MINDHACK : 楽曲紹介18 / WHY ARE YOU HERE?

不定期更新、『MINDHACK』楽曲紹介のコーナー! こちらの記事では、『MINDHACK』の楽曲制作をご担当いただいているトラックメイカー・小鉄昇一郎さんに、本作に収録された楽曲の紹介と解説をしていただいています。この記事を読めば、『MINDHACK』の音楽の世界がもっと分かるかも!?

サウンドトラックはこちらで販売中です。

ということで今回解説するのは、こちらの楽曲!

今週の1曲:WHY ARE YOU HERE?

 

・VODKAdemo?より

新米隊員ことコマゴメのテーマです。深刻な精神的ダメージを負った彼の心の傷をイメージしてほしいと小鉄さんにリクエストしました。オーダーの際に参考にしたのがハーシュノイズという音楽のジャンルです。その名の通りハーシュ(耳障り)なサウンドが特徴で、攻撃的な音使いがコマゴメの自責傾向を表現してくれそう……と思ったのですが、まんまTHE・ハーシュノイズだとやかましすぎるため、バックグラウンドミュージックとして最低限成り立つレベルを探っていただきました。その甲斐あって、ゲームを効果的に彩る鬱屈としたカッコいい楽曲になりました!

 

・小鉄さんより

「SUKIMA」(日常シーンのテーマ)と何らかの関連があった方がいいんじゃないかということで、クラップ(手拍子)とコード進行の並行移動が「SUKIMA」と共通しています。

 

途中から出てくるホワイトノイズは、「IF THOU ART HUMAN」でも使った技法ですが、人間の叫び声に聴こえるようにフィルターで加工しております。フィルターで加工というとTikTokみたいですが、シンセサイザーの音作りで、音の高域をどれくらい出すかを調整する「弁」をカットオフといい、このフィルターを開けたり閉じたりすると、音が徐々にこもっていきます。

 

 

と、文章で書いてもいまいちピンと来ないかもしれませんので、フィルターの働きを簡単に把握する方法があります。まず、イヤホンで音楽を再生しながら、そのイヤホンを口に含み、唇を開けたり閉じたりすると「シュワシュワ……シャカシャカ……ショコショコ」と音の具合が変化するかと思います。フィルターとはこの唇に似た働きです。「ザーッ」というホワイトノイズは、フィルターの具合で人間の叫び声っぽくなる瞬間があります。イヤホンを飲み込んでしまった場合は、とりあえずBluetoothを切りましょう。

 

依頼のメッセージには「精神的に深いダメージを負った彼の心境を表すような、ハーシュノイズをモチーフとしてほしい」とあり、もともとノイズ・ミュージックを作っていた自分にとっては、ワクワクする曲作りでした。この手の実験的な音楽、特に激しい音のものは、聴いている間よりも、それが終わったあとの無音の時間の「はっ」とする感覚が面白いと思っていて、なので「WHY ARE YOU HERE?」にも「音楽的な無音」のつもりで、音がないパートを入れております。

 

楽曲は本日、公式サウンドトラックにも追加されました! ぜひ聴いてみてくださいね。

 

今後のアップデートで追加される楽曲もお楽しみに。それでは!

 

【小鉄さんの過去の楽曲解説】
THE OFFICE(オフィスのテーマ)
HAPPY HACKING(ハック中のテーマ)
SOFTENED SPIKE(ウニを丸めたテーマ)
MINDHACK(記憶のテーマ)
THE STAIRS(タイトル画面のテーマ)
THE ARTIFICIAL PLACENTA(FORMATのテーマ)
READY TO TASK(ホットフィックスのテーマ)
FAR FROM CITY LIGHT(ユーニッドのテーマ)
GREETINGS, BUTTER KNIFE…(イーヴリッグのテーマ)
IF THOU ART HUMAN(シノのテーマ)
HA HA HA(第3章ハック中のテーマ)
THE ARTIFICIAL HUMANITARIAN(COM_Zのテーマ)
GUILTY PLEASURE(第4章ハック中のテーマ)
REVEAL(第3章会話テーマ)
PEOPLE CHANGE(第4章会話テーマ)
THE FATAL ERROR(魔王のテーマ)
TELEFAMILIA(ヒューゴのテーマ)