月: 2022年4月

MINDHACK:楽曲紹介09

1ヶ月にわたってMINDHACKの楽曲を紹介する本コーナー!今回も作曲家・小鉄昇一郎さんのコメントとともに、トラックをお届けします。今週は、我らがキャビネットの曲!

【今週の1曲】

 

・VODKAdemo?より

更生対象にとって、基本的にマインドハッカーは敵対するもの……ですが、イーヴリッグにとって、マインドハッカー(主人公)は敵ではなく、同じ人類を救おうとしているライバルです。『ずっと噂に聞き及んでいたラップバトルの対戦相手が満を持して現れた、さあかかってこい、お前の力を見せてみろ』という態度で登場します。

彼は『僕の信じてる神様はまじで最高にカッコイイ』『そのカッコよさの前にはお前含め全人類がひざまずくべき』『だから僕と僕の神様が勝つ』という圧を放っています。しかし、主人公にとっては相手の主張する神の何がどうカッコイイのか、全く何もわかりません。相手の主張する謎のカリスマ性だけが暴れまわっているイメージです。

イーヴリッグは実は、豪雪地帯の出身です。そのため、雪深い場所の陰気なファンタジーっぽさのあるフレーズをイントロに入れてみてもらいました。

・小鉄さんより

E.D.M.はエレクトロニック・ダンス・ミュージックの略……って打ち込みで作ってる曲なら他も大体そうだろ!だろ!だろ…というツッコミもむなしくエコーしつつ、今までMINDHACKで登場したどの曲よりもハデ派手ギラギラのEDMになっています。

製作中、一部の声ネタに「ここの部分だけもう少し高いトーンで、何か甲高い声で訳分からないことを喚いてるようなイメージで…」という修正が入り、そのイメージに合いそうな声ネタを新たに探したんですが、探してみると尺的にもはまりそうなのが意外となく、急きょ自分の声を録音して使いました。甲高い声で喚いてる奴……と言えばアニメ『美味しんぼ』の富井副部長しかいないですよね。ということで富井副部長のモノマネを録音しその声を使いました。

1ヶ月強続いてきた小鉄さんの楽曲紹介も、今週で一区切りとなります。数々の楽曲とともにMINDHACK本編も楽しみにしていてくださいね!(サントラもいつか出るよ!)

【小鉄さんの個人ページ】
https://kotetsu-shoichiro.com/
https://twitter.com/y0kotetsu
https://www.tunecore.co.jp/artists/Kotetsu-Shoichiro

MINDHACK:楽曲紹介08

1ヶ月にわたってMINDHACKの楽曲を紹介する本コーナー!今回も作曲家・小鉄昇一郎さんのコメントとともに、トラックをお届けします。今週は、ウニです!

【今週の1曲】

 

・VODKAdemo?より

ゲーム最初に対峙する更生対象『ユーニッド』が登場する際の楽曲です。

彼はストリートギャングのボスで、ビジュアルも言動も刺々しくガタイもでかい・うっかり目を合わせたら誰でも即座に逃げ出すような威圧感を持っています。

この曲がかかるのは、『そんな彼と主人公が対峙することになった、さあ相手は一筋縄ではいかなそうだけどこれからコイツに立ち向かっていくぞ、どうしてくれようか』というシーンです。ユーニッドは若いストリートギャングなので、曲調はアーバンなピアノやシンセ・声ネタを混ぜ込んで、ふだん街に生きている人っぽい雰囲気を出してもらいました。

曲全体のイメージは騒がしい街という感じですが、その中に「今、自分は街の中にいない。独りで寂しく遠くにいる」と思わせる郷愁のような雰囲気のフレーズが挿入されています。

・小鉄さんより
具体的にキャラクター(役?)がまずあって、そこにテーマとして曲と作るという、いわゆる「あて書き」的な曲作りというのがMINDHACKの音楽制作においてはユーニッドの曲が初めてだったんですけど、ユーニッドのキャラクター(不良、ナイーブな若者、ストリート風…)がわかりやすいのでアイディアは出しやすかったと思います。

ここ10年くらいのアメリカのヒップホップは、世相を反映してか、暴力的ながらも内向的・破滅型のラッパーによる非常に暗く悲しい曲のヒットが目立って、例えば人気ラッパーのリル・ウージー・ヴァートによる2017年のヒット曲”Xo Tour Llif3″のフック(サビ)
“Push me to the edge, All my friends are dead(端に追いやられていく、友達は皆死んでしまった)”というフレーズとか、暗いな~こんな暗い曲が流行るんだな~と思うんですが(好きな曲ですが)この曲の悲しい感じはちょっとだけユーニッドのテーマで意識しています。「沈める寺」ほど具体的じゃなく、凄くフワッとした、自分の中での「感じ」の部分で……。

 

来週は、先日の配信で初お披露目となった第2章の曲をご紹介します。お楽しみに!

【小鉄さんの個人ページ】
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MINDHACK:楽曲紹介07

1ヶ月にわたってMINDHACKの楽曲を紹介する本コーナー!今回も作曲家・小鉄昇一郎さんのコメントとともに、トラックをお届けします。今週は、ホットフィックスのテーマともいうべきあの曲!

【今週の1曲】

 

・VODKAdemo?より
先生のオフィスを出た後に必ず通ることになる、廊下のBGMです。オフィスの「日常の業務を閉じこもって過ごす場所」である穏やかな安心感と対比して、廊下では「これから悪党と対峙するぞ、さあ作戦会議だ」という感じの、若干緊迫感のある楽曲として依頼しました。

主人公を警護するホットフィックス隊は、厳しい訓練を積んだものしかなれない特殊な警備部隊です。廊下のBGMはホットフィックス隊のイメージテーマでもあるため、「特殊部隊が出動する前の作戦会議・ブリーフィング」という雰囲気を意識してもらいました。
ただ、消防士やスーパーヒーローの出動のような勇壮さではありません。あくまでも、ホットフィックス隊は「指令さえあればどんなことでも淡々と冷静にやるプロフェッショナルたち」というイメージです。

廊下で展開されるのは深刻な場面ばかりではなく、ときにはちょっと抜けたシーンが見られる場所でもあります。作戦会議のイメージではありますが、シリアスすぎず、施設で働く人たちのありふれた日常の業務、という側面も意識してもらいました。
『訓練を受けた特殊部隊のプロフェッショナルたちが、オリジン弁当を食べながら気だるげに午後の任務についてすり合わせをしている』くらいの雰囲気をお願いしています。

・小鉄さんより

「(あまり士気のない)下級兵士たちの定例的な作戦会議のようなイメージで」というような発注だったと思うんですけど、そのコンセプトが面白いなーと思った記憶があります。

ベースもシンセも、この頃買ったYAMAHA reface DXというFM音源シンセを使って作りました。コードが半音ずつ上がっていって、緊張感あるけど掴みどころのない響きも好きな要素です。シンセファンクとかシンセブギーとか呼ばれる、自分の好きなジャンルに近い感じの曲調なんで、楽しんで作った曲ですね。

 

ちなみに「廊下」の楽曲として、小鉄さんは2パターンを作ってくれました。そのもう1パターンが、現在「すきまトークのテーマ」として使用している音楽です。フルートの音が印象的な、実家のような安心感の曲ですね!

 

来週はいよいよ、更生対象のテーマについてです。いったい何ニッドなんだ!?乞うご期待。

【小鉄さんの個人ページ】
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MINDHACK:楽曲紹介06

1ヶ月にわたってMINDHACKの楽曲を紹介する本コーナー!今回も作曲家・小鉄昇一郎さんのコメントとともに、トラックをお届けします。今週は、不思議な音声が印象的なあの曲!

【今週の1曲】

 

・VODKAdemo?より
デバッグルームに入ったときに流れる、FORMATのテーマです。彼女はバグ取り専門のAIであり、人間の精神をスキャンしてバグの有無を見る能力を持っています。主人公にとっての最高の、またバグの脅威に怯えているこの世界にとっての神のような存在です。

FORMATは主人公の母親的存在で、主人公にとっては近くにいることが分かると安心する、絶対的な存在です。『母親』というモチーフを暗喩するように、女性が遠くで何か囁くような声を入れてもらうようにリクエストしました。母親の胎内で佇んでいると遠くから囁き声が聞こえてくる、それは母親が子供に優しく語って聞かせるような声である、というイメージです。

 

・小鉄さんより

ささやくような声は、もともとは普通に英語のフレーズなんですが、それを逆再生したり切って繋いだりして言葉としての「意味」が出ないように気をつけました。それでも何かしら空耳的に意味が聞こえるような気も……「この中から最初に見つけた熟語3つが今あなたが一番欲しているものです」みたいなクイズ?がよくSNSでありますが、耳にもそういう現象があるんじゃないかと思います。あるのか?

 

FORMATの楽曲には、ここでは語られていない隠されたテーマもあります。それはまたの機会に。どんな物語が込められているのか、想像してみてくださいね!
来週も元気にマインドハック!

【小鉄さんの個人ページ】
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MINDHACK質問コーナー

LIVE配信中に質問コーナーを設けたので、その回答をまとめました。
ライブのアーカイブはこちらです。
たくさんの方に来て頂いて、本当にありがとうございました!

 

Q. グッズの予定はありますか?
A. リリースできたらいろいろ考えていきたいと思ってます!

Q. 先生の手袋のスペアって何組くらいありますか?
A. 先生の手袋のスペアは1週間毎日違うやつをつけられる程度あります。

Q. 可能でしたらブラパのメンバーの年齢の順番を知りたいです。
A. ブラパメンバーの年齢は、最年長から

エイ
サメ
ユーニッド、フジツボ
ヒドラ、アサリ
(くらげ)
クラゲ
カメノテ
魚骨
(さめ)
たもちゃん

※( )しているのはメンバー外の人
ウニとフジツボ、ヒドラとアサリはだいたい同じくらいです。

Q. 作中世界の治安の悪さ知りたいです 。
A. 地域によって変わりますが、大分悪いです!

Q. マインドハックの世界ってアメリカと日本の文化が混ざった感じなんですかね?
A. マインドハックの世界の文化はファンタジーな感じで捉えていただければと思います。

Q. ウニくんのピアスは自分で買ったものですか?
A. ウニのピアスは自分で買ったものだそうです。サメの牙のネックレスも自前。ピアスは何種類かあるらしいぞ!

Q. 新米くんの、おにぎりで好きな具を教えて欲しいです!
A. 牛カルビ

Q. コムちの性別はどっち寄りですか?
A. コムちの性別はないしょ♡

Q. 「御礼参り」回で腕を折られたモブの種族は?
A. ヤツメウナギ

Q. COM_Zの身長
A. 150cmくらいです(また後ほど、全員並んでいる身長表にまとめます!)

 

MINDHACK:配信告知&楽曲紹介05

いきなりですが、お知らせです!
明日4月3日12時より、VODKAdemo?のホでヴがお絵描き生配信をおこないます。配信中は、コメントにてイラストのリクエストを受け付け。MINDHACKやBloody Paellaのキャラクターをホでヴがリアルタイムで描いていきます。

全年齢向けの配信となりますので、過度なエロ・グロを含むリクエストはお控えいただければと思います。公共の場という意識をもってご参加いただければ幸いです!また、「隊長のフードの中」「イーヴリッグの箱の中」などもお答えできません。トップシークレットだからね!

ちなみに配信のなかでは、2章のどこかで流れるBGMや、2章以降に登場する予定のキャラクターもチラ見せするかも……!?お時間の合う方は、ぜひ遊びにきていただけると嬉しいです!

会場はコチラ!ホでヴ – Twitch

* * *

早いもので、アップデート版体験版を公開してから1か月以上が経ちました。New体験版の見どころの一つといえば、新規に追加された楽曲群!もちろん、今回も作曲家の小鉄昇一郎さんにトラックを制作していただいています。新たに追加された音楽についても、特別にコメントをいただきました。4月の間は、楽曲を1曲ずつご紹介していくのでお楽しみください!今回は、ゲームの幕開けを飾る楽曲をお届けです。

【今週の1曲】

 

・VODKAdemo?より

『MINDHACK』は扱う題材がシビアなため、タイトルメニュー画面では穏やかでゆったりとしたピアノ曲で、プレイヤーを安心させたいと考えました。

初めてこのゲームをプレイする人には「怖いところじゃないよ、リラックスしてね」というウェルカム感を、物語を読み進めている人には「穏やかだけど、その美しさが逆に恐ろしい」と感じさせるような、ぞっとする優しさを出してほしいとリクエストしています。

マインドハック施設は、作中では悪人の魂を浄化する聖域のような場所とされていますが、人間の精神の在り方を容赦なく否定する恐ろしい場所でもあります。その入口であるタイトルメニュー画面には、ある種の神々しさ(ふつうの人間には理解の及ばない超越した優しさ)、『天国の入口のお花畑』という感じの雰囲気を意識してもらいました。

 

・小鉄さんより

MINDHACK制作チームの皆さんから最初に渡されたタイトル曲としてのイメージやテーマ、またゲーム全体設定や世界観から、何となくドビュッシーの「沈める寺(La cathédrale engloutie)」を連想したので、同曲の、ピアノの力強い打鍵、それでいて和音の響きは浮遊感のある曲調をかなり意識しました。

ちなみにこの文章を書くにあたって調べたのですが「沈める寺」という曲は、5世紀ごろからフランス・ブルターニュ地方のケルト民族に伝わるイスという町の伝承(不信心の戒めに水没したイスの町の大聖堂は、時おり海の上に幻として蘇り、鐘を鳴らし、合唱し、しかし幻であるが故に最後までミサをやり遂げることが出来ず再び海に消えていく)を元にしているそうです。音楽を作っている私はMINDHACKの物語が最終的にどうなるのかを今の時点では知らないのですが、何となくMINDHACKには(イスの町の伝説のような)神話や伝承の中の、儚く不条理な展開をイメージしています。

 

4月は小鉄さんの楽曲とともに新年度を迎えていきましょう!
来週も元気にマインドハック!

 

【小鉄さんの個人ページ】

https://kotetsu-shoichiro.com/

https://twitter.com/y0kotetsu

https://www.tunecore.co.jp/artists/Kotetsu-Shoichiro