かわいそロジー原案集

ごきげんよう、ササン三です。

最近MINDHACKの進捗報告がメインで個人ブログは久々ですね。MINDHACKにいつも反応くださる皆さま、ありがとうございます!一同めちゃくちゃ励みになっております。見てるぞ。

で、今日はMINDHACKではなく。先月頒布しました、『かわいそロジー』の話でございます。改めてその節は、たくさんの方にお手にとっていただきありがとうございました!

再販予定についてですが、今後【BOOTHにて電子書籍版の頒布】を予定しております。準備ができしだい告知いたしますので、今しばらくお待ちいただければ幸いです。

で、この本なんですけど、参加者3名で「原案を交換」して執筆したものになります。せっかくなので今回は完売御礼もかねて、お互いが出し合った原案の内容をご紹介します。本編と見比べてみてね。

 

『望郷』
紅狐:原案小説&キャラデザ→ササン三:漫画

原案小説はこちら

(紅狐さんからコメントもらいました)
きつねです。時々かぎという名前で小説を書いてます。『つらく・しんどく・美しい』をモットーに創作をしております。

この『望郷』という話は、当初アイデアがぜんぜん出てこず何がいいかな〜何がいいかな〜……とだいぶ頭を抱えて煮詰まっていたのですが、他のおふたりから「墓荒らし」「宇宙」というキーワードをもらった瞬間炸裂的にプロットが完成し、正味30分であらすじを書き上げたのでした。

もともとは『死者や去ったものへの愛着を知らない男が、ひどい目に遭って他者から無理やりその念を植え付けられ、知らない故郷への望郷の念に苦しむ』というメンタルショック系かわいそう話だったのですが、ササンさんに『イケてる人工知能を相棒にしてくれ』と頼んだら、なんかすさまじく大変なことになって帰ってきました。まさかあのプロットがこんなにもド刺さりド性癖ウルトラ供給になって帰ってくるとは……………………………(最高)

アンソロ発刊後のある日、おふたりが「デュランタは液体燃料を鍋の出汁にして周囲に振る舞う」とか言い出した時はまじでサイコーの友達を持ったなと思いました。

(ササン追記)
最初にもらった話がエモすぎたので、最初はキャラデザを頑張って写実的な人間にしようとしてました。行き詰まったので紅狐さんに助けを求めたら、上記のめちゃくちゃ可愛いデザインが送られてきたのでああいった仕上がりに。液体燃料鍋はクリムチの奢りだしカシオも食わされた。

 

『クリームチーズとアーモンド』
ホでヴ:原案ネーム→紅狐:小説

クリムチサンやばい話は、もともとホでヴさんのネームから始まりました。もとは漫画にしようと思って描き留めてあったそうです。ノリとしては結構軽くて、クリムチの3分間クッキングって感じですね。この時点ではシリアルじゃなくて、シリアルの残った甘汁に白米をぶち込んだものを食わせてる。正気か?スニータが悶絶してますが、どんだけ苦しんでも顔シンプルなところが笑えますね。なにげにオカリナ登場もこの時から示唆されてました。

原案はコミカルめなネームでしたが、紅狐さんの手でスーパー胃の痛いシリアス小説になりました。別名、実写版Killing Weapons。普段はカワイめの絵でえげつないことしてるKWの人たちが、文章にすると緩和剤なく陰惨な有り様になってます。ホでヴさんも、ギャグ調のネームから濃厚な雰囲気のある描写に昇華されたことに感動したそうです。ビニール張りの部屋サイコー。ビニール張り、神。イェ〜〜〜〜イ

映像カットとして浮かんできそうな描写は、原案ホでヴさんも執筆紅狐さんも映像畑で働いてる人だからかもしれないですね。血濡れたイヤ〜〜〜〜な雰囲気が終始充満する話となりました。後書きにも書かれてましたが、スニータがアーモンドアレルギーになったのは紅狐さんの独断だったとのこと。クリームチーズに合う食べ物を考えてるときに思いついたそうです。

ちなみにクリームチーズ・スーパーおざぶ・スニータの生前の関係はまだ公式発表されてませんが、おおむね「クソボンボン・敏腕仕事人・部下のチンピラ」という感じです。それぞれ何で地獄に落ちたのか気になるところですね。自明か。

 

『FRIDAY NIGHT』
ササン:原案キャラ設定→ホでヴ:漫画

これについては申し訳ないことをしたといいますか、ササンからはキャラ設定だけホでヴさんに渡しました。ストーリーは全投げしました!ごめんね!

カシオとマシューは、去年の冬くらいからキャラ設定だけ存在していた連中です。「人間を切るのが好きな奴と、そいつに肩入れしてるせいで切られる羽目になる奴」という内容。存在はしていたんだけど、我ながら身もふたもない設定すぎて持て余していて、一生日の目を浴びることはないだろうと思ってました。

が、ホでヴさんがすごく丁寧にキャラクターを汲み取って、育て上げてくれました。設定しかないデク人形だったのが生きてる人間になった……本当にすごい。2人の勤務先から住んでる部屋の間取りまで決めてくれて、生活の香り漂う話にしてくれました。あとマシューは最初、飄々とした設定だったんですが、ホでヴさんの手で立派な情緒不安定になりました。

ちなみに「マシュー」という名前は見た目の直感で決めました。相方の名前を考えるときにどうしても「カシューナッツ」という単語が離れなくて、少し文字って「カシオ」になりました。そばに電卓があったからね。2人とも、気候が温かな架空の国に住んでいます。カシオとマシューの話はまだまだ続けたいので、折を見て描いていければと思います。

 

以上となります。改めて本の内容をお楽しみいただく一助となれば幸いでございます。