの爪(蹄)を人間の手の形へ落とし込んだデザインです。指が4本なのも動物をイメージしています。

 

・シノ

うん。まるいですね。以上。
……いやいや。確かに手のみで表情をつけることは難しいのですが、ポージングに気を付けています。比較的身体の中心部に手が置かれていることが多いのは、シノが警戒心を解いていないためです。同じポーズでも人間でいう顔のそばに手を置いているのか、腰のあたりに手を回しているのか、なんとなく想像がつくように心がけました。

 

・新米隊員

指が細くなりすぎないように意識しています。そしてキモは、指先の丸っこさ!まだまだ未熟な新米くんなので、無垢な赤ちゃんのような柔らかい指を表現しています。数々の困難を乗り越え、新米くんの手が太くがっしりした大人の手になる日は……来るのか!?

 

・隊長

新米くんとは対象的に、なるべく一本一本が細く、長くなるように描いています。いかにも華奢な手つきですが、アーマープレートの隠し刃など無骨なパーツとの対比も見どころですね。また優しい印象ではあるものの、意外と細かい作業は苦手そうな、隊長の人間臭い部分も手の表情で表現しています。

 

・COM_Z

MINDHACKでも最大級のおててです。COM_Zはアニメ的な表現のロボットですが、あくまで機械は機械。構造的に破綻のない描写に注意を払っています。硬い部分は硬く、柔らかい部分は柔らかく。タプタプした手のひらは人を傷つけないために設計されています。中はウォーターベッドのように粘性のある液体が入っていて、押すと一瞬へこみが残ったのちにゆっくり時間をかけて戻っていく形状記憶仕様です。腕枕してもらうときは手のひらに頭を載せるように心がけるといいでしょう。

 

・ヒューゴ

ご唱和ください。「クリームパンおてて」!!ヒューゴは宇宙飛行士ですが、イメージとしては「動きにくそう」「拘束衣のような」モチーフも取り入れています。実際の宇宙服はある程度自由に動けるのですが、ヒューゴはそれよりも不自由そうな、動きに制約のありそうなデザインになっています。そこで手も、細かい作業には向かなそうなふっくらおててになりました。

 

・先生

最も重要視しているのはフェチズム。フェチと言っても色々あって、例えば手袋のシワや爪の凹凸など写実性を重視するリアル志向のフェチも一つの方向です。一方、MINDHACKの先生の手はデフォルメされた、線の流れの気持ちよさを重視したフェチに寄せています。ここは、アニメーションの描きやすさなども勘案した結果の落とし所ですね。

 

キャラクターによって様々な手の描き方。皆さんの好みの手は誰でしょう?