不定期更新、『MINDHACK』楽曲紹介のコーナー! こちらの記事では、『MINDHACK』の楽曲制作をご担当いただいているトラックメイカー・小鉄昇一郎さんに、本作に収録された楽曲の紹介と解説をしていただいています。この記事を読めば、『MINDHACK』の音楽の世界がもっと分かるかも!?
サウンドトラックはこちらで販売中です。
ということで今回解説するのは、こちらの楽曲!
今週の1曲:WHY ARE YOU HERE?
・VODKAdemo?より
新米隊員ことコマゴメのテーマです。深刻な精神的ダメージを負った彼の心の傷をイメージしてほしいと小鉄さんにリクエストしました。オーダーの際に参考にしたのがハーシュノイズという音楽のジャンルです。その名の通りハーシュ(耳障り)なサウンドが特徴で、攻撃的な音使いがコマゴメの自責傾向を表現してくれそう……と思ったのですが、まんまTHE・ハーシュノイズだとやかましすぎるため、バックグラウンドミュージックとして最低限成り立つレベルを探っていただきました。その甲斐あって、ゲームを効果的に彩る鬱屈としたカッコいい楽曲になりました!
・小鉄さんより
「SUKIMA」(日常シーンのテーマ)と何らかの関連があった方がいいんじゃないかということで、クラップ(手拍子)とコード進行の並行移動が「SUKIMA」と共通しています。
途中から出てくるホワイトノイズは、「IF THOU ART HUMAN」でも使った技法ですが、人間の叫び声に聴こえるようにフィルターで加工しております。フィルターで加工というとTikTokみたいですが、シンセサイザーの音作りで、音の高域をどれくらい出すかを調整する「弁」をカットオフといい、このフィルターを開けたり閉じたりすると、音が徐々にこもっていきます。
と、文章で書いてもいまいちピンと来ないかもしれませんので、フィルターの働きを簡単に把握する方法があります。まず、イヤホンで音楽を再生しながら、そのイヤホンを口に含み、唇を開けたり閉じたりすると「シュワシュワ……シャカシャカ……ショコショコ」と音の具合が変化するかと思います。フィルターとはこの唇に似た働きです。「ザーッ」というホワイトノイズは、フィルターの具合で人間の叫び声っぽくなる瞬間があります。イヤホンを飲み込んでしまった場合は、とりあえずBluetoothを切りましょう。
依頼のメッセージには「精神的に深いダメージを負った彼の心境を表すような、ハーシュノイズをモチーフとしてほしい」とあり、もともとノイズ・ミュージックを作っていた自分にとっては、ワクワクする曲作りでした。この手の実験的な音楽、特に激しい音のものは、聴いている間よりも、それが終わったあとの無音の時間の「はっ」とする感覚が面白いと思っていて、なので「WHY ARE YOU HERE?」にも「音楽的な無音」のつもりで、音がないパートを入れております。
楽曲は本日、公式サウンドトラックにも追加されました! ぜひ聴いてみてくださいね。
今後のアップデートで追加される楽曲もお楽しみに。それでは!
