――とある大衆紙より抜粋――
本誌は今号で創刊100号を迎える。これほど長い歴史を築いてこられたのも、ひとえに各地の読者兼調査員の諸君のおかげだ。感謝の思いを込めて、今回は過去のマガジンで好評だった3件の記事を再掲しよう。これを振り返って、今年も現世に潜む怪異と恐怖に備えてほしい。
恐怖! 発火超能力の悪夢
先日都市部ハイウェイで起こった大火災を覚えているだろうか。多くの被害を出し、今も現場には火の手が残した生々しい傷跡が見られる。この件、公には交通事故によるもの……として報道されている。
しかし賢明な読者諸君は、これがカバーストーリーであることを見抜いているだろう。では本当の事実は何だったのか? そう、超能力だ。
「パイロキネシス」という能力をご存じだろうか? 自由自在に炎を操ることができる超能力の一種で、人類が火を手にしたきっかけもパイロキネシストの祖先によるものだと学会で広く信じられている。
残忍な犯人は、人類に希望の灯を与えるための力を恐ろしい惨劇の引き金にしてしまったのだ。報道によれば事故を引き起こした犯人がマインドハックを受けているとされているが、もちろん身代わり。本物のパイロキネシスの使い手の行方は今も……分からない。
怪奇! 仮面に写る鏡の悪魔
現役大学生が引き起こした恐怖の猟奇殺人事件。その影に潜むもの、それは……霊界の狂気。
「ミラーさん占い」をご存じだろうか? 鏡に向かって「ミラーさんミラーさん、お答えください」と呪文を唱えることで、霊界に住む存在とこの世を繋ぎ、何でも願いを叶えてもらえるという呪術だ。
一見何のリスクもなさそうに見えるおまじないだが、実はこのメソッドには大きな危険がともなう。儀式の手順を間違えると、霊界のミラーさんに意識をのっとられてしまうというのだ。
もし手元に新聞があったら、逮捕された際の犯人の顔をよく見てほしい。鏡面仕上げの鉄仮面を被っているではないか? そこに写るものが果たしてこの世の存在だったのかどうかは……誰にも分からない。
出現! 血を啜る奇獣
複数の資料に見られる、10年前の特A級バグ掃討作戦の闇……人の形をとった影法師が、市民を襲ったという言説。その正体を編集部が突き止めた。彼のものの真の名前は、「カプッチョル」。地域で300年前に目撃されたという吸血怪獣だ。
カプッチョルは農耕を営む村人の家屋に現れては、煙のような体を活かして忍び寄り、首筋から血を啜って殺したという。そのカプッチョルが、特A級バグ掃討作戦の現場に再来したのだ!
一説によれば、影法師に襲われたものは無残にも四肢を削がれた状態で発見されたという。カプッチョルがその切断面からおいしそうに血を吸い取るさまは想像に難くないだろう。そして、10年前に見られたカプッチョルがその後どこへ消えたかは不明。もしかしたら今も、都市と都市の狭間に……あるいはあなたの背後に、潜んでいるかもしれない。
いかがだっただろうか? この世は科学で解明されている以上に未知と奇怪であふれている。今後も本誌だけが知っている「真実」から目を離さないようにしてほしい。それでは次号でお会いしよう!
