日: 2022年12月24日

MINDHACK:映像による演出改善

きつねです。日頃はフリーランスの映像デザイナーをしています。

ここ1年のゲーム展示イベントへの参加等で、ゲーム業界で活躍されている方々とお近づきになる機会が増えました。大変にありがたいことです!
クリエイターとして所属する土地というかクラスターというか輪っかというか、場所が変わると触れる情報も大きく変わるんだなぁと実感して時々しみじみしています。
具体的には、ゲーム業界のコミュニティに参加したらめっちゃゲームの作り方の情報が流れてくるようになった。餅は餅屋とはまさにその言葉通りだなあ。

1年前は「ゲームってどうやって作るんだ……???」と調べた時に自力で見つけ出せる情報はごく僅かだったのですが、ここしばらくで先輩ゲーム制作者の方々からいろんなツールやアセットを教えていただきスゲー!! こんな便利なやつがあるんだ!! と目から鱗を巻き散らしています。

作る立場になってから初めてその便利さを実感する、というかゆいところに手が届くツールもあり、こういう細かい拡張キットとかは映像制作ツールにも料理用具にも似てるなと思います。
「スパゲッティ茹でるときにデカいざるに揚げるとデカい洗い物が増えて大変」と思ったときに「鍋の端にくっつけることができる超コンパクトなざる」が有志によって既に用意されている、みたいな経験をずっとしている。

それはそれとして、「一番最初に手探りで選んだものが、自分にぴったりだったことに後から気づく」という現象もよくよくあること。
今日はそんなお話です。

 

MINDHACKの開発に使っているビジュアルノベル制作アセットでは、動画ファイルをそのままゲームの中に組み込むことができる。
「お話がここにさしかかったら映像を再生してね」という命令をシナリオの中に書いておくと、そこで自動で動画を画面に出してくれるんですね。
私は本業が映像デザイナーなので、この機能が非常にありがたい!

ゲームエンジン(Unity)の中にも「映像編集ソフトみたいにゲームの中でカットシーンを作れる機能」があるんですが、プログラミング経験の短い私にはまだまだ使いこなせる幅が狭い。
例えるなら、『カレーの作り方には10年選手の自信があるが、知らない人んちの冷蔵庫とキッチンを借りて作らねばならず、道具も材料も何がどこにあるのかさっぱりわからん』という状態。

これが、動画ファイルをそのまま入れられる場合『家の使い慣れた器具と材料でカレーを作って、持ってきてそのまま振る舞える』ことになり、10年選手の味をより気軽にお届けできるわけです。
『このタイミングでみんなにカレーを振る舞ってくれ』と指示するプログラムも、自分で書くよりはるかにスマートに、しかも扱いやすく用意されている! 本当にアセットさまさまです。

というわけで、MINDHACK本編でも「ここもっとカッコよくしたいなー」というシーンでは、積極的に動画ファイルを使って演出を強化しております。

たとえばこれ。

以前までのバージョンでは「静止画を一瞬表示する」ことで主人公の脳裏によみがえるフラッシュバックを表現していたのですが……

 

動画ファイルに差し替えることで、よりその臨場感を強調しました。

 

 

こんな感じでキネティック・タイポグラフィ的な要素も取り入れつつ!
※キネティック・タイポグラフィとは「なんか文字がシュッと出てきて動く、ミュージックビデオの歌詞とかのアレ」のこと

あんまりやりすぎると処理が重くなったりゲーム本体の容量がどんどん大きくなってしまうため、使い過ぎには注意しつつ。
Unityこと人んちの冷蔵庫とキッチンについても学びながら、既に自分の持っている技術を活かして色々模索中です。

 

さてさて、2022年内のMINDHACK開発ブログは本日が〆となります!(12月31日の更新はお休みです)
今年もさまざまなことがありました。皆様はどんな一年を送られたでしょうか?
4月6日のアーリーアクセス版リリースに向けてVODKAdemo?一同尽力して参りますので、来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
ハッピーホリデ~~!