月: 2026年3月

MINDHACK : 第六章クライマックス②

今回の記事では先週に引き続き、第六章の「とあるルート分岐」で見られるクライマックスシーンの制作裏をご紹介します!

 

本記事では第六章のネタバレを含むためご注意ください。

 

魔王ルートの終盤ではコマゴメだけでなく隊長も登場します。当初、このシーンではコマゴメが下にずり落ちた後、バックに一枚絵で止まった隊長が見える……という演出にする予定でした。そこでアートアシスタントのGuraiさんから頂いたのが、以下のようなポーズバリエーションのご提案です。


素晴らしい! どの案でも隊長の底知れない威圧感が表現されていますね。怖さでいうと案Cがいいし、刃が画面内に入っている案AやBも捨てがたいし……うーん、ここ一枚絵しか使わないんだよな……でも全部使いたいな……

 

そうだ!!! Guraiさんに全部描いてもらって、アニメーションとして動かそう!!

 

そこでアートスタッフのホでヴが作成したのが下記のようなアニメーションラフです。

 

ということで、ワガママを言ってGuraiさんにたくさん絵を描いていただきました! おかげで緊迫感がありつつも物悲しさも感じられるシーンができたと思います。ぜひ本編でも確認してくださいね。

 

ちなみに隊長の背後でびっくりしている中堅隊員は本編だとボカシがかかっていましたが、ちゃんと表情が描かれています。特別にぼかしのない状態をご紹介しましょう。

彼としては珍しい、かなり衝撃を受けた表情を見せてくれています。

 

2週間にわたり第六章魔王ルートのクライマックスシーンをご紹介してきました。ぜひ皆さんも、繰り返しゲームを遊んで鑑賞してみてくださいね。それでは!

 

ーーー

おまけ①。マインドハッカールートのコマゴメ立ち絵も描きおろしなので、ご覧ください。

本編でコマゴメがヘルメットを外したのは初めてですね(デザイン自体はスピンオフ漫画『がんばれ!HOTFIX』でも公開していました!)。

 

 

おまけ②。Guraiさんが納品データに添付してくださった絵が可愛かったです。

MINDHACK : 第六章クライマックス①

今回のブログでは、第六章の「とあるルート分岐」で見られるクライマックスシーンの制作裏をご紹介します!

 

本記事では第六章のネタバレを含むためご注意ください。

 

コマゴメがストーリー上でバグに侵されることは当初から決定されていたのですが、当該のシーンがどのような演出になるかはしばらく未定でした。

 

アイデアのきっかけになったのが、2022年ごろ広報担当スタッフのササン三が何気なく描いたこちらの落書き。

気まぐれで描かれた絵だったのですが、「生死を彷徨う状況でティッシュを求める」という何ともいえない間の抜け方がいかにも彼らしい感じがしてチーム内で好評となり、実際の演出に取り入れられることが決定しました。

 

魔王ルートのクライマックスシーンは、アートアシスタントのGuraiさんのご助力を得て制作されています。上記のアイデアを取り入れながらアートスタッフのホでヴがGuraiさんにお渡しした指示書がこちら。

とても……大らかな図ですね! お願いしたのは、バグが発現しかかってデバッグルーム手前のガラスに張り付いているコマゴメと、そのコマゴメを斬り伏せて立っている隊長の図(プラス、「え〜?」となっている中堅さん)。

 

Guraiさんに磐石の信頼を寄せて指示書をお渡しして返ってきたラフが、こちらです。

Guraiさんの素晴らしい解釈により、とても迫力のある構図が仕上がってきました! A~Cのバリエーションを提案していただき、ホでヴが実際に流れを組み込んだラフが次のようなかたちです。

 

 

いかがでしょうか? かなり緊迫感のある差し迫ったシーンになってきましたね。そしてこれらの下書きを清書したのが実際のゲームに採用されたムービーです。ぜひもう一度本編を観てみてくださいね。

 

5年間ともに走り続けてくれたコマゴメが主役となるシーンだったので、魂を込めて制作しました。次回ブログでは、引き続きクライマックスシーン後半の制作裏をご紹介します!

MINDHACK : 第六章立ち絵ギャラリー②

MINDHACK第六章配信から早くも1ヶ月が経過しました! 皆様、ゲームは楽しんでいただけたでしょうか?

 

すでに第六章を遊んでいただいた方はご存知かと思いますが、このエピソードは選択肢によって2つの展開に分岐します。

 

今週の記事では「より破壊的な選択肢」を選んだルートで見られる立ち絵をご紹介。クライマックスの忘れられないイラストをぜひじっくりとご鑑賞いただければと思います。

 

今回の記事には、以下の要素が含まれています。

  • うつ病
  • 精神疾患
  • 自殺の描写

これらの表現は、一部の方に強い不安を想起させたり、フラッシュバックの原因となる可能性があります。

メンタル面の不調を抱えているかたは、本記事の閲覧について十分に注意してください。

 

 

 

 

 

欠片を持つ

バグの欠片を手渡した瞬間の立ち絵。一連のイラストは、実際に厚紙で三角形のモックアップを作成してポーズを検討しながら製作しました。クライマックスシーンの開発中は、ずっとアート担当スタッフのデスクに三角が落ちていたのが印象深いです。

 

試行錯誤


コマゴメが自力で自決しようとしているシーンです。彼の不器用さがにじみ出ていますね。多分、その持ち方と角度では上手くいかないんじゃないかなあ……

 

諦め

コマゴメが自力での自決を諦めるシーン。彼に限らずMINDHACKは表情の見える登場人物が少ないのですが、コマゴメも限られた顔のパーツで感情の動きが分かるように工夫されています。

 

煩悶

引き続き、自決に失敗したコマゴメのシーン。表情だけでなく身振りやポーズも感情を伝えるうえで重要な要素です。コマゴメがかなりダイレクトに心情を吐露する場面なので、台詞に負けないポージングを何度も検討しました。

 

要請

先生に助けを乞うシーン。強張った手の甲の筋で、切羽詰まった感情を表現しています。この時点では右手で欠片を持っているのもポイントですね。

 

身体操作①

「GRAB KNIFE」。ここから先は先生がコマゴメの身体を操っているので、どこか力の抜けたようなポージングが特徴です。

 

身体操作②

「MOVE UP」。何気なく欠片を握っているようですが、握り具合はかなり検討を重ねました。少しの角度の違いで緊張感の度合いががらりと変わってしまうんですよね。

 

身体操作③

 

ここでもっとも重要な立ち絵が3枚目の、力ない笑顔のイラストです。

生まれも育ちも境遇も全部
まともなあなたに、俺のことが
わかってたまるかってんだ

この台詞のために表情が設計され、そこに至るまでの流れが計算されたといっても過言ではありません。

 

身体操作④

「SHUTDOWN YOURSELF」。ゲーム中では一瞬しか映らない立ち絵です。文字通り致命的なシーンですが、あくまで最低限の表現でショッキングさを演出できるように調整しました。

 

 

いかがだったでしょうか? 本編では怒涛の勢いで展開されるイラストも、よく観察すると新たな発見があったのではないでしょうか。ぜひゲームをもう一度遊んで、味わってみてくださいね。それでは!

MINDHACK : 楽曲紹介19 / SCUMBAG

不定期更新、『MINDHACK』楽曲紹介のコーナー! こちらの記事では、『MINDHACK』の楽曲制作をご担当いただいているトラックメイカー・小鉄昇一郎さんに、本作に収録された楽曲の紹介と解説をしていただいています。この記事を読めば、『MINDHACK』の音楽の世界がもっと分かるかも!?

サウンドトラックはこちらで販売中です。

ということで今回解説するのは、こちらの楽曲!

 

今週の1曲:SCUMBAG

 

・VODKAdemo?より

新米隊員ことコマゴメのテーマその2です。冒頭は「SUKIMA」を直接的に引用していますね。聞き慣れたフレーズから激しいノイズに至る展開に、驚いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。開発チームの中でも「ここまでショッキングな楽曲を本編に組み込んでいいのだろうか?」と議論しましたが、やはり楽曲の魅力を信じてもっとも衝撃的なシーンで採用することになりました。様変わりしてしまった日常を象徴するテーマとして、忘れられないトラックになったと思います。ちなみに楽曲名の「scumbag」は「卑劣な人間、最低なやつ」というような意味合いですが、これは英語版でコマゴメが「悪人」を指すときに使っている表現です。

 

・小鉄さんより

当初の発注で「WHY ARE YOU HERE?」のために作ったいくつかのデモのうち、「WHY ARE YOU HERE?」としては採用されなかったものの、その前奏のような形で、別枠として採用されたのがこのトラックでした。

ノイズを取り入れた楽曲は『MINDHACK』のトラックには多いと思いますが、その中でも、これはかなり「ノイズ」に振り切ったトラックではないかと思います。ノイズとひとくちに言ってもいろいろな種類ありますが、ここではグリッチによるデジタルなノイズを音圧高めに生成して、心臓に悪いざわざわとした感触を目指しました。とはいえ、ゲーム音楽として、耳に痛い音域などは削りつつ、聴くに耐える範囲を意識しながら作っております。

余談ですが、同じノイズでも、カセットテープの「サー」という音、あるいはレコードの「プチプチ……」という音などは、ノスタルジックで、温かみのある印象ですよね。逆に、エラー音やグリッチのようなデジタルなノイズとでは、冷たく攻撃的な印象で、同じノイズでも聴き手に与える印象が変わるのが面白いと思います。一方、グリッチが表現として登場してからすでに20年以上経って(音楽の分野では、グリッチを取り入れたテクノみたいなのは90年代末からあります)今はグリッチ的なデジタルなノイズも、ノスタルジーの対象になっているのではないか?と思わせるような音楽や作品が、近年は増えている気がします。

 

 

 

楽曲は公式サウンドトラックにも追加されました! ぜひ聴いてみてくださいね。

 

今後のアップデートで追加される楽曲もお楽しみに。それでは!

 

【小鉄さんの過去の楽曲解説】

THE OFFICE(オフィスのテーマ)
HAPPY HACKING(ハック中のテーマ)
SOFTENED SPIKE(ウニを丸めたテーマ)
MINDHACK(記憶のテーマ)
THE STAIRS(タイトル画面のテーマ)
THE ARTIFICIAL PLACENTA(FORMATのテーマ)
READY TO TASK(ホットフィックスのテーマ)
FAR FROM CITY LIGHT(ユーニッドのテーマ)
GREETINGS, BUTTER KNIFE…(イーヴリッグのテーマ)
IF THOU ART HUMAN(シノのテーマ)
HA HA HA(第3章ハック中のテーマ)
THE ARTIFICIAL HUMANITARIAN(COM_Zのテーマ)
GUILTY PLEASURE(第4章ハック中のテーマ)
REVEAL(第3章会話テーマ)
PEOPLE CHANGE(第4章会話テーマ)
THE FATAL ERROR(魔王のテーマ)
TELEFAMILIA(ヒューゴのテーマ)
WHY ARE YOU HERE?(コマゴメのテーマ)