日: 2022年2月12日

開発日記

ごきげんよう、ササンです。ハンドルネームの由来はササン朝ペルシアです。

今月配信を予定している体験版アップデートに向けて、細かい作業を詰めているところです。テキストでは細かな表現以外の修正はありませんが、代わりに演出面などを紅狐やホでヴが強化していってくれています。

ところで、今回のバージョンを出すにあたって絶対に直したいと思っている箇所がありました。みなさまはゲーム中にお気づきになったでしょうか。

ハック完了後書類の、

ここ。

四角いスタンプの枠部分が、画面下のUIに重なって欠けてしまっているんですね。う~~~~~ん迂闊。些細なポイントですが、気づいてしまえば気になって仕方がない。これはぜひ次回の体験版で直したいところです。ということでチャチャっと枠線をズラしてやりたいところなんですが、問題が浮上しました。

元データがない!

そういえば昨年、PCに液体をこぼしてぶっ壊したんでした。大体のデータはチーム共有バックアップに入ってて無事だったんですが、よりによってこの書類データだけは保存し損ねていたようです。ということは、書類データを改めて作り直すしかありません。

重い腰を上げて作業を始めたものの、さっそく問題にぶつかりました。それは、フォントの問題。MINDHACKは、英文字に関していろいろなフォントを使っています。たとえばタイトルは「DIN2014」。

ロード画面はFuturaなど。

ところがこのHACKEDスタンプだけは、上記2つのフォントではありませんでした。何て名前だったか全く思い出せない。PCにフォントのファイルが残ってる形跡もありません。困った。

ネット検索は万能に見えて脆弱です。「単語」「言葉」が分かっている対象については如何様にも検索しようがありますが、今回のように「見た目はハッキリ分かるんだけど、名前は……」というケースにめっぽう弱い。仕方ないのでフォントのライブラリから「サンセリフ(ウロコとかヒゲがない、つるっとした文字)」で調べてみたんですが、検索結果は785件。ななひゃく!その後も「アールデコ」とか「近未来的」とかそれっぽいワードで絞ろうとしたのですが、目当てのフォントは見つかりませんでした。

やむを得ず、新しいフォントで近い印象のものを探すか……となっていた矢先、有力な情報をつかみました。みなさまは「Adobe Capture」というアプリをご存じでしょうか。

こちらは、ざっくり「デザイン系に役立つ機能がたくさん入った便利アプリ」という具合です。手書きのイラストをスキャンしてデータにしてくれたり、撮った写真から色を分析してテーマカラーを見つけてくれたり、プロも使えるお役立ち機能がいろいろ入っています。

で、Adobe Captureには「文字」という機能があるんですね。これが何かというと、テキストを写真に撮ると、文字を抽出して、該当するフォントを検索してくれる!便利すぎない!?ということで、先ほどのHACKEDもさっそく分析にかけてみました。元の画像がやや暗いこともあって初めはなかなか認識してもらえませんでしたが、何度かトライしてると……ようやく文字を認識してくれました!

F*CKなんて言ってないですけど!?

なぜか認識結果はわんぱくになってしまいましたが、いくつかフォントが絞られました。このなかでも、「A」「Y」の形状が特徴的な「Arya」が一番近そうですね。決定!みなさまもハックなスタンプを作りたいときは、ぜひ「Arya」をご活用くださいね。新バージョンのスタンプはより擦れを表現したり、位置を調整したり、地味にいろいろいじってある予定です。お楽しみに。

ついでなので、制作初期に考案していた別のフォントバージョンも置いておきます。「手書きっぽいバージョン(あくまでスタンプなのでボツ)」と、「超ハッピーバージョン(ハッピーすぎる)」がありました。このフォントも可愛いのでいつかどこかで使いたいなあ。