MINDHACKの特徴のひとつ、場面場面でよく動くアニメーション。
特に主人公である「先生」の両手は、画面に常に映り込んで存在感を主張しています。
手しか見えないという制約の中でも「いる」感を出すためには、アニメーションによる彩りが不可欠。
しかし、全部の絵を手描きのセルアニメーションにするとなると、MINDHACK開発チームの絵を描く係の人・ホでヴの負担がとんでもないことになってしまいます。
↑めちゃくちゃ豪華にフルセルアニメーションを使っているシーン。
これはステーキでいうとシャトーブリアンくらい贅沢!! 毎日食べたら破産しちゃう!
手で1コマ1コマを描きおろすのがセルアニメーション。
これに対して、「プログラムに指示して絵と絵の間を補完してもらう」のがキーフレームアニメーションです。
↑これがキーフレームアニメーション。
「位置XXXから位置YYYまで動け~~~」とプログラムに頼んで、1枚の絵を動かします。
どちらにもいいところがあり、MINDHACKの開発においては、セルアニメーションとキーフレームアニメーションを組み合わせて効率的に画面を豪華にしています。
たとえば、先生が作中でたびたび披露する指パッチン。
これ、実はもとになっている手の絵は2枚!
この2枚を、位置や回転を調整しながら紙芝居のように表示すると、こうなる。
パカパカッと。
これだけでもかなり動いているように見えますが、まだちょっと「絵が2枚」感が出てしまっていますね。
そこで、ちょっと味付け。
映像編集ソフトAfterEffectsの、一枚の絵をちょっとだけ変形する機能『パペットツール』で、指の開き具合をちょいちょい……
こんな感じに。
ついでにパッチン感を出すために、ちょっとしたエフェクトも作って……
こちらが味付け後の完成品。あー、いいですね。
このように、実際の絵素材の枚数を抑えながら動きもリッチに見えるよう、様々な工夫をこらしています。
絵が2枚のパカパカ感を感じさせないコツは、「余韻」です。絵が切り替わった瞬間の動きをピタッと止めずに、少しだけでも動いた余韻が残っているように見せるのがポイントです。指パッチンの場合は指先の動きを少しだけ追加して、さっきまで指先擦ってました~感を出しています。
余韻といえば、イーヴリッグのLAGOM神に捧げる大暴れも、実はもとの絵は2枚。
キーフレームアニメーションで間に「ぼよんっ」という縦の動きを追加して、より激しいヘッドバンギングに見せています。
なるほどねー。
それではまた来週!