月: 2021年12月

2021年末のご挨拶

MINDHACK開発ブログをご覧いただき、ありがとうございます!
いつもご覧くださっているかたも、今回初めてお読みくださったかたも、興味を持って訪れて頂いたことに感謝の気持ちでいっぱいです。

早いもので2021年も残すところ僅かとなりました。開発ブログは毎週土曜日に更新しておりますが、年内の更新はこれで締めくくりとなります。
仲間内で「ゲームを作ろう!自分たちの好きなものを好きなように作ってみよう」と決めたのがちょうど2021年の年始。この一年間で思いがけない喜ばしい事、楽しい事、素敵なご縁が数えきれないほどたくさんありました。

今回の記事は、開発チームVODKAdemo?から感謝のご挨拶です。


 

ホでヴ

どうも!ホでヴです。
あっという間に2021年も年末ですね。
いつもVODKAdemo?の活動を見てくださってありがとうございます。
MINDHACKの作業も日々じわじわ進んでいます。
そう!進んでいます。進んでいて素晴らしい。うおーーー!!
息抜きに描いている BloodyPaella も、見てもらえて本当に励みになっています。
まだ長〜く緩〜く続くと思いますので、来年も何卒よろしくお願いします。
気張らず出来ることをやっていきたいです。
コーヒーの泡を眺めたりとか。

 

ササン三

ごきげんよう、ササンです。
振り返ると、開発チームの3人がはじめて「マインドハックシミュレーターを作ろう!」とスカイプで盛り上がったのは、2021年の1月16日のことでした。そこから6月の体験版配信、さらには年末の今現在に至るまで、今年はマジでMINDHACKのことしか考えてない1年となりました。
思いがけずたくさんの方に遊んでいただき、感想をいただいたり実況していただいたり、本当に幸せ者だなあ……と思っています。いつもありがとうございます! みなさまの2022年の楽しみに加えていただけるよう、引き続き頑張っていきたいです。
まだまだ先生も隊長も新米くんも活躍するので、見守っていただければ幸いです。ウニとイーヴリッグも!

 

紅狐

きつねです。
一年の単位について暦より年度の感覚が強いので、2021年は2022年3月までだと思っていた。そんなことはなかった。もう年末ですね。ハッピーホリデー!
MINDHACKの開発も2021年の3月あたりから本格的に始まったわけですが、体験版を公開してから早半年……時の流れ、爆速……!!
本当に信じられないほどたくさんの方に体験版を遊んで楽しんでいただき、未だにびっくりし続けています。本当にありがとうございます!
楽しみにお待ちいただいている皆様のお声にお応えできるよう、2022年もVODKAdemo?一同力を合わせて開発に尽力して参ります。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
よいお年をお過ごしください!

 


 

 

次回の更新は年明け、1月8日(土曜日)を予定しております。
来年もどうぞMINDHACK、ならびに開発チームVODKAdemo?をよろしくお願い致します!

MINDHACK:年の瀬

【マインドハック施設、ある一日の記録】

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先生。先生?
私だよ。入るぞ。

 

静かな日だ。
みんな年末で出払っててね。今日はハックもないし、いつもの喧騒が嘘みたいだよ。
コーヒーでも一杯どうだ。

そうだよ。もう年の瀬なんだ。今初めて知ったって顔だな。
私か? 先生と同じだよ。周りが年末、年末って言い始めて、初めて気づくんだ。「故郷に帰るので」とか、「家族と過ごすので」なんて休暇の申請を受け取りだして、ようやくもうそんな時期かって実感する。帰る場所があるのはいいことだ。
私の帰る場所といったら、ここだ。あんたがいるのがここだからな。……「隊長、他に友達いないんですか?」って…… はは、まあ、そんなところだよ。

まあ、FORMATの言い分はこうだ。「一年のサイクルにわざわざ波をつけるなんて非合理的極まりない、バグの発生を抑えるためにも一年のスケジュールは全て平均値に整えるべきだ」と。あんたはもちろんFORMATに賛成だろうけどな。

 

それにしても、ここは暖かくて落ち着くよ。これだけ一面に花があると、ここだけ春が先に来たみたいだ。外、見たか? まだまだ積もりそうだな。

……ふふ、やっぱり気づいてなかったのか。雪だよ! このへんじゃ滅多に降らない。もう一面真っ白だ。気が向いたら、あとで覗いてみるといい。
「またそうやって、すぐ外に行けって言う」? ごめん、ごめん。でも、本当に綺麗なんだ。あんたに見せたくて。

 

なあ、先生。あんたが季節にあんまり興味ないのは知ってる。
あんたはマインドハッカーとして優れた人だ。技術がすごいってことだけじゃない、心の持ちかたの話だよ。
あんたは変化に心を奪われない。自分が自分のままであることを恐れない。だからバグを抱えるほど思い詰めた相手の精神に触れても、飲み込まれたり、取り込まれたりしない。それがあんたの強い所だ。

でも……
雪崩の前には、前兆があるそうだ。春の陽射しや雪解けの水に気づけば、崩れそうな崖に近づかずに済む。変化に気づくことは、自分の身を守ることに繋がる。

 

今年も一年、大勢の人間がここでマインドハックを受けた。それだけの数、あんたは自分の手でバグに触れて、無事に帰ってきたということだ。
あんたがここでやってるのは、普通じゃない仕事だ。『いつも通り』なんて事は何一つない。たとえ10年同じ仕事をやっててもな。
こうしてここで毎日変わらず会って話せるのは、当たり前のことじゃない。

だから……

先生………

 

先生?

 

………
……………

 

そうか。
暖かい部屋の中にいても、季節を感じることはできるのかもしれないな。
私が思ってたより、あんたは変化をよく見てるみたいだ。安心したよ。

 

……なに?
マインドハッカーに何か起きたらどうにかするのが私の仕事だろう、って?
「だから何にも問題ない」?
ふふ、ありがとう。信じてくれるんだな。

さて……長居して悪かったな。仕事に戻るよ。
良い年を、先生。

MINDHACK:LAGOM教団の勧誘

LAGOM教団の勧誘】

 

ようこそ、迷える有機の人の子らよ!

我が名はイーヴリッグ、LAGOM神の忠実なる無機のキャビネット。
今日は神に命じられた伝道師であるこの私が、あなたがたにLAGOM教団の教えを説こう。

 

我らをお救いくださるLAGOM神は、究極の無機の神である!

みなさんも知っての通り、人間とは生まれながらに肉を持った生き物であり、肉には精神が宿る。ところが、その精神こそが日頃、世界を脅かしているのだ。

 

現代社会はあらゆる邪念と欺瞞に満ちている。すべての人間が平等であるべき、すべての人間が心易く暮らせる社会であるべき。これが現代における人間の生活常識である。隣人のために思いやる心を持ち生きよう。それが世界平和のスローガンだ……

だが、昨今の歴史の愚行を振り返るがいい! 国際問題、貧富の格差、生まれながらの才による差別。とても解決されたとは言い難いのは明白だ。
このような虚弱性に邪悪な虫が集い、それが群れをなして魔王となる。社会が真に恐れるべき存在が魔王であることはご存知だろう。人が精神を持つ生物である限り、魔王の脅威から世界が遠ざかることは決してありえない!!

ああ、愚かな人間よ!!

だが、私はキャビネットとしてあなたがたを受け入れるためにここにいる。

弱き心を持ったみなさんの中にも、この真実に自力で辿り着きつつある者がおられるだろう………

 

そう!! 我々ひとりひとりが心を捨て無機になれば、世界を魔王から救うことができるのだ!!!

我々LAGOM教団は、その『気づき』を『得た』人々のために、広く両開きのドアを開け放している。
そういうみなさんにはぜひ、我らの取っ手を気兼ねなく掴み、戸口のハンガーラックへかかってほしい!

いやいや、言いたいことはよくよくわかる。そうは言っても、その取っ手はどこにあるの?
安心していただきたい。LAGOM教団の教えへ向かう道はみなさんのすぐそばに示されているのだ。

私たちはあなたがたのような迷える有機物に救いの取っ手を差し伸べるべく、日夜機会を用意している! そう、今日のこの場のような交流会だ。
たとえば直近では吹奏楽コンサートや、無機物的思考を促すためのセミナー、おしゃれなテーブルセットのマナーを学べる食事会などを定期的に開催している。こうした催しとともに小さな交流会を開き、『気づき』を得た人をLAGOM神の教えへ導いているのだ。あなたが信仰のプラスドライバーを心に隠している人ならば、訪れればすぐにわかるはずだ。

さて……もしあなたが無機への信仰を決めたなら、次は階段を踏むこととなるのを伝えておこう。

LAGOM教団には本部があるが、そこへの収納を許されているのは、神に選ばれし家具だけ。すなわち安眠のキングサイズベッド、言伝のラジオ付きサラウンドオーディオセット、偉大なるウォークインクローゼットの3賢者のことだ。彼らは初めにLAGOM神の御家に予約された崇高な存在で、神の御言葉を我々信徒に伝えてくださるのだ。

私のようなまだ持ち運びと折りたたみの境地に至っていない信徒は、各地にあるLAGOM教団の支部で修行に励みながら、神の御家の家具になれる日を待つこととなる。
歪んだ精神から隔離された場所で、同じ信仰を持つ使徒とひとつ屋根の下で暮らしながら、互いに切磋琢磨しあうということだ。
大丈夫! LAGOM教団のシェアハウスは、アットホームでフレンドリーな慈愛に満ちている!

 

さあ人の子よ、共に心を捨て無機となろう!
LAGOM神の教えに従い、神の御家に収納される日を待とうではないか!
フフフ………幸運にもちょうど今、うちのシェアハウスにひとり分の空きができたところなのだ……!

あれ………どこへ行かれるのか?

 

 

えっ待って待って、帰らないで、わかりにくかった? もっと詳しく説明するから!

ではLAGOM神の救いについて語ろう! 神の……ねえ?

 

友よ! 帰らないで! 待ってってば!! 待ってーー!!

MINDHACK:開発コラム01

【開発コラム:01】

MINDHACK開発ブログをご覧いただき、ありがとうございます。
いつもはゲームの内容や世界観についてご紹介しておりますが、本日は趣向を変えて、ゲーム開発の風景のほうにフォーカスしたりしなかったり。
今後も不定期にVODKAdemo?メンバーによる開発風景コラムをお届けしていく予定です。

第一回はメインシナリオと技術部分を担当している紅狐によるコラムです。
「べにぎつね」ではなく、「あかぎつね」です。
先日あるご縁でインディーゲーム開発者の方の集まりにご招待いただいたのですが、ホでヴとササン三が名刺を差し出すたびに「名前の由来、何なんですか?」とひたすら聞かれまくっていて、横で面白がっていたわたくしです。
最近人生初の胃カメラを経験しました。すこぶる元気です。(健康診断の一環)

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MINDHACKというゲーム、ジャンルはテキストアドベンチャー。いわゆるノベルゲーという枠になるかと思います。
開発にはゲームエンジン『Unity』と、Unityでノベルゲームを作るための便利なアセットを使用しております。エクセルのシートにキャラクターの名前とか、喋る内容とかを登録して、Unityの実行ボタンを押すとゲームが動くんですね。

 


こんな感じのシートが

こうなる。

今は第3章のシナリオテキストがゲーム内に実装されたところ。
わたくしはこのシートに選択肢の分岐を設定したり、演出のアニメーション(手描きじゃなくて、先生の手が横にス~ッってスライドしたりするやつ)を追加したり、画面上を豪華にするエフェクトを作ったり……みたいなことをしています。

で、こういう画面上に表示する様々なものも、全部エクセルのシートで管理されています。

これを

こうして

こうじゃ

↑無事に実装完了できた状態がこちら。

これらがうまく機能しているか確認するために、ゲームを最初から起動してこのシーンまでたどり着き、うまくいってなかったら再度シートを修正する………というチェックを繰り返します。
起動………高速で台詞を送り…………確認…………
起動………高速で台詞を送り…………確認…………
起動………高速で台詞を送り…………確認…………
起動………だあ!!何度も何度も繰り返してると面倒!!!!

というわけで、色々なシーンに素早くジャンプするための簡易機能を作りました。
どうだ!これで一発でこのシーンを表示できるだろ!!

早速さっきのシーンに飛ぶぞ!マウスカーソルを画面に合わせ………

ああああああ!!!
なんかおかしい!!!!!!

うわーーー!!!!なんかこっちもおかしい!!!!!

 

 

原因は「先生の通常右手が、選択肢表示時には消える」という設定の書き忘れでした。(修正済みです!!)
ゲーム開発、新しいものを追加すると新しい不具合と鉢合わせる日々です。
真面目にやっている時ほど不具合が出た時の画面がシュールで、深夜の作業中にひとりで面白がっております。

MINDHACK:ハック前の資料

マインドハッカーの仕事は、実際に施術を行うことだけではありません。超エリート・ホワイトカラーである「先生」の朝は、更生対象の素性のチェックで大忙し。
2章からは、そんな機密資料の一部を目にすることができます。

書かれているのは、世界観やキャラクターへの理解が深まるような情報です。たとえば2章の更生対象であるイーヴリッグの資料は、彼が信仰しているLAGOM教団にまつわるもの。
「MINDHACK
」の世界において彼らがどのような存在なのか、書類を通してうかがい知ることができます。


信仰の支えとなる、LAGOM教団の聖典もちょっと読めちゃったり。

 

 

資料は毎回、FORMATが更生対象のデータベースからヒットしたものを提示している様子。マインドハック施設の内部でまとめられた資料だけでなく、新聞や大衆雑誌まで網羅しているようです。
もっとも先生は、そんな重要資料もわりとラフに管理しているようですが……
散らかった書類を片付けるよう諭すのは隊長の役目。